口いっぱいに弾ける濃厚な甘み。高知の希少トマトを薄皮求肥で包んだ和スイーツ「ひとつぶの乙女の涙」

2026/03/26

今回、編集長のアッキーが注目したのは、噛んだ瞬間に口いっぱいに広がる濃厚な甘みが特徴の、希少なミニトマトを使った和スイーツ「ひとつぶの乙女の涙」です。薄氷のような求肥の中から、フルーツ顔負けの糖度を誇るトマトが弾ける体験は、一度食べたら忘れられないものになります。
その背景には、「素材の良さを究極まで引き出したい」という熱い思いと、職人たちの繊細な手仕事がありました。取材スタッフが、広島県に本社を構える、有限会社共楽堂 代表取締役社長の芝伐敏宏氏にお話を伺いました。

有限会社共楽堂 代表取締役社長の芝伐敏宏氏

―まずは、御社の歩みについてお聞かせください。

芝伐 共楽堂は1933年に、私の祖父が広島県三原市で創業した菓子店です。もともとは地元に根ざした一軒の和洋菓子店で、和菓子もあればクリスマスケーキも作るような、街の人々に寄り添うお店として歩んできました。幼い頃の記憶を辿ると、クリスマスの時期には家族総出でケーキ作りを手伝った思い出があります。まだ小学生だった私も、ケーキの上にイチゴを乗せる手伝いをしていました。

将来は家業を継ぐものだという周囲の期待を感じながら育ちましたが、大学時代には家業を継ぐべきか迷った時期もありました。しかし、祖父が人生をかけて守ってきた場所をなくしたくない、共楽堂がなくなって悲しむ人がいるのなら自分が守らなければならないという強い思いが、私の原動力となったのです。1997年に代表に就任してからは、地元の方々に愛される誠実な商いの姿勢を大切にしながら、新しい挑戦を続けています。

看板商品の「ひとつぶのマスカット」や、人気の大いちご大福。旬の素材を使った和スイーツで多くの人の心を掴む。

―社長ご自身は、東京の有名ホテルやフランスでも修業されたと伺いました。

芝伐 大学卒業後、東京プリンスホテルでの修業や、専門学校、フランスへの短期留学を通じてお菓子の世界を学びました。大きな転換点となったのは、吉祥寺の名店「アテスウェイ」のオープンを手伝いに行ったときのことです。そこで目にした一流シェフたちの技術力は、私にとって圧倒的なものでした。ロールケーキの生地を伸ばす一段階にしても、自分とは全く次元が違う。その実力差を目の当たりにしたとき、「複雑な技術の競争では、彼らには勝てない」と潔く認めることができたのです。

そこから行き着いたのが、余計なものを削ぎ落とし、素材の力そのもので勝負する「引き算の美学」でした。「素材ガツン!」を合言葉に、素材が持つ一瞬の輝きを切り取る「旬果瞬菓」というブランドコンセプトを確立しました。技術で飾るのではなく、最高の素材をいかにおいしく届けるか。その覚悟が決まったからこそ、自信を持って商品を提供できるようになったのです。

―お客様とのつながりも大切にされていますよね。

芝伐 お客様へ感謝を伝えるために、メッセージカードの短冊を用意しています。そこに添える筆文字は、私が心を込めて書いたものです。さらに、そのコピーした短冊の絵の部分には、店舗や工場のスタッフが一枚ずつ手作業で色を塗っています。デジタルで効率化できる時代にあえて手間をかけるのは、人の手のぬくもりを届けたいからです。同じ種類の短冊でも、よく見ると一枚ずつ微妙に色が違います。何一つ同じものはない「一点もの」の短冊から、私たちの思いを感じていただければ嬉しいです。

―今回ご紹介する「ひとつぶの乙女の涙」の誕生のきっかけは何だったのですか?

芝伐 きっかけは、テレビ番組で高知県産の希少な高糖度ミニトマト「乙女の涙(スウィーティア)」を知ったことでした。そのトマトは糖度が13.5度から14度もあり、私たちの看板商品である「ひとつぶのマスカット」で使うマスカットの糖度とほぼ同じだったのです。「これなら、マスカットに並ぶ素晴らしい逸品ができるはずだ」と直感しました。

そこからすぐに産地である高知県へ足を運び、農家の方々と直接対話を重ねました。トマトでありながらフルーツを凌駕するスペックを持つこの素材を、どうしても和菓子として完成させたかったのです。その後、都内の有名百貨店との運命的なルートにも恵まれ、商品化へと動き出しました。野菜を和菓子にするという新たな挑戦でしたので、トマトの爽やかな酸味と求肥の甘みが調和する「黄金比」を見つけ出すまで、試行錯誤を繰り返しました。

