創業130年、飛騨の牧場がこだわる手焼きもなかのアイスと自家製チーズたっぷりのピザ

2026/04/30

今回、編集長のアッキーが注目したのは、職人が一枚ずつ丁寧に皮を焼き上げる、香り豊かな「手焼きもなかアイス」と、自家製チーズが生地を覆い尽くすほど贅沢に乗った「たっぷりチーズピザ3枚セット」です。飛騨古川の豊かな自然の中で、120年以上にわたり牛乳本来の味を追求し続けてきた老舗が作る品々は、一口食べればその誠実さが伝わってくるような、優しくも力強い味わいです。
その背景には、明治時代から続く伝統を守り、コロナ禍という未曾有の危機も全国のファンと共に乗り越えた、真摯なものづくりの物語がありました。取材スタッフが、岐阜県飛騨市に本社を構える、有限会社牧成舎の代表取締役、牧田礼子氏にお話を伺いました。

有限会社牧成舎 代表取締役の牧田 礼子氏

―まずは、御社の歩みについて教えてください。

牧田 私たちの始まりは1897年(明治30年)に遡ります。私の曾祖父が、京都の本願寺へ参詣した帰りに3頭の牛を連れて帰ってきたことが、飛騨の地で牛乳屋を営むきっかけとなりました。それから約130年、5代にわたってこの家業を守り続けています。戦前や戦後の混乱期など、歴史のなかで厳しい時代もありましたが、常に「命の源である生乳を無駄にしない」という一心で、コンデンスミルクやバターなどの加工品作りに奮闘してきました。地域の方々の健康を支える「古川の牛乳屋さん」として歩んできたこの歴史こそが、私たちの信頼の証だと考えています。

創業以来、この豊かな自然の中で牛を育ててきた。
新鮮な生乳を自社のタンクローリーで契約酪農家を回って集乳し、新鮮な生乳を使用している。

―社長ご自身は、最初から家業を継ぐつもりだったのでしょうか。

牧田 実は、若い頃は継ぐことを全く考えていなかったのです。東京の大学へ進学したときは、都会の華やかな外食産業に強く惹かれていました。レストランやカフェなどの飲食店といった、食を通じて人々をワクワクさせる仕事に憧れていたのです。しかし、父の跡を継ぐために故郷へ戻ることになり、葛藤もありました。ただ、学生時代に抱いていた「食の楽しさを提案したい」という興味と情熱が、現在のピザやアイスクリームといった商品展開の原点になっています。単に牛乳を売るだけでなく、食卓に彩りや喜びを添えるような、新しい乳製品の価値を届けていきたいという思いで挑戦を続けています。

―看板商品の一つである「もなかアイス」は、どのようにして生まれたのですか。

牧田 「もなかアイス」が誕生したのは、30年ほど前のことです。飛騨の「和」を表現したアイスを作りたいと考え、大切にしたのは「掌(たなごころ)」というコンセプトです。手のひらに乗せたときに、心がじんわりと温まるような、そんな落ち着くお菓子を目指しました。こだわったのは、もなかの皮です。理想の皮を求めてアイスのコーン屋さんに相談したところ、「本当にこだわりたいのなら、自分たちで焼きなさい」と助言をいただいたのです。

やわらかなフォルムがどこか温かい。皮にまでこだわりが詰まったもなかアイス。

―牧場経営でもなかアイスの皮まで製造するというのは非常に珍しいですよね。

牧田 ええ、日本中を探しても、皮まで自社製造しているところはほとんどないと思います。当初は、ノウハウもない中で自社製造するなんて大変なことだと思いましたが、コーン屋さんが焼き型やレシピを全て譲ってくださり、さらには現地で直接指導をしてくださったおかげで、自社製造という大きな一歩を踏み出すことができたのです 。効率を考えれば外注すべきかもしれませんが、私たちは「作りたての小麦の香り」を届けることを優先したのです。暑い工房の中で職人が一枚ずつ丁寧に手焼きすることで、袋を開けた瞬間に芳醇な香りが広がる、理想の皮が完成しました。手間暇はかかりますが、必要な分だけをその都度焼くこのスタイルこそが、牧成舎だけの強みになっています。

職人が一枚ずつ手焼きした皮からは、香ばしい小麦の香りが広がる。

―アイスクリーム自体のこだわりについても教えてください。

牧田 自社牧場である「鮎の瀬牧場」でのびのびと育ったジャージー牛などの新鮮な生乳を贅沢に使用しています。牛乳屋だからこそできることとして、独自の製法でミルクを2倍に濃縮し、乳化剤を一切使わずに素材本来の力を引き出すことができるよう“生”ばかりの素材で調合しています。そしてこの工程によってミルクの成分が安定し、口当たりがぐんと滑らかになるのです。その後、空気を含ませながらマイナス温度まで一気に冷やし固める「フリージング」を経て、ようやく理想の食感に仕上がります。味はバニラ、抹茶、いちご、コーヒーの4種類。飛騨の自然を感じさせる素朴で優しい味わいに仕上げています。

