今回、編集長のアッキーが注目したのは、自宅で簡単にネイルサロンのようなネイルアートができる「ネイルシール」。不器用な方やネイルサロンに行く時間がない方でも、手軽に爪を彩ることができるのが魅力です。そんなネイルグッズやアイグッズを販売している群馬県の「株式会社ビー・エヌ」代表取締役社長の小林伸吾氏にスタッフがお話を伺いました。

株式会社ビー・エヌ 代表取締役社長の小林伸吾氏

―社長に就任されるまでの経緯を教えてください。

小林　元々は化粧品商社に勤めており、メーカーの新商品や企画品を小売店やチェーンストアに紹介して導入する営業の仕事をしていました。数年ほど勤めて仕事にも慣れてきて、前々からメーカーに入りたいという思いもあったため、そのタイミングで弊社に転職しました。

私が入社した頃は従業員が5～6人ほどしかおらず、オフィスも群馬に本社があるのみでした。私が東京在住だったこともあって、まずは東京にオフィスを作って東京を中心に営業活動を始めました。営業職に10年以上携わり、営業で直接お客様の声を聞いているうちにもっと商品開発に携わりたいという思いが強くなり、企画部に異動し、その後2020年に社長に就任しました。

―社長に就任されたときはコロナ禍真っ只中だったそうですね。

小林　コロナ禍で外出が自粛されるなか、やはり我々が扱うような嗜好品の消費は後回しになりました。売り上げが普段の半分以下になった月もありましたし、あと何ヶ月こんなことが続くのかと当時は正直不安に感じていました。対策としてこれを機に新しくマーケティング部を設立し、企画の拠点を本社の群馬県から東京に移しました。ネイル商材はファッション性が高いものですので、できる限り流行の発信地から発信できればと思ったからです。

―会社として、社長として大切にしていることは何ですか。

小林　弊社は物をつくって提案して、一般のエンドユーザーさんに使っていただける商品を作る・売るということが仕事です。使っていただけるお客様のことを第一に考え、購入してよかったと喜んでもらえるものを作ることを社員全員が共通の認識として持っています。また、物の価値は値段にとらわれないものであり、100円の商品だろうと1,500円の商品だろうと気持ちよく使ってもらい、購入してよかったなと思ってもらえることが大切だと思っています。

そして会社の従業員は私にとってとても大切な仲間です。今年度で就任して5年目になりますが、弊社の従業員や弊社に材料や資材を供給してくださる仕入先様など、関わる皆さんのおかげで会社が成り立っているということをとても実感しています。

まるでサロン帰りのようなおしゃれなデザインのネイルを、
自宅で簡単にできるのが魅力的。

―ネイルシール製造の先駆けともいえる企業とお伺いしました。

小林　弊社が創業した2000年当時は今でいうセルフジェルネイルというものは全く存在せず、ネイルアートをするならネイルサロンに行くしか選択肢がありませんでした。ネイルサロンといっても現在のようなクイックネイルや手軽に行けるようなものではなく、ハードルが高かった印象です。もっと手軽にネイルアートを楽しめないかということで、弊社では2004年頃から群馬県の工場でネイルシールの開発を行ってきました。

ネイリストの方が立体的に描くようなお花やハートのようなデザインをシールで再現しようと試作を重ね、ネイルシールの発売に至りました。開発時は平べったいシールを貼ると子供っぽい印象になってしまい、膨らみすぎると剥がれやすくなってしまうというシールの特性のなかで、ネイリストの方が施術したように見える膨らみ具合のシールを作るのに苦労しました。

―ネイルシールのほとんどを自社関連工場で作ってるそうですね

小林　昨今では、ジェルネイルシールを日本製で作っている会社はなかなかありません。ほとんどを中国や韓国などの海外工場で製造しています。弊社の製品は群馬県の自社関連工場で作っているため、製造現場をクライアント様に見ていただくことができますし、品質にもこだわることができます。クライアント様や営業・マーケティング部からシールのデザインやエフェクト加工などの要望が上がってきたときも、工場と一体となってスピーディに対応できるのが強みです。

―MeltyGeleeの開発のきっかけについて教えてください。

小林　昔のネイルシールはハートやお花のようなデザインのポイントで使えるシールが主流でしたが、5～6年ほど前から爪全体に貼るシールが流行しました。ネイルサロンでのジェルネイルやセルフジェルも簡単にできる時代へと変わってきています。ですが、ジェルネイルを楽しみたくてもサロンに行く時間がない方や、価格が高くてなかなか通えない方もいらっしゃいます。セルフジェルをするにしてもある程度アイテムを揃える必要があるうえ、技術が必要です。

