
奇跡の復活を遂げた大分の銘菓!バター香るビスケット生地に和風白餡と洋風ラムレーズン餡を合わせた和洋折衷の南蛮菓子「ざびえる」
2026/05/14
今回、編集長のアッキーが注目したのは、和洋折衷の贅沢な味わいが楽しめる、南蛮菓「ざびえる」です。2000年、大分で長年親しまれてきたメーカーの経営破綻により、一度はこの世から姿を消した銘菓。しかし「あの味をなくさないで」という県民の声に突き動かされ、元社員たちが集結し、わずか半年で奇跡の復活を成し遂げました。ラム酒が香る餡と、日本で唯一の特許技術で作られるビロード風の化粧箱は、今や全国に多くのファンを持つ大分の誇りです。取材スタッフが、 大分県に本社を構える、株式会社ざびえる本舗 代表取締役社長の後藤賴彦氏にお話を伺いました。

株式会社ざびえる本舗 代表取締役社長の後藤賴彦氏
―まずは、御社の歩みについてお聞かせください。
後藤 私たちの原点は、大分の地で長年お菓子作りを続けてきた、あるメーカーにあります。そこで1961年に誕生したのが「ざびえる」でした。当時、私はそこで一人の営業マンとして働いていましたが、2000年のある日、突然社長から倒産を告げられたのです。会社というものは、こうも簡単になくなってしまうものなのかと、目の前が真っ暗になった記憶があります。
―倒産翌日の混乱の中でも、社員の皆さんは誠実な対応を続けられたそうですね。
後藤 はい。前日にいただいた注文分はすでに作り終えていました。私たちは「最後まできちんとお届けしよう」と話し合い、翌日、すべての得意先へ配達しきりました。会社に戻るとリース会社が機械を持ち出そうとしているような、殺伐とした光景が広がっていましたが、あの時の誠実な姿勢が、後に地元企業からの全面的な協力に繋がりました。
その後、現会長をはじめとする元社員8名が「この味を守り抜きたい」と立ち上がり、2001年に有限会社ざびえる本舗を設立。経営破綻からわずか半年という異例の早さで、再びお菓子を店頭に並べることができたのです。

経営破綻という窮地を乗り越え、
かつての製法を変えることなく、今も変わらぬ誠実なお菓子作りを続けている。
―設立当時からのメンバーとして、ご自身の歩みについても教えていただけますか。
後藤 私は地元の高校を卒業してすぐに、以前の会社に就職しました。私の人生は「ざびえる」と共に歩んできたようなものなのです。営業として長年、現場でこのお菓子がどれほど愛されているかを見てきましたから、この商品への尊敬の念は誰よりも強い自負がありしました。
2024年1月に社長に就任しましたが、実を言うと、当初は私自身が社長になることにそれほど前向きではありませんでした。私よりも、この素晴らしい商品そのものが主役であるべきだと考えていたからです。それほどまでに「ざびえる」を愛していますし、この味を守り、育てていくことが私の使命だと思っています。
―まさに「奇跡の銘菓」ですね。商品名にはどのような由来があるのでしょうか。
後藤 戦国時代、1551年(天文20年)に豊後の国(ぶんごのくに/現在の大分県)を訪れたフランシスコ・ザビエルにちなんでいます。彼は大友宗麟の庇護を受け、府内の街(現在の大分市)に南蛮文化の花を咲かせました。その功績を讃えて誕生したのが、和洋折衷の南蛮菓「ざびえる」なのです。
復活の際は、大分県全域から届いた「ざびえるを残してほしい」というお客さまの声が、私たちの背中を強く押してくれたのです。このお菓子は、もはや私たちだけのものではなく、県民の方々の愛に支えられた「大分の宝」なのだと感じています。

大分県民に長年愛される「ざびえる」。
―「ざびえる」ならではの、あの独特の食感と味わいのこだわりについてお聞かせください。
後藤 製法は誕生した60年以上前からほとんど変わっていません。最大の特徴は、全長6メートルにも及ぶ専用の「トンネル釜」での焼成です。ガスでじっくりと中まで火を通し、最後に表面に美しい焼色を付ける。この独自の工程を経ることで、生地の水分を逃さず、外はサクッと、中はしっとりとした独特の口当たりが生まれます。
バター風味豊かな洋風の皮で餡を包んでおり、中身は、、ラム酒に漬けた刻みレーズンを餡に練り込んだ「金」と、精選された純和風の白餡「銀」の2種類。どちらも、遠い南蛮の地に思いを馳せるような豊かな味わいです。


