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パティシエのひらめきから生まれるやみつき食感のスイーツ「ポニョポニョ」「静岡甘藷クッキー」

2023/01/26

2022年10月、東京恵比寿におはぎとアップルパイという異色な組み合わせの専門店がオープンしました。母体はなんと、静岡県で展開する洋菓子店。独特食感のシュークリームがお取り寄せ商品として人気を博していました。

今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になった有限会社blueberry 代表取締役の柴沼武史氏に、取材陣が伺いました。

有限会社blueberry 代表取締役の柴沼武史氏
有限会社blueberry 代表取締役の柴沼武史氏

―まずはblueberryオープンまでの歩みをお聞かせください。

柴沼 私は茨城県の出身です。祖父と父がパンと和洋菓子の店をやっていてスイーツが身近にあったものの、店を継ぐことは考えていませんでした。しかしやはり好きだったんですね、洋菓子の道に入りました。

自分の店を持つことになったとき、妻の出身地である静岡県で場所を探すことにしました。三島市内に富士山の見える丘の上にほどよい土地を見つけ、2000年に「blueberry」をオープン。当時は周囲に店も住宅もあまりなく、妻と2人でのんびり営業できればいいなと思っていました。

―今や静岡県内に2号店とパン専門店を、そして東京にも展開されています。

柴沼 計画的な拡大ではないんです(笑)。周囲の開発が進むにつれて、隣にテイストの違う店ができたら困ると思い土地を買い、カフェスペースを作りたいと増築しといった具合に、その場その場で思いつくことを行動に移した結果、今があるという感じです。

―商品のコンセプトは?

柴沼 フランス菓子がベースになっていますが、日本人が食べるお菓子として誰もが安心して楽しめるものを作っています。子どもも食べられるようお酒は使わず、味わい深さはあるものの、2~3個食べたいという女性のニーズを満たすような、余韻のあるお菓子だと思っています。

もう1つのコンセプトとして、お花畑のような洋菓子店にしたいと思ってオープンしました。洋菓子は色とりどりでデコレーションが美しいですが、ショーケースの中だけじゃなく外側もカラフルにしたいと、ラッピングにも力を入れています。

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デコレーションもラッピングも華やかなblueberryの生菓子。

―お取り寄せ商品としてロングセラーの「ポニョポニョ」はシンプルな見た目ですね。

柴沼 御殿場に2号店をオープンする際、オリジナル商品を作ろうと考案したものです。4~5人家族が1,000円で楽しめる価格帯のおやつ菓子のような位置づけで、オーソドックスながらもありきたりでないものを……と。

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ツルリとしたかわいらしいフォルム。

―商品の特長を教えてください。

柴沼 ブラジルのポンデケージョというパンに近いモチモチとした食感のシュークリームを作りたくて、いろいろ試しました。ポンデケージョと同じくタピオカ粉を使ってシュー生地を作っています。中のクリームは、バニラ香るカスタードに脂肪分38%の生クリームを混ぜています。

香りは豊かでコクはあるけれどこっくりしすぎないバランスだと思います。

実は、焼きたてのシュー皮は硬めですが、クリームの水分が移行することで柔らかくなり、モチモチ感が増すことを発見。できたてより1日寝かせたものが1番おいしいのです。

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薄くてモチモチとした独特食感の皮にはとろーりクリームがたっぷり。

―配送にピッタリな商品ということになりますね。

柴沼 御殿場店のオープン当初、マスコミに多数取材していただいて全国から問い合わせが入り、配送を始めたのが通販のスタートでした。おかげ様で爆発的に売れて、朝から晩まで作っては送り作っては送りの毎日でした。

しかし、冷蔵配送で着日の次の日が消費期限。お届けできない地域があったり、1~2日不在にされるとダメになったりと、無駄や廃棄の多いのが悩みでした。

試作や改良を重ね、冷凍してもポニョポニョの美味しさは変わらないものとなり、ようやく、全国に冷凍でお届けできるようになりました。店頭では今も冷蔵品のみの販売ですけれど。

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冷凍で全国配送が可能に。

―おすすめの食べ方は?

