キッチンの三角コーナーの、いやなぬめり。日々の暮らしに潜む、小さなストレス。「この不便がなければ、毎日はもっと快適になるのに」。そんな私たちの心の声に、そっと寄り添うブランドがあります。
今回、編集長のアッキーが注目したのは、浮かせることでぬめり掃除から解放してくれる「【CICADA（シカーダ）】キッチンドレインネオ」です。商品の魅力とその裏にある物語を、大阪府に本社を構える株式会社e-kit（イーキット）代表取締役の井上悠氏に取材スタッフが伺いました。

株式会社e-kit 代表取締役の井上悠氏

―壮絶なご経験が、事業の原点にあると伺いました。

井上　学生時代はトリマーの専門学校に通い、卒業後はペットショップで店長として働いていました。自分の力を試したいと思い、27歳の時に外資系の生命保険会社に転職したのですが、そこで大きな挫折を経験します。 ストレスもあったのか、バセドウ病を発症してしまったのです。

男性が発症すると稀に起こる「周期性四肢麻痺」という症状で、朝起きると体が全く動かせない日がありました。お客様との約束の時間になっても電話一本できず、社会的な信用を失い、収入も激減。電気も止まり、部屋の隅で3カ月間座り込むような生活をしていた時期がありました。

その後も病気が原因で職を転々としました。友人と不動産会社を立ち上げたものの経営はうまくいかず、さらにその友人が突然亡くなってしまうという不幸も経験しました。お金も人脈も、大切な友人も失い、どん底の状態。しかし、「絶対に成功したい」という気持ちだけは消えませんでした。

―そこから、どのようにして現在の事業へと繋がったのでしょうか。

井上　体が思うように動かず、満足に外出もできなかった時期に、心の支えとなったのがインターネット通販でした。外に出て働くことが困難な状況でも、自宅のパソコン一つで社会と繋がることができる。必要なものを家にいながら手に入れられ、暮らしを豊かにしてくれる。そのありがたみを身をもって痛感したのです。この経験から、日々の生活で何かしらの不便を感じている人の役に立ちたいと強く思うようになりました。そこで、自分一人で完結できるインターネット物販を始めたのです。 まずは、商品を仕入れて販売することからスタートしました。

e-kitが展開するブランド「CICADA（シカーダ）」。
暮らしにフィットする、新しいカタチを提案。

改良を重ね、圧倒的な強度を実現した「折れにくい中心軸」。

最適な場所に何度も貼り直しができる「吸着パッド式」。

ユーザーの声をもとに改良を重ね、強度と使いやすさを両立。

―ただのごみ受けではない、便利な使い方があれば教えてください。

井上　生ごみを捨てる時以外はフレームを立てておけるので、シンクを広々と使えます。そのまま布巾かけとして使うこともでき、洗った野菜や果物をザル代わりにしてさっと水切りするなど、「小さな調理台」としても活躍しますよ。

カラーはブラック（上）、ナチュラル（中）、ホワイト（下）の選べる3色展開。

使い方次第で、シンクを広々と使える。
ただのごみ受けではなく、布巾かけとしても大活躍。

ちょっとした隙間が収納に大変身。
サイズはS（幅9.5cm）とL（幅14.5cm）、カラーはブラックとホワイトの二種類。

―利用者の方からはどのような反応がありますか？

井上　「デッドスペースが便利な収納に変わった」とご好評いただいています。お客様の声にお応えして、定番のホワイトに加えてブラックのカラーバリエーションも追加しました。皆様の暮らしのスタイルに合わせて、より自由に選んでいただけるようになっています。

―最後に、今後の展望をお聞かせください。

井上　私たちの目標は、単に便利な商品を作ることではなく、「日本を代表するライフスタイルブランド」になることです。5年以内に年商100億円を達成するという目標もあります。

これまで市場の定番だった白や黒のモダンなデザインも素敵ですが、私たちはもっと多様な暮らしに寄り添う選択肢を提案したいと考えています。例えば、北欧インテリアに馴染む「グレージュ」のような優しい色合いや、使い手に温もりを伝える「丸みを帯びたデザイン」などです。

「便利な商品、おしゃれな商品に囲まれた生活は、人を少し幸せにしてくれる」と信じています。これからもお客様の声に耳を傾け、一人でも多くのファンの方に私たちの思いを届けていきたいですね。

―素晴らしいお話をありがとうございました！

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞

井上悠（株式会社e-kit 代表取締役）
1983年生まれ。ペットトリミングの専門学校を卒業後、ペットショップ店長や外資系保険外交員などを経て、2016年に株式会社e-kitを設立。自身の闘病経験からネットショップのありがたみを痛感し、暮らしを便利にするオリジナル商品の開発に力を注ぐ。一児の父として家事育児を行う中で感じる気づきを活かした開発目線で、楽天市場などで多くの賞を受賞している。

＜文／お取り寄せ手帖編集部　MC／藤井ちあき　画像協力／e-kit＞