
「国菌」パワーを今。老舗味噌蔵と共同開発した「米麹甘酒3種セット」で、もっとヘルシーに。
2025/12/18
“腸活”“菌活”といったワードが親しまれるようになった近年、日本の発酵食品に注目が集まっています。今回編集長アッキーこと坂口明子が注目したのは、株式会社オリゼが製造・販売する「米麹甘酒3種セット」。農学部に在学中より発酵技術に注目し、起業後、米麹を用いた食品作りに力を注いできた代表取締役社長の小泉泰英氏に、商品誕生のストーリーや取り組みについて、取材陣がお話を伺いました。

株式会社オリゼ 代表取締役社長の小泉泰英氏
―御社の沿革について教えてください。
小泉 弊社は2018年、私が宇都宮大学の農学部在学中に立ち上げた大学発ベンチャーです。発酵食品の中でも米麹と言われる、味噌や醤油、日本酒に使われる日本の伝統的な「国菌」の原材料について研究を進める中で、大きな可能性を感じるようになりました。
農業にも携わる中でわかったことは、日本では農家さんの約60%が稲作でお米を作っていますが当時はお米が非常に安く、とても所得が低い状態であったこと。授業では「みんながもっと米を食べれば消費量は増える」と学びましたが、お茶碗一杯を二杯、三杯にするのは現実的ではありません。パンもパスタもピザもある時代に、お米を選択したくなる方法は他にないのかなと考えるようになりました。
そんな時に発酵食品や麹と出合い、一杯を二杯にするのは難しいかもしれないけれど、米をお味噌汁や日本酒でも摂ると考えれば、米の消費量が増やせると思うようになりました。これが創業のきっかけです。

農学部在学中に感じた疑問や可能性を起業の種に。
―起業の際、ご苦労はありましたか?
小泉 10万円でものを作って20万円で売る、という小さなビジネスではなく、100万円を200万円にするビジネスを考えると、当然在庫を作るための資金が必要になり、銀行や投資家と言われる方々からお金を集めなければなりません。
ですが、私がこの分野に進もうと考えた時が20歳。起業が21歳の時です。大学3年生でしたのでお金を集める方法も分からず、夢を語ってもそれをどうすれば実現できるのかもわからない。信じていただける方に出会えるまで、資金は常に枯渇する寸前でした。
―今オリゼで働いていらっしゃる皆様はどのように参画されるようになったのですか。
小泉 大学のサークルのような集まりで一緒になった同級生や後輩だったメンバーです。アルバイトではなく、インターンという名前をつけて、学びながら働ける環境を作りました。ベンチャーとして出せるギリギリの額ではありましたが、有償で参画してもらっていました。そこから「この人いいな」と思う人には、「すぐでなくても来てくれたら嬉しい」と声をかけ続け、だんだん形になっていきました。
―オリゼのコンセプトについて教えていただけますでしょうか。
小泉 「地球を発酵させる」ということが、弊社の目指している世界観です。商品を手に取り、味わっていただいた方に喜んでいただくのはもちろん、農家さんから弊社で働くメンバーまで、関わるすべての人も良い方向へ進むことができ、地球環境も良くなる、そういった循環を「地球を発酵させる」と表現しています。

「発酵」とは、微生物が食材を分解・変化させ、私たち人間にとって有益なものを生み出す自然の営みのこと。
小泉 また今まで発酵を知らなかった方々、興味はあったけど取り入れていなかったという方々のファーストステップとして、「実はおいしい」、「実は簡単」ということを実感していただける商品作りに力を入れています。
―それでは御社の「米麹甘酒」について聞かせてください。
小泉 弊社の「米麹甘酒」は、1902年(明治35年)創業の老舗味噌蔵と共同開発をしたもので、保存料、香料といった食品添加物、また化学調味料も一切使用していません。米麹の甘みがストレートに感じられ、すっきりとした飲み心地が特徴です。実はこの商品が生まれたきっかけは私にあります。というのも、かつて私は甘酒が苦手で、甘酒の可能性を感じながらも積極的に取り入れることができませんでした。そこで、自分が率先して飲みたくなる甘酒を作ったというわけです。なのでこの甘酒は、甘酒が苦手な方、避けてきた方にも手に取っていただけると自負しています。

