
まるでタオルを着る感覚。今治生まれの「コットンパイルTシャツ」
2026/04/13
今回、編集長のアッキーが注目したのは、タオルのように汗を吸い、さらっとした着心地が特徴の「コットンパイルTシャツ」です。愛媛県今治市で長年タオルづくりに向き合ってきたコンテックス株式会社。その斬新なアイデアと開発の裏側にあるストーリーを、代表取締役の近藤剛文氏に取材スタッフがお話を伺いました。
―まず、会社の成り立ちについて教えてください。
近藤 この会社は私の曾祖父(近藤宗一)が創業し、当初は、タオルの下請け製造をしていたと聞いています。残念ながら当時の資料が残っておらず、確かなことは言えないのですが、知人のタオル会社の社長からノウハウを教わり、土地も建物も機械も借り物だったらしいです。
その後祖父(近藤憲司)が会社を引き継ぐことになるのですが、祖父は戦前・戦後の混乱期に松下電器産業(現パナソニック)の人事部で働き、松下幸之助からも数多くの教えを受けました。そこで培った仕組みや考え方をタオル業界に持ち込んだことが大きな転換点となり、現在の「kontex」ブランドの基礎になっています。
祖父はまずはじめに、当時主流だったタオルの重さで価格を決める「匁(もんめ)売り」の慣習を見直しました。どんなに良質な素材を使い、手間ひまをかけても、軽ければ安くなってしまう。この仕組みでは製品の付加価値が正当に評価されないと考え、祖父は製品一枚一枚に価格を設定する方式へと変更したのです。このことを皮切りに、特定の代理店を通して販売するルートを確立することでブランド価値を高めたり、戦後間もない時期から自社で企画・デザインを手がけたりと、独自の販売戦略を次々と打ち立てていきました。タオルメーカーとしては非常に珍しいことだったと思います。

生地の表面は凸凹しており、肌に張り付かずサラッと着られる。
―続いて、近藤社長が社長に就任されるまでの経緯についてお聞かせください。
近藤 大学を卒業した頃が、ちょうど就職氷河期だったんです。そんな中、ご縁があってIT業界に入り、プログラマーとして6年ほど働いていました。父から「まずは外でしっかり勉強してこい」と後押しされたこともあり、すぐに家業を継ぐことは考えなかったですね。その後、父から声がかかったこともあり家業に戻る決心をしたのですが、その前にタオルの基本である「糸」から学ぼうと思いまして。大阪の紡績会社で2年間修業をしてから、2010年にコンテックスに入社しました。
前職でのITの知識は、入社後非常に役に立ちました。入社当時、会社はまだアナログな部分が多く、在庫や生産管理にすごく手間がかかっていました。その後社内のシステムを整えたことが現在の多品種小ロット生産や小口販売につながっていると思います。もともと企画やものづくりが好きなので、新しい挑戦には特にやりがいを感じます。機能性にこだわって試行錯誤を重ねたものが、納得のいく製品として形になったときは、本当に嬉しいです。


愛媛県今治市にある、直営店「コンテックスタオルガーデン今治」。
織物工場をリノベーションした店内に、コンテックスブランドのタオルが並ぶ。
―本業である、タオル製造のこだわりについて教えてください。
近藤 良いものを適正価格でお届けできることを心がけています。オーガニックコットンや紡績メーカーと開発したオリジナルの糸を使うなど、原料にはこだわっているのですが、やはりタオルは生活に密着した日用品ですので、多くの人に日常的に使ってもらいたいと思っています。そのためにも生産効率を改善しながら常に適正な価格で提供できるように努めています。私たちのこだわりが、皆さんの毎日にちょっとした幸せをお届けできたら、これほど嬉しいことはありません。

綿の風合いとやわらかさを出すため、丁寧に織られている。
―今回ご紹介いただく「コットンパイルTシャツ」は、どのようなきっかけで生まれたのですか?
近藤 私が所属していた今治タオル工業組合の青年部で、「将来的に新しいジャンルを作れないか」という話が持ち上がり、Tシャツを作ることになったのが始まりです。青年部として試作品を1つ作った後、「せっかくだから各社でも作ってみよう」という流れになり、コンテックスでも開発を始めました。
―開発するうえで、どのような点にこだわりましたか?
近藤 タオル地は、生地の表面に作られた丸いループ状の糸であるパイルがある分、どうしても生地が分厚くなります。そのままTシャツにすると、暑くて着心地がよくありません。そこで、弊社のヒット商品である「布ごよみ」という薄い手ぬぐいタオルの技術を参考に、Tシャツ用に生地をアレンジしました。「布ごよみ」は、表面はガーゼ、裏面はパイルで、手ぬぐいのように薄くて乾きやすいのが特徴のタオルです。この技術を活かし、できるだけ薄くしながら、タオルの特徴であるパイルを残す工夫をしています。

「うすい、ながい、かるい」が揃ったタオル手ぬぐいの「布ごよみ」。
表面はガーゼのようにさらっと、裏面はタオルのように柔らかい。
また、タオル地は洗濯で縮みやすい性質があります。買ってすぐに縮んでしまっては意味がないので、その点も考慮しました。首周りのデザインも、機能性と見た目のバランスを追求しています。一般的なTシャツのように首周り全体にゴムを入れると安っぽく見えてしまうため、後ろの2か所だけに入れるなど、細部まで試行錯誤を重ねました。


ゴムは後ろ襟の一部のみなのもこだわりの一つ。
―どんなシーンで着るのがおすすめですか?
近藤 お風呂上がりは特におすすめです。体を拭いた後でもじんわりと汗をかくことがありますが、このTシャツなら汗をしっかり吸ってくれます。またパイルの凹凸が肌に張り付かないのと生地自体も風通しが良いので、外を歩くのも涼しくて気持ちが良いです。薄手なので、スポーツジムや海へ持って行くのにもかさばりませんし、旅行先でくつろいだりするのにもぴったりですね。「こういうのが欲しかった」というお声を多くいただきます。リラックスウェアですので、通常のTシャツよりも大きめに作っており、男性はLサイズ、女性はMサイズがおすすめです。



カラーはアイボリー、ネイビー、チャコールグレーの3色。
サイズは男女兼用でMサイズとLサイズの2種類。
大きめを選び、ゆったりと着るのがおすすめ。
―最後に、今後の展望についてお聞かせください。
近藤 常にお客様にとって「面白いものを作る会社だな」と思われ続けることが大切だと考えています。人気商品があることも大事ですが、ニッチな商品も常に出てきて選ぶのも楽しくなるような、そんな会社でありたいと思っています。
―素晴らしいお話をありがとうございました!


「コットンパイルTシャツ」
価格:¥9,900(税込)
店名:kontex
電話:0898-35-3946(日曜祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.kontex-shop.com/shop/shopdetail.html?brandcode=000000001834&search=%A5%B3%A5%C3%A5%C8%A5%F3%A5%D1%A5%A4%A5%EB&sort=
オンラインショップ:https://www.kontex-shop.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
近藤剛文(コンテックス株式会社 代表取締役)
1979年、愛媛県生まれ。大学卒業後はIT業界にて6年間勤務し、システム開発に携わる。その後、タオルの原料である糸づくりを学ぶため、大正紡績株式会社にて2年間修業。2010年にコンテックス株式会社へ入社し、2023年に同社代表取締役に就任。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井 ちあき 画像協力/コンテックス/ 画像協力/>




























