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カリッとフワッとほどける2層仕立て。大阪の家族がつなぐ豆菓子「よりどりみどり」と「一番太鼓」

2025/12/23

今回、編集長のアッキーが注目したのは、ピーナッツ菓子の「よりどりみどり」と「一番太鼓」です。ひと粒食べれば「カリッ」とした歯ごたえの後に、「フワッ」とほどける優しい食感。その秘密は、通常の倍の手間をかけて作られるこだわりの「2層構造」にありました。
そのこだわりの裏にあるのは、幾多の危機を乗り越えてきた創業者の実直な職人魂。
取材スタッフが、大阪府に本社を構える、光栄ピーナッツ株式会社の代表取締役社長、松尾甲司氏にお話を伺いました。

―まずは、御社の歩みとして、創業当時のことからお聞かせください。

松尾 創業は1985年(昭和60年)の4月です。私の父はもともと豆菓子屋に勤めていたのですが、そこを退職して独立したのが始まりですね。
当時は本当に、長屋のような場所を借りてスタートしました。父と母、私、それに姉も加わって、家族で力を合わせてやっていました。作ることから袋詰め、配送の手配まで、やることは山積みで、とても少人数では回らないような忙しさでしたね。当初は大手メーカーさんの下請け仕事などをこなしながら、真面目にコツコツと技術を磨き上げてきました。

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創業当時は長屋の一角からのスタートだったという。
現在は直営店に多くの種類の豆菓子が並び、遠方からもファンが訪れる人気店に。

―ご自身の経歴と、ブランド転換のきっかけについて教えてください。

松尾 私は高校を卒業してすぐに家業に入り、父を支えながら現場で経験を積んできました。代表に就任したのは2010年の8月です。大きな転機が訪れたのは、その直後ですね。翌年の2011年、東日本大震災の影響で、それまで主力だったヨーロッパ方面への輸出事業が、風評被害などでストップしてしまったんです。「日本のものはダメだ」という空気が広がり、仕事がなくなっていく中で、下請けや貿易頼みではなく、自分たちで直接販売するブランドを作ろうと舵を切りました。それが光栄ピーナッツのブランド「豆の蔵元」です。

2014年にオンラインショップも始めていますが、実は利益のためというより、ある社員のためだったんです。介護で出社が難しくなった社員が「家でも仕事を続けたい」と相談してくれて。それなら在宅でできるオンラインショップを任せようと立ち上げました。

―看板商品「よりどりみどり」誕生の背景には、どのような物語があったのでしょうか。

松尾 今から約30年前のことですが、当時頼りにしていた大手メーカーの下請け仕事が、商品の廃盤とともに突然なくなってしまったことがありました。下請けの仕事は、なくなるときは一瞬でゼロになってしまいます。その危機感の中で、「自分たちの手で売り続けられるオリジナル商品を作らなければ」と、先代である父が一念発起して開発したのが、この「よりどりみどり」なんです。

誰にでも愛される味を目指して、あえて一つの味に絞らず、豆菓子6種類とあられ3種類、合計9種類もの味をミックスしました。発売以来、いろいろな新商品を作ってきましたが、この商品の人気には及びません。ずっと会社を支え続けてくれている、不動のナンバーワン商品ですね。

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海老やイカ、わさびなど、食べるたびに異なる味と食感が楽しめる不動の看板商品。小袋と大袋から選べる。

―「よりどりみどり」の食感へのこだわり、特においしさの秘密について詳しく教えてください。

松尾 最大の特徴は、他社にはなかなか真似できない「2層構造」の衣にあります。本来、豆菓子というのはピーナッツに砂糖蜜と粉を交互にかけて大きくしていくのですが、うちはその粉の配合を途中で変えて、2層に分けて巻いているんです。内側の層には、ふんわりと浮くような柔らかい生地を使い、外側の層には、割れない程度にカリッとする少し硬めのブレンド粉を使います。

通常なら1回で済む工程を2回に分けるわけですから、手間も時間も倍かかります。それでも、この製法でなければ出せない「サクッとして柔らかい」という絶妙な食感があるんです。
味付けにもこだわっていて、例えば海老やイカの豆菓子には、単に油と塩を振るだけでなく、隠し味を加えた特製の調味液を使用しています。一袋の中に、海老、イカ、海苔、わさびなどの豆菓子とあられが詰まっているので、食べるたびに違う味と食感を楽しんでいただけますよ。ピーナッツにかける砂糖蜜と粉を交互にまぶし、1時間ほどかけてじっくりと生地を育てていく職人技が光ります。

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内側はふんわり、外側はカリッと仕上げる絶妙な職人技。

―お客様はどのようなシーンで楽しまれていることが多いですか。

松尾 小さなお子様からご年配の方まで、本当に幅広い層のお客様にご愛顧いただいています。最初は「どんな味かな?」と小袋でお試し購入される方が多いのですが、気に入ってくださって、次からはお得な大袋や、ご進物用を選ばれるようになりますね。中に入っている海老やイカ、わさびなどの豆菓子は、それぞれ単品でも販売していますので、「私はこれが好き」というお気に入りの味だけを指名買いされる方もいらっしゃいます。家族団らんのお茶請けとして、テーブルの真ん中に置いて楽しんでいただいているようです。