味はバニラ、抹茶、いちご、コーヒーの4種類。
24時間じっくりエイジングさせたアイスは濃厚ながらも後味はすっきり。

―「もなかアイス」をよりおいしく楽しむための、おすすめの食べ方はありますか。

牧田 ぜひ試していただきたいのが、食べる直前にオーブントースターで20〜30秒ほど焼く「焼きもなかアイス」です。焼くことで自慢の皮がパリッと香ばしさを取り戻し、中の濃厚なアイスがほんのりとろけ出します。この「熱い」と「冷たい」が混ざり合う瞬間の至福は格別ですよ。週末の昼下がりなどに、温かいお茶と一緒にゆっくりと楽しんでいただければ幸いです。

―お客さまからは、どのような反響が届いていますか。

牧田 「ご当地アイスグランプリ」で受賞させていただいたり、百貨店のギフトに長年採用されたりと、専門家の方々からも高い評価をいただいています。ですが、何より嬉しいのは、お客さまからの「皮の香りが全く違う」「牛乳の味がしっかりしていて、後味がさっぱりしている」といった生の声です。中には、家族で分け合って全種類を楽しむという方もいらっしゃり、私たちの「掌(たなごころ)」の思いが届いていることを実感し、大きな励みになっています。

―もう一つの人気商品である「たっぷりチーズピザ3枚セット」についても、詳しく教えてください。

牧田 もともとチーズを作っていたのですが、発売当初はなかなか売れずに苦戦していました。そんなとき、地元のたまり醤油の老舗メーカー「山川醸造」さんのたまり醤油の漆黒と合わせるチーズセットを開発しました。その「漆黒」で培った和の味わいをヒントに、たまり醤油ベースのソースに自家製チーズをたっぷり乗せ、飛騨の山椒を効かせたこの和風ピザへと昇華させたのです。

この独自のピザを全国へ届ける大きな転換点となったのがコロナ禍でした。学校給食が止まり、行き場を失った大量の牛乳を前に途方に暮れていましたが、「無駄にしたくない」という一心でオトクな価格で牛乳・ヨーグルト・チーズ、ピザ、アイスなどのセットを支援購入ができるクラウドファンディングで打ち出しました。窮状を知った全国の方々からの支援が集まり、当初の目標の10倍となる5,064,860円を募り1,373人のご支援をいただきました。「おいしい牛乳を守ってください」という皆さんの温かい声が、私たちを絶望から救ってくれたのです。

このときの感謝の思いが、今のよりよい商品作りへの強い原動力になっています。当初は廃棄の危機を回避するために生まれた商品でしたが、そのボリュームと美味しさが評判を呼び、今では全国にリピーターを持つ弊社一番の人気商品へと成長しました。

左から「和風山椒」「洋風トマト」「マルゲリータ」。
いずれも自家製モッツァレラチーズを生地が見えないほど贅沢に使用している。

―3種類のピザが楽しめるセットの魅力と、特におすすめの楽しみ方を教えてください。

牧田 このピザセットは、「和風山椒味」「洋風トマト味」「モッツァレラたっぷり マルゲリータ」の3種類を詰め合わせています。牛乳屋として、自慢の自家製モッツァレラチーズを生地が見えないほど「たっぷり」と乗せているのが一番の自慢です。特に人気の「和風山椒味」は、たまり醤油の深いコクと、爽やかな実山椒の香りが、濃厚なチーズの旨みを引き立てる大人向けの味わいです。付属の山椒を食べる直前に「追い掛け」していただくと、さらに香りが際立ちます。食事の代わりにはもちろん、ビールや白ワインとの相性も抜群ですので、晩酌のおつまみとしても楽しんでいただきたいですね。

冷凍庫に常備しておけば、食事の準備を楽にしたい日のメインディッシュに。
オーブンで焼くだけで、専門店の窯焼きピザのような本格的な味を自宅で再現できる。

―最後に、これからの展望についてお聞かせください。

牧田 現在は娘夫妻も家業に入ってくれ、伝統的な手仕事を守りつつ、デジタル化などの新しい挑戦も進めています。将来的には、酪農とものづくりが融合した「楽農牧場」を含めた新社屋の構想も描いています。私たちが商品を作り続けることは、飛騨の美しい景観や酪農文化を守ることにも繋がります。これからも、飛騨の恵みをまじめに、丁寧にお届けし、地域に貢献し続ける企業でありたいと願っています。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「手焼きもなかアイス8個」
価格:¥5,360(税込)
店名:牧場ギフト 飛騨の牛乳屋・牧成舎
電話:0577-73-2226(9:00 ~ 16:00 土日祝日は除く)
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/bokuseisya/1000008/
オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/bokuseisya/

「たっぷりチーズピザ3枚セット(直径24cm)」(画像は「洋風トマト味」のパッケージ)
価格:¥5,832(税込)
店名:牧場ギフト 飛騨の牛乳屋・牧成舎
電話:0577-73-2226(9:00 ~ 16:00 土日祝日は除く)
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/bokuseisya/10000002/
オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/bokuseisya/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

牧田礼子(有限会社牧成舎 代表取締役)
1897年(明治30年)創業の老舗牛乳屋の5代目。東京の大学を卒業後、家業を継ぐために帰郷。「おいしく、まじめに、ていねいに」をモットーに、自社牧場の生乳を活かした乳製品を展開。コロナ禍でのクラウドファンディング成功を機に、全国へファンを広げている。

<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/牧成舎>

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