
雪国・新潟で磨かれた極上の赤ワイン。華やかな香りが広がる「深雪花」と、樽香が重なる最高級フルボディ「ヘリテイジ 2023」
2026/07/15
今回、編集長のアッキーが注目したのは、国産の赤ワインのなかでも醤油や味噌に驚くほど調和する「深雪花(みゆきばな) 赤」と、その年の最高品質のぶどうのみで仕込んだ最高級フルボディ「ヘリテイジ 2023」です。渋みを抑えたまろやかな旨みが、いつものお家ごはんをパッと華やかに彩ります。

その背景には、1万回以上の交配を重ねて厳しい気候に挑み続けた創業者川上善兵衛の想いと、雪国の知恵が息づいています。取材スタッフが、新潟県に本社を構える、株式会社岩の原葡萄園 代表取締役社長の高岡成介氏にお話を伺いました。

株式会社岩の原葡萄園 代表取締役社長の高岡成介氏
―まずは、御社の歩みについて教えてください。
高岡 私たちは1890年、創業者の川上善兵衛が地元・新潟県の上越地域に岩の原葡萄園を開園したことから始まりました。当時は農民の生活が非常に苦しく、地主であった善兵衛が救済のための新しい産業として着目したのがワイン造りだったのです。ところが、上越の雨が多く雪深い気候は当時育てていた海外産の苗木には馴染まず、病気も蔓延し、おいしいワインがなかなかできませんでした。この過酷な現実に直面した善兵衛は、日本の気候に適したオリジナル品種を一から生み出す決断をします。そこから約20年、現在の日本ワインを代表する「マスカット・ベーリーA」など22の優良品種を生み出しました。重ねた交配実験は1万311回という途方もない数に及んだのです。
その後、多額の研究投資などにより経営危機を迎えた際、サントリーの創業者である鳥井信治郎さんとの運命的な出会いを果たします。お互いのものづくりへの情熱に深く共感し合い、1934年の共同経営から数えて約90年間、日本のワイン文化を全国へと広げる礎を共に築いてまいりました。


上越の寒さに適したぶどうの品種をいくつも開発し、日本のワイン文化の礎を築いてきた。
―社長ご自身がお酒造りに携わるようになったきっかけや、これまでの歩みをお聞かせください。
高岡 大学時代に微生物を応用した食品化学や発酵化学を専攻していたこともあり、当時からお酒を造る仕事に就きたいと考えていました。1988年にサントリーへ入社してからは、30年以上にわたりビールの商品開発や生産、工場のマネジメントなどを通してものづくりに没頭してきたのです。2021年にはワイン生産部長の大役を任され、日本ワインの品質向上やブランド開発を4年間にわたって牽引する貴重な経験を得ました。ビールとワインでは造りの難しさ、面白さに違いはあるものの、異業種で培ったものづくりの厳格な視点や生産技術は何事にも代えがたい強みです。これらの経験を活かし、2025年4月に岩の原葡萄園の社長に就任いたしました。伝統あるこの場所で、さらなる品質向上とブランド価値を高めるために一歩一歩邁進しているところです。
―ワイナリーを代表する銘柄である「深雪花(みゆきばな) 赤」の誕生には、どのような背景があるのでしょうか。
高岡 上越の「雨が多く雪深い」という厳しい気候風土を克服し、日本人の味覚に寄り添う本当においしい日本ワインを造りたいという理想から、約30年前に誕生しました。この「深雪花」という名前は、豪雪の寒さに耐え忍びながら可憐に咲き誇る、新潟の県の木でもある「雪椿」にワインの凛とした美しさと優しさを例えて命名されたものです。ボトルのラベルに描かれた美しい雪椿の絵や独特の風合いを持つ題字は、地元上越の著名な陶芸家であった故・齋藤三郎先生に手掛けていただきました。30年前の発売以来、この佇まいと確かな味わいを変えることなく、たくさんのお客さまの日常にそっと寄り添い続ける私たちの主力商品となっています。


日本人の味覚に寄り添うワインを、という思いから誕生した赤ワイン。
―「深雪花 赤」のこだわりについて教えてください。
高岡 完熟した「マスカット・ベーリーA」を主体に、厳選して使用しています。ぶどうの果皮や種から香味成分を丁寧にしっかりと抽出した後、樽の中でじっくりと時間をかけて熟成させています。「マスカット・ベーリーA」は日本の気候風土に合うぶどうとして生み出され、日本ワインの赤ワイン用ぶどう品種として最も多く栽培され、北は青森県、南は宮崎県まで、16府県に拡大しています。そのような中、私たちは「マスカット・ベーリーA」誕生の地として、ぶどうの特徴を最大限に引き出した最高のワインを目指し、日々試行錯誤を重ねています。