ラムレーズン入りの「金」(左)と、純和風の白餡の「銀」(右)。
―手に取った瞬間に驚く、あのベルベットのような箱も印象的です。
後藤 ビロード風の化粧箱は、日本で唯一、一社しか作ることができない特許技術を用いたものです。熟練の職人が一つひとつ手作業で仕上げており、そのフロッキー加工によるモフモフとした質感は、手にした瞬間にワクワクするような高級感を与えてくれます。また、包装紙やしおりのイラストも、実は前社長が自ら手書きしたものなのです。効率化が求められる現代だからこそ、こうした細部に宿る手仕事の温もりや気品を大切にしたいと考えています。


黒を基調とした、ふんわりとしたベルベットの化粧箱は、贈答品としての高級感を演出する。

包装紙の手書きのイラストは前社長自ら描いたというこだわりのデザイン。
―おすすめの食べ方や、新しい楽しみ方はありますか。
後藤 そのまま召し上がっていただくのはもちろんですが、ぜひオーブントースターで1〜2分ほど温めてみてください。 焼きたてのようなバターの香りがさらに際立ち、皮は香ばしく、中の餡は焼きたてのようなと柔らかさに戻ります。 冬の寒い時期などは、温かなコーヒーや紅茶と一緒に楽しむと、至福のひとときが過ごせるはずです。
また、意外な組み合わせですが、ウイスキーなどのお酒との相性もいいのです。夜のリラックスタイムに、少し贅沢な「自分へのご褒美」として楽しんでいただければ。粉々にしてアイスクリームにトッピングするのも、ラムレーズンの風味が引き立つ大人のデザートとしておすすめですよ。
―近年、テレビ番組やドラマでも紹介され、大変な反響があったと伺いました。
後藤 おかげさまで、多くの方から温かい反響をいただいています。最近では俳優の竹内涼真さんが出演されたドラマで、私たちの商品を使っていただきました。放送後には全国から注文が殺到し、あまりの勢いに「箱が足りなくなる」という異例の事態が起きたほどです。大分では誰もが知る定番のお菓子ですが、メディアでの紹介をきっかけに、全国の若い世代の方々にもその魅力が伝わっていることを実感しています。世代を超えて「子どもの頃から食べていた」「贈り物にしたら一番喜ばれた」と言っていただけることが、私たちにとって何よりの喜びなのです。
―最後に、今後の展望についてお聞かせください。
後藤 大分で生まれ、愛されてきたこの味を、もっと全国の方々に届けていきたいと考えています。特に東京や大阪といった都市圏への展開を強化し、日常の中で「ざびえる」を楽しめる環境を整えていくのが目標です。オンラインショップの刷新などデジタル化も進めていますが、根底にあるのは「地元大分での雇用を守り、伝統を未来へ繋ぐ」という強い思いです。伝統を守るだけでなく、新たな挑戦として誕生した「Bungo」や「SANO」といった次世代の銘菓も大切に育てていきたい。いつかは、焼きたての香りを直接お届けできる直営店を出すなど、お菓子のワクワクを直接届けられる存在であり続けたいと願っています。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「ざびえる 12個入」
価格:¥1,242(税込)
店名:ざびえる本舗
電話:097-524-2167(9:00~16:00※定休日を除く)
定休日:水曜・日曜
商品URL:https://shop.zabieru.com/items/94262793
オンラインショップ:https://shop.zabieru.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
後藤賴彦(株式会社ざびえる本舗 代表取締役社長)
大分県出身。地元の高校を卒業後、大分の菓子メーカーに就職し、営業職として「ざびえる」の普及に尽力。2000年の経営破綻後、現会長らと共に新生「ざびえる本舗」の立ち上げに参画。2024年1月、同社代表取締役社長に就任。人生を「ざびえる」と共に歩んできた現場主義のリーダーとして、伝統の継承と全国への販路拡大に情熱を注いでいる。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/ざびえる本舗>




























