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10人中9人がおいしさに納得!コクと鮮度にこだわった「南蛮屋」の炭火焙煎コーヒー

2024/04/15

「炭火焙煎珈琲とはよく聞くけれど、何が違うの?」と思う人もいるかもしれません。実は、コクが最も強く出るといわれる日本独特の焙煎方法です。その魅力にとりつかれた編集長アッキー。神奈川を中心にコーヒー販売店を展開するお店があると聞き、取材班がお話をお伺いしました。コーヒー好きではない人にもきっと新しい発見があるはずです。

南蛮屋株式会社 代表取締役社長 平井誠一郎氏
南蛮屋株式会社 代表取締役社長 平井誠一郎氏

―創業社長でいらっしゃいますが、若い頃は、消防士だったとか?

平井 父を早くに亡くしたこともあって、高校を卒業後すぐに消防署に就職しました。でも、もっと夢があるというか、自分にできることがあるのではないかと思い、3年ほどで退職し、自分に向いているものはなにかと探す中で、たまたま入ったのが、コーヒーの産業機械を製造する会社でした。コーヒーの生豆を焙煎する焙煎機や、豆を粉砕する粉砕機などを作る会社です。

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現在の「南蛮屋」での焙煎の様子。
工場ではこのような機械で焙煎や粉砕が行われる。

―もともとコーヒーはお好きだったのでしょうか?

平井 それが最初はそうでもなくて、関心が出てきたのは、その会社に入ってからです。
焙煎機や粉砕機をお客様のところへ設置しにいく仕事をしていたのですが、大きな機械なので、3~10日くらい現地に滞在することになります。そうすると、お客様から食事や飲みに誘われたりします。そこでコーヒー業界の裏話などを聞いているうちに、コーヒーに関心が向いてきました。

―「炭火焙煎」に出会ったのもこの頃ですか?

平井 1980年代頃です。その頃、コーヒーの専門店時代というのがありました。喫茶店やコーヒー専門店がたくさんできて、中でも「炭焼き珈琲」というのがブームになりました。
炭焼き珈琲(炭火焙煎)というのは、焙煎方法では主流のガス火焙煎と比べると圧倒的にコクや旨みが強く出るんです。違いが歴然としているので、文献で調べたところ、ガス火焙煎だと表面から中へ熱が入るのですが、炭火焙煎だと遠赤外線の効果で中から均等にコーヒー豆を焙煎できることがわかりました。
コーヒーはコクがある方がおいしいと強く実感し、自分でやるなら「炭火焙煎」にしようと決めました。

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創業した1984年以降、変わらず炭火直火焙煎。
炭と職人の技術が豊かなコクを作り出す。

―その後独立されますが、創業の経緯を教えてください。

平井 コーヒーのおいしさは、1に原料、それから焙煎、そして粉砕(ミル)と言われています。粉砕機で重要なのは、熱をなるべく持たさないようにすることです。粉砕するときに熱を持たせると、コーヒーの香り成分は揮発性ですから香りが飛んでしまいます。おいしいコーヒーにするには、良い刃で切って、発熱を抑えた状態で粉砕しなければならないのです。
また、コーヒー豆には渋皮がついているのですが、これを除去した方が雑味が少なくなります。風の力を使ってこの渋皮を吹き飛ばして除去するのですが、これには大きな粉砕機が必要でした。それを、喫茶店のカウンターに乗せることができるサイズにまで小型化できないかと考え、自分で開発してみたんです。試作品を作ってみたところ、コストだけで14~15万円かかりました。当時の粉砕機の相場は、3万円台でしたから、会社からは販売を却下されてしまいました。
でも、私はどうしてもこれを世に出したいと思ったので、独立して「AMS(アツギ・マシン・システムの略)」という会社を作りました。

―その機械の販売はうまくいったのでしょうか?

平井 独立して販売したその粉砕機は、関東圏で300台くらい売れました。ただ、複数台買っていただいた方にはディスカウントしたりしたため、手元に現金がほとんど残らないような感じでした。
その間にも、炭火焙煎についてや渋皮をどのくらい除去するか(目減率)など、おいしいコーヒーの作り方は研究していたので、オフィスコーヒーとしてコーヒーを売ってみようということになりました。オフィスやガソリンスタンドで試飲してもらうと、10件中9件は反応が良く、200件くらい受注することができました。
ただ、その頃、社員は私を含めて3人だったので、すぐに手一杯になってしまいました。それで機械の製造の方は終了して、「AMSコーヒー」として、今度は一般家庭用にも売り出してみようということになりました。

―コーヒー販売をするようになって、「南蛮屋」という屋号に?

平井 コーヒーが日本へ伝来した江戸初期に、長崎の出島にオランダ人が持ち込んだコーヒー等の外国の品々は「南蛮品」と総称されていたので「南蛮屋」としました。また、炭火焙煎のコーヒーというのは日本独特のものなので、縦書きにもしました。
1984年12月に小田急相模原駅の近くに「南蛮屋1号店」をオープン。売り場面積は3坪くらいの小さな店で、コーヒーの量り売りやコーヒー器具、カップなどを販売しました。家庭用のコーヒー専門店はまだ珍しかったので、マスコミにも注目してもらい、地方紙などに紹介されて、段々とお客様が増えました。

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現在の小田急相模原駅店。オープン当時、
コーヒー豆の量り売りを一般家庭向けに販売する専門店は少なかった。

―一度飲めばわかるおいしさが伝わったんですね。どこが他店とは違いますか?

