さぬきの地粉生うどん_top

味よし色よし香りよし うどん県が世界に誇る 日の出製麺所の「さぬきの夢地粉生うどん」

2022/04/15

手打ちうどんといえば「讃岐」と言われるほど、すっかりおなじみ香川の讃岐うどん。コシが強く、噛むともちもちしているのが特徴で、それを食べたいばかりにわざわざ全国から訪れる人が後をたちません。なかでも、お昼どきの1時間限定で店を開く「日の出製麺所」には、その希少なうどんを求めていつも長い行列ができているとか。編集長アッキーの「多くの人の胃袋をつかんで離さない、その理由を探ってきてほしい」という命を受け、取材陣が有限会社日の出製麺所3代目社長の三好修氏にお話を伺いました。

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有限会社日の出製麺所の三好修社長。

―なぜ、お店の営業時間を1時間限定にしているのでしょう。

三好 社名を見るとおわかりかと思うのですが、うちは製麺所なんです。スーパーや土産品店などの朝9時開店に間に合うよう、仕事は毎朝3時くらいから始まり、取引先にすべて卸し終えるのが11時くらい。それまでは、どうがんばってもお客さんを迎えることはできません。11時過ぎても追加の仕事があって、私たちは12時半ぐらいまで作業を続けているのですが、その最後の1時間くらいならお店を開けられるというのが本当のところなんです。

―製麺の作業で忙しいなか、なぜお店を開くことになったのですか?

三好 いつからか「ここで食べられないの?」と工場に飛び込んでこられる方が続いたんですね。先代は「うちはうどん屋さんにうどんを卸している身なのだから、同じ土俵に上がるわけにはいかない」と頑なに断っていたのですが、取引先のうどん屋さんが店を閉めたところで、「じゃあ、うちでも食べていただこうか」と。

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日の出製麺所の外観。

―ファンとしては、待ちに待った開店ですね。でも、本業である「製麺」をおろそかにしないために営業時間は1時間だけ。三好社長の強い「うどん愛」を感じます。うどん作りにおいて、最もこだわっているのはどんな点でしょう。

三好 小麦粉のよさをどうやって引き出すか、でしょうか。よく、この粉はいい、この粉はダメだ、と言いますけど、農家さんがきちんと育てた小麦を、製粉所できちんと粉にしたものは、いいものなんです。だから、あとはもうお客様の好みだと思います。コーヒーで「私はブルーマウンテンが好き」「私はキリマンジャロ」というように、小麦の種類によってそれぞれ味も香りも違います。その個性を十分に引き出すことができれば、どれもこれもおいしいんです。

―粉の個性を引き出すために、どのような工夫をされているのでしょう。

三好 とくに国産小麦は、年によって出来ばえがかなり違います。たとえば、うちは地元産の「さぬきの夢」を使っているのですが、これが本当に暴れ馬のようで、4年続けていいものができていたのですが、昨年収穫されたものはとても扱いにくい。ですから、味の安定のために常時3~4社の製粉会社の「さぬきの夢」をブレンドしています。

―同じ小麦からできた粉でも、製粉する会社によって品質が違うのですか!

三好 製粉会社それぞれに、個性が違います。おもしろいでしょう?粉を練っているときに「ちょっと硬いな」あるいは「なんかやわらかいな」と思ったら、違う会社の粉を入れながら調整していきます。マニアックすぎて、お客様には「変態レベル」と言われてしまいました(笑)。でも、先代である親父からは「量より質を重んじなさい」と口すっぱく言われていましたから。

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三好社長が「まずは、これを」という、
「さぬきの夢地粉生うどん」。
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まるで打ちたて!の状態で届きます。
冷蔵で1週間、冷凍なら100日保存可能。

―小麦粉は、「さぬきの夢」のほかに北海道産のもの、そして豪州産のものも使われているのですね。やはり、それぞれ特徴が異なるのでしょうか。

三好 「さぬきの夢」は、ねばり気があってもっちりしたうどんに仕上がります。豪州産の小麦粉は自由自在の粉。小麦の部位によって特性が異なるので、それを使い分けることでもっちり系のうどんも作れるし、コシが強くてかっちりしたうどんも作れるんです。外国産というと敬遠される方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、さぬきうどんが全国的に有名になったのは、豪州産の小麦粉のおかげです。昭和30年代後半に小麦の大凶作が2年続き、そのときに輸入したのが豪州産の小麦なんです。当時、国産の小麦粉は少し黒っぽかったのですが、豪州産の小麦を挽いた粉は白くて、きれいな乳白色のツヤのうどんができたんです。それがいかにもおいしそうで、お客様に支持されたんですね。以来、さぬきうどんの90%が豪州産小麦を使ったものになりました。

―そうなんですか、初めて知りました。ほかに商品名でいうと「究極」というものがありますが、これにはどのような粉が使われているのですか?

