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卵かけご飯をおいしくいただけることだけを考えて作られた、カワグチ企画の「【信楽焼】卵かけご飯専用茶碗(大)」

2023/12/06

卵かけご飯が大好きな編集長アッキー。「卵かけご飯専用のお茶碗があるらしい」との噂を聞きつけ、興味津々。普通のお茶碗と何が違うの……?その疑問を解くべく、「たまごかけご飯専用茶碗」を企画販売している有限会社カワグチ企画の川口重雄代表に、取材スタッフがお話をうかがいました。

有限会社カワグチ企画 代表取締役社長の川口重雄氏
有限会社カワグチ企画 代表取締役社長の川口重雄氏

―「日本のいいもの」にこだわって、国内各地で生産されている生活雑貨用品の企画、販売を行っていらっしゃるとのこと。創業の経緯についてお聞かせください。

川口 正式な創業は20年前ですが、現在の仕事内容としてはかれこれ30年近くやっています。それまで私は、地元山梨の地域振興に関わる仕事をしていました。山梨というと、ぶどうや桃、ワインが有名だと思いますが、実はそのほかにもこの土地ならではの良質な物産がいろいろあるんです。

たとえば、弊社の地元である西八代郡市川三郷町でおもに作られている「市川大門手漉和紙」。その起源は平安時代にさかのぼり、中世末からは武田家の御用紙、そして江戸時代は幕府の御用紙として重用され、発展してきました。現在は、書道半紙、障子紙などの生産が盛んです。

市川大門といえば、日本三代花火の一つ「神明の花火」で知られていますが、花火も古くからこの地で盛んに製造されていますし、印鑑の生産も全国シェアの半分ほどを占めていて「日本一のはんこの里」でもあるんです。ただ、お恥ずかしながら私自身、地元に、それほど全国に誇れるものがあるということに、地域振興の仕事に携わるようになって初めて気がつきました。そのとき思ったんです。同じように、日本の各地には、埋もれている「いいもの」がたくさんあるんじゃないかと。私はもともと旅好きなこともあり、全国各地を訪ね、その土地の「いいもの」を発掘することが趣味になり、それがいまの商売につながっているという次第です。

長く、生協を中心にカタログ販売を行ってきましたが、日本の「いいもの」をより多くの方に知っていただきたいと、現在はWEB通販にも力を入れています。

―今回、ご紹介させていただく「卵かけご飯専用茶碗」は、どこで発掘されたのですか?

川口 滋賀県甲賀市信楽です。その地で古くから作られている信楽焼は長い歴史と文化に支えられ、「日本六古窯」の一つに数えられています。おそば屋さんなどの店先に立っている狸の置物がありますね。あれも信楽焼なんです。

信楽には現在もたくさんの窯元がありますが、なかでも私が惹かれたのが、86年の歴史を持つ丸十製陶さんでした。「いつでもみなさんの食卓の上に乗っている食器であり続けたい」という思いで、職人さんたちが一つ一つていねいに食器など生活まわりのものを日々、作られている。その姿勢に心を打たれてしまって、何かコラボさせていただけないか、毎日の暮らしの中で当たり前のように使ってもらえる商品がつくれないかと考えました。そこで生まれたのが、この「卵かけご飯専用茶碗」なんです。

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「【信楽焼】卵かけご飯専用茶碗(大)」。直径:約12.5cm✕高さ8cm、重さ約240g。
カラーは、こちらの「刷毛目」のほか「緑彩」「白釉」「十草」「青彩」の全5種類。
ひと回り小さな【信楽焼】卵かけご飯専用茶碗(小)もあります。

―信楽焼の伝統技術と川口社長のアイデアの結晶、というわけですね。「卵かけご飯専用茶碗」の特徴を教えていただけますか?

川口 まずは、ぬくもりがあり、手になじむ信楽焼だということ。そして最大の特徴は、茶碗の形。といた卵をまぜたご飯をかきこみやすいように、茶碗の口に4つの角を設けています。そして、卵をご飯にまぜやすいよう、茶碗を深めにしています。オンラインショップでご紹介したところ、たちまち話題になり、現在も人気ナンバーワンの商品です。卵かけご飯に限らず、納豆ご飯やお茶漬けも食べやすいとご好評いただいています。

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真上から見ると、茶碗の口が円ではなく4つの角があることがわかります。
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角がついていることで、かきこんだご飯が口にスルスルと入り、とても食べやすい!

―日本の伝統的ないいものというと「伝統工芸品」が思い浮かぶのですが。

川口 経済産業省が認める「伝統的工芸品」ですね。陶磁器、漆器、織物、木工品……と、日本には本当にすばらしい技術があり、現代にまで受け継がれています。しかし、「伝統的工芸品」とされる枠の外にも、全国各地にはその土地ならではの素材を生かしたもの、暮らしの中で人々の知恵や工夫から生まれた、「いいもの」がたくさんあるんです。

ただ、灯台下暗しと言うように、地元の方たちは自分たちが使っているもの、身近にあるものはあまりにも当たり前すぎて、あえてPRをしなかったりします。そうこうするうちに職人さんの高齢化などによって技術の継承がむずかしくなり、せっかくの「いいもの」が消滅寸前になっているケースも少なくありません。それが、本当にもったいないと思うので、私は全国を訪ね歩いているんです。コロナ禍前までは、1か月の3分の2は旅に出ていました。

―旅先で発見、発掘された商品と、それをもとに川口社長が企画開発したオリジナル商品とは、どこで出会えるのでしょう?