すっきり、おいしく味わえる「オリゼ」の「米麹甘酒プレーン」。
―おすすめの味わい方はありますか?
小泉 まずはぜひ、ストレートで味わっていただけたらと思います。手作業で丁寧に育てた米麹は雑味がなく、飲んでいただくとわかるのですが、驚くほどすっきりとした口当たりです。このひと口で麹の奥深さをわかっていただけるのではないかと思います。次に電子レンジで温めて味わってみてください。600Wで1分程度の温めがおすすめです。冬場だと特に、体に染み渡るような感覚を味わっていただけるかと思います。またトマトジュースや牛乳、ヨーグルトで割っていただいても楽しんでいただけますし、スムージーを作る際、ミルクの代わりに使っていただくと、おいしいだけでなく栄養価もアップさせることができます。

そのままでも、温めて味わってもおいしい。
―ご紹介いただいたセットは、「米麹甘酒 プレーン」に加え、「米麹甘酒 黒ごま」、「米麹甘酒 しょうが」の3本入りなのですね。
小泉 はい。「プレーン」は先ほどご紹介したように、雑味のないクリアな味わいを楽しんでいただける甘酒です。「黒ごま」は、「プレーン」に遠赤焙煎でふっくらと煎った黒ごまを加えました。黒ごまの香ばしさを感じていただけます。また「しょうが」は、高知県産の高級しょうがの搾り汁をブレンドした甘酒です。洗練された甘酒の味わいの中に爽やかな香りが広がり、こちらもファンが多い商品です。

糀が醸す自然な甘みと香りを純粋に楽しめる「プレーン」。

黒ごまの香ばしさと自然な甘みを楽しめる「黒ごま」。

ほどよい辛みがアクセントになった「しょうが」。
―御社では、こちらの甘酒のほか、グラノーラなどさまざまな商品を展開されていますが、製造はどのようになさっているのですか?
小泉 自社で作っているものもありますし、OEMでお願いしているものもあります。ただ弊社のこだわりとして、普段OEMに対応しておられない会社に「一緒に作っていただけませんか」と依頼させていただいて作っているものが多いです。

