サラダやパスタなどさまざまな料理によく合うツナ。海に面した静岡県の焼津に、レトルトパウチ入りで使い勝手抜群のツナを製造している三共食品株式会社があります。味わい深く料理を手軽においしくしてくれることから、忙しい方にも人気です。編集長アッキ―こと坂口明子が以前から気になっていたという「SKOホワイトミートフレーク」について、三共食品株式会社 代表取締役の森琢史氏に、取材陣が伺いました。
レトルトパウチから出してすぐにおいしい!どんな料理とも相性抜群の「SKOホワイトミートフレーク」
2024/05/14
三共食品株式会社 代表取締役の森琢史氏
―御社について教えてください。
森 当社は1952年に私の祖父が立ち上げました。創業当時は、ツナ缶とみかん缶を製造し、アメリカに輸出していました。静岡県はツナ缶の生産量がとても多く、当社もそのなかの1社でした。
設立した頃は固定相場制で1ドル360円という円安だったため、ひじょうに輸出がしやすい状況でしたが、変動相場になって状況が変わったそうです。円高になり輸出が厳しくなったため、当社は1985年頃からレトルト食品の製造を開始し、1994年にはレトルト食品に一本化しました。
―ご祖父様が創業者ということで、最初から跡を継ぐつもりでいらしたのでしょうか。
森 いいえ、祖父の次は父の兄が継ぎましたので、当初は私が跡取りになるとは思っていませんでした。親戚中で会社をやっていた環境でしたが、私自身は芸術系の大学に通って、他の道に進むつもりでいました。しかし、実家の仕事を手伝いたいという気持ちが高まり入社。伯父の跡を継いだ私の父が急遽体調を崩し、2018年に私が社長となりました。
―ご自身の代になって、とくに力を入れられたのはどのような点でしょうか。
森 元々OEM主体で、他社からの依頼を受けて商品を製造することが多かったのですが、自社製品にも力を注ぐようになりました。
また、インターネットを通じた販売にもより力を入れるようになりました。先代の頃から少しは行っていましたが、私になってから自社の販売サイトにも力を入れ、楽天にも出すようになりました。
―技術力の面で、御社の強みとはどのようなものでしょうか。
森 長年、OEMでの製造をしてきたなかで、さまざまな技術や知識を蓄積してきました。OEMの製造の過程では、お客様から本当にさまざまな要望をいただきます。それらに対応していくなかで、かなり高い技術を有するようになったと思います。とくに衛生面、食の安全面に関して、各社から高い信頼をいただいています。その蓄積してきたものこそが当社の強みです。
衛生管理に細心の注意を払った工場で作られる。
―要望されることとは?
森 特定のお客様からの要望ということではないのですが、レトルト食品を作る上で難しいのは殺菌の工程です。薬品などを使うのではなく、熱をかけて殺菌しますが、その温度がかなり高く120度くらいになります。すると熱がかかりすぎて、例えば肉が硬くなってしまったということが起こります。野