
職人技が光る金沢の味。濃厚な海の旨みと山椒が香る牡蠣佃煮とくるみ煮もなか
2026/06/24
今回、編集長のアッキーが注目したのは、ご飯もお酒も止まらない、牡蠣佃煮「佃の宝箱 能登かき山椒風味」と、くるみ煮もなか「加賀の白峰」です。能登産牡蠣の濃厚な旨みが広がる佃煮と、香ばしいもなかの皮に上品な甘さのくるみ煮がぎっしり詰まった唯一無二の味わいのもなか。職人技が光る金沢の味は、食品添加物を一切使用しない無添加調理に徹底してこだわっています。
その背景には、伝統の佃煮文化を守りながら現代の食卓へ寄り添うギフトとして進化させたいという思いがありました。取材スタッフが、石川県に本社を構える、佃食品株式会社の代表取締役社長、佃一志氏にお話を伺いました。

佃食品株式会社 代表取締役社長 佃一志氏
―まずは、御社の創業の歩みやルーツについて教えてください。
佃 元々は加賀友禅の染色業を生業としており、佃煮とはまったく関係のない世界にいたのです。しかし、戦後を迎えて「これからは着物の時代ではない」と転身を決意した祖父・佃佐吉が、新たな道を模索していました。その際、知人から「苗字がツクダなのだから、佃煮(つくだに)屋を始めたらどうだ」と雑談交じりに提案されたことがきっかけとなり、戦後の激変期にあたる1946年、未経験から佃煮製造業を開業したと聞いています。


染色業として創業し、そこから「佃煮の製造」という、全く別ジャンルの事業へ転換。
―家業を継ぐことになった経緯や思いをお聞かせください。
佃 私は大学を卒業した後、そのまま家業へ入りました。父とは年が離れており、祖父も早くに亡くなっていたこともあって、外部へ修業に出るより、一刻も早く会社の中に入り父のそばですべてを学ぼうと学生時代から決意していたのです。
幼い頃は、下新町にある本店と同じ建物に住み、身近に佃煮がある暮らしの中で育ちました。祖母が店頭に座りお客さまと会話している様子が、大切な記憶として深く残っています。弊社一筋だからこそ、先代たちが守り抜いてきた「我が子にも安心して食べさせられる無添加調理」の精神を濁りなく吸収することができました。2017年に代表取締役社長へ就任し、常にお客さまの笑顔が身近にあった温かな記憶を根幹に、誠実なものづくりを継承しています。
―「能登かき山椒風味」が誕生したきっかけや、開発のプロセスについて教えてください。
佃 地元・能登の牡蠣を使った佃煮自体は、私が入社するより前の30年以上前から製造を続けている歴史ある定番品でした。小ぶりながらも肉厚で旨みが多い能登牡蠣のおいしさを生かした自慢の味でしたが、5〜6年ほど前に、現代のライフスタイルや観光客の皆さまの手みやげニーズにお応えするため、パッケージを一新することにしたのです。いつもお世話になっているデザイナーさんと協力し、手に取った瞬間に心が弾むような「佃の宝箱」という新しいコンセプトの包装を確立。同時に、ピリッとアクセントの効いた「山椒風味」という新たなフレーバーを展開しました。


選ぶ楽しさと贈りたくなる美しさを両立させた、まるで宝箱のようなパッケージが特徴の佃煮。
―この商品を作るうえでのこだわりや、他にはない独自性についてお聞かせください。
佃 最大のこだわりは、製造段階において保存料やうま味調味料、着色料などの食品添加物を一切使用しない「無添加調理」です。主原料だけでなく、染み込ませていく調味料にも吟味を重ね、丸大豆醤油や純米本みりん、純米酢など、アルコールすら含まない無添加のものを厳選しています。これほどシンプルな素材を使うからこそ、焦げ付きを徹底的に防ぐため蒸気釜を用いて、熟練の職人がひと釜ずつ手間暇かけて丹念に炊き上げる手仕事が欠かせません。
さらに、職人の手の感覚に甘んじることなく、デジタル糖度計などの機器を用いて炊き上がりを厳密に管理しています。これによって、能登の海が育んだ牡蠣本来の濃厚な海の旨みを一切濁らせずに引き出し、小さなお子さまからお年寄りの方まで安心して笑顔で出せる特別な一品としての信頼感を大切にしています。


職人による手仕事と、デジタル機器を駆使した品質管理により、牡蠣の旨味を引き出している。
―「能登かき山椒風味」をおいしくいただくための、おすすめのシーンを教えてください。
佃 やはり、ほかほかと温かい炊きたての白ご飯と一緒に召し上がっていただくのが一番です。一粒でご飯が一膳食べられるほどの濃厚な味わいを楽しめます。私自身、自社の商品の中でこの牡蠣の佃煮が一番好きで、昨日も白ご飯と合わせてこの味を堪能しました。また、自然の旨みが凝縮されているため、日本酒や焼酎などのあてとして少しずつ嗜む大人の贅沢なシーンにもぴったり合います。

