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ノルマンディー名物のふんわりオムレツをイメージ。誕生30年、ふわりと優しいチーズケーキ「マダム・ヨーコ」

2022/09/27

大阪府羽曳野市にて創業しまもなく60年、ふわふわのどら焼きのようなチーズケーキ「マダム・ヨーコ」がヒットし、フランス菓子、パンの店として愛されてきたフラワー。近年は農作物の栽培にも力を入れ、幅広く食の幸せを提供していこうという動きに、アッキーこと坂口明子編集長も注目しています。株式会社フラワー 代表取締役兼ファーマーシェフの植松太施(ふとし)氏に、ヒット商品誕生のきっかけや今後についてうかがいました。

株式会社フラワー 代表取締役兼ファーマーシェフの植松太施(ふとし)氏
株式会社フラワー 代表取締役兼ファーマーシェフの植松太施(ふとし)氏

―お祖父様が菓子店を?

植松 祖父母は和菓子の製造販売をしていました。長男が店を継ぐのがあたり前のような時代でしたが、当時の和菓子店といえば、慶弔の饅頭を作ることが多く、急な注文に応じるため寝る間もなく働くこともあったので、父の勝は同じお菓子でも洋菓子の世界に進み、1963年にフラワーを開業しました。

―当初はお花の「flower」で、現在は小麦粉の「flour」?

植松 創業の時に、有名なデザイナーの山田崇雄さんがこちらがいいとおっしゃって……。ブランドカラーを黄色にされたのも山田さんです。当時関西では黄色は黄白、不祝儀ととられることがありましたが、これからの時代は違うからとおっしゃったそうです。父は父でこだわりがあって、後になって小麦粉のflourに変えて今に至ります。そして、私は私でここ数年の間に花のほうに戻してリブランドしようと考えているんです。

―植松社長は和菓子にも洋菓子にも親しんでこられたのですね。

植松 家の奥に工場があり、両方食べて育ちました。そばには社員寮もあり、子どもの頃はよく社員さんに遊んでもらいましたし、社員さんの食事は祖母が作ってみんなで食べて、家族的な雰囲気がありました。ですから20年ほど前に私が社長に就任した時も、「社員は家族」というのが、家訓というのか自然に身についていました。今も社員の健康が気になりますし、食べ物や体のメンテナンスについて語ったり、いろいろと世話を焼きますよ(笑)。フラワーに勤務している間だけ頑張ってくれたらいいのではなくて、働いていた時のことが、店を辞めてからも役に立ってほしいなと思うんです。

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モン・サン・ミッシェルの観光地で
人気のオムレツをヒントに生まれた「マダム・ヨーコ」
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フラワーのイメージカラー黄色を用いた
マダム・ヨーコのパッケージ。モン・サン・ミッシェルの姿も。

―そんなフラワーの看板商品が「マダム・ヨーコ」。発売30周年だそうですね。

植松 30年前に両親がフランス・ノルマンディー地方のモン・サン・ミッシェルに行った時に、名物料理のふんわりオムレツを食べて感動し、あんなふんわりとした優しい味わいのチーズケーキがあればいいなあと言って、私が開発をまかされました。オムレツは味が特別というわけではない。そして、イメージするのはふわふわだけれど、スフレチーズでもない。そこで思いついたのが洋風どらやきでした。ふわふわのスフレチーズの間にチーズクリームをはさんでみると、これがイメージ通り。たまたま出来上がったわけで、苦労はしませんでした。振り返れば、作るのに苦労した商品は売るのにも苦労し、作るのに苦労していない商品は売るのに苦労しない。そう気づいてからは、軽々しくいこうという気持ちになりましたね。

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おやつにもおもてなしにもなるお菓子。
クセになるおいしさ。
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スフレチーズの生地でチーズクリームをはさんだ
洋風どらやきのような構造。

―マダム・ヨーコはお母様のお名前……。

植松 父が「マダム・ヨーコでどうや?」と言い出し、すんなり決まりました。名前も商品も各地で好評で、最近ではフランスのパティシエにも太鼓判を押してもらいました。ただ、ブランド化という点では父も私も押し出せてないかなと思っていて、いずれ海外での販売に挑戦したいとは思っています。

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「マダム・ヨーコ」は、植松社長の母の名前からとった。
父の勝さんが命名。

―生地もクリームもクセになる味わいです。どんな工夫を?

