何よりもおいしさを最優先! ”要冷蔵”にこだわり続ける ビッグシェフの「すりおろしチーズ」

2023/10/16

ビタミン補給に欠かせないフレッシュな野菜。そこで欠かせないのが、ドレッシング。今回、編集長アッキーこと坂口明子が気になったのは、46年前にドレッシング専門の製造・販売会社として創業したビッグシェフ株式会社が手がける「すりおろしチーズ」。プロの料理人も認めるその味の秘密について、同社代表取締役社長の藤咲秀知氏に取材陣がお話をうかがいました。

ビッグシェフ株式会社 代表取締役社長 藤咲秀知氏

ー創業の経緯を教えてください。

藤咲 きっかけは、70年近く前にさかのぼります。昭和30年(1955)頃、私の父であり、ビッグシェフグループ創業者である藤咲信次がレストランの厨房で手作りしていたドレッシングをお客様にとても気に入っていただき、ワインボトルに詰めてお分けしたことが始まりです。

父は日光の金谷ホテルやホテルアラスカ、将校倶楽部などで修行を積んだ後、東京の西洋料理レストラン「紅花」で総料理長を務めていました。そこで、いろいろな料理を考案、工夫をしていたのですが、その中の1つとして、野菜を食べるドレッシングを作っていたのです。

その頃の日本には、西洋料理の食文化はまだまだ一般的ではなかったので、ドレッシングも馴染みの薄い調味料だったのですが、ステーキやハンバーグと一緒にお出ししていたサラダにドレッシングをかけたところ、お客様がとても喜んでくださったそうです。
「紅花」から独立して開いた「ビッグシェフ」でも、父の作るドレッシングは「おいしい!」と評判で、その噂が近隣の百貨店に伝わり、商品化が実現したのです。

ーその時から、藤咲社長はお父様の片腕としてドレッシング作りに携わっていたのですか?

藤咲 いえいえ、私は男ばかり4人兄弟の末っ子で、その頃はまだ学生で、スキーに明け暮れていました(笑)。大学4年の時、1番上の兄が父親の店の支店を任されることになり、私はそこを手伝うことに。料理人ではなくウェイターとしてですが、店が繁盛して忙しくなり、大学を辞めてしまいました。その後もしばらく兄の店を手伝っていたのですが、両親から「男は何か1つくらい、自分の仕事を持ったほうがいい」「ドレッシングや料理用ソースを作ったらどうか」と言われ、父や兄たちとドレッシングの製造販売を行うビッグシェフ株式会社を設立し、自社工場での生産を始めました。1977年のことです。

創業者の藤咲信次氏。この姿がビッグシェフ株式会社のトレードマークとなっています。

ー創業当初は、どのようなドレッシングを作っていたのでしょう。

藤咲 父がレストランでお客様にお出ししていた、生のきゅうりを使ったキューカンバードレッシングや、生のセロリを使ったセロリドレッシングです。どちらもとてもおいしくてお客様に大人気でしたから、父が「これを作りなさい」と。
私には料理人としての経験がないので、父の味を再現するなんて不可能に近い(笑)。でも、私にとって父は「神」のような存在でしたから、その命令に従わないわけにはいきません。

父はとにかく勉強熱心で、辞書を片手にフランス語で書かれた料理の本を読みながら、オリジナルの料理を次々に生み出していました。また、「川崎敬三の料理ジョッキー」や「桂小金治アフタヌーンショー」といったテレビ番組にもよく招かれ、アフタヌーンショーではスタジオで、当時は珍しかった鉄板焼のパフォーマンスをしたりして、活躍していたんです。そんな父を私は尊敬していましたから、父の求めに何とかして応えようと必死でした。

ーもっとも苦労されたのは、どのようなところですか?

藤咲 きゅうりやセロリのドレッシングはおいしかったのですが、日持ちがしないのが最大の難点でした。父が作るドレッシングのメインの材料は、すりおろした野菜。つまり、生野菜のジュースに味つけをしてドレッシングに仕立てていたのです。ところが、野菜には土壌菌などがついているので加熱殺菌をする必要があります。でも、熱を加えすぎると野菜の味が失われてしまいます。この、殺菌しながらも野菜の味が失われないようにする、というところが非常にむずかしいんです。

レストランでお出ししているドレッシングの日持ちはせいぜい3日。でも、ご家庭で使っていただくにはもう少し持たせたい、と工夫を重ねて1週間持つように、さらに工夫をして1カ月持つようにと開発を進めてきました。

創業以来、圧倒的人気を誇る「グリーンナチュラル」。たまねぎを主原料にした、
旨みと酸味のバランスが絶妙なクリーミーなフレンチドレッシングで、ビッグシェフの看板商品です。

ー現在に至るまで、商品づくりの上でこだわっていらっしゃることは?

