アッキーこと坂口明子編集長のアンテナが捉えたのは、働くプレママとママのためのシャツとシューズ。しわになっても手で伸ばすだけでピンと伸びる生地のシャツ、歩きやすくてすべらないシューズは、どちらもトレンドをピンポイントで捉えて大人気。ファッションエディター出身ならではのアイテム誕生の秘密をヴィリーナ ジャパン株式会社 代表取締役社長の青木愛氏に取材スタッフが伺いました。

ヴィリーナ ジャパン株式会社 代表取締役社長の青木愛氏

―東京とニューヨークでファッション雑誌の編集をなさっていたとか。

青木　はい。大学を卒業後、出版社「ハースト婦人画報社」（現）に入社しましたが、そこが数年後に外資系の会社になり、社長がフランス人になりました。私はモード誌がやりたいと思っていたので、社長がニューヨークに転任した後、彼に「私をニューヨークで働かせて」とメールしたのです。すると、すぐに「『ELLE girl』のインターンに空きがある」という返事が来たので、言葉の壁はあったけれど思い切って行きました。ニューヨークでの雑誌編集の進め方は合理的で、能力があればだれでも仕事ができるシステムでしたね。スタイリストの力が強くて作りたい写真に必要ならば、借り出してきた服の一部を切ってしまったりすることもあって、びっくりしましたね。

―ヴィリーナジャパンを立ち上げた経緯は？

青木　ニューヨークで長男を出産したのですが、ニューヨークでは妊娠中でもおなかを突き出して歩き、それがセクシーという認識でした。企業のトップなどとして働き、出産を控えている女性をパワーウーマンと呼び、妊娠中の女性のビジネススーツが普通にありました。日本に比べて妊娠、出産に対する考え方が進んでいるなと感じました。

日本では、妊婦服を紹介するのに目立たないとか、これだったら気づかれませんと紹介されることが多くて、私は「目立っちゃいけないの？」と疑問に思いました。そこで帰国後会社に復帰して『ELLE Japon』でセレブリティたちのマタニティスタイルを紹介したのですが、雑誌だとどうしても一時的な紹介で終わってしまいます。そこでビジネスとして立ち上げようと2006年に会社を設立しました。

―その後も出産され、今は会社を経営しながら4人のお子さんを育てていらっしゃいますね。

青木　はい。この会社は私の思いを反映しています。それまでキャリアを積んできたのに妊娠した途端に社会から排除され、アウトサイダーになったような思いがしました。それがつまらなくて、出産しても子育て中でもビジネスができるという考え方も含め、ママに便利な服や雑貨を紹介していきたいと思いました。

その思いは、会社のホームページのブログ（「ディレクター・4児のママ　青木愛のファッション＆子育てブログ」）で、新製品の紹介とともに私生活で起きたことを随時、書くことで発信しています。書くことは苦にならず、むしろ楽しい作業です。

―扱う商品はどのようにセレクトして買い付けているのでしょう。

青木　リアルな私の体験を基にセレクトしています。子どもたちが幼稚園や保育園に行っているママたちにとって何がラクで、何が必要とされているかが、同じ立場の私にはよくわかります。「雨の日は撥水加工が助かるよね」「アイロンかけなくていい素材がいいよね」という視点で、シャツやパンツなど働くママたちに役立つアイテムから、お受験用のスーツまで開発しています。

スタッフからもアイデアが出るのでそれも取り入れています。以前はニューヨークで買い付けをしていましたが、ここ数年はコロナ禍で行けていないこともあり、国内のメーカーの製品の幅を広げつつあります。国内メーカーさんもとてもいい製品を作っているところが多いですね。