三好 香川県産や北海道産、九州産などの粉をブレンドしています。昔から先代は「1つの粉だけではいかん」と言っていくつかの種類の粉を混ぜていたんです。混ぜることによって理想の味に近づけるだけでなく、味や風味、食感、コシ、見た目がより安定することがその理由です。試行錯誤を繰り返し、地元の製粉メーカー3社の小麦粉を合わせてベストな比率を考え、30年前に生まれたのが「究極」です。日の出製麺所のお店でお出ししている麺とほぼ同じものです。

―三好社長のいち押しは「地粉うどん」とうかがいました。

三好 豪州産も究極もそれぞれおいしいのですが、さぬきうどんを初めて召し上がるという方にはやはり、「うどん県」とも呼ばれるようになった、地元香川県産の粉を使ったうどんをぜひ味わっていただきたいです。

―おすすめの食べ方はありますか?

三好 さぬきうどんといえば、釜揚げ、ぶっかけ、釜玉でしょうか。私は、うどんの出来を知りたいので、ゆで上がったらそのまま何もつけずに食べることが多いのですが(笑)。地元では、生醤油をかけただけで食べる人も多いです。うどん自体がおいしいので、どのような食べ方でもお好みどおりに。私がみなさんにぜひお伝えしたいのは、うどんのゆで方です。大きめの鍋に、うどんの量の10倍前後のお湯を沸かしてください。お湯は少なくてもいけませんが、多すぎるとうどんのおいしさがお湯に逃げてしまうんです。

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「さぬきの地粉生うどん」1袋(300g)に対し3リットルのお湯を沸かし、ゆでます。
鍋に麺をほぐしながら入れて軽くかきまぜ、ゆっくり沸騰を続けるくらいの状態で10~15分。

―ゆでている途中、さし水をしたほうがいいのでしょうか。

三好 いえ、水を入れるとお湯の温度が下がり、うどんが切れやすくなります。火加減しながらゆっくり沸騰を続けるくらいの状態をキープ。硬めのうどんを食べたいなら10分、もっちりが好みなら15分で鍋から引き上げ、すばやくざるに移して水洗いをしてしめます。コシが強いのが好きな方は冷水、もっちりが好きな方は常温水で。小麦のおいしさを閉じ込めるために、洗うのは短時間ですませてください。このようなゆで方で召し上がっていただくのがいちばんおいしいですし、小麦粉による味の違いもだんだんわかるようになります。またマニアックすぎると笑われるかもしれませんが、とにかくみなさんに、おいしくゆでて、おいしくしめて小麦の味を堪能していただきたいというのが、私のいちばんの思いなんです。

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ゆで上がったうどんを器に入れ、上から濃いめのつゆをかけるぶっかけうどん。
同包の「日の出製麺所特製ぶっかけだし」をかけて。
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釜玉うどん。
先にどんぶりに卵を入れておき、ゆで上がったうどんを
鍋からそのまま(麺だけを)どんぶりに入れて、
醤油を少しかけていただきます。
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かけうどんにしても。
白菜+きのこ+豚肉の旨みが加わって、
しみじみ美味しい!

―本当にうどん愛あふれる三好社長。今後のビジョンをお聞かせください。

三好 ビジョンなんていう立派なものはないですが、私としては親父に「何があっても看板を下ろすな」と言われたとおり、この場所でずっとうどんを作り続けていたいです。そして、親父のように80歳を過ぎても毎日小麦粉を触っていたいですね。ほかに、願望としては世界中の人たちにうどんのおいしさを知ってもらいたい。海外ではラーメンが人気ですが、うどんもぜひ、食べていただきたい。私は以前、ニューヨークやパリにうどんを打ちに呼ばれたことがあるのですが、評判は上々でした。新しいことは、次の代の息子に任せます。私がここまで何とかやってこられたんですから、息子も好きなことをやって、どんどん新しいことにチャレンジしていってほしいと思うんです。みなさん、楽しみにしてやってください。

―うどんが食べたくなってきました……。貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!

さぬきの地粉生うどん_商品

「さぬきの地粉生うどん」(かけだし・つけつゆ付)300g✕2袋

▶価格 ¥1,080(税込)
▶店名 日の出製麺所
▶電話 0877−46−3882(平日9:00〜16:00)
▶定休日 インターネットでのご注文は24時間365日受付
▶商品URL https://www.hinode.net/i/YU-2
▶オンラインショップ https://www.hinode.net/ic/cat-000

<Guest’s profile>
三好修氏(有限会社日の出製麺所 代表取締役社長)

1964年、香川県坂出市生まれ。子どもの頃から職人さんとうどんに囲まれて育ち、今でも変わらず、うどん作りを楽しんだり悩んだりしながら続けている。小麦は農作物のためデキがいい年も悪い年もあるが、素材の美味しさを最大限に引き出すことを小麦生産者、製粉メーカーとともに考え、つねに「お客様に喜んでもらえるうどん」を考え、うどん作りに励んでいる。

<文・撮影/鈴木裕子 MC/吉田 茉代 画像協力/日の出製麺所>

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