丑の日に因んで“う”のつくものをいただくと夏バテしないという江戸時代の風習より親しまれてきた鰻。今回、編集長のアッキーが注目したのは、鰻養殖の発祥の地、静岡県にある「大五うなぎ工房」です。厳選された国産鰻を伝統的な技法で仕上げた関東風の蒲焼きはふっくら香ばしく、とろけるような舌触りが特徴。大五通商株式会社 代表取締役社長 瓦谷健氏においしさのこだわりをお伺いしました。

大五通商株式会社 代表取締役社長の瓦谷健氏

―日本初、HACCP対応の鰻の加工場をスタートしたきっかけを教えてください。

 瓦谷　食品メーカーに向けて食品を包装する機械を主に取り扱っていました。後に乾燥野菜や食品エキスなどの原料を扱うようになって、鰻の卸売り販売もしていたところ、静岡の養鰻場より年間を通して鰻の安定的な販売が叶えられるようにと相談されたことが、鰻の加工業を始めるきっかけでした。今では養殖発祥の地、静岡の地の利を活かして稚魚であるシラスウナギから養殖に必要な飼料や物流に必要な用具資材、活魚問屋、加工品の製造販売、鰻に関する全てに携わっています。

大五うなぎ工房の養鰻場での選別の様子。

―国産鰻へのこだわりをお聞かせください。

瓦谷　国産鰻は安全性の高さが何よりも魅力です。地元、静岡をはじめ宮崎、鹿児島、熊本、愛知、山梨と6県の提携した養鰻場より毎日鰻を仕入れていますが、土地の気候や水、餌によって、味が変わってくるのが国産鰻の奥深さです。地元静岡の利を活かした養鰻場は南アルプスの冷たい伏流水が豊富な大井川の流域にあります。清らかで美味しい天然水を掛け流しで当てながら数日置いて適度に身を引き締め、脂分を身の間に入り込ませることで鰻本来の味わいを引き出しています。

鰻本来の風味を引き出しているのは南アルプスの自然の恵み。

―1番人気「大五うなぎ長蒲焼」のおいしさの秘密をお聞かせください。

瓦谷　大きさ・柔らかさ・色艶・活きの良さ・体型のバランス・香り、脂のり・食感・骨・コクなど20項目の社内基準をクリアした鰻を使用しています。手間を惜しまず熟練の職人が活きたまま1尾ずつ捌くことで見た目には分からない部分にもこだわり、とろけるような滑らかな食感や機械割きとはひと味違った職人の心と技をお届けしています。味の仕上がりを左右するタレも濃厚な旨味が特徴の創業180年を超す老舗の「溜り醤油」、日本最古のみりん醸造元の「長期熟成本みりん」を使用するなど、昔ながらの厳選素材にこだわっています。

独自調合の秘伝のタレが国産鰻の旨味を引き立てます。

―ミシュラン常連店「鈴なり」の村田明彦料理長にはどのような点を監修いただいたのでしょうか？

瓦谷　関東風蒲焼の伝統的な技法を守りながら、焼き方からタレの配合まで、意見を伺っています。美味しさを追求した結果、鰻の状態に合わせて4種類のタレをブレンドして焼き上げること、そして、中までしっかり熱を伝え、ふっくらと焼き上げる遠赤外線と表面を香ばしく焼き上げる近赤外線を組み合わせた独自の焼き加減に至りました。絶妙な火加減によって上品な色艶で食欲をそそる贅沢な蒲焼きに仕上げています。

ミシュランガイドに7年連続で掲載されている村田明彦料理長の意見を取り入れながら、
伝統の技と技術革新によって味に磨きをかけています。

―冷凍すると味が落ちてしまいそうですが、美味しい食べ方はありますか？

瓦谷　美味しさをそのままに焼き上げた蒲焼は、－40℃で一気に急速冷凍します。醤油やみりんの風味、関東風蒲焼の特徴でもある、ふっくらした食感を損なわず、焼き立ての美味しさをそのまま真空パックしていますので、湯煎（ボイル）で温めて頂くのが1番のおすすめです。

瓦谷社長自らデザインした富士山と駿河城が描かれたパッケージには、
お客様への想いとご贈答用としても喜んでいただきたいという想いが込められています。

―「手まりおこわ 彩華」は、和菓子のような華やかさが印象的です。

瓦谷　女性のお客さまより「カップおこわ」が好評をいただいたこともあって、味と見栄えにこだわって生まれた商品です。茶飯や黒米、鰻のタレを染み込ませて炊いたお米と具材との相性を手軽に楽しめるようにひと口サイズにしました。もち米とうるち米もブレンドして、蒸籠蒸しにこだわってふっくら炊き上げています。

―どのようなシーンで食べてもらいたいですか？

瓦谷　お祝いの席やホームパーティなどのハレの日、ピクニックやアウトドアなど、非日常のシーンで召し上がっていただいてほしいです。春夏秋冬の四季折々で旬の味を展開していければと来年の夏の販売に向けて現在試作を重ねている段階です。

「手まりおこわ 彩華」は口福と眼福が味わえる華やかな逸品。

―新商品の展開も楽しみですね。今後の展望もぜひお聞かせください。

瓦谷　現在、世界人口の増加に伴って食料供給が減っていく問題を抱えています。これからの時代、国内での第一次産業の強化もますます重要なテーマになってくるかと思います。鰻の養殖発祥の地である静岡より日本の伝統的な食文化として、鰻の美味しさを次代へ受け継いでいきながら、SDGs、食物危機、タンパク質危機などに対応した代替えミート製品の開発などにも力を注いでいきたいです。

―貴重なお話をありがとうございました。

「国産うなぎ 長蒲焼2尾セット」
価格：¥5,400(税込)
店名：大五うなぎ工房本店
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.unagi-koubou.jp/c/kabayaki/gif-008
オンラインショップ：https://www.unagi-koubou.jp/
※鰻の価格変動により、販売価格が変動する場合がございます。

「手まりおこわ 彩華」
価格：¥4,980(税込)
店名：大五うなぎ工房本店
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.unagi-koubou.jp/c/okowa/bt-001
オンラインショップ：https://www.unagi-koubou.jp/
※鰻の価格変動により、販売価格が変動する場合がございます。

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile>
瓦谷健氏（大五通商株式会社 代表取締役社長）

1971年静岡県生まれ。カメイ株式会社、三井物産株式会社の修業期間を経て同社へ入社。2011年に同社代表取締役社長に就任。“食の感動と喜びを世界中にお届けする”ことをモットーに日々精進している。

＜文・撮影／渡辺彩子　MC／根井理紗子　画像協力／大五通商＞