ご飯のお供や、お酒のおつまみに最適。
―金沢を訪れるお客さまや、ご進物として利用される方々からはどのような反響がありますか。
佃 大変ありがたいことに、金沢の主要観光地である東山店や、金沢駅構内にある「金沢百番街」において、多くの観光客の皆さまにおみやげとしてお選びいただいています。能登産牡蠣という地元の素材を使っている点も、おみやげとして選ばれやすい理由のひとつのようです。
さらにお中元や御歳暮などの贈答期には百貨店などで、この「能登かき」をはじめとした地元の美味が詰まった「宝箱」シリーズを自由に詰め合わせられる上質な進物として 、多くのご指名をいただいています 自分へのご褒美としてはもちろんのこと、間違いのないギフト用としての利用価値をお客さまに感じていただけていることが、商品の確かな安心感につながっていると感じています。
―もうひとつの看板商品である、くるみの佃煮をもなかの皮で包んだ「加賀の白峰」の誕生には、どのような物語があるのでしょうか。
佃 「加賀の白峰」は、1965年の発売以来、60年にわたって愛され続けている、弊社を代表する看板商品です。金沢には古くから、米飴で甘く炊き上げた「くるみ煮」があります。しかし、飴を絡めたくるみ煮は手につきやすく、箸が必要で少し食べにくいという面があったのです。そこで、もっと手軽に身近に楽しんでほしいという思いから、もなかの皮で包むという斬新なアイデアが生まれました。
同時に、この商品の誕生には 、くるみの殻を割る製造工程でどうしても発生してしまう「崩れたくるみ」を無駄にせず、価値あるものにしたいという「もったいない精神」が開発の後押しとなりました。割れてしまった上質な素材を佃煮にしてもなかに包み込むことで 、新たな価値を持つ看板商品へと生まれ変わらせた、当時としては非常に先駆的でサステナブルな開発ストーリーがあったのです 。

くるみの佃煮をもなかの皮に包んだ、お菓子風佃煮の「加賀の白峰」。
―「加賀の白峰」の素材へのこだわりや、日々の暮らしの中でのおすすめの楽しみ方をお聞かせください。
佃 この商品は佃煮でありながら、醤油を一切使用していません。砂糖や水飴、金沢伝統の米飴、寒天、食塩という極めてシンプルな無添加原材料のみを使い、まろやかな甘じょっぱさの絶妙な塩梅に炊き上げています。また、もなかの皮は、親戚のもなか種専門店で丁寧に焼きあげた、「くるみの殻」を模した香ばしい皮を使用しているのです。
近年は、苦味や渋みが少なくカリッと食べやすいアメリカ産などの洋ぐるみを絶妙にブレンドし、現代的な歯触りへと進化させています。もなかの皮を開けると、定番の「餡(あん)」ではなく、伝統の米飴で艶やかに炊き上げられたくるみが、文字通りぎっしりと現れます 。この良い意味での期待を裏切る新鮮なサプライズと、香ばしい歯触りの組み合わせが、他にはない唯一無二の魅力を放っています
お茶請けとして緑茶や日本茶に合わせるだけでなく、コーヒーや紅茶にも抜群に調和するため、日常のほっと息をつく贅沢なおやつタイムに最適です。さらに、自然な甘みとほのかな塩気のバランスから、ワインやビール、日本酒といったお酒のおつまみにも相性がいいという、見事な二面性を持ち合わせています。

日常のおやつシーンはもちろん、アイスを添えて自分へのご褒美として楽しむのもおすすめ。
―長年この味を愛し続けているお客さまからは、どのような声が寄せられていますか。
佃 根強いファンの方々に支えられていまして、「30年以上前から変わらぬ味を愛している」というお声や、「1日1個食べないと気が済まない」とお茶の間のルーティンにしてくださっているお客さまもいらっしゃいます。
また、趣味の教室や地域の集まりなどの寄り合いで出すと、「もなかの中に佃煮が入っている!」という新鮮な驚きとおいしさで、その場が非常に盛り上がるというエピソードもよく伺うのです。食べた人が次々とファンになりリピーターを生み出していく、手みやげとして持参した際に会話が弾む高い体験価値が、一過性の流行ではない本物の強みですね。
―最後に、今後の展望について教えてください。
佃 佃煮は江戸時代から日本で作り出され、受け継がれてきた大切な食文化ですが、現在、日常的に親しんでくださっているお客様は60代以上の皆さまがメインとなっています 。この伝統ある食文化を未来へ正しく残していくためには、30〜40代の子育て世代をはじめとする若い層へ届けていかなければなりません。そのため、確かな品質と添加物不使用のこだわりは守りながら、若い方が手に取りやすい現代的なパッケージングやネーミングの刷新、さらには新商品の生ふりかけや季節限定のフレーバーもなかの展開など、現代のスタイリッシュな食卓に溶け込む新たな食形態への挑戦を進めています。
また、最近はInstagramなどのSNS発信を大幅に強化しました。普段は見られないクリーンルーム工場の内部や、佃煮が美しく炊き上がる最高の瞬間を動画で届けることで、若い世代にも佃煮の魅力を身近に感じてもらう取り組みを行っています。日本の知恵が詰まった体に優しい佃煮を次の世代へつなぐという真摯な決意を持って、これからもトータルなものづくりに挑戦し続けます。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「【佃の宝箱】 能登かき山椒風味」
価格:¥1,080(税込)
店名:佃の佃煮オンラインショップ
電話:076-258-5545(9:00~17:00※土日祝日を除く)
商品URL:https://shop.tukudani.co.jp/products/detail/243
オンラインショップ:https://shop.tukudani.co.jp/

「加賀の白峰・5個袋入」
価格:¥864(税込)
店名:佃の佃煮オンラインショップ
電話:076-258-5545(9:00~17:00※土日祝日を除く)
商品URL:https://shop.tukudani.co.jp/products/detail/148
オンラインショップ:https://shop.tukudani.co.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
佃 一志(佃食品株式会社 代表取締役社長)
1982年石川県生まれ。金沢大学卒業後、父の経営する佃食品に入社。2013年に代表取締役専務に就任。2017年より代表取締役社長として現在に至る。佃食品は2025年よりJリーグチームの「ツエーゲン金沢」のオフィシャルパートナーも務める。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/佃食品>




