弊社はサロンでの施術やセルフジェルを行う機会がない人でも、ジェルネイルをやってみたい、爪をかわいくぷっくりさせたいというニーズがあるのではないかと思い、MeltyGeleeを開発しました。このシールはUVライトが不要で、貼るだけで簡単に完成するのが魅力です。

―一般的なネイルシールと比べて、シール1枚1枚のサイズが小さい印象です。

小林　ネイルサロンに通っていない女性は、意外と短い爪の方が多いんです。また、以前にショッピングセンターでネイルシールを無料で貼るサービスを行っていたとき、爪の長さやサイズ感が人によってまばらなことにも気付きました。MeltyGeleeは短い爪の方でもネイルアートを楽しんでいただけるように、あえて今までのような大きいネイルシールと比べてサイズを小さくしています。サイズもある程度幅広く作っているので、自分の爪に合うサイズのシールを見つけていただけると思います。

デザインは、爪の先端から根元に向かってクリアになるようにグラデーションをかけているのが特徴です。爪の先端に合わせて貼ったとき、爪が長い方でもフレンチネイルのような見栄えになります。

トレンドのネイルデザインに合わせて、常に新しいデザインを開発しているそう。

―シールのデザインにもこだわっているんですね。

小林　デザインはマーケティング部と企画部の社員でトレンドを取り入れながら、派手になりすぎないことと使いやすいことを重視して考えています。こだわっている点は、透け感です。手に取ってみるとわかるのですが、シールが少し半透明になっています。半透明にすることによって、爪に貼ったときにシール感がなく、本物のジェルネイルのように見えるんです。

また、カラー選びも重要で、同じ赤でも何種類もあったり、透け感が10%変わるだけで見た目の印象が全然違ったりします。完成したシールを紙の上で見るのと実際に爪に貼って見るのとでも印象が変わります。例えば鮮やかなピンク色のシールを爪の上に貼ると、元々の爪のベースの色を拾ってピンクがちょっとトーンダウンしてしまいます。微妙な違いではありますが、弊社はシールを試作したあとは必ず爪に貼ってみて、そのときの色味や透け感などの見え方を一番大切にしています。

―どんな方に使ってほしいと考えていらっしゃいますか。

小林　10代の方から20代・30代のオフィスワーカーさんから主婦の方・ご年配の方まで、ネイルをしたいけれどなかなかサロンに行けない、爪の形にコンプレックスがあるという方がたくさんいらっしゃると思います。弊社のネイルシールはそういう方に手に取っていただき、使っていただけるように作っています。まだネイルシールにチャレンジしたことがない方や、一度やってみたいなと思う方に、ぜひぜひ使っていただきたいと思います。

また、昨今はネイル文化もジェンダーレス化していますし、男女問わずに使うということは意識しています。それに先駆けて数十年前に男性ターゲットのデザインを作ったこともありましたが、なかなか需要と供給がマッチングできませんでした。今は逆に男性向け女性向けとデザインを分けない方がよいのかなとも思っていますし、そういった部分は我々の課題だと感じています。

―最後に、今後の展望について教えてください。

小林　我々は、製品の価格を問わず、購入したお客様に使ってよかったと思っていただける物作りを続けていくことが大切です。美の価値観は人によってかなり違いがあると思いますが、そのなかでもさまざまな方に使ってもらえる物を作っていきたいです。そのためには今ももちろん意識していますが、妥協しない物作りを行っていくことが欠かせません。弊社で働く従業員も弊社商品を使ってくださったお客様もみんな幸せになるということが、私自身の展望です。

また、近年は海外の方が日本に買い物に来てくださる機会もすごく増えたので、日本の技術を活用した我々の製品が果たしてウケるのかどうかも気になっています。メイドインジャパンのネイルシールはなかなかないので、今後面白いかなと期待をしています。

―ネイルシールを通してみなさんが幸せになってほしいという思いが伝わりました。今回は貴重なお話をありがとうございました！

「MeltyGelee ジェルネイルシール」（セット内容:シール20枚･説明書･商品イメージ）
価格：¥880（税込）
店名：ビー･エヌ
電話：0277-47-9601（10:00～17:00 土日祝日除く）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：http://nailbn.com/brand/melty_gelee/
オンラインショップ：https://www.rakuten.ne.jp/gold/bn-online/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
小林伸吾（株式会社ビー・エヌ 代表取締役社長）

1978年東京都生まれ。大学卒業後に化粧品商社へ入社し、2003年に株式会社ビー・エヌに入社。営業部、企画部を経て、2020年に同社代表取締役社長へ就任。

＜文・撮影／Kasumi　MC／山口優花　画像協力／ビー・エヌ＞