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江戸時代からの作り方で料理のプロにも愛される「福来純「伝統製法」熟成本みりん」

2024/03/08

今回、編集長アッキーが気になった製品は、昔ながらの本みりんを製造する「白扇酒造」です。白扇酒造株式会社・代表取締役の加藤孝明氏に商品の魅力を取材陣がうかがいました。

白扇酒造株式会社 代表取締役の加藤孝明氏
白扇酒造株式会社 代表取締役の加藤孝明氏

―家業を継がれるまではどのように過ごされてきましたか。

加藤 幼少の頃は戦後の貧しい時代でしたが、家は裕福なほうでした。みんながお古ばかり着てるのに、自分だけいい服を着ているみたいな居心地の悪さを結構感じていました。蔵元で大きな家に住んでいると目立ちますし、ずれがすごく嫌だったのを覚えています。
家を継ぐつもりはなく、大学時代は学生運動で授業もまともに受けられなかったのでヨーロッパを周遊していました。バックパッカーをしているうちに自分と向き合って、哲学的な思考を深め、自分の居場所はどこなのかを真剣に考えるようになりました。そのうち父親から戻ってこいと言われましたが、成功するか失敗するかということよりも、自分の居場所を確定させていくことが一番重要なんだという気持ちで家業を継ぎました。

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ピクルスの隠し味に。

―創業当初から変わらない御社のDNAなどはございますか。

加藤 創業は江戸末期ですが、当時の記録は残っていません。お酒の場合は免許が必要なので記録があるのですが、みりんは不要だったんです。会社の概念なく、家内工業的な感じでスタートしたのだと思います。ただ、おいしいみりんへのこだわりは変わっていないと思います。
代々、新しいものを取り入れていくのではなく、昔どおりに作っています。どんどん発展してくとか、違った作り方をするとか、そういうことはわざとしない。ですから社員は結構大変な仕事をしなければならないのですが、合理化を進める世の中の流れとは違う場所にいます。
当社のみりんは3年寝かしているので時間も手間もかかり、突然たくさん作るのも無理です。大きい会社にはなれないけれど、それでいいと考えています。でも、これが我々の居場所であり、お客さんもそれを理解して、ずっと使ってくださっているのだと思います。

―みりんはいつ頃から日本で使われているのでしょうか。

加藤 焼酎が日本に伝わってきたのが戦国時代ですから、みりんはそれ以降に作られるようになり、江戸時代は薄いみりんからどんどん濃くなっていきました。美濃では寝酒として甘党にも愛飲されていました。
しかし江戸末期に吉野の杉材で桶と樽ができて、お酒の生本造が発展します。大きくて軽い桶で酒を量産し、樽で船に積む物流革命によって流通しやすくなり、醸造業が爆発的に発展したんです。味噌や醤油もそうで、余った酒粕からは漬物、酢、みりんが作られるようになりました。そして醤油とみりんを使った料理が増え、鰻のたれ、丼物、そばつゆ、焼き物、煮物にみりんと醤油が欠かせなくなっていったのです。
みりんだけ使う料理はないので、隠し味みたいな言い方を昔からされますが、みりんがないと味がきまらず、重要な役割をしているんです。

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加賀棒茶プリンなどデザートにも使えます。

―今回取材させていただく「福来純「伝統製法」熟成本みりん」が他のみりんと違うところを教えてください。

加藤 焼酎からすべてを自分たちで作っているのがまず一つ。もう一つは昔ながらの手作りで今でも3年熟成させているのが大きな特徴です。江戸時代の味に近い、昔っぽいみりんと言えるでしょう。
焼酎ともち米と麹だけで作っているので、熟成でいろんな成分が出てきます。最初は透明ですが、1年経つとちょっと黄色っぽくなって、3年ぐらいで焦げ茶色っぽくなって、10年経つと真っ黒に。後でいろんな成分が出てくるんです。これは麹菌のせいで、混ぜ物のあるみりんは色が変わりません。うちのみりんは買った後も、家の中で熟成していくんです。3年でお出ししているのは、色や味のバランスが一番いいからです。20~30種類の糖分が出てきて、他には作れない味になっています。

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蔵人の手作業によって丁寧に育てた米麹を使用。
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化学調味料や食品添加物は一切不使用。国産米100%使用。

―「福来純「伝統製法」熟成本みりん」を使ったおすすめ料理はございますか。

加藤 やはり鰻のタレですね。素焼きでみりんを使ったタレをたっぷりつけるのがおいしいです。熟成の中で非常に味が良くなるので、どんな料理にでもちょっと入れていただくとおいしくなります。

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手づくりで鰻のタレが作れます。

―今後の展望を教えてください。

加藤 新しいことをせず、今のこの作り方を続けていくことを大切にしていきます。

―貴重なお話をありがとうございました。

福来純「伝統製法」熟成本みりん

「福来純「伝統製法」熟成本みりん」1.8L
価格:¥2,750(税込)
店名:白扇酒造
電話:0120-873-976(平日8:30~18:00 土日祝8:30~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.hakusenshuzou.jp/goods/detail.cgi?id=10
オンラインショップ:https://www.hakusenshuzou.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
加藤孝明(白扇酒造株式会社 代表取締役)

1950年岐阜県生まれ。1973年学習院大学経済学部卒。株式会社平喜(静岡の問屋)、1974年国税庁醸造試験所を経て白扇酒造株式会社に入社。1980年代表取締役となる。会社は次世代の長男(副社長・祐基)が継いでおり、近々社長を交代。

<文/垣内栄 MC/矢口優衣 画像協力/白扇酒造>

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