川口 「日本のいいもの.jp」という自社のECサイトのほか、楽天市場「日本のいいものカワグチ企画」、アマゾンでもご紹介、販売しています。安心、安全で長く使っていただけるこだわりの国内商品を多く揃えていますので、ぜひぜひ、のぞいてみてください。

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【市川大門の和紙】竹炭和紙。和紙の調湿効果と竹炭の除湿・脱臭効果を併せ持ち、
たんすや押入れ、下駄箱、食器棚などに敷くことで除湿・脱臭・調湿効果があります。
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売り上げランキング上位の【天然樟脳】国産の天然樟脳。
木のチップから採れる樟脳本来の防虫効果はもちろん、
化学薬品不使用なので、安心して衣類の防虫対策として使用できます。

―川口社長が訪ねられたことで、埋もれていた技術や商品が息を吹き返す、ということもあるのでしょうか?

川口 職人さんが1人で、とくにPRもせずにもの作りをしていて、このままでは技も品物も途絶えてしまう……という場面に出くわすと、放ってはおけなくて(笑)。職人さんの作っているものをそのままご紹介したり、こちらからアイデアを出して、今の人たちの暮らしに合うような商品を企画して販売したところ、いまやすっかり有名になった職人さんや製作所がいくつもあります。これは自慢ではなく、埋もれていた「いいもの」が世の中の人たちに広く認められ、使っていただけることが私にとって何よりのよろこびであり、この仕事のいちばんの魅力なんです。

―象徴的なエピソードがありましたら、お聞かせいただけますか?

川口 「いいもの.jp」の人気商品の一つに、たわしがあります。和歌山県海南市で作られている、本物の棕櫚(シュロ)を使ったものなんです。このたわしとの出会いは、十数年前。当時すでに、たわしのほとんどが外国産だったのですが、私は日本でもまだ作っているところがあるはずだと、探し歩いていました。そんなある日、和歌山県のアンテナショップにふらっと立ち寄ると、昔ながらの棕櫚で作ったたわしがあったんです。

外国で作られているたわしのほとんどは、パーム椰子で作られているのですが、とても硬く、使っている間にボロボロ欠けてきたりするんです。それに比べて、棕櫚のたわしは硬すぎず柔らかすぎず、しなやか。洗いやすいだけでなく、触り心地もとてもいいんです。

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【高田耕造商店】棕櫚束子。
洗う能力が高いのはもちろん、触り心地のよさで大人気。

―国産のたわしは貴重なのですね。

川口 昔、海南市にはたわしを作っている会社が200社くらいあったそうなのですが、その当時でもほとんど残っていませんでした。それは大変だと思って、アンテナショップの方に生産者の連絡先を聞き、生産者である高田耕造商店さんを訪ねました。「こちらのたわしを、弊社で取り扱わせてほしい」と言うと、最初は「何者か?」「騙されるんじゃないか」と思われたようですが(笑)、そうではなくて、本物のたわしを多くの人に知ってもらいたい、そのためにも作り続けてほしいと話すと、ようやく信用してもらうことができました。

高田さんが従来作っていらしたたわしに加えて、急須やお茶ポットの中を洗えるように木の柄をつけた小さめのたわしをリクエストして作ってもらったところ、お客様の反応がよく、たちまちヒット商品に。そのうち、高田さんが作る本物のたわしのよさが全国的に知られるようになりました。いまや、「高田耕造商店のたわし」は立派なブランドに成長されました。最近は、高田さんの他にも棕櫚のたわしを作るところが出てきて、町の活性化にもつながっているようです。その一端を担わせていただけたのかなと思うと、私もうれしいですね。

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【高田耕造商店】棕櫚製急須にやさしい束子。
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【高田耕造商店】棕櫚の茶ポットたわし。

―最後に、今後のビジョンをお聞かせください。

川口 日本は「ものづくりの国」と言われるように、各地に良質の材料を使い、確かな技術で作られたものがたくさんあるはずです。職人さんの世界でも、最近は若い人が増えはじめ、先代の技術を受け継ぎながら現代の生活に沿ったもの、若い世代の感覚にマッチしたものを次々に生み出しています。そんな職人さんたちにやりがいとよろこびを感じてもらえたら、日本の「いいもの」は今後も生き続け、発展していくでしょう。

全国のみなさんにはぜひ、そうした「いいもの」に触れ、よさを実感していただきたい。コロナ禍もだいぶ落ち着いてきたようですので、「いいもの」探しの旅を再開し、今後も続けていきたいと思います。

―次はどんな「いいもの」を見つけ出してくださるのか、とても楽しみです。本日は、貴重なお話をどうもありがとうございました。

【信楽焼】卵かけご飯専用茶碗(大)

「【信楽焼】卵かけご飯専用茶碗(大)」
価格:¥1,760(税込)
店名:日本のいいもの.jp
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://nihonnoiimono.jp/view/item/000000000065?category_page_id=ct72
オンラインショップ:https://nihonnoiimono.jp

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
川口重雄(有限会社カワグチ企画 代表取締役社長)

1947年生まれ。山梨県出身。旅好きで、日本のこだわり製品を発掘し、現在も全国各地を飛び回っている。国内製品に特化し生協事業を開始。カワグチ企画のみが取り扱ってる商品も他臼あり、現在は生協のみならずWEB通販にも販路を拡大中。

<取材・文・撮影/鈴木裕子 画像協力/カワグチ企画>

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