230年の伝統、京都・福寿園が醸す「まろみ」を堪能する最高峰の日本茶「四君子(しくんし)」

2026/02/27

今回、編集長のアッキーが注目したのは、「まろみ」を堪能できる最高峰の日本茶「四君子(しくんし)」シリーズです。手掛けるのは、1790年(寛政2年)の創業以来、230年以上にわたり日本の茶文化を牽引してきた京都を代表する、福寿園。名門だからこそ提供できる本物の安心感は、私たちの日常に癒しを与えてくれます。
お茶の旨味を極限まで追求した創作銘茶とともに、さらにグラスで香りを楽しみ、料理と調和する新しい日本茶として、宇治茶の旨味を引き出したプレミアムな「ボトルドティー」もご紹介します。伝統の重みを守りながら、現代に「お茶を人生の潤いに」という温かな願いを届ける新たな挑戦について、取材陣が京都府に本社を構える、株式会社福寿園 代表取締役社長の福井正興氏にお話を伺いました。

株式会社福寿園 代表取締役社長の福井正興氏

まずは、御社の歩みについてお聞かせください。

福井 私たちの歩みは、1790年(寛政2年)に福井伊右衛門が京都・山城の地で茶問屋として創業したことに始まります。江戸時代から「茶一筋」の道を歩んできた歴史は、福寿園というブランドの土台であり、私たちが守り続けなければならないものです。創業の地である山城国上狛(やましろのくに かみこま。現京都府木津川市山城町)は、かつて木津川の水運を利用して人や情報など、さまざまなものが集まる交通の要所でした。
明治、大正、昭和と時代が移り変わるなか、私たちは常にその時々の人々の暮らしに寄り添うお茶を提案し続けてきました。現在では、産地に近い利点を生かした茶づくりから、全国のお客様へお届けする小売業まで幅広く展開していますが、根底にあるのは「誠実においしいお茶を届ける」という一途な思いです。230年という歳月は、お客様との信頼を積み重ねてきた証なのだと考えています。

お茶づくりに最適な、温暖な気候と豊かな土壌に恵まれた京都・山城。

昭和20年代、茶の選別作業の様子。

社長ご自身は、どのような経緯で家業を継承されたのでしょうか。

福井 実は、若い頃の私には家業を継ぐという意識がほとんどありませんでした。末っ子の長男としてのんきに育ち、家で特別な教育を受けた記憶もありません。そんな私の転機となったのは、大学時代に出会った茶道部でした。
友人に誘われて何げなく足を踏み入れたその場所で、お茶が持つ深い精神性や、一座建立(いちざこんりゅう。茶道において亭主(もてなす側)と客が心を一つにして、その場を最高の空間として創り上げる心構えのこと)の温かさに心を奪われてしまったのです。この出会いがなければ、今の私はなかったかもしれません。
卒業後は静岡の農林水産省 野菜・茶業試験場で2年間、茶づくりの基礎を一から学びました。土にまみれて茶の木と向き合った日々は、私にとってお茶の道へ進む決意を固めた原点ともいえる大切な時間であり、今の私の信念を支える礎となっています。一度外の世界からお茶の魅力に気づき、自分の手でその奥深さを体感したからこそ、伝統の重みを感じつつも、新しい可能性に挑戦し続ける情熱が湧いてくるのだと感じています。

今回ご紹介する「四君子」シリーズは、茶葉へのこだわりが非常に深いと伺いました。

福井 「四君子」とは、古代中国の賢人が愛した梅・竹・蘭・菊という4つの気高い花を指す言葉です。私たちはこのシリーズで、日本茶の真髄である「まろみ」を極限まで追求しました。弊社のプライドをかけ、茶匠が五感を研ぎ澄ませて厳選した茶葉には、ほかでは決して味わえない深い物語を込めています。
例えば「一黙(いちもく)」は、厳選した玉露に、抹茶の原料である「碾茶(てんちゃ)」を贅沢にブレンドしました。碾茶には、まるで海苔のような、豊かな香りが宿っています。口に含んだ瞬間に広がる芳醇な味わいと、飲み終わった後も喉の奥に心地よく残る長い旨味の余韻は、まさに「言葉を介さずとも心が通い合う」ような静寂のひとときを演出します。また「閑花(かんか)」では、すっきりとした味わいの煎茶に、香り高く旨味をたっぷり含んだ碾茶を調和させました。主客が心を通わせる「阿吽の呼吸」をイメージし、調和の美しさを表現した「阿呍(あうん)」、この上ない至福のひとときを願って命名した「無上(むじょう)」など、それぞれに趣の異なる豊かな味わいを取り揃えています。