希少な高糖度ミニトマトを、究極の薄皮求肥で包み込んだ逸品「ひとつぶの乙女の涙」。
嚙んだ瞬間、パリッ、じゅわりと濃厚な荷重が広がる。

―熟練の職人でなければ不可能な「究極の薄さ」で包む手技にこだわりがあるそうですね。

芝伐 トマトの繊細な皮と求肥を一体化させるには、機械では決して再現できない指先の感覚が必要です。透き通るほど薄く包み上げた後、あえて一晩乾燥させる工程を挟みます。これによって表面がパリッとした食感になり、噛んだ瞬間にトマトが口の中で弾ける体験が生まれるのです。

品質管理も徹底しており、形や大きさ、糖度が基準に満たないものは、規格外となります。その割合は3割以上。納得できる素材だけを、最短のスピードで加工し、鮮度を保ったままお届けする。この徹底したこだわりがあるからこそ、五感を刺激する音と食感が実現できるのです。なお、この商品は1月から6月頃までの、素材が最も輝く時期にしか作ることができません。まさに、一瞬の旬を閉じ込めたお菓子なのです。

機械では決して不可能な、指先の感覚だけが頼りの「究極の薄さ」。

―「ひとつぶの乙女の涙」は、どのようなシーンで楽しむのがおすすめでしょうか?

芝伐 3月から4月にかけては、卒業や栄転など、春の「おめでとう」を伝える贈りものとして大変喜ばれています。上品な佇まいの美しいビジュアルは、お祝いの席を華やかに彩ってくれます。また、甘いものが苦手な方や健康志向の方へのギフト、さらにはバレンタインギフトとしても選ばれています。

「実はこれ、トマトなのよ」と差し出せば、女子会などの手みやげでもサプライズになりますし、会話も弾むはずです。もちろん、頑張った自分へのご褒美として、お気に入りの日本茶と共にゆっくりと味わっていただくのも豊かな時間になるはずです。

品のある個包装は、ギフトや手みやげにも最適。
常温で持ち運べるからこそ、大切な方への「おめでとう」を託すにふさわしい。

―多くのお客さまや専門家からも高く評価されているそうですね。

芝伐 ありがたいことに、作詞家の秋元康先生がSNSで「手が止まらない」と絶賛してくださったことがあります。秋元先生の個人事務所にお手紙を添えて商品をお送りした際、その数カ月後にお取り寄せをテーマにしたドラマの企画で、この「ひとつぶの乙女の涙」を推薦していただいたのです。

それをきっかけに、人気のグルメドラマやメディアでも「お取り寄せの定番」として紹介されるようになりました。単なる一時的なブームではなく、毎年「この時期を待っていました」と言ってくださる全国のファンの方々に支えられていることは、作り手として何よりの幸せなのです。

―最後に、これからの展望についてお聞かせください。

芝伐 日本の農家さんと共に歩むという軸は、これからも変わりません。農家さんが手塩にかけて育てた素材の良さを、お菓子を通じて世界へ発信していきたいと考えています。最近では、広島駅の駅ビル内に「季節のフルーツ」というフルーツパーラーもオープンしました。ここでは、形が少し不揃いなだけで、味は最高においしい素材を「果物削り」などにして提供し、農業支援にも繋げています。

贈答文化が少しずつ形を変えていくなかで、お中元やお歳暮といった形式にとらわれず、「喜びを分かち合う」という本質を次世代へつなぐ提案を続けていきたいですね。「一粒のお菓子が、誰かの人生の小さな幸せになる」という信念を持ち続け、地元の三原にも新たな賑わいを作っていくことが私の夢です。

また、看板商品の「ひとつぶのマスカット」は、例年4月頃から順次発売を予定しています。「ひとつぶの乙女の涙」と同様に、旬の味を楽しみに待っていただければ幸いです。

4月から発売開始の「ひとつぶのマスカット」。

広島駅ビルにオープンしたフルーツパーラー。
一粒の和菓子で培った素材への審美眼を活かし、新たな挑戦を続ける。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「ひとつぶの乙女の涙 4個入(常温便)」
価格:¥1,080(税込)
店名:有限会社共楽堂
電話:0120-62-4097(月~金 9:00~17:00 ※日曜除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.kyorakudo.co.jp/c/list/otome/oto04
オンラインショップ:https://www.kyorakudo.co.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

芝伐敏宏(有限会社共楽堂 代表取締役社長)
1969年広島県三原市生まれ。1993年、祖父・久義氏が営む共楽堂へ入社し、同年に有限会社共楽堂を設立。1997年より代表取締役社長に就任。「素材ガツン!」を合言葉に、旬の素材を最大限に引き出す「旬果瞬菓」ブランドを展開。自ら全国の産地を巡り、農家と連携した菓子作りで全国に多くのファンを持つ。

<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/共楽堂>

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