植松 オリジナルのレシピで、オリジナルの機械を使って作ります。詳しくは企業秘密なんです。同業者の方も買いに来て考えておられますが、誰もわからない。素材というより製法がポイントで、「種も仕掛けもあるマジック」です。

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「マダム・ヨーコ」は誕生30周年を迎え、
2022年は記念包装で販売中。

―ところで、十数年前自社農園で有機野菜の栽培を始められました。健康を意識されて?

植松 ええ。私はパティシエとしてフランスの仕事を見に行くことが多かったのですが、30代後半から40代初め頃、向こうにいると体の内側から元気になって、エネルギーが満ちるような気がしたんです。さかのぼると、20代の頃にペンションに泊まり、澄んだ空気の中で新鮮な野菜を食べてとても気持ちがよかった。ペンションでは「ここで作っているのはオーガニック野菜です」と聞いていました。フランスに行くたびに日本とは何か違うなと感じていた頃に、フランスのドキュメンタリー映画で、学校や高齢者の給食をオーガニックにする挑戦を描いた「未来の食卓」を見て、これは私がやるしかないと考えたんです。有機農業をしている方の指導に100%従い、一から学びました。そして現在、大阪と奈良の県境に野球場ほどの土地を得て、畑を活用した新しい動きを始めています。

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植松社長は有機農業を一から学び、
現在は球場ほどの広さの自社農園で社をあげて
オーガニック野菜を栽培。

―新しいお店を?

植松 江戸末期の古民家を改装し、パリで研鑽を積んだ吉兆出身の信頼できる料理人を呼んで、大阪・南河内郡に新店を開きました。自社農園の野菜を使ったコース料理を出しています。これまで、パンがあったりお菓子があったりで、フラワーらしさを伝えきれていないと感じてきましたが、ここでは総合的なフラワーを知っていただきたいですし、私たちもしっかりとミシュランの星を目指す勢いで頑張っていきます。そうするなかで、ここをフランスのサン・ポール・ド・ヴァンズのような、癒しと芸術の村にしたいと考えています。

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江戸時代の古民家を用いた新店舗「フラワー上河内」。
2022年春にオープン。改修はあえて今後も続けられる。

―今後の展望が明確ですね。

植松 フラワー全体として、あらゆる食という分野で枝葉を伸ばしていきたいと考えています。蜂を飼って蜂蜜を採取したり、収穫した野菜でピクルスを作って販売したり、幅を広げていきたいですね。もちろん安心安全も守りますし、インバウンドの方にも古民家に来ていただきたい。食を通して人を癒し、幸せを届けられたらと考えています。

―新しいお店にぜひうかがいたいですね。本日はありがとうございました。

マダムヨーコ(6個入り)_商品

「マダム・ヨーコ」(6個入り)
価格:¥1,320(税込)
店名:パティスリーフラワー
電話:0120-448-838(9:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
オンラインショップ:http://www.cf-flour.jp/?page_id=4

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
植松太施(株式会社フラワー 代表取締役兼ファーマーシェフ)

1964年生まれ。大学中退後、広島県「ポワブリエール」で洋菓子修行開始。フランスの「palais de sucre」で研鑽後、実家の「フラワー」に戻り、1992年にオリジナル製法で「マダム・ヨーコ」創作、全国のデパートなどで人気商品に。イメージ優先の創作の為、製菓理論の概念に捉われない奇想天外なレシピとなり、オリジナル製法のアイテム多数。2009年日本の現状と未来を考え、安心安全な野菜作りをスタート。2022年、南大阪の山間に野球場規模の土地を切り開いて野菜づくりを広げ、古民家で癒しを提供する本格レストランをオープン。

<文・撮影/大喜多明子 画像協力/フラワー>

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