
ミネラル豊富な沖縄の黒糖が口の中でホロリ!濃厚なラム酒やスパイスが香る「ブラウンシュガーファッジ」
2026/02/24
沖縄のお菓子といえば、ちんすこうや紅芋タルトがおなじみですが、今回、編集長のアッキーが注目したのは、「ブラウンシュガーファッジ」です。ロンドンの伝統菓子「ファッジ」を、ミネラル豊富な沖縄の黒糖で再構築したこのスイーツ。口の中でホロリと崩れる独特の食感と、濃厚なラム酒やスパイスが香る、まさに大人のための贅沢な逸品です。
その洗練された味わいの背景には、戦後沖縄で「日本初のショッピングセンター」として誕生した企業の、存続をかけた再生の物語がありました。取材スタッフが、沖縄県に本社を構える、株式会社プラザハウス 代表取締役社長の平良由乃氏にお話を伺いました。

株式会社プラザハウス 代表取締役社長の平良由乃氏
―まずは、1954年創業という御社の歩みについてお聞かせください。
平良 プラザハウスは、戦後間もない1954年に沖縄市に開業した日本初のショッピングセンターです。創業者のチャーリー・C・ションは香港出身で、マッカーサーと共にフィリピンやオーストラリアの基地開発に関わっていました。本来なら沖縄での任務を終えれば次の地へ向かうはずでしたが、沖縄の人々の優しさや、大変な時期でも明るく前向きな姿に感銘を受け、ここにショッピングセンターを作ることを決意したのです。


創業から70年余り、異国情緒あふれる佇まいは今も健在。
―日本初のショッピングセンターとして、地元の方々にとってはどのような存在だったのでしょうか。
平良 当初は米軍関係者向けでしたが、やがて地元の人々にも開放され、「憧れのアメリカ」を感じられる特別な場所として定着しました。ところが2015年、近隣に巨大なショッピングモールができ、さらに沖縄に免税店制度が導入されたことで、私たちは大きな転機を迎えます。それまで扱っていた有名海外ブランド品が、制度の関係で扱えなくなってしまったのです。「仕入れて売る」という従来のビジネスモデルが崩れ、存続の危機に直面しました。
―社長ご自身はどのような経歴をお持ちで、その危機にどう立ち向かわれたのですか。
平良 私は沖縄生まれですが、大学進学を機に上京し、アパレル企業に就職しました。代官山ヒルサイドテラスなどを拠点に、ブランドのPRやグッズ制作など、ファッションやものづくりの現場に10年ほど身を置いていました。その後、父がプラザハウスを継承することになり、私も沖縄へ戻りました。そして2009年に社長に就任。先ほどお話しした危機に直面したとき、「外からの脅威と戦うのではなく、自分らしさを守ろう」と決めたのです。「よそで買えるものは、ここでなくてもいい」。私たちが直接作り手とつながり、自らの手で責任を持って送り出せるオリジナル商品を作ることで、新しい価値を生み出そうと考えました。
―そこから生まれたのが「ブラウンシュガーファッジ」なのですね。開発のきっかけを教えてください。
平良 沖縄県から「地域資源である黒糖を使った新しいおみやげを作ってほしい」という依頼があったのが始まりです。ちょうどファッションの仕事でヨーロッパへ行く機会があり、ロンドンのヒースロー空港でトランジットをしていたとき、現地の伝統菓子「ファッジ」に出合いました。そのとき「これだ!」と直感したんです。でも、本場のファッジは白砂糖とミルクで作られていて、日本人には甘すぎる。そこで、「この甘さを、ミネラル豊富でコクのある沖縄の黒糖に置き換えたら、最高においしいものができるはず」と思いつきました。

