乾物の味わいと栄養をそのまま楽しむ「さかなのうた」

2024/02/07

今回、編集長アッキーが注目したのは、海鮮を使ったおやつ「さかなのうた」。
鰹節問屋として創業、80余年にわたり培った目利きの力と加工技術を生かしながら、素材そのものの美味しさが感じられるスナックを作り上げました。2023年度グッドデザイン賞を受賞したパッケージのポップなかわいさにも目が惹かれます。「おじいちゃん、おばあちゃんからお孫さんまで3世代で囲む豊かなおやつタイムを提供したい」と語る株式会社イケガヤ 代表取締役の池谷太郎氏に、乾物の魅力や利点、さかなのうたの製造秘話、そして世界を見据えた展望について伺いました。

株式会社イケガヤ 代表取締役 池谷太郎氏
株式会社イケガヤ 代表取締役 池谷太郎氏

―鰹節問屋として創業から84年だそうですね。

池谷 株式会社イケガヤは1939年にかつお節を食料品店や蕎麦屋に卸す鰹節問屋として創業し、私は3代目にあたります。その後、時代の変遷に伴って商品ラインナップを拡大し、昆布や椎茸、豆等の乾物、そうめんやうどんなどの麺類を取り揃え、今回ご紹介いただく海鮮を使ったお菓子も販売するようになりました。

―長い歴史を重ねる中で大変なことはありましたか。

池谷 創業以来、百貨店や食料品店にかつお節を中心とした乾物を卸していましたが、高度成長期に入ると食文化が欧米化し、かつお節の消費量が減少しました。それまでは各家庭にかつお節削り器があって、食事のたびに削って出汁を取るのが一般的でした。私も、祖母がその場で削ったかつお節を使って作った味噌汁のおいしさが、いまだに忘れられないくらいです。しかしその文化は徐々に衰退し、その他の乾物も日々の食卓に上るものではなくなっていきました。

そこで当社は知恵を絞って、そうめんやうどんといった麺類に活路を見出しました。今後ますます需要が縮小するであろう乾物だけでなく、新たな商品を取り揃えることにしたのです。その判断は正しく、今日に至るまで麺類は当社の主要な商品となっています。

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かつお節の卸問屋として歴史を重ねてきた。

―海鮮おやつ「さかなのうた」を開発した背景を教えてください。

池谷 先ほどお話したように乾物の需要は減少し続けていますが、実は乾物は非常に優れた食品です。まず日持ちする、そして栄養価が凝縮されている、さらに添加物などが加えられておらずナチュラルである。現代の健康志向にもマッチした、体に良い食べ物であることは間違いないのです。また、このまま需要が減少していくことで乾物業界が衰退していくことへの危機感もありました。だから、オンラインショップ向けの商品を企画する中で、一般の消費者に乾物を手に取ってもらうために、どんな商品が良いのか考えました。

そこで出てきたアイデアがおやつへの転換でした。乾物に縁のない子どもにも、手を伸ばしてもらいたいと考えました。商品企画にあたっては、全国の親子にアンケートをとり、育ち盛りの子どもに与えるおやつには、とりわけ健康志向が強いことがわかり、なるべく副原料を使わず、乾物そのものの良さを生かしたお菓子を開発しました。素材の特徴や風味を残して加工することにこだわりました。

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さかなのうたシリーズは、全6種類。

―「さかなのうた」の、各々の種類の特徴を教えてください。

池谷 それぞれのお菓子に素材の名前をつけて、原材料を意識できるようにしています。子どもでも楽しくなじみやすい名前とパッケージにしました。

ぺったんこえび、ぺったんこちりめん、ぺったんこかいばしらは、名前の通り、薄べったい形状が特徴です。高圧処理でできる限り薄くしているので、食感がサクサク。魚介が苦手な子どもでも食べやすいと思います。ちりめんにはたたみいわしのような香ばしさとほろ苦さがあり、大人のおつまみにも最適。かいばしらは、貝の旨味が凝縮され、口いっぱいに広がります。

