
新潟・燕三条の金属加工と岐阜の陶器技術のコラボで実現!冷酒を注ぐと変化する「まどろむ酒器」
2025/11/27
今回、編集長のアッキーが注目したのは、冷酒を楽しくいただくための「ThreeSnow まどろむ酒器」です。なんとこの酒器、16℃以下の冷たいお酒を注ぐと、隠れていた桜や花火の絵柄が鮮やかに色づくという、驚きの仕掛けが施されています。その背景には、プロの料理人に愛されてきた金属加工の技と、産地を超えた偶然の出会いの物語がありました。新潟県燕市に本社を構える株式会社新越ワークスの代表取締役、山後佑馬氏に取材陣がお話を伺いました。

株式会社新越ワークス 代表取締役の山後佑馬氏
―まず、御社のルーツについて教えていただけますか。
山後 創業は1963年で、私の祖父が「新越金網製造工場」という名前で始めました。当時は竹を使ったザルなどから始まりましたが、やがてステンレスの金属素材を使った金網製品の製造へとシフトしていきました。主軸となったのは、業務用の厨房で使われる道具の開発・製造です。具体的に言いますと、ラーメン屋さんの麺の湯切りで使われる「テボ」などで、この分野では現在、日本国内で約7割のシェアをいただいています。60年以上にわたり、プロの料理人という最も厳しい目を持つユーザーたちの要望に応え、過酷な現場で鍛え上げられてきた確かな技術力が、私たちのものづくりの土台となっています。



プロの料理人に愛用されるラーメンの湯切りなどの道具作りを経て、現在も燕三条の地でものづくりを続けている。
―山後社長は3代目でいらっしゃいますが、どのような経緯で家業を継承されたのでしょうか。燕三条という土地柄も、経営に影響を与えていますか。
山後 もともと機械いじりが好きで、大学では機械工学を専攻しました。卒業後は一度、グループ会社で営業をはじめとしたさまざまな経験をさせてもらいました。その後、2016年に新越ワークスへ移り、2022年に父から代表を引き継ぎました。社長になり、自分一人では何もできないことを痛感し社員の皆さんには日々感謝をしています。
また、燕三条という環境にも非常に助けられています。この地域は同業者間の距離がとても近く、先輩の経営者の皆さんが、ご自身の経験から「社長としての心構え」などを惜しみなく教えてくださいます。先輩からいただいた恩を、次の世代へと繋いでいくという助け合いの文化が根付いているのです。ちなみに、現在は父(会長)も、燕三条に優秀な人材を呼び込むためのインターンシップ事業「つばめいと」という別法人を立ち上げて、地域貢献に力を入れています。
―今回ご紹介いただく「まどろむ酒器」は、冷酒を注ぐと色が変わるというユニークな商品です。どのようなきっかけで誕生したのでしょうか。
山後 この商品の誕生は、まさに偶然の出会いがきっかけでした。実は、ベースとなった酒器自体は10年以上前から存在していたんです。熱伝導のいい銅の素材に、お酒の飲み口を柔らかくすると言われる「錫(すず)」のメッキを施した、柄のないシンプルな酒器です。
転機が訪れたのは、岐阜県にある「丸モ高木陶器」さんという、冷たい温度に反応して色が変わる特殊な転写技術をお持ちの陶器屋さんと、たまたま出会うことができたことでした。もともと彼らはその技術を陶器のおちょこなどに使っていたのですが、「この技術を、我々の錫メッキの酒器に組み合わせられないか」という発想から、共同開発がスタートしたんです。
まさに「新潟・燕三条の金属加工」と「岐阜の陶器技術」という、産地と異分野の技術が掛け合わさることで、機能だけだった商品が体験として楽しいという新たな感動価値を持つ商品へと生まれ変わりました。