「四君子」シリーズは、四君子の精神性を一服のお茶に託した、創作銘茶。
左から、「阿呍ブレンド」、「無上ブレンド」、「一黙ブレンド」、「閑花ブレンド」。

「碾茶」とは石臼で挽いて抹茶にする前の茶葉のこと。
甘味と旨味が強く、渋味が少なく、まろやかで奥深い味わいが特徴。

パッケージも、老舗らしい気品に満ちていますね。

福井 この六角形の「亀甲型」茶筒は、塗師宗哲十二代の中村弘子氏に監修・意匠いただいたものです。亀甲は古来より長寿を願う縁起のいい模様であり、お茶を飲む方の健康と幸せを願う私たちの思いを形にしたものです。蓋の形状も、茶道具の「金輪寺形(きんりんじがた)」を採用しました。これは、後醍醐天皇ゆかりとも言われる、茶道で長く親しまれてきた円筒形の伝統的な器の形のことです。この様式を現代の茶筒に活かしつつ、密封性を両立させるために改良を重ねました。
私たちは「中身で勝負する」という姿勢を崩しませんが、その素晴らしい中身を包む器もまた、一流でなければならないと考えています。産地から届く最高級の茶葉と、京都の伝統工芸が一つになることで、この商品は完成します。お茶を使い切った後も、茶筒をインテリアとして飾ったり、花入れとして暮らしに役立てたりしてほしい。一生ものの道具として、皆さんの日常に福寿園の文化が溶け込んでいくことが、私たちの喜びです。

茶の湯伝来の形を現代の感覚で活かした茶筒は、中村弘子氏の監修・意匠によるもの。
茶筒には、四君子の花があしらわれている。

おすすめの楽しみ方はありますか。

福井 あえて「時間」を贅沢に使う体験を提案したいですね。例えば、このお茶を冷水でじっくり2時間かけて水出ししてみてください。冷蔵庫の中でゆっくりと茶葉が開いていく時間を待つ。その心のゆとりこそが、自分を大切にする一歩になります。週末の静かな朝、お気に入りの和菓子を一つ添えて、スマホを置いて一服する。その瞬間に感じるお茶の「まろみ」は、疲れた心身を優しく包み込んでくれるはずです。また、自分へのご褒美としてはもちろん、贈り物としても大変喜ばれています。お茶を淹れるという行為が、単なる水分補給ではなく、自分の心を整え、誰かを思う丁寧な時間になる。そんな豊かなライフスタイルを、福寿園のお茶を通じて体感していただきたいと願っています。

―「四君子」は、各界の専門家からも高い評価を得ているそうですね。

福井 ありがたいことに、茶道界や工芸界の第一線で活躍されている方々からも、「本物だけが持つ圧倒的な存在感がある」と認めていただいています。私たちが選別しているのは、世界中を見渡してもこれほどまでの品質はほかにないのではないか、という自負がある希少な茶葉ばかりです。そうした確かな品質と文化的な背景があるからこそ、お茶に詳しい愛好家の方々からも「福寿園の四君子なら」と信頼を寄せていただいています。歴史ある看板を背負いつつも、中身の一滴一滴に込めた情熱を感じ取っていただけていることが、私たちにとって何よりの励みになります。

もう一つの注目商品「ボトルドティー」についてもお伺いします。こちらはどのような挑戦だったのでしょうか。

福井 「急須がないご家庭でも、最高級の宇治茶を体験していただきたい」という強い思いが、この開発の原点でした。私たちは、日本茶をグラスで楽しむという、全く新しい文化の創造に挑んでいます。
中には1本3万5千円という価格に驚かれる方もいらっしゃいますが、これは最高級の手摘み茶葉を使い、農家の皆さんに正当な対価をお支払いするための、いわば「お茶の未来を守るための価格」なのです。茶農家の皆さんが丹精込めて育てたお茶を、私たちが責任を持って価値ある形に仕上げ、世界中の方々にお届けする。このサイクルを維持することこそが、230年続いてきた福寿園の茶文化を、次の100年、200年へと繋いでいく唯一の道だと確信しています。
また、保存料を一切加えず、低温でじっくりと旨味を抽出する手法は、茶葉が持つポテンシャルを最大限に引き出すために、長い歳月をかけて研究し、ようやく辿り着いた賜物です。

