今回、編集長アッキーが注目したのは、ロングセラーのキッチン用品です。商品を販売している日本テレフォンショッピング株式会社・代表取締役の小見山邦興氏に商品の魅力について取材陣がお話を伺いました。

日本テレフォンショッピング株式会社 代表取締役 小見山邦興氏

―御社は1977年のご創業ということですが、当時のことをお聞かせいただけますか?

小見山　サラリーマンになるつもりはなく、学生時代から「電話だけを使ったビジネスで将来巨大になる可能性のある会社を作りたい」と考えていました。最初は事務機器などを売っていましたが、大企業には相手にされないため、中小企業に電話して「何かあったら持ってきますよ」と電話でセールスをしたんです。すると10社のうち1社ぐらいは「会うだけなら会ってみましょう」という会社がありました。会社に必要な備品を市場より安い価格で持って行って売るというのを続けていると、向こう側から電話がかかってくるようになりました。当時学生だった彼女、今の家内ですけども、にも協力してもらって、一緒に会社を立ち上げました。

―ご苦労はございましたか？

小見山　バブルの前は本当に利益が出て、社員の待遇も大企業並み。最盛期には年間ボーナスを6ヶ月分出していました。しかしバブルが弾けた後は本当に厳しくて、売上が3分の1に。当時、家電製品が中心だったんですが競争力を一気に失ったんです。なぜかというと量販店が一斉に値段を下げたためです。その後、家電製品以外のランドセル、女性用化粧品などが非常に増えて、利益が伸びました。インターネットが始まってからは、ネット販売が増えました。売上がものすごい勢いで増える一方、電話で扱っていたところが一気に落ちて、当時14億ぐらいあった売上が3分の1になりました。続けるうちに売上はほぼ戻りましたが、利益は昔ほどはないです。

―販売チャネルは。

小見山　現在は楽天、Amazon、Yahooと実店舗の本店での販売。あとはネットを使わずに直接電話で注文いただく方もいます。自社サイトでポイント制度を導入しリピーターを増やしています。小物は9割がWeb経由、大型・高額品は電話注文が増える傾向にあります。長く取引しているお客様の中には年間数百万円購入される方もいらっしゃいます。苦情・レビューも真摯に対応しています。

―御社は社員の方が長く勤められる会社だと伺いました。

小見山　社員がほとんど辞めないので仕事を任せられるんです。ありがたいです。哲学者・カントの言葉に「人間は決して手段たるべきでなくて目的でなければならない」があります。社員を金儲けの手段として利用するという発想がなく、平等の精神で接してきたため、長く働いてもらえるのかもしれません。女性の産休後の復帰も歓迎してきました。

―現在、商品点数は10万点を超えるとのことですが、在庫はどのように管理されているのですか?

小見山　多く出るカートリッジなどは在庫を持っていますが、在庫は基本的にないです。大型商品の場合、メーカー在庫、卸の在庫で、注文があってから手配します。家具も大手の家具メーカーのものは全部扱えますが、在庫としては持っていないです。そうしてコストを極限まで切り詰める販売方式を使っています。宣伝費や中間マージンを考えないので卸値段で小売ができ、他社より安く提供できるのが強みです。

―今回ご紹介する「シーガルフォー卓上型浄水器」について教えてください。

小見山　こちらはバブル前からのロングセラー商品です。健康志向で水質に不安を持つ一般家庭がターゲットで、家庭で簡単に取付が可能です。まとめ仕入れにより希望小売価格を大幅に下回る価格での販売を実現しています。

―もう1点「GAGGENAU(ガゲナウ) IHクッキングヒーター2つ口」について教えてください。

小見山　海外プレミアム家電の中核商品で、新築・リフォーム時にキッチン設備を更新される方を対象にしています。納期は国内代理店在庫利用で営業日ベース約1週間です。洗濯機などと比べ小型で据付しやすいですが、専門業者手配にも対応しています。

―今後の展望をお聞かせください。

小見山　国境を越えた個人取引の波が来るのが分かってますから、海外販売に力を入れようかなと思っています。特に展望はないのですが、社員の利益を増やしてみんなが喜んで働けるようにしてあげたいです。あとは人類の将来を考えて死ぬまでにもう一冊ぐらい本を出したいと思っています。タイトルは「地球人意識を持って地球と人類を救う」（仮題）です。

―貴重なお話をありがとうございました。

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞

小見山邦興（日本テレフォンショッピング株式会社 代表取締役）
1942年兵庫県芦屋市生まれ、最終学歴日大文理学部哲学課修士修了。在学中68年～69年「日大・東大」学園闘争に参加。約1年間バリケード生活をする。1971年12月小見山技研創業、事務機器などの販売開始。1977年4月、現在妻の協力を得て、日本テレフォンショッピング株式会社創業。無店舗で、固定経費を極限まで切り詰める販売システムを開発する。初年度年商1,000万円。現在約12億円。弊社の基本は商品購入代行業。推定10万点以上の商品を扱う。

＜文／垣内栄　MC／田中香苗　画像協力／日本テレフォンショッピング＞