―最近、メジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースに関連して大きな話題になったと伺いました。

松尾 そうなんです。実は、うちの常連のお客様がドジャースの関係者の方で、アメリカへ行かれる際に、スーツケースいっぱいに「よりどりみどり」を詰めて手土産として持って行かれたそうなんです。それをロバーツ監督や選手の方々に配られたそうで。ある時、大谷翔平選手が監督へポルシェのミニカーをプレゼントした話題がありましたよね。その時の写真の背景に、なんと「豆の蔵元」の紙袋が映り込んだんです。

それを見たファンの方々が「あの紙袋は何だ?」「大阪の豆屋の袋だ!」と特定されて(笑)。そこから注文が殺到して、一時は通常の100倍くらいのオーダーが入り、生産が追いつかなくなるほどでした。多くのお客様から「初めて理想の豆菓子に出会った」「あっという間に一袋食べてしまった」といったうれしいお声をいただき、本当にありがたいことだと思っています。

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世界的なニュース映像の背景に映り込み、SNSで特定された話題の紙袋。
大阪のローカルな味が海を越え、メジャーリーガーたちにも届けられた。

―もう一つの注目商品、「一番太鼓」についてもお聞かせください。

松尾 これは「うちの中で一番大きな豆菓子を作ろう」という意気込みから生まれた商品です。見ていただくと分かりますが、直径3〜4センチはある大粒の豆菓子です。これだけの大きさにするためには、通常の豆菓子作りの倍にあたる、約2時間もの時間をかけて、根気よく層を巻き上げないといけません。大きさだけではなく、中身の味にも妥協はしていません。職人がつきっきりで、手間暇を惜しまずに育て上げた、存在感のある一品です。

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存在感抜群の大粒豆菓子は、一粒でも十分な満足感が得られる。
甘めの特製醤油と磯の香りが漂い、晩酌の時間をより贅沢に。

―「一番太鼓」ならではの味わいや、おすすめの食べ方はありますか。

松尾 「一番太鼓」は、白醤油、赤醤油、あおさ、ソフトの4種類の豆菓子と、2種類のあられをミックスしています。生地の中に海老粉をたっぷりと練り込んでいるので、口に入れた瞬間に濃厚な海老の香りがフワッと広がります。味付けに使用している醤油も、既製品をそのまま使うのではなく、自社で調合して少し甘めに仕上げたオリジナルの特製醤油なんです。醤油だけなめても「おいしい」と感じる自信作ですね。海苔もふんだんに使っていますし、濃厚な味わいとカリッとした食感は、ビールや日本酒などのお酒のおつまみにも最適だと思います。

―「一番太鼓」は、プロからも高い評価を受けているそうですね。

松尾 はい。おかげさまで、全国菓子大博覧会において「名誉総裁賞」という素晴らしい賞をいただきました。名前の通りインパクトのある商品ですが、業界内でも品質や技術を認めていただけたことは、私たち作り手にとっても大きな自信になっています。

―最後に、今後の展望やお客様へのメッセージをお願いします。

松尾 昨年のブームの際は、商品が品薄になってしまいご迷惑をおかけしましたが、現在は設備や人を増やして生産体制を整えました。今年は、待ってくださっているお客様にしっかりと商品をお届けしたいと思っています。お菓子業界には春や秋といった新商品のサイクルがありますが、私たちは流行に左右されることなく、「本当に作りたい」と思ったタイミングで、納得のいくおいしいものだけを作って販売していきたいですね。先代から受け継いだ「2層構造」の技術と味を守りながら、これからも皆さんに喜んでいただける豆菓子を作り続けていきます。

―素敵なお話をありがとうございました!

よりどりみどり

「よりどりみどり」
価格:¥302~¥442(税込)
店名:豆の蔵元 オンラインショップ
フリーコール:0800-170-4100(平日 9:00~17:00)
定休日:日曜・祝日・お盆休み・年末年始 インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.mamenokuramoto.jp/products/detail/159
オンラインショップ:https://www.mamenokuramoto.jp/

一番太鼓

「一番太鼓」
価格:¥302~¥442(税込)
店名:豆の蔵元 オンラインショップ
フリーコール:0800-170-4100(平日 9:00~17:00)
定休日:日曜・祝日・お盆休み・年末年始 インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.mamenokuramoto.jp/products/detail/160
オンラインショップ:https://www.mamenokuramoto.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

松尾甲司(光栄ピーナッツ株式会社 代表取締役社長)
1967年生まれ。高校卒業後、父が立ち上げた光栄ピーナッツに入社。2010年同社代表取締役社長に就任。

<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/光栄ピーナッツ>

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