農家の丹精が込められた最高級の手摘み茶葉と、
そのポテンシャルを最大限に引き出す手法でつくられる、まったく新しいお茶。

「ボトルドティー」ならではの、具体的なこだわりや特徴を詳しく教えてください。

福井 私たちは、厳選された茶葉の旨味だけをボトルに封じ込めることに心血を注ぎました。例えば、スパークリングタイプの「福壽(ふくじゅ)」は、緑茶のふくよかな味わいに、日本伝統の植物であるクロモジやゆずを隠し味として加えています。
少しふくらみのある形状のシャンパーニュグラスなどに注いでみてください。きらめく泡とともに華やかで芳醇な香りが立ち上がり、口に含めば緑茶の繊細な風味と泡がエレガントに弾け、舌の上で優雅に変化する深い余韻を楽しめます。
また、緑茶の濁りをあえて残した「香涼(こうりょう)」は、手摘み茶葉の豊かなコクと柔らかな酸味が融合し、飲むたびに京都の清らかな自然の中にいるような心地よさを体感できます。和紅茶をベースにした「京紅(きょうべに)」は、130℃という高温で丹念に火入れを行い、果実のような濃厚な香気を凝縮させました。これらは単なる飲料の域を超え、茶匠の卓越した技と自然の恵みが一体となった、五感を心地よく刺激する「液体のアート」とも呼べる仕上がりとなっています。

上から、「ボトルドティー 福壽 <スパークリング>」、「ボトルドティー 香涼」、「ボトルドティー 京紅」。

どのようなシーンで、この贅沢な一本を味わうのがいいでしょうか。

福井 お酒を飲まない日のディナーで、「最高級のペアリング飲料」として楽しんでいただくのが一番のおすすめです。「福壽」の泡のきらめきを楽しんだり、「香涼」を口の広いワイングラスに注いで、温度の変化とともに移ろう香りのグラデーションを愛でたり。その体験は、食事の時間を格別なものに変えてくれるはずです。一流ホテルのソムリエや食通の方々からも、その圧倒的なクオリティとストーリー性に高い評価をいただいています。ホームパーティーでの驚きの演出や、特別な日の贈り物として、皆さんの大切なシーンにこの感動をお届けできれば幸いです。
また、料理に合わせるのももちろん良いのですが、これだけを味わう時間もぜひつくってみてください。お気に入りのグラスを見つけて、お気に入りのアートを眺めながら、食前食後の時間に潤いをもたらす茶として楽しむ…そんな時間をぜひこのボトルドティーと味わってみてください。

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

福井 たとえ世界中からお茶が忘れ去られようとも、福寿園だけは最後までお茶の商売を続け、この文化伝統を死守するという強い覚悟を持っています。そのうえで、私が目指すのは、お茶を「飲み物」という枠から「食品」という広いステージへと押し上げることです。お茶には健康を支える素晴らしい成分が詰まっており、それを丸ごと食べることは、現代人の健やかな暮らしに大きく貢献できるはずでしょう。例えばですが、お茶が「ゴマ」のような存在になれば面白いと思います。ゴマは主役になることもあれば、さりげなく料理を引き立てる脇役としても、家庭の食卓に欠かせませんよね。お茶も同じように、日常生活のあらゆる場面に当たり前にある、身近で愛される存在にしたい。常に楽しみながら、ワクワクする気持ちを忘れずに、お茶のさらなる可能性をこれからも全力で探求し続けます。

―貴重なお話をありがとうございました。

「四君子 一黙ブレンド(80g・筒入)」
価格:¥9,720(税込)
店名:福寿園 直販店
電話:0774-66-1429(10:00~12:00、13:00~16:00 土・日・祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.fukujuen.com/shop/g/g0574120/
オンラインショップ:https://www.fukujuen.com/

「ボトルドティー 福壽 <スパークリング>(720ml)」
価格:¥37,800(税込)
店名:福寿園 直販店
電話:0774-66-1429(10:00~12:00、13:00~16:00 土・日・祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.fukujuen.com/shop/g/g0599150/
オンラインショップ:https://www.fukujuen.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

福井正興(株式会社福寿園 代表取締役社長)
1971年生まれ。1994年同志社大学商学部卒業後、福寿園に入社。入社後2年間、農林水産省 野菜・茶業試験場にてお茶づくりの基礎を修業。同社副社長等を経て、2013年に第9代代表取締役社長に就任。京都府茶協同組合副理事長。サントリーとのコラボレーション「伊右衛門」など、伝統を礎にした革新的な取組みで知られる。日本青年会議所第60代会頭なども歴任。

<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/福寿園>

羽田甚商店

注目の連載

注目の連載

Special serialization

羽田美智子さん連載

SNSできになるあのひと

社長インタビュー

連載一覧を見る

OFFICIAL SNS

Instagramでハッシュタグ#お取り寄せ手帖を検索。

  • Instagram
  • Facebook
  • Twitter