かいや_top

昔ながらの製法にこだわり、生揚げ醤油の風味と柔らかく煮上げたあわびが絶品の「あわび煮貝」

2024/04/17

今回、編集長のアッキーが注目したのは、「あわび煮貝」。昔ながらの製法にこだわり塩ゆでしたあわびを漬ける調味液は、火入れをしておらず麹の香りがほのかに香る生揚げ醤油を使用しています。長時間じっくりと煮ることで柔らかくなったあわびに、調味液の味が染み込んで絶品です。今回はそんな「あわび煮貝」を作る株式会社かいやの代表取締役社長である中村敏氏にお話を伺ってきました。

株式会社かいや 代表取締役社長 中村敏氏
株式会社かいや 代表取締役社長の中村敏氏

―会社の沿革について教えてください。

中村 創業は1977年で6年後には山梨県甲府市の新社屋に移転しました。私で5代目の社長になりますが、創業時から水産加工品一筋で行っていることは変わりません。

―創業時から大切にしていることはありますか?

中村 『贈るよろこび』という言葉を創業時からキャッチフレーズとして大切にしています。お中元やお歳暮などを贈られる方はもちろん、贈る方もおいしいあわびを贈るという喜びがある、そういったシーンを想像しながら商品作りをしていこうという思いです。

―ご自身が食の世界に携わることになったきっかけは?

中村 昔から食べること自体が好きだったため、将来は食に携わりたいという思いはずっとありました。はじめに山梨のスーパーマーケットである「オギノ」に就職。入社してからはお惣菜やベーカリーなど、できたての品を販売しているコーナーに所属していました。

―そしてグループ会社であるかいやに出向、3年後、代表に就任されました。

中村 それまで仕入れや加工などがメインだったので、かいやの経営を任されたことは意外でした。オギノでのベーカリーはゼロベースから新規事業として確立させた事もあり、そういう意味で業種が異なるとはいえ、経営者を任命されたと考えています。ただ、加工品原材料である「パン」と、生鮮原材料である「貝」では、売る相手や仕入れも異なるため、そこは簡単にはいきません。

―同じ食の世界でも業種が異なるとやり方も異なってくるのですね。

中村 スーパー店内のベーカリーは、営業活動をしなくてもお客様がきますが、今は製造業のため営業活動が必要です。また、商品を売るお客様もスーパーでは不特定多数の方でしたが、今は営業先が、結婚式場や高級ホテル、おせち料理メーカーなど特定の色々な業界の人とも関わるということも苦労していることの一つです。

さらに、原料が生き物であるため、100gあわびが欲しいといってもぴったり100g仕入れられるわけでもないし、希望するサイズだけでなくてほかのサイズも仕入れなければ、漁師さんと継続的に取引することは難しい。取引を始めるにあたっても、あわびの産地に直接伺って交流を深めたり、海外にも赴いて関係を築くことでやっと取引ができるようになる、といった状況です。

―海外にも直接赴いて関係を築いているのですね。

中村 必ず年に1回は仕入れたいあわびの量のことや、品質の確認のためにオーストラリアに行きます。

―会社に入られてから変革したことはありますでしょうか?

中村 あわびは高級食材というイメージからお中元やお歳暮、おせち、結婚式などの特別なときにしか食べてもらえません。それを特別なときだけでなくもっと身近な場面でも食べてもらえるように商品開発をしています。スーパーやコンビニなどの身近な場所でも手軽に買えるような商品が大事です。もちろんあわび以外の貝類全般のおいしさも日常から知ってもらおうと、商品開発から販路の開拓まで行っています。

―あわびを取り扱うきっかけは何でしょうか?

中村 営業しているといつも聞かれるのですが、山梨県では海がないのになぜあわびを売っているのかと言われます。江戸時代では静岡で穫れたあわびを日持ちさせるために醤油漬けして、馬に積んで山を超えて運んでいました。そうすると移動している間に馬の背中で暖かくなり、醤油の旨味が程よく鮑に浸み込むことで穫れた静岡よりも山梨で食べるほうがおいしいと評判になったのです。それから山梨ではあわびの煮貝がご当地名産品となりました。その文化を全国に広めたいという願いから、かいやで取り扱っています。

かいや_1
包装紙にもあわびが甲州名物となることとなった運搬の様子が描かれている。

―その中でもかいやの「あわび煮貝」の強みは何でしょうか?

