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おいしさと安心が両立した天然だし専門店の「有機天然だしシリーズ」

2023/06/12

天然だし専門店が、古代より伝わる調理法にヒントを得て、うま味を凝縮する製法を独自開発。天然、安心、安全、美味、さらに有機認証を取得した液体調味料が、家庭料理をランクアップしてくれると評判です。今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になったマエカワテイスト株式会社 代表取締役の前川隆嗣氏に、取材陣が伺いました。

マエカワテイスト株式会社 代表取締役社長の前川隆嗣氏
マエカワテイスト株式会社 代表取締役の前川隆嗣氏

―御社の歩みをお聞かせください。

前川 1951年に父が削り節1台で削り節製造会社を創業。父の兄から分家したので、業務用に限られてのスタートでした。結果的には、販路を遠方にまで求め、全国的に販売活動ができてよかったと感じています。

1990年に、日本初となる自動だし取り機を発売。一般家庭向けの商品も製造するようになり、2000年からは「有機」商品の製造を始めました。

現在は、食品添加物無添加を方針に、だしパック、液体だし、調味料などの開発・製造・販売を行っています。

―「有機」へのお考えをお聞かせください。

前川 私は大学を卒業後、別会社で2年間勉強してから前川商店に入社し、父の逝去にともなって代表を継ぎました。商品開発などで思いを巡らせる中で、人間は食べ物を食べて生きているという基本に立ち返りました。例えば、「有機」のドレッシングを選んでも、野菜に農薬が使われていれば、そのサラダは「有機」でない。「天然」「農薬」「遺伝子組み換え」……自然な食事を追求する中で学びを深め、「有機」にたどり着きました。

実は「無添加」には落とし穴があります。たんぱく加水分解物や酵母エキスは、科学的に作られるうま味成分ですが、食品に分類されるため、無添加表示ができる。法律的には問題ありませんが賛否両論あります。うちとしては、気になるものは使いたくないというお客様の望みをかなえるために、どちらも使用しないでおいしいだしを作っていく方針です。

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今回ご紹介する「有機天然だしシリーズ」。3本あれば、1食分の献立が簡単にバランス良くできる便利さ!

―「有機天然だしシリーズ」について教えてください。

前川 2000年の発売当初はJONA(日本オーガニックアンドナチュラルフーズ協会)の有機認定、JAS法が施行された後翌2001年には、有機JAS認定を取得しました。

実は、原材料のうち95%以上が有機食材であれば認められるのですが、だしは水産物扱いで、有機JASの規定に入りません。醤油や砂糖などその他の材料を有機にしても、だしは5%以下に抑えなければなりません。しかし、通常のだしをそのくらい入れても物足りない……。そこで、濃縮しただしを加えることを思いつき、「堅魚煎汁(かつおのいろり)」に思い当たりました。

「堅魚煎汁」は、古代より作られてきた天然の調味料です。生のカツオを煮て、カツオは煮堅魚(にかたうお)として保存し、煮汁を煮詰めたものが「堅魚煎汁」。カツオのうま味が凝縮した天然の液体調味料として、1300年前から重宝されたそうです。

そこからヒントを得て、削りぶしや昆布などのだし原料を熱水抽出し、うま味を凝縮させる方法を編み出しました。「煮釜だし」製法と名付け、商標登録。魚と水と火(熱)で作るシンプルな製法であり、素材が本来持っているうま味をそのまま凝縮することができます。手間と時間(一晩)はかかりますけどね。

その他の原料として、有機醤油と有機砂糖、昔仕込みの本みりん、高知県の海洋深層水を使用した食塩などを使用。原料探しは大変でしたが、こだわりました。

―ラインナップは3種類ですね。

前川 最初に誕生したのが、甘じょっぱい味付けの料理に使える「有機天然だし甘口醤油」です。おいしい丼料理やすき焼きにどうぞ。砂糖を入れなくても味が決まるので、調理が手間なく楽になる側面もありますね。

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いわゆる甘口の醤油でなく、甘辛だれといった感覚で、丼料理や蒲焼風などに、これ1本で味が決まる。