ぱっくんおかかは、ソフトなかつお節おやつ。私は子どもの頃、かつお節をおやつにかじっていましたから、絶対おいしいおやつになると考えました。かつお節を独自の製法で、独特な食感に仕上げています。生ハムのような雰囲気もあります。すくすくわかめはミルフィーユ状にわかめを重ねており、甘めの醤油とゴマがアクセントになっています。

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各々の素材の味わいを活かしたスナック。

―おすすめの食べ方はありますか。

池谷 ゆらゆらこんぶは、とろろ昆布のような形状でアレンジしやすいので、お茶漬けやパスタに加えるのも良いと思います。ペペロンチーノにトッピングすると旨味がましておいしいです。サクサクした食感を活かして、サラダにふりかけたりしても楽しめます。

―「さかなのうた」はグッドデザイン賞も受賞しているそうですね。

池谷 外部を交えたプロジェクトチームを立ち上げ、プロのデザイナーさんの手を借りてこだわりのパッケージを作ったのですが、それだけではなく、「乾物・海産物をお菓子にする」という取り組みを含めて評価をいただきました。共働きで忙しい現代の家族が、一緒に同じおやつを楽しむ豊かな時間を生み出せたらと思っています。子どもたちのスナックとしてはもちろん、おじいちゃん、おばあちゃんのカルシウム補給にもなりますし、お父さんお母さんのお酒のおつまみにもなります。家族みんなで同じお菓子を囲んで楽しんでほしいです。

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贈答などに、オリジナルのメッセージカードを添えることもできる。

―今後の展望を教えてください。

池谷 私たちの企業は“食品におけるファブレス”だと思っています。ただ商品を卸すのではなく、企画し、製造を依頼し、販売する。だからこそ製造者さんとの相互信頼関係が何よりも大切だと考えてきました。我々の考えに共鳴していただけるメーカーさんと安定的に適切な金額で取引をして、ウィンウィンの関係でいいものを作り上げていく。安全で美味しいものを提供し続けるために、絶対に必要なことだと思っています。

さらに私たちがファブレスとしての意義を発揮するために、商品に付加価値をつけていくことも重要です。良いものにプラスアルファのアイデアを加えて、より商品価値を高める。「そこに新たな価値があるのか」、「感動があるのか」を念頭に、常にアンテナを張って、「こんなのできない?」とキャッチボールを絶やさないようにしています。

そして伝統を守り、磨き、発展させてきた乾物という文化を、海外にも広めたいと考えています。かつお節を削るとか、出汁を取るとか、乾物そのままを海外に持っていくのはハードルが高いので、海外への架け橋としてもスナックは最適ですよね。さかなのうたが海外にも響き渡る日が来れば良いなと思っています。そして「おいしいをいつまでも」の精神を絶やさず歩んでいきたいです。

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世界中、どの世代にも愛される味を目指して。

―貴重なお話、ありがとうございました。

「さかなのうた」おためしセット
【ぺったんこえび・ぺったんこちりめん・ぺったんこかいばしら】各4g
【ぱっくんおかか】18g
【ゆらゆらこんぶ】9g
【すくすくわかめ】16g
価格:¥1,500(税込)
店名:さかなのうた
電話:03-5621-4141(9:00~17:00 土日祝日を除く)
インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.sakananouta.com/c/items/item01
オンラインショップ:https://www.sakananouta.com

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
池谷太郎(株式会社イケガヤ 代表取締役)

1970年生まれ、東京都出身。獨協大学外国語学部卒業後、株式会社髙島屋に入社。1998年に株式会社イケガヤへ入社し、飲食事業、営業、企画を経て2011年に同社代表取締役に就任。

<文・撮影/鈴木満優子 MC/髙橋美羽 画像協力/イケガヤ>

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