一日の終わりに、心も体も解き放つバスタイム。その時間を、まるで別府温泉でゆったり過ごすひとときのような特別な体験に変えてくれる入浴剤をご紹介します。
今回、編集長のアッキーが注目したのは、創業60年以上の歴史と技術が詰まったクラフト入浴剤「湯躍（ゆやく）」です。その誕生の裏には、家業の未来を背負った3代目社長の大きな葛藤と挑戦の物語がありました。
なぜ「湯躍」は多くの人を虜にするのか。その秘密は、創業者の情熱と、誰にも真似できない独自の製法に隠されています。取材陣が、ヤングビーナス薬品工業株式会社 代表取締役の佐分利清氏に詳しく伺いました。

ヤングビーナス薬品工業株式会社 代表取締役の佐分利清氏

―はじめに、御社の創業の経緯についてお聞かせください。

佐分利　創業者である祖父・佐分利清一が、1961年に創業しました。もともと祖父はさまざまな事業を手がけていたのですが、事業を行う中で大きな転機があり、それからは「人の役に立つことをしたい」と強く決意したと聞いています。そんな中、別府温泉の湯の花が持つ力に感銘を受け、「全国の家庭にこの癒やしを届けたい」という一心で入浴剤の研究開発に着手しました。その創業者の熱い思いが、私たちの原点になっています。

社名の「ヤングビーナス」は、愛と美の女神「ビーナス」に、
「若々しさ」を冠して名づけられた。

2019年に決意したリブランディング。
「湯躍」という新しい名前とデザインには、
最高の品質を届けたいという創業以来の情熱が込められている。

―「湯躍」の最大のこだわりは、やはり原料となる「湯の花」でしょうか。

佐分利　はい、私たちの根幹であり、誰にも真似のできない核となるのが、別府温泉・明礬（みょうばん）地区で採れる湯の花です。「湯の花（ゆのはな）」とは、温泉の成分が結晶化した、天然のミネラルの結晶のことです。湯の花は酸性が強いため、そのままでは家庭で使えません。そのため特性を活かしつつも、ご家庭で毎日お使いいただける理想的なお湯を求めて試行錯誤を重ね、完成までには実に11年もの歳月を要したそうです。

 

別府温泉でもとりわけ薬効が高いといわれる明礬（みょうばん）地区の湯の花にこだわっている。

私たちは、この湯の花を精製・配合する技術を受け継いでいます。まず、「湯の花」を理想的に適合する天然温泉に融合させます。その後、約1ヶ月もの時間をかけてろ過し、湯の花の成分を余すところなく、自然にゆっくりと抽出し、精製して、別府温泉精製湯の花エキス（基剤）を作ります。

まるで“花”を栽培するような特殊な技法で生まれる「湯の花」。
温泉由来の成分を含み、
お湯に戻りやすい特長を持つ、唯一無二の天然ミネラル。

約1ヶ月間、天然温泉でろ過を繰り返す「浸漬精製法」。
この琥珀色の液体こそが、湯躍の精髄である別府温泉精製湯の花エキス（基剤）。

本物の温泉ミネラル（湯の花エキス）を含有（画像は湯躍・無垢）。

佐分利　最後は熟練の職人が品質を確かめながら手仕事で仕上げる。大量生産はできませんが、この時間と手間を惜しまない姿勢こそが、「湯躍」が「クラフト入浴剤」と呼ぶにふさわしい理由なのです。

―化粧箱のセットは、4種類それぞれの香りや特徴が楽しめますね。

佐分利　「今日のあなたに、どの“湯躍”を？」というコンセプトで、その日の心と体の状態に合わせて選んでいただけるよう、4つのバリエーション（無垢、緑光、月白、春霞）をご用意しました。

温泉感をシンプルに楽しみたい日は、無香料の「無垢」。華やかな気持ちで週末を迎えたい夜は、「緑光（りょっこう）」。心まで疲れてしまった日は、乳白色の湯が心を解きほぐす「月白（げっぱく）」。がんばった自分へのご褒美は優雅な香りの「春霞（はるがすみ）。気分に合わせてお選びいただけます。長くご愛用いただいているお客様には、お湯の質感そのものを楽しめる「無垢」が特に人気ですね。

気分に合わせて、無垢（透明微淡黄色）、緑光（黄緑）、
月白（にごり）、春霞（半透明微淡黄色）の4種類から選べる。

―ギフトとしても喜ばれそうですね。

佐分利　高級感のあるパッケージなので、贈り物として選んでいただくことも増えました。「“お疲れ様”の気持ちを込めて、父の日に」、「“いつまでも元気でいてね”と願いを込めて、母の日や敬老の日に」など、大切な方をいたわる贈り物としてご活用いただけたら嬉しいです。

高級感のあるパッケージで特別感が増す。

―お客様からは、どのようなお声が届いていますか？

佐分利　例えばデリケートな肌に長年お悩みだったお客様から「このお風呂に出会えて本当によかった」と、あたたかいお手紙をいただいたこともあります。こうしたお声が、私たちの何よりの励みになりますね。また、品質に厳しい都内の有名百貨店などでお取り扱いいただいていることも、お客様にとって一つの信頼の証になっていると感じています。

―最後に、今後の展望についてお聞かせください。

佐分利　私たちは単に入浴剤を売るだけでなく、「湯のある日常によって、人々の健康寿命を延ばす」ことを目指しています。私たちが見つめるのは、入浴剤の売上の先にある、一人ひとりが健やかに、自分らしく輝く未来です。今後は入浴剤だけでなく、入浴前後の時間を豊かにするような商品の開発や、パーソナルジムといった他業種との連携も視野に入れています。この「湯躍」を選ぶことが、お客様ご自身の健康への投資となり、同時に私たちの未来への応援に繋がれば、これほど嬉しいことはありません。

―本日は貴重なお話をありがとうございました！

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞

佐分利清（ヤングビーナス薬品工業株式会社 代表取締役）
1970年愛知県生まれ。名城大学で薬剤師の免許取得後、渡米しビジネスを学ぶ。帰国後、IT関連企業に4年勤め、ヤングビーナス薬品工業に入社。2010年に3代目として代表取締役に就任。2019年にブランドリニューアルした湯躍を発売し、家庭で湯治のような癒やしを目指し日々商品を作り続けております。

＜文／お取り寄せ手帖編集部　MC／藤井ちあき　画像協力／ヤングビーナス薬品工業＞