「クラフトチョコレート」「Bean to Bar」など、ここ数年チョコレートに新しい潮流が訪れています。こだわりのカカオやつくり手の個性など、チョコレートの奥深さに目覚めた人は多いのではないでしょうか。
チョコレート通にぜひ味わってもらいたいのが、希少な台湾産カカオの風味と南部せんべいが融合した「Nanbu Tablet（ナンブ・タブレット）」（株式会社小松製菓）。世界的なチョコレートの大会「インターナショナルチョコレートアワード（ICA）」2018年度のワールドファイナルで銅賞を受賞したことでも話題の逸品です。
小松製菓は、岩手県二戸市で昭和23年に創業した南部せんべいの老舗。手仕事のぬくもりを今に伝えるせんべいは、「巖手屋（いわてや）」ブランドで広く愛されています。2009年よりチョコレートのブランド「チョコ南部」をスタートし、産地にこだわって厳選したチョコレートと伝統の南部せんべいが織り成す味を追求しています。
2018年10月に発売した「Nanbu Tablet」はブランド初のタブレットタイプ。カカオ豆の焙煎からチョコレートの製造までを行う「Bean to Bar（豆から板チョコ）」より、さらに一歩進んだ「Tree to Bar（木から板チョコ）」によるチョコレートです。
「カカオ豆の主な産地は中南米やアフリカですが、温暖化の影響などで台湾でも栽培が可能になりました。台湾の気候と土壌で育つカカオは、フルーティな香りと味が特徴で希少性の高いもの。当社では2年前から台湾の農園に専用の畑をもち、栽培から携わることで理想のチョコレートを追求しました」と株式会社小松製菓の執行役員・営業統括部部長の青谷耕成さんは語ります。
もうひとつの素材であるごま南部せんべいは、焼き上げたものを5mmにくだいてカカオバターに漬け込み、コーティング。その後、岩手県産自然塩「のだ塩」を使用してチョコレートバーの裏側に定着させることで、せんべいのサクサク感を保ちながらチョコレートと一体となるおいしさを可能にしたそう。
チョコレートの表面には、割りやすくするための溝が刻まれていますが、一見すると幾何学模様、よく見ると「南部せんべい」の文字が浮かび上がる仕掛け。パッケージにはカカオ豆の皮を再利用したカカオ紙を使用するなど、細部にまでクラフトマンシップが込められていることが高く評価され、2018年度のグッドデザイン賞を授与されています。
「Nanbu Tablet」を小さく割って口に運ぶと、ブドウのような酸味とカカオの深い味が広がります。ビターな中に華やかさがあり、ワインのように奥行きのある味わい。そこに南部せんべいの香ばしさが加わり、サクサク感が重厚なチョコレートに軽快さを添えます。この魅力的なチョコレートには、コーヒーや紅茶はもちろん、ワインやウイスキーもよく合います。
自分用のとっておきチョコにお取り寄せするのもいいですが、この時期ならぜひバレンタインの贈り物に。パートナーに贈るのなら、ぜひ一緒に味わって。ペアリングしたワインも用意し、エレガントなバレンタインの夜を過ごしてみてはいかがでしょう。