冬に積もった雪を蓄えている「雪室」。
雪の冷気で樽貯蔵庫である石蔵の温度管理を行っている。
―「深雪花 赤」の味わいの特徴や、おすすめの楽しみ方について教えてください。
高岡 マスカット・ベーリーAが持つイチゴのような華やかで可憐な果実香と、樽熟成から生まれるほのかなロースト香が美しく調和しています。赤ワイン特有の渋みが穏やかで、まろやかでやわらかな口当たりが魅力です。おいしさを最大限に引き出す飲み頃の温度は14〜16℃。このワインは、醤油や味噌、みりんといった和の調味料を使ったお料理と驚くほど相性がいいです。焼き鳥やすき焼き、お刺身はもちろん、お好み焼きやナポリタンといった日常の家庭料理にも見事にマッチします。いつものお家ごはんの食卓にそっと華を添え、贅沢な一場面を演出してくれます。
―これまでに審査会や品評会などで受けた評価についても教えていただけますか。
高岡 日本の女性審査員のみが審査を行う国際的なワインコンペティション「SAKURA AWARDS(サクラアワード)」において、2023年に最高賞であるグランプリ ジャパニーズワイン賞やダブルゴールドを獲得したほか、毎年数々の賞に輝いています。さらに、フランスで開催される「フェミナリーズ世界ワインコンクール」をはじめ、国内外の著名な品評会で毎年多数のメダルを獲得し続けていることは、私たちの大きな自信となっています。また、2019年に開催されたG20大阪サミットのワーキングランチでは、各国首脳をもてなす一杯として振る舞われた実績もあります。確かな実力に裏付けられた安心感がありますので、ご自身へのご褒美にはもちろんのこと、大切な方への贈り物や持ち寄りパーティーに選んでいただいても間違いのない一本として、自信を持っておすすめできます。
―もう一つの注目銘柄である最高級ワイン「ヘリテイジ 2023」は、どのようにして生まれたのでしょうか。
高岡 「ヘリテイジ」は、 その年の自社農園で収穫された最高品質のぶどうのみを厳選して仕込む、私たちの最高峰に位置するプレミアムな赤ワインです。特にこの2023年ヴィンテージは、ぶどうが色づき始める8月の日照時間が平年の1.5倍に達するという天候に恵まれました。太陽の光をいっぱい浴びて完熟した、奇跡的なまでに香味が豊かなぶどうが収穫できたのです。創業者である川上善兵衛が遺した伝統的な赤系品種のポテンシャルを最大限に引き出し、2023年のまばゆい夏の記憶を一本のボトルに閉じ込めた、圧倒的な凝縮感を持つ特別なワインが誕生しました。

自社農園で収穫された、その年の最高品質のぶどうを使用した最高級の赤ワイン。
―「ヘリテイジ 2023」のこだわりや味わいの深さ、おすすめのペアリングを教えてください。
高岡 自園産のマスカット・ベーリーA、ブラック・クイーン、ベーリー・アリカントAという善兵衛が生み出した3品種を厳しく選果し、ワインにバニラやココアのような上品な香りと複雑な深みをもたらすフレンチオーク樽で15カ月間もの長期にわたりゆっくりと贅沢に熟成させて深いフルボディに仕上げています。お口に含むと、果実の甘みと樽由来のバニラやココア、香ばしいロースト香が複雑に幾重にも重なり合い、まるでオーケストラのような奥深い演奏を奏でています。一般的なフルボディのような強い渋みではなく、やわらかなタッチの中に息づく深い旨みが最大の特徴です。最高のパフォーマンスを楽しむなら、温度は16〜18℃がベスト。味わいに力強さがあるため、霜降りのすき焼きやうなぎの蒲焼など、脂がのったリッチな和食のコクにも決して負けない素晴らしいマリアージュを堪能できます。ご購入されたお客さまからも「こんなにおいしいワインは初めて」と驚きと喜びの声を多数いただいています。

マスカット・ベーリーAをはじめとした農園こだわりの3品種を選びぬき、熟成させた。
―今後の展望についてお聞かせください。
高岡 来たる2027年に、マスカット・ベーリーAは誕生から100年の大きな節目を迎えます。この記念すべき年を機に、自社だけでなく日本全国でこの品種を大切に育てているたくさんのワイナリーの皆さまとしっかりと手を携え、連携しながら、日本固有のワイン文化をさらに国内、そして世界へと広く発信していく活動を企画しています。
また、地域一丸となって魅力を伝えるため、2025年12月には「新潟県ワイナリー協会」の設立に尽力し、現在はその先頭に立って日本酒王国である新潟で「新潟ワイン」のブランド価値を高める取り組みを進めている段階です。「地元を活性化し、地域に貢献したい」という創業者の利他の精神を次世代へと繋ぎ、地域の豊かな食文化を未来へ継承していくことが私たちの使命だと考えています。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「深雪花 赤 720ml」
価格:¥2,497(税込)
店名:岩の原ワイン オンラインストア
電話:025-528-4002(8:30~17:00 ※土日祝日、年末年始を除く)
商品URL:https://www.iwanohara.shop/shopdetail/000000000124/ct4/page1/recommend/
オンラインショップ:https://www.iwanohara.shop/index.html

「ヘリテイジ 2023」
価格:¥7,150(税込)
店名:岩の原ワイン オンラインストア
電話:025-528-4002(8:30~17:00 ※土日祝日、年末年始を除く)
商品URL:https://www.iwanohara.shop/shopdetail/000000000347/ct65/page1/recommend/
オンラインショップ:https://www.iwanohara.shop/index.html
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
高岡成介(株式会社岩の原葡萄園 代表取締役社長)
1964年奈良県生まれ。1988年サントリーに入社し、ビールの商品・技術開発部門や工場などで勤務。群馬ビール工場長、ビール商品開発研究部長、京都ビール工場長などを経て、2021年よりワイン生産部長としてサントリーの日本ワインの品質向上、ブランド開発に携わる。2025年4月に株式会社岩の原葡萄園の代表取締役社長に就任し、伝統を守りながらさらなる品質向上やブランド価値向上に努めている。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/岩の原葡萄園>>




