2つめは「有機天然だし醤油」。醤油にたまたまだしが入っているという感覚で、醤油代わりに使ってください。だしの風味が強いので、少しでおいしくなり、減塩につながるのではないでしょうか。だしは、カツオにサバも合わせた関西風。食材の甘みを引き立たせてくれると思います。

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だしが上品に香る「だし醤油」。野菜の煮物もだしいらずで、薄味で煮ると素材の味が引き立つ。

3つめは、サラダなどにもかけられる柑橘系の風味を合わせたいと思ったところ、高知県内で有機柚子を見つけました。柚子のさわやかさが生きているので、ドレッシング感覚で、サラダやカルパッチョなんかとも相性がいいですよ。

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酸味が立ちすぎることなくうま味と塩味とバランスが良い「ゆずぽん酢醤油」。野菜や豆腐、刺身との相性も◎。

―改めてだしのポテンシャルを感じます。

前川 天然だしで食事の問題や悩みを解決したいという想いを、「だしソリューション」と名付けて情報発信しています。新米ママの離乳食の悩みが安心につながるとか、高血圧の方が、だしを効かせることで減塩食を楽しめるとか。

手軽なスティックタイプの個食用商品も開発予定です。ドレッシングやマイだしなど、使いやすくて安全な液体調味料を外食時にも楽しんでいただけるように。

―ほかにはどのような取り組みをされていますか?

前川 プラントベース(植物由来の原材料のみを使う食品)にも取組中です。試作では、豚骨(風)ラーメンと味噌ラーメンが完成しつつあるんですよ。

プラントベースで動物性食品を再現するには、添加物を使う方が簡単で、そういう商品も多いのですが、我々は無添加に挑戦することを使命としています。こだわりの層をめがけて、プラントベースでも添加物のない道を選んで進んでいます。

誰もしないような、手間暇時間をかけるということをやっている、変わり者なのかもしれません。有機シリーズにしてもそうですよね。調味料や添加物をあれこれ足してかさを増やして作る方法もあります。しかし、「煮釜だし」はたとえば1000Lのだしを50L程度に濃縮します。出来上がりを20分の1に減らしているわけなので、採算は合いませんね(笑)。

今や選択の時代になりました。物も情報もあふれていて、自由に選べます。あふれすぎて選べないという側面があるかもしれません。ですから、はっきりとしたポリシーの下、選びやすい商品を提案していきたいと思っています。

―今後の展望やお客様への想いをお聞かせください。

前川 実は、メディカルルートに通ずる商品にも着手しています。サプリメントではありませんが、ドラッグストアに並ぶような商品です。だしの力を、健康維持、病気予防に役立てていただければ……。

2048年問題をご存じですか? 地球温暖化や海洋資源の乱獲、海洋汚染などの問題が重なって、2048年には海から食用の魚が消えてしまうという論文が発表されています。実際に、だしの原料が減ってきていることを感じています。プラントベースの開発にはそんな背景もありました。

我々は、厳しい環境変動に適応しながら、おいしい、たのしい、うれしい、ヘルシーを目指した商品づくりを続けてまいります。

科学の力に頼らないだしのうま味をもう一度味わっていただきたいと思っています。子どもの頃から味覚を整えるのは大切です。添加物の味や外食などの濃い味つけに慣れないように、うちの商品がその一助になれば幸いです。

―素晴らしいお話をありがとうございました!

有機天然シリーズ

「有機天然だしシリーズ」(天然だし甘口醤油・天然だし醤油・ゆずぽん酢醤油/各200ml)

価格:各¥734(税込)
店名:マエカワテイスト株式会社
ブランド名:まえか和
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://maekawataste.shop-pro.jp/?mode=grp&gid=1354762
オンラインショップ:https://maekawataste.shop-pro.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
前川隆嗣(マエカワテイスト株式会社 代表取締役)

1953年兵庫県姫路市生まれ。香川大学経済学部を卒業後、1975年に削り節製造会社の秋元水産へ入社。2年後、家業である前川商店(現マエカワテイスト株式会社)に入り、1992年代表取締役に就任。

<文・撮影/植松由紀子 MC/石井みなみ 画像協力/マエカワテイスト>

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