中村 どこの会社よりもさまざまな種類のあわびを使用していることも強みの一つですが、あわび自体の旨味を引き立てる「かいや特製の調味液」が自慢です。

中でも、保存料をいれず火入れもしていない生揚げ醤油を調味液に使っていることが特徴です。生産工場のすぐそばに醤油メーカーがあるため、生揚げ醤油にかつお・昆布だし等を加えた風味豊かな調味液ができています。こだわりがとても詰まっている調味液自体がとても好評で、めんつゆとして販売するほどです。

かいや_2
生揚げ醤油を使った調味液を専属の職人が作成。

―あわび自体のこだわりはありますか?

中村 あわびを柔らかく煮るために、2時間くらいかけて煮上げています。あわびは火を入れると身がかたくなってしまうので、独自のフローチャートで柔らかく煮上げています。煮上げ方はほかの商品でもこだわっており、商品によってボイルするフローチャートを変えています。

かいや_3
貝ごとにあった時間でボイルしてから味をつける。

―印象に残っているお客様の声はありますか?

中村 地球温暖化の影響もあり国産のあわびは年々貴重になってきており、中でも国産黒あわびの希少価値はとても上がって価格も高くなっています。それでも「やはり、あわび煮貝はかいやがおいしい」と声をもらえているのはとても嬉しく思います。

―SDGsへも積極的に取り組んでいるのですね。

中村 仕入れた食材を余すところなく全部使い切る取り組みをしています。例えば、あわびの肝は取ってしまって身だけを販売しているメーカーが多くあります。その場合、肝は廃棄されます。私達は本来捨ててしまうような肝も、瓶詰めにして肝煮として販売したり、ペースト状にして、同じ山梨の名産品である「ほうとう屋」で味噌に混ぜて使ってもらうなど、できるだけ破棄しないで使いきるようにしています。

かいや_top
柔らかく煮てあるあわびと肝もセットで味わうことができる。

―「あわび煮貝」はどういった方に召し上がってもらいたいですか?

中村 やはり、あわびのおいしさを若い方たちにもっと知ってもらいたいと思います。そのために、インスタグラムを開設して毎週レシピの発信をしたり、おともだち登録でプレゼントキャンペーンをしたりと様々な取り組みをしています。商品開発でもあわびを洋風の味付けにしたり、若い方に手にとってもらいやすいような価格にしたりと工夫して商品開発をしています。

かいや_5

―若い方に向けた商品のなかではどのような商品が人気でしょうか?

中村 乾燥ホッキ貝が一番人気です。ガムやグミをカバンにいれて持ち運ぶように、手軽に食べられるとのことで若い女性にも好評です。ほかにも、あわびを使ったおにぎりも期間限定で販売しており、とても好評だったので第二弾も実施する予定です。

―今後の展望について教えて下さい。

中村 お中元などのギフトや結婚式場の様な、特別な日だけでない普段買い出来る販路を拡大していきたいと思います。また、調味液に関してもめんつゆとして販売するだけでなく、例えばおでんや煮玉子などに使用し、磯の風味いっぱいの調味液として広めていきたく思っています。あくまでも煮貝から派生した副産物の活用ですが、様々な商品を開発し多くの方に手に取ってもらいたいです。

―貴重なお話をありがとうございました。

「あわび磯煮」(2粒 合計120g)

「あわび磯煮」(2粒 合計120g)
価格:¥5,400(税込)
店名:かいや ONLINE STORE
電話:055-236-8807(平日10:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.the-kaiya.jp/shop/products/detail/17
オンラインショップ:https://www.the-kaiya.jp/shop/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
中村敏(株式会社かいや 代表取締役社長)

1963年山梨県生まれ。1987年4月 株式会社オギノに入社。食品スーパーのデリカ・ベーカリーなど主に「即食部門」の現場担当からトレーナーやバイヤーを歴任し、2014年6月より、株式会社かいやに出向。2017年5月より代表取締役社長に就任。現在に至る。あわび煮貝を主体に、それまでのギフト向け・おせち向け・ホテルブライダル向けに加え、普段買いとしての煮貝やおつまみ系の商品開発・販売にも注力。

<文・撮影/masa1018 MC/山田優花 画像協力/かいや>

OFFICIAL SNS

Instagramでハッシュタグ#お取り寄せ手帖を検索。

  • Instagram
  • Facebook
  • Twitter