藤咲 第一に、すべて「要冷蔵」で流通していることです。
弊社のドレッシングの原点は、父の手作りドレッシングです。その味を再現して、お客様にご自宅でもレストランの味を味わっていただきたい。その思いを商品にするには、10℃以下の「要冷蔵」ドレッシングでなければ実現できませんでした。
食品の保存性を高めるために、酸味や甘味、塩味をコントロールすることはよく知られていると思いますが、弊社のドレッシングは冷蔵で流通しているので原料も味わいも自由度が高く、より「レストランの味」に近づけることができています。
また、開封してからの風味の劣化も少なく、お客様には最後までおいしい状態でドレッシングを召し上がっていただけるというのも、要冷蔵のメリットです。そのメリットを最大限受け取っていただくために、お客様には開封前から冷蔵庫での保管をお願いしております。

もう1つのこだわりとしては、多くの商品にたまねぎを使っていることです。
西洋料理では、たまねぎは「出汁」のような存在。たまねぎの甘みや旨みは、さまざまな料理のベースとして使われています。
弊社のドレッシング作りは、たまねぎを加工するところから始まります。手間はかかりますが、おいしさのためには手間を惜しむわけにはいきません。

甘み&旨みたっぷりのたまねぎを使うことで、ドレッシングの味に深みとまろやかさが生まれます。

ー現在13種あるドレッシグのうち、今回ご紹介させていただくのは「すりおろしチーズ」です。おすすめの理由をお聞かせください。

藤咲 どのドレッシングも自信があるのですが、この「すりおろしチーズ」は「要冷蔵」ならではのおいしさを味わっていただける商品なんです。
チーズには乳酸菌が多く含まれているため、常温の状態では時間とともに味が変化し、場合によっては乳酸菌が増えることによって容器が膨らんでしまいます。その点、要冷蔵で流通、保存すれば味の変化が抑えられるのです。
そこで弊社では、どうせチーズが入ったドレッシングを作るなら、複数の種類のチーズを入れようと。この「すりおろしチーズ」には、パルメザン、ゴーダ、チェダー、ブルーの4種類のチーズが入っています。やはり、いくつかの種類のチーズを合わせると味わいに深みが出て、おいしいんです。本当は、他のチーズも加えたいところなのですが、味わい深いチーズほど乳酸菌が多く扱いにくいので断念しました。

「すりおろしチーズ」。内容量205ml、開封前、開封後ともに要冷蔵。賞味期間は90日。

ー「すりおろしチーズ」というネーミングもユニークですね。

藤咲 「今でこそ他メーカーさんも「すりおろし」という名前を使っていらっしゃいますが、ドレッシング業界で「すりおろし」という単語を使ったのは弊社が初めてだと思います。「すりおろしチーズ」のほか、「すりおろし野菜」「すりおろしオニオン」などもあるんですよ。その由来は、父が野菜をすりおろしてドレッシングを作っていたことです。
父は、サラダにドレッシングをかけ、その上からよく、すりおろしたチーズを加えていました。だから、ドレッシングとすりおろしたチーズをドッキングさせて「すりおろしチーズ」というわけです。すりたてのチーズのようなつぶつぶ感を楽しんでいただけますよ。
「手軽にシーザーサラダを作れる」とお客様に人気の商品です。

4種類のチーズをバランスよく組み合わせ、黒胡椒とレモン果汁でアクセントを加えています。

ーおすすめの使い方はありますか?

藤咲 このまま使っていただいても、もちろんサラダをおいしく召し上がっていただけますが、ボウルに卵の黄身を1つ、そこに挽きたての黒胡椒をパラパラと振り入れ、ドレッシングを適量加えてよくかき混ぜたところに、野菜を入れてザッと合わせていただくと、グレードアップしたシーザーサラダができあがります。さらに、お好みのチーズをトッピングしていただいたら、最高です。

卵黄に挽きたての黒胡椒と「すりおろしチーズ」適量を加え、
さらにおろしたてのパルメザンチーズとブルーチーズを“増し増し”してみると……。
濃厚で、ぜいたくな味わいのシーザーサラダに。クルトンを加えてみましたが、
トーストしたバケットをちぎって入れたほうが、このドレッシングのおいしさが引き立ちそうです。
かぼちゃを電子レンジでチンしてつぶし、ローストしたくるみを加え、
「すりおろしチーズ」で和えただけで、いつもより1ランク上のパンプキンサラダが完成!
なかなか味の決まりにくいアボカドとエビのサラダも「すりおろしチーズ」があれば、ばっちり。バケットとの相性も○。

ー最後に、今後の展開について、お聞かせください。

藤咲 弊社の創業の意図であり、現在も守り続けているモットーは「レストランの味をお客様のご自宅でも味わっていただく」。おいしさを追求するため大量生産をせず、少量ずつ、手間をかけて製造する。それは今後も変えるつもりはありません。
ただ、味については常に新しいというか、キテレツなことを考えています(笑)。他メーカーさんにはない「ビッグシェフならではの味」を作り続けていきたいですね。

今考えているのは、味噌や醤油を使ったドレッシング。父が、味噌や醤油を洋風にアレンジするのが得意で、お客様がとても喜んでいらしたんですよ。和風ドレッシングは世の中にたくさんありますが、父のあの味を再現できたら、とびきりおいしい和風ドレッシングができるはずです。実は、すでにテスト製作が終わっていまして、ほどなく皆様の元にお届けできるかと思います。

ー楽しみにております! 本日は、貴重なお話をありがとうございました。

すりおろしチーズ(205ml)
価格:¥437(税込)※3本からご注文を承ります
店名:ビッグシェフ
電話:0120−52−1772(8:30〜17:30 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://bigchef.jp/view/item/002000000003
オンラインショップURL:https://bigchef.jp

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
藤咲秀知(ビッグシェフ株式会社 代表取締役社長)

1950年埼玉県生まれ。ビッグシェフグループの創業者である父・藤咲信次らと1977年にビッグシェフ株式会社を設立し、取締役副社長に就任。ドレッシング事業の生産責任者を経て、1988年に代表取締役社長に就任。

<取材・文・撮影/鈴木裕子 画像協力/ビッグシェフ>

OFFICIAL SNS

Instagramでハッシュタグ#お取り寄せ手帖を検索。

  • Instagram
  • Facebook
  • Twitter