ロンドンの伝統菓子を、ミネラル豊富な沖縄黒糖で再構築した新しい沖縄の味。
―ロンドンの伝統と沖縄の素材の融合ですね。開発でこだわった点はどこでしょうか。
平良 単なる黒糖菓子ではなく、歴史あるプラザハウスだからこそ提案できるハイブリッドなスイーツを目指しました。特にこだわったのは、キャラメルとも違う、砂糖の結晶がサクッとほどけるような独特の食感です。素材も、余計な混ざり物を入れるのは避けたかったので、黒糖、バターなど、本当にシンプルな材料だけで作っています。製造は、工場のライン生産ではなく、信頼できるホテルのパティシエにお願いしました。何度もレシピの調整を重ね、手仕事で丁寧に作ってもらうことで、繊細な口どけと深いコクを実現しています。

口の中でホロリと崩れる独特の食感は、キャラメルともチョコレートとも違う、未知の体験。

厳選された黒糖やバターなどのシンプルな素材が、熟練の技によって繊細な口どけへと昇華される。
―フレーバーは4種類あると伺いました。それぞれの特徴を教えてください。
平良 「プレーン」は黒糖とミルクの優しい味わいが楽しめます。「ジンジャー」は、沖縄では昔から黒糖と生姜を合わせる食文化があるので、「これは絶対マストだ」と思って作りました。スパイシーで温かみのある味に仕上がっています。「タンカンピール」には、沖縄独特の柑橘であるタンカンの皮を使用し、爽やかな香りを加えました。そして一番のこだわりは「ラムレーズン」です。私がたまたまお酒好きということもあり、黒糖からできるラム酒を使いたいと考えました。一般的なレシピの2〜3倍ものラム酒をたっぷりと染み込ませていて、一口食べると酔いしれるような、完全に大人向けの味わいです。



プレーン、ジンジャー、タンカンピール、そしてラムレーズン。
沖縄の素材と英国の伝統が融合し、4つの個性豊かな味わいが生まれた。
―パッケージデザインも非常に洗練されていますね。
平良 モチーフは黒糖を挽く「石臼(うす)」なんですよ。それをモダンなグラフィックに落とし込み、洋書のような佇まいにしました。「いかにも」なおみやげではなく、インテリアとして部屋に置いても絵になるような、ファッションアイテムのようなお菓子にしたかったんです。海外の方に差し上げてもとても喜ばれますね。
―どのようなシーンで楽しむのがおすすめですか。
平良 4種のフレーバーが入ったボックスは、センスのいいギフトとしておすすめです。ご自分用なら、仕事の合間や夜のリラックスタイムに、濃いめのコーヒーや紅茶、あるいはお酒と共に楽しんでいただきたいですね。沖縄に行けなくても、食べるだけで異国情緒と南国の風を感じていただけると思います。
―お客様や周囲からの反響はいかがですか。
平良 海外のバイヤーに持っていくと非常に反応が良く、国境を越えて通じるおいしさだと感じています。地元沖縄でも、百貨店のリウボウさんやブティックホテルなどで取り扱っていただいており、食通の方々にも選ばれています。
―最後に、今後のビジョンをお聞かせください。
平良 プラザハウスを単なる商業施設ではなく、沖縄の人々の感性を育てる拠点にしたいと考えています。「沖縄を真剣にかっこいい島にする」。そのために、黒糖という伝統素材を世界に通じる商品に昇華させたように、これからも沖縄の本質的な豊かさを発信し続けていきたいですね。
―本日は素敵なお話をありがとうございました。

「ブラウンシュガーファッジ」
価格:¥810(税込)(※プレーンのみ ¥756)
店名:PLAZA HOUSE
電話:098-930-2602(10:30~18:00 土日、祝日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.rogers1954.jp/online-shop?colorme_page=items&keyword=ブラウンシュガー
オンラインショップ:https://www.rogers1954.jp/online-shop?colorme_page=items
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
平良由乃(株式会社プラザハウス 代表取締役社長)
1958年沖縄生まれ。東京のアパレルメーカーにて企画生産業務に関わる。1987年プラザハウス入社。商品開発、企画、広告、ショッピングセンター運営業務に携わる。「2007年・2008年沖縄デザイン戦略構築推進事業」ディレクター。2009年、創業55周年を機に社長就任。プラザハウスは米軍統治下時代の1954年、日本初のアメリカ型ショッピングセンターとして誕生し、2024年に創業70周年を迎える。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/プラザハウス>




























