
旨み濃厚な厚切りと特製タレ。焼津港で目利きのこだわりから生まれた「炭火焼かつおたたき丼」
2025/12/23
今回、編集長のアッキーが注目したのは、「炭火焼かつおたたき丼の素」です。解凍してご飯に乗せるだけの手軽さながら、スーパーの刺身パックとは一線を画す驚くほど厚切りの身と、炭火の香ばしさが口いっぱいに広がる本格派です。その背景には、「焼津の海と漁師を守りたい」という、水産会社の魚への深い情熱が詰まった物語がありました。取材スタッフが、静岡県焼津市に本社を構える、山福水産株式会社の代表取締役、見崎 真氏にお話を伺いました。

山福水産株式会社の代表取締役 見崎 真氏
―まずは、御社の歩みとしてお聞かせください。
見崎 創業は1960年(昭和35年)です。私の祖父が創業し、父が2代目、私で3代目になります。創業以来、焼津港で仲買人として魚を見極める「目利き」を行い、買い付けから加工までを一貫して行ってきました。時代が変わっても、「おいしい魚を届けたい」という思いは、祖父の代からずっと変わらずに受け継いでいます。



創業以来、焼津の海と共に歩んできた山福水産。
確かな目利き技術は、初代から現社長の見崎氏へと脈々と受け継がれている。
―ご自身は、もともと家業を継ぐご予定だったのですか。
見崎 いえ、継ぐ気はまったくありませんでしたね。学校を卒業後は大阪に出て、魚とは関係のない仕事をしていました。ところが1994年、父が心臓の病気で入院することになりまして。それがきっかけで、24歳のときに急遽、実家へ戻ることになったのです。現場に入ってみて、地元の水産業が抱える魚価の低迷という課題が見えてきました。
―今回ご紹介する「炭火焼かつおたたき丼の素」は、どのような経緯で誕生したのでしょうか。
見崎 山福水産で新たな加工工程としてスライサー(スライスする機械)を導入することが決まり、スライスしたかつおたたきの商品開発が同時に開始しました。そこで、お世話になっているしょうゆメーカーの鈴勝さんにかつおたたきスライスに合うたれを提案してもらい、漬けにして海鮮丼にしたらごはんにすごくよく合う商品が出来上がりました。地元の飲食店に卸し好評を得たことで、自社商品としても販売を開始しました。
次に、水産事業者として「魚の値段を安定させ、漁師の皆さんの生活を守りたい」という思いがずっとありました。かつおが漁獲され商品になるまでには、たくさんの人の命がかかわっているのに、どうしても安く見られがちな魚です。さらに、かつおは加工過程で約半分が頭や骨などの「不可食部」となってしまう。これを、より正しい価値で活用するために肥料にする取り組みを始めました。
魚に合う農産物ってやっぱりお米なんですよね。それで、この肥料を使ってお米を育て始めたのです。可食部の半分以下の価値だった部分を肥料としてお米を作ることで正しい価値のまま、さらに環境にも人にもやさしく循環させることができる。
そして、かつおたたき丼の素とこのお米を一緒に食べたらよりおいしい。事業と事業の間にもひとつの循環が生まれました。

海と陸の恵みを循環させる取り組みから生まれた、極上の丼。


焼津の食文化と農業を融合させ、次世代へつなぐ試み。
構想から4年を経て、焼津PORTERS内に直営店「こめふく」をオープン。
―味についてのこだわりも教えてください。
見崎 まずは、原料となるカツオそのものへのこだわりです。焼津港の仲買人として、長年の経験で培った「目利き」で、脂の乗りや鮮度が確かなものだけを厳選して買い付けています。船が沖にいる段階から情報を集め、水揚げ時や加工時にも徹底的に選別を行い、本当においしい魚だけを使用しています。
そのうえで、一番のこだわりといえるのが「厚切り」です。一般的なスーパーの商品よりもあえて厚めにスライスしています。そのほうが特製タレとの絡みがよく、口いっぱいに頬張ったときの満足感や、噛むほどに広がる赤身の旨みが段違いだからです。タレは地元の醤油屋さんと共同開発したもので、ご飯に合うよう少し甘めに仕上げました。加工する技術、そして味の決め手となるタレ。すべてがこの街で揃った、まさに「オール焼津」で作った味ですね。



地元の醤油屋と共同開発したタレが、厚切りの身によく染み込む。
「オール焼津」の職人技が結集した、妥協のない味わい。
―おすすめの召し上がり方はありますか。
見崎 準備はとても簡単ですよ。冷凍庫から出して、流水に10〜15分ほど浸しておくだけで解凍できます。あとは炊きたてのご飯に乗せるだけです。お好みでネギや海苔、卵黄などをトッピングしていただくと、さらにリッチな味わいになります。忙しい平日の夜や、休日のランチなどに、「手抜き」ではなく「ごちそう」として楽しんでいただければうれしいですね。
―お客様からの反響はいかがですか。
見崎 ありがたいことに、一度食べた方が「おいしかったから」と、ご友人へのギフトに選んでくださることが多いんです。そして、そのギフトを受け取った方が味に感動して、今度はご自身で購入してくださる。そんな「幸せの連鎖」でリピーターさんが増えています。
―最後に、今後の展望をお聞かせください。
見崎 私たちにとって一番大切なのは、「焼津の港に船が来続ける未来」を守ることです。そのためには、自社だけがよければいいのではなく、地域全体で盛り上げていく必要があります。オープンファクトリーで工場を開放したり、子ども向けの職業体験イベントに協力したりして、地元の産業を知ってもらう活動にも力を入れています。おいしいカツオを食べていただくことが、焼津の海を守ることにもつながる。そんなふうに、消費者の方々と一緒に未来を作っていけたらと考えています。
―貴重なお話をありがとうございました。

「炭火焼かつおたたき丼の素(切り落とし漬け)115g×4食入」
価格:¥2,700(税込)
店名:福えらび
電話:054-623-0696(9:00~16:30※土日、祝日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://fuku-erabi.yaizu-yamafuku.co.jp/?pid=155175928
オンラインショップ:https://fuku-erabi.yaizu-yamafuku.co.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
見崎真(山福水産株式会社 代表取締役)
1970年静岡県焼津市生まれ。大学卒業後、大阪での勤務を経て1994年に帰郷し、山福水産株式会社に入社。2005年、代表取締役に就任。水産加工業の枠を超え、循環型農業や地域活性化イベントなど、焼津の未来を守るための多角的な取り組みを牽引している。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/山福水産>




