柴沼 商品名にしたように「ポニョポニョ」の食感を堪能してください。一口かじるとクリームがあふれ出るので、クリームを吸いながら食べる方がいいかもしれません。「おやつ菓子」なのでカジュアルに楽しんでくださいね。

春はいちご、夏は桃、秋には栗など、クリームと相性の良いフルーツを入れたものも季節限定で出しています。

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手で割った瞬間からたっぷりのクリームがトロリとあふれ出る。

―「静岡甘藷クッキー」も食感が特徴的ですね。

柴沼 御殿場産こしひかりの粉を加えていますから、小麦粉だけのザクザク感に少しモッチリした食感が加わって、独特の歯触りになっていると思います。周囲にザラメをまぶしてあるのでガリガリもあって、1枚でいろいろ楽しめるのではないでしょうか。サツマイモをたっぷり練り込んであるので少し割れやすいですが、おいしさを優先した結果です。

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1枚が大きく、食感、香り、味わいを十分に味わえる。

―サツマイモの風味をたっぷり感じます。

柴沼 三島市箱根西麓地区で栽培されているサツマイモ「三島甘藷」を、蒸してつぶして混ぜています。糖度が高くておいしい三島の特産品。御殿場産米粉も含めて地産地消を目指して作った商品です。

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三島甘藷と御殿場こしひかりが織りなす特徴的な食感がやみつきに。

―東京にはおはぎとアップルパイのお店をオープン。

柴沼 洋菓子がベースにあるので、おはぎにもフルーツや生クリームを合わせ、パティシエの作る新感覚おはぎといったラインナップです。

アップルパイは、糖度が高くその時季1番おいしいりんご2~3種をじっくり3時間煮込んで、パイとタルトの中間のような食感の生地に詰めて焼いたもの。無添加で、砂糖は少なめ。りんご本来の優しい甘みと風味が楽しめます。ハワイアンアップルパイと呼んでいますが、うちのオリジナルです。

その土地に合ったもの、地域に求められているもの、そして自分が作りたいと思い立ったひらめきに従って、行動あるのみという気持ちで新しいことに挑戦しています。

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2022年10月、東京・恵比寿にオープンした「BLUECOCO」では、
店長の柴沼海帆氏とともに斬新な商品を展開中。
https://www.bbck.jp/bluecoco/

―今後の展望をもう少しお聞かせください。

柴沼 子どもから年配者までが安心して食べられるものを提供したいという気持ちは一貫しています。ただ、時流に合わせてアレンジを加えたり、なつかしさの中に新しさも感じられるようなエッセンスを加えたりなど、「変わらないね」と言われるために、常に変わり続けていたいと思っています。

今後は、日本を飛び出して、スイーツの枠をも飛び出して、日本の味をアピールしていけたらいいなと思っています。もちろん、自分自身がワクワクする気持ちを大切に。

―素晴らしいお話をありがとうございました!

ポニョポニョ(5個入り)(冷凍)

「ポニョポニョ」(5個入り)(冷凍)
価格:¥1,000(税込)
店名:ブルーベリー オンラインショップ
電話:055-988-7188(10:00~18:00 不定休)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.bbck.jp/onlineshop/ponyo.html
オンラインショップ:https://www.bbck.jp/onlineshop/

静岡甘藷クッキー

「静岡甘藷クッキー」
価格:¥1,000(7個入り)¥2,000(14個入り)¥3,000(21個入り)(全て税込
店名:ブルーベリー オンラインショップ
電話:055-988-7188(10:00~18:00 不定休)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.bbck.jp/onlineshop/kansyo.html
オンラインショップ:https://www.bbck.jp/onlineshop/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
柴沼武史(有限会社blueberry 代表取締役)

1970年茨城県生まれ。東京のパティスリーで修行した後、研鑽を積むためフランスに留学しケーキ・洋菓子作りを学び帰国。2000年に静岡県三島市で「blueberry」を開業。旬の素材をふんだんに使った創作ケーキを中心に、地元の食材を取り入れながら新商品の開発にも力を入れる。2007年に御殿場市に2号店、2016年に沼津市にパン屋をオープンし、2022年東京恵比寿にスイーツショップをオープンした。

<取材・文・撮影/植松由紀子 MC・店舗撮影/鯨井綾乃 画像協力/blueberry>

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