平井 鮮度を大事にしています。通常、コーヒーの賞味期限は1年ですが、南蛮屋では、焙煎後3週間がおいしく飲める期限と考えています。昔、コーヒーは胸焼けするなんて言われましたが、それは豆が酸素に触れて酸化して劣化してしまったものを飲んでいたからです。
また、コクを重視しているので、焙煎は他社に比べ深めです。炭火焙煎は深煎りに向いているんです。
ブレンドについてですが、実はコーヒーはブルーマウンテンNo1が風味バランス面で最高峰なんです。でも、ブルマンは800~1,200mの高地で非常に過酷な環境下でわずかしか採れないものです。そこで、ブルマンに近づけるために配合を工夫したものが「ブレンド」ということになります。

―それが「特上ブレンド」なのですね。

平井 そうです。一番コクが出るのがインドネシアのマンデリンですが、マンデリンだけだと飽きるというか、苦くてコクが強すぎるので、少し酸味が残るものをブレンドしています。ブラジル、コロンビア、マンデリン、この3種を配合するのが一番コクがあっておいしいコーヒーになります。最初はこれを飲んでいただけるといいかなと思います。

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「特上ブレンド」は何も足さずに飲んでみてほしい。
新鮮だから雑味がなくすっきり。
嫌な酸味がなく、コクがしっかりある、
まさに「うまいコーヒー」。

―お客様からはどんな反応でしょうか?

平井 一番多いお声は、「今までコーヒーは砂糖やミルクを入れないと飲めなかったけど、何も入れずにおいしく飲める」というものです。とても嬉しい言葉です。
最近、コーヒーにも健康効果が認められていますが、こういった効果を得るためには1日4~5杯飲む必要があります。でも、それに砂糖やミルクを入れていたらくどい。「南蛮屋」のコーヒーはそのまま飲めるのでいいとこ取りができます。喉が渇いたら飲む、というような飲み方もできます。
ポットに入れて会社や出先で飲むような方も多く、ぬるくなったり冷めてもおいしいというお声もよくいただきます。やはり鮮度がいいので、雑味やいがらっぽさが出にくいのだと思います。

―新しい試みもたくさんあると伺っています。

平井 一つは、南蛮屋ガーデンです。南蛮屋は女性のお客様が6割くらいなのですが、店内にあるカップや道具などの雑貨を見ながら30分から1時間くらい滞在される人も多くいらっしゃいます。それなら、半日いても楽しめるようなお店を作ろう、ということになりました。カフェや焼き菓子工房、焙煎工場、雑貨売り場もある敷地750坪の大型店舗を作りました。今、2号店も計画中です。

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「南蛮屋ガーデン」は、コーヒーのテーマパークのよう。
工場見学することも可能。

平井 また、昨年から始めたのが、ワンポーションコーヒーバックの製造販売です。自社製品だけでなく、お客様の目的に合わせてオリジナルデザインのパッケージでコーヒーバッグが小ロットで作れます。会社の記念とか、結婚式の引き出物、法事などのお返しとして100個からお作りできます。
南蛮屋ではティーバッグスタイルのコーヒーバッグに力を入れているのですが、ティーバッグのようにお湯を注ぐだけで簡単においしいコーヒーが淹れられます。炭火焙煎のコーヒーだからこそ、ティーバッグスタイルのような簡単な方法でも、コクのあるコーヒーが抽出できます。

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ドリップせずコーヒーバッグをふりふりするだけでOK。
簡単にコクのある本格コーヒーが飲める。

平井 カフェカーも人気になっています。これはもともと春夏のセール時などのお味見コーヒーのための車でしたが、カフェカーとして営業できるようにしました。最近では色々な施設やイベントからのオファーがありまして、コンサート会場やスポーツ大会などに出店しています。

本格コーヒーやラテなども提供できるカフェカー&炭火で
国産肉のBBQ串を提供するフードトラック。
主に神奈川県内でのイベントで稼働中。
今後は、東京都内でも見かける機会もあるかも。

―コーヒーの世界がどんどん広がって、新しい商品も多く楽しみです。今後のお店にもぜひ注目したいと思います。本日はありがとうございました。

「炭火焙煎コーヒー豆 特上ブレンド/100g」

「炭火焙煎コーヒー豆 特上ブレンド/100g」
価格:¥702(税込)(5/1より値上げ)
店名:炭火焙煎珈琲 南蛮屋
電話:046-230-1021(受付10時~18時)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://nanbanya-shop.com/?pid=555611
オンラインショップ:https://nanbanya-shop.com

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
平井誠一郎(南蛮屋株式会社 代表取締役社長)

1951年神奈川県生まれ。消防署員を経て、コーヒー機械会社に勤務7年後に独立、業務用コーヒーミル製造販売を経て、1984年炭火焙煎コーヒーを軸に南蛮屋一号店を開店、「小さな贅沢を売る店」として多くのファンに支持されて現在、直営店11店舗、VC店13店舗と通販部を展開。

<文/尾崎真佐子 MC/山口優花 画像協力/南蛮屋>

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