「ヴィリーナ ステラシャツ」は着こなしに自信がない人でもスタイルが決まるカッティングがされている。

―今回ご紹介くださる「ヴィリーナ ステラシャツ」について教えてください。

青木　白シャツは白Tシャツとともに、なかなか良いものが見つからないアイテムですよね。そこで究極の白シャツを開発しようと思って作ったのがこのシャツです。

授乳もできるゆとりデザインで、生地はしわにならないのでアイロンが不要で、手で伸ばすだけでしわが伸びる特殊な生地を使っています。撥水加工のあるストレッチ素材で、働く女性には最適な自信作です。デザイン性もあって襟が適度に抜けて、手首でも二の腕でも止まるので、たとえ着こなしが苦手な人もおしゃれに見え、忙しい中でも着るだけでカッコよく決まりますよ。

手で伸ばすだけでしわが消える特殊な加工を施した生地を使用。
肌さわりがさらっとしていて敏感肌の人にも安心。

袖口にはボタンが2つついているのでサイズが合う方で留めることができる。
カフスを折り返して肘まで上げるとまた違う雰囲気になる。

リピート率67％という人気のシューズ。
同じ製品を履いているママが多すぎて、幼稚園、保育園で
別の人のシューズの履き間違えが多発したという伝説もあるほど。

―「ヴィリーナ ラウンドバレーシューズ」も子育て中のママたちに人気ですね。

青木　もともとは妊娠中のママたち向けに作りました。軽くて、底が厚くて低反発なのでとても歩きやすいです。また、雨の日でも大丈夫なように撥水加工がしてあります。ママたちのシューズというとスニーカーが定番ですが、それに代わるものをと思って開発しました。海外の製品で似たものがありますが長時間履くと痛いという声があり、それを解消して靴擦れしないようにしました。神戸の靴メーカーさんで職人さんが１つづつ手作りしています。開発にあたってはサンプルを何種類も作ってもらって納得するまでマニアックに改良していきました。私はニューヨークで買い付けのために1日中履いてみたのですが疲れませんでした。

クッション性のある底で歩きやすく疲れない。
小さな子どもはリボンを触ってほどいてしまいがちだが、
このシューズのリボンはほどけないよう固定してある。
こんな細部にもこだわった仕様が人気の秘密。

―ビジネスも子育てもしてまさにパワーウーマンですね。今後の展望は？

青木　これからも便利でおしゃれな製品をお届けして、ママたちの負担を軽減できたらいいと思います。便利な製品があって悩む時間が減ればその分、子どもたちに向ける時間が増えますよね。私は今までは子育てに忙しく、会社は今の形態で満足していますが、これから徐々に子育てから手が離れたら、もっと会社を大きく、もっと世の中に役立つ会社にしていけたらと思っています。

―本日は刺激的なお話をありがとうございました。

ほかにネイビー、ベージュ、黒もある。
このシャツに合うインナー、カーディガンも人気。

「ヴィリーナ ステラシャツ」
価格：¥21,780（税込）※2023年2月3日より改定予定
店名：ヴィリーナ ジャパン ウェブショップ
電話：0120-916-631（10:00～17:00 土日祝日を除く）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.virinamaternity.com/SHOP/vm18ss13SH11.html
オンラインショップ：https://www.virinamaternity.com/index.shtml

「ヴィリーナ ラウンドバレエシューズ（エナメルブラック）」
価格：¥11,880（税込）
店名：ヴィリーナ ジャパン ウェブショップ
電話：0120-916-631（10:00～17:00 土日祝日を除く）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://www.virinamaternity.com/SHOP/vm17fw51.html
オンラインショップ：https://www.virinamaternity.com/index.shtml

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
青木愛（ヴィリーナ ジャパン株式会社 代表取締役）

1996年日本女子大学文学部日本文学学科卒業後、株式会社ハースト婦人画報社入社。ファッション編集者となる。2003年渡米、『ELLE girl』で編集の仕事をする。2005年株式会社ハースト婦人画報社編入。退社後、2006年VIRINA JAPAN INC.ヴィリーナ ジャパン株式会社を設立。2男2女がいる。 翻訳本『hot mama 私、妊婦ですが何か？』（カレン・サマンソン著・青木愛訳　講談社刊）がある。

＜文／今津朋子　MC／鯨井綾乃　画像協力／ヴィリーナ ジャパン＞