「まどろむ酒器」の美しいデザイン。
冷酒を注ぐと、四季を彩る風物詩が浮かび上がる。
桜、花火、紅葉、紫陽花、雪椿の5種。
―産地も分野も違う技術を融合させるのは、簡単なことではなかったと思います。開発ではどのようなご苦労がありましたか。
山後 おっしゃる通り、実現までは試行錯誤の連続でした。まず、私たち金属加工の世界と陶器の世界とでは、“常識”が違いました。最大の難関は、色が変わる柄の焼き付けの工程。この柄はシールのように貼るのではなく、焼き付けることで定着させるのですが、陶器と違って、ベースである金属、特に表面の錫は高温をかけると焼けてしまうという課題がありました。これを解決する最適な温度と加工条件を見つけ出すまで、何度も何度も試作を繰り返しました。異分野の職人たちが知恵を出し合い、常識の違いを乗り越えたからこそ、この繊細な品質が実現できたと思っています。


異分野の技術である「温度で色が変わる転写」を金属に施す。
開発の鍵となった工程。
―まさに職人技の結晶ですね。この「まどろむ酒器」は、どのようにお使いいただくのがおすすめですか。
山後 やはり、よく冷えた日本酒など、冷たいお酒を楽しまれる方にぜひお使いいただきたいです。温度としてはおよそ16℃以下です。ベースが熱伝導のいい銅なので、酒器を持った手や唇で、ひんやりとした冷たさを心地よく感じていただけます。そして、お酒を注ぐと、まるで花が咲き誇るかのように、あるいは花火が打ちあがるように、絵柄が鮮やかに色づきます。その驚きと美しさが、食卓での楽しい時間を演出するきっかけになればと思っています。ご自宅用はもちろんですが、「大切な人への贈り物」として、桐箱入りのギフトセットを選ばれるお客様も非常に増えています。おいしいお酒と共に、「驚きと楽しい時間」をプレゼントできる一品として、ご活用いただけるとうれしいです。

大切な人への贈り物にふさわしい、高級感のある桐箱入りのギフトセットも用意されている。
―その品質が認められ、国際的な場でも採用されたと伺いました。
山後 はい、大変光栄なことに、2023年に開催された「G7新潟財務大臣・中央銀行総裁会議」にて、この「まどろむ酒器」を採用いただきました。会議中の夕食会での乾杯酒器としてお使いいただき、その後、各国代表への記念品としても贈呈されたのです。おそらく新潟県知事をはじめ、県の皆様が、新潟の技術を世界に発信するものとして選んでくださったのだと思います。世界のVIPをおもてなしする「日本の顔」の一つとして選ばれたという事実は、私たちにとって大きな誇りですし、こうした場で採用いただけたことを、贈り物として検討される際の参考にしていただけるのではないかと思っています。

世界のVIPをもてなした「日本の顔」として。
その品質の高さは国際的にも認められている。
―最後に、山後社長が描く、今後の展望についてお聞かせください。
山後 「まどろむ酒器」のように、暮らしに楽しさをご提供する商品も大切にしつつ、企業の原点である「プロの食の現場」への貢献も、より一層追求し続けたいです。今、飲食業界は人手不足をはじめ、さまざまな困りごとに直面しています。私たちは、そうした現場の課題を解決できるような、新しい価値を持つ道具作りにも挑戦しています。その実現のため、現在、実際の厨房環境を自社内に再現したテスト場所を設けることも計画しているところです。単にモノを作るだけでなく、道具が実際に使われる環境そのものに投資することで、日本の「食の未来」そのものを支えていけるような企業でありたいと考えています。
―本日は貴重なお話をありがとうございました!

「ThreeSnow まどろむ酒器」
価格:¥7,150(税込)
店名:Three Snow
電話:0256-63-5854(9:00~17:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://threesnow.official.ec/items/73929568
オンラインショップ:https://threesnow.official.ec/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
山後佑馬(株式会社新越ワークス 代表取締役)
1990年新潟県燕市生まれ。大学卒業後、ペレットストーブ製造販売を行う株式会社さいかい産業に入社、2年間の修業ののち2016年に新越ワークスへ入社、2022年に同社代表取締役に就任。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/新越ワークス>




