オリゼが展開するグラノーラ。
―提携先はどのように探されているのですか?
小泉 学生の頃、「なぜ発酵業界は当たり前に数百年残り続けるのか」というテーマで研究をしており、酒蔵や味噌蔵を回る機会が多くありました。まずはその時の人脈からご紹介いただき、経営者様の人柄や作られているもの、環境を見せていただいて、「もしよかったらお願いできませんか」と依頼させていただきました。今もパートナーの開拓をする時はご紹介いただき、思いを聞いていただくことが多いです。
―商品の展開はどのような戦略で進めているのですか?
小泉 商品のコンセプトは大きく2つありまして、1つは習慣化してもらえるような商品であるか。甘酒はもちろん、グラノーラや最近で言えば「麹マヨ」という商品も、この先何十年と家庭に根付くものになり得るか、というところを大事にしています。もう1つがインフラになり得るか。つまり1つの商品が複数の場面でも活躍できるかを考えています。
―公式HPやショッピングサイトでは、御社名の前に、「フードコスメ」というワードをつけておられます。こちらにはどんな思いを込めていらっしゃるのですか?
小泉 今は「オリゼ」というブランド名も知られるようになりましたが、会社立ち上げからすぐの頃は、「摂ることで美しくなる」という思いを知っていただくために「フードコスメ」という言葉を「オリゼ」の前に付けました。「麹って何ですか」「どういいんですか」というお問合せをいただくことも多く、麹をわかりやすく捉えていただける言葉があれば、と思ったのです。そこで、「食べることでみなさんを美しくできるもの」というところから、「フードコスメ」という言葉を生み出しました。
また、最初は20代後半から40代ぐらいの女性をターゲットにしたブランドとしてリリースしましたが、続けていく中でそれが70代の方にまで広がり、男性の方にも手に取っていただけるようになりました。すると目的は「美しくなる」ことだけではなくなり、そこからは「体にいいブランド」として「オリゼ」の印象を強くしています。
―「オリゼ」にはどんな意味があるのですか?
小泉 「オリゼ」は、アスペルギルス・オリゼという学術名称で、日本語でいう麹カビです。ラテン語でわかってもらえるか不安でしたが、読めないものを読んでいただけるようになった時、初めて唯一無二のものになれるのかなと思い、名付けました。
またラテン語は、あらゆる言語の元になっている言葉です。古き良きものを大切にしながら、新しい形として世の中に届けていく、そういった意味を重ねられる点にも惹かれました。
―ファンはどのように増えていったのですか?
小泉 まずは地元のママコミュニティの中で発信力のある方々とコンタクトを取り、商品を紹介していただくところから始めました。そして認知が広がったタイミングでSNSなどを活用し、「この人に紹介していただきたい」という方に商品を使ってもらう。その投稿を見た方がまた投稿してくださって、という形でどんどん広がっていきました。
―今後のビジョンについてもお聞かせください。
小泉 私たちが目指しているのは、味の素さんのような会社です。味の素さんの商品は、家庭の中だけでなく、飲食店様にも使われ、さらに食品メーカー様でも原料として使われるなど、まさにインフラになっている商品だと思います。
醤油、味噌、日本酒、酢、みりんなど、麹を使った調味料もよく使用されていますが、和食を超えたところで新しく使われ、味の素のような存在になっているかというと、まだそこまではいけていないと思います。私たちは、麹が築いてきた歴史をもっと紐解き、日本が世界に誇るべき技術であることを広めていけるようなブランドになるべきで、今後もその思いを軸に開発を続けて行きたいと思っています。
―宇都宮や浜松にも支社がありますが、これは戦略の一つですか?
小泉 私たちベンチャー企業は、自分たちが持っているリソースだけで事業ができるわけではありません。となると、地域のお困りごとを解決しながら自分たちもメリットを得られるようなアライアンス、協業といったことに取り組んでいく必要があると考え、行政に相談させていただきました。
宇都宮は創業の地なので工場を構えたのですが、浜松や石川の支社は、現地の方々とお話しさせていただく中で、「うちの街にはこういったリソースがあるので一緒にやりませんか」と声をかけていただいたのがきっかけです。今後も地域に眠る技術と麹を合わせて良いものを開発していきたいと考えています。
―小泉社長は普段どちらにいらっしゃるのですか?
小泉 宇都宮や浜松のほか、東京や、最近はアメリカにも商品を出しているので、そちらにも足を運んでいます。
―今後会社をどのように大きくしていきたいと考えていますか?
小泉 私の体がまだ動くうちに、オリゼというブランド、麹の可能性を世界に広げたいと考えると、残された時間はそう長くありません。味の素さんを目標にするとなると、少なくとも5倍のスピードで活動し、成長させられたらと思っています。
―一番近い目標はどこに置いていらっしゃいますか?
小泉 2030年には、日本人の5人に1人から10人に1人ぐらいの家庭に「オリゼ」という商品が存在している状態にしたいと考えています。人口でいうと1500万人ぐらいの方々がオリゼを自分で使ったり、プレゼントしたり、どこかで味わっている状態です。まだ年間数万人の規模ですので、ここから5年ぐらいで200倍は大きくしないと到達できない計算ですが、まずは10人に1人に知っていただくことから、着実に上を目指していきたいと思います。
―本日は、貴重なお話をありがとうございました!

「米麹甘酒3種セット」(プレーン/黒ごま/しょうが)各550ml
価格:¥4,140(税込)
店名:フードコスメORYZAE
電話:問い合わせはメールのみ(https://www.oryzae.site/contact)
定休日:土曜、日曜、祝日、インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://oryzae.shop/products/gift-3set-amazake
オンラインショップ:https://oryzae.shop
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
小泉泰英(株式会社オリゼ 代表取締役)
1997年生まれ、埼玉県出身。宇都宮大学農学部農業経済学科在学中から、発酵を活用したビジネスアイデアで、第5回とちぎアントレプレナー・コンテスト最優秀賞を受賞。その後、宇都宮大学発ベンチャーとして、株式会社オリゼの前身である株式会社アグクルを創業し、2018年より現職。「地球を発酵させる」をミッションに、微生物と共に循環する社会を目指す。
<文/鹿田吏子 MC/藤井ちあき 画像協力/オリゼ>




























