今回、アッキーこと坂口明子編集長がおすすめするのは京都の牛若商事のネットショップ「お肉ミュージアム オーロックス」のお肉。1933年（昭和8年）創業の老舗食肉卸会社が3年前から個人向けにオンライン販売を開始。全国のホテル、一流レストランに卸される高品質の肉がリーズナブルな価格で味わえます。取材スタッフがその品質と味の秘密を牛若商事株式会社代表取締役社長の森村義幸さんに伺いました。

牛若商事株式会社 代表取締役社長の森村義幸氏

―御社は昭和の初めに創業されたのですね。

森村　はい。私の祖父が1933年（昭和８年）に森村兄弟社として創業、1947年に牛若商事として分離独立し、近江牛枝肉の販売などを手掛けました。1950年代からホテル、レストランに納品を始め全国的な納入業者としての地位を確立しました。今でも売り上げの9割以上がホテル、レストランへの納入で、一般のお客様への販売は京都本社内の店舗のみで売り上げは全体の1～2％ですね。

―2019年にネットショップを始めたのはどうしてでしょう。

森村　当社の商品はほとんどが業務用で、一般の消費者様の声を聞くことが少なく、マーケティングリサーチをしたいと立ち上げました。また、ネット上に“仮想店舗”を作っていろいろなことを試したいと思いました。ですから牛肉にこだわらず懇意にしている会社が扱うオマールエビなどの販売もしています。近々、牛をテーマにしたキャラクターグッズを製作して販売するなどして牛に関心を持っていただけたらと思っています。正直言って儲けは二の次でしたが（笑）、おかげさまでお客様の反応があり手応えを感じています。

―ネットショップの店名がオーロックス。どういう意味ですか。

森村　オーロックスはすでに絶滅している伝説の野性牛で、アンガス牛、和牛などすべての肉牛、乳牛を含め、家畜化された牛の祖先であり原種です。ヨーロッパ、アジア、北アフリカの大草原や森林地帯など広範囲に生息していましたが、約1万年前から家畜化されました。当社は牛の原点の名前を店名にして、ネットショップも初心からスタートしたいと思いました。オーロックスという名前はゴロがよくて言いやすいというのも理由ですね。

冷凍便で届けられ、賞味期限は1か月。
木目調の専用化粧箱で届けられる。

―冷凍で届けられるのですね。

森村　はい。当社では数年前から急速冷凍する機械を投入し、新鮮なままの牛肉をお届けしています。
今現在で最新鋭の冷凍機械を導入しているので、おいしいまま安心してお召し上がりいただけます。梱包にもこだわりました。木目調の化粧箱に入れてお届けするので、目でも商品を楽しんでいただけると思います。ギフトでお送りするときも品格ある雰囲気があり贈り先の方に喜んでいただいています。

「近江牛のしゃぶしゃぶ・すき焼き用牛肉」500gで¥10,000。
サシが細かく入った最高級の牛肉。

近江牛のすき焼き。
口の中で溶けるようなおいしさが堪能できる。

―今回ネットショップの商品の中から2商品を紹介させていただきます。「近江牛のしゃぶしゃぶ・すき焼き用牛肉」の特徴は？

森村　当社は近江牛指定販売店として出発していて近江牛にはこだわり、じっくりと肥育した認定近江牛を扱っています。飼料、育て方まで生産農家さんと連携して大事に肥育しています。「近江牛のしゃぶしゃぶ・すき焼き用牛肉」は近江牛の脂がきめ細かく入ったリブロース肉を使用、甘味のある脂が口の中でとろける感覚を味わっていただきたいと思います。

上・サイコロステーキ300g、下・カルビ牛肉400g
計700gで¥1,200とリーズナブル。

―もう1つの「焼肉・ステーキセット」ですが700g入って¥1,200。この価格は間違いではないですか？

森村　間違っていません（笑）。業務用を転用しているためと、仕入れがうまくいっているために格安でお届けできています。当社は長年アメリカ産牛肉を輸入していて、その功績で父である先代の社長はアメリカ農務省・米国大使館から「アメリカ農産物の殿堂入り」を受章しています。この商品は赤身肉のサイコロステーキ肉と、霜降りが入ったカルビ牛肉2種類の盛り合わせです。味の違いを楽しんでいただければと思っています。

―おいしく食べるにはどうしたらいいでしょう。

森村　焼肉やステーキで食べてください。サイコロステーキ肉で丼にしてもいいですね。味つけはソース系でもいいのですが、アメリカンビーフはトウモロコシを主体にした穀物を飼料にして肥育されているので意外に醤油がよく合います。焼いてさっと醤油をかけて食べるのもおいしいですよ。

低脂肪、低カロリーですっきりした
アメリカンビーフの味わいを楽しむサイコロステーキ。

カルビ牛肉を焼いて味つけし、
サンチュで巻いてサムギョプサル風に食べても。

―試してみます。御社の今後の展望があれば伺いたいです。

森村　長く牛肉卸の仕事をしてきました。消費者の方に申し上げたいのは牛肉を大切に食べていただきたいということです。私たちは牛の命をもらって食べ、血や肉に換えて命をつないでいます。今は食べ放題の店や激安店なども多く、私も仕事上、それらを否定できませんが、それは命の乱売になりかねません。私はそういうことを理解した上で、牛を大事においしく食べていただける方に牛肉を売っていきたいと思っています。牛肉卸の仕事をしている私がこのようなことを言うのは矛盾しているかもしれず、うまく伝わるかわからないのですけれど……。牛の命をいただいていることから目を背けてはいけないのではないかと思います。今後は子どもたちに牧場見学をするなどしてもらって命のことを伝える活動をしていけたらと思っています。

―その通りですね。

森村　人は食べなくては生きていけないので食べ物を扱う仕事は夢のある仕事だと思っています。当社はみな真面目な性格の社員ばかりなので、社長である私は遊び心を持ってですね（笑）、これからも自由に楽しんで仕事をしてもらえる会社を作っていきたいと思っています。今回は肉のことだけでしたが、まだまだ話したいことはたくさんあるので、またお話させてください。

―わかりました。またお話、聞かせてください。

「近江牛すきやき・しゃぶしゃぶ用リブロース肉」（500g）
価格：¥10,000（税込）
店名：牛若商事「お肉ミュージアム オーロックス」
電話：075-311-2983（9:00～14:00 水・日・祝日・年末年始・夏期休暇を除く）
定休日：オンラインでのご注文は24時間365日受付
商品URL： https://aurochs-2983.com/item/oumi_loin_sukisyabu.html
オンラインショップURL ：https://aurochs-2983.com/

「焼肉・ステーキセット」（アメリカ産牛カルビ肉400g、アメリカ産サイコロステーキ用牛肉300g）
価格：¥1,200（税込）
店名：牛若商事「お肉ミュージアム オーロックス」
電話：075-311-2983（9:00～14:00 水・日・祝日・年末年始・夏期休暇を除く）
定休日：オンラインでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://aurochs-2983.com/item/us_yakiniku.html
オンラインショップURL ：https://aurochs-2983.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
森村義幸（牛若商事株式会社 代表取締役社長）

1969年8月19日京都生まれ。日本ハムが開設した「ニッポンミートアカデミー」で研鑽。卒業後は某量販チェーンで流通のノウハウを体得。改めて家業に入り専務・副社長を経て、2019年（令和元年）11月8日代表取締役社長に就任。現在に至る。

＜文・撮影／今津朋子　画像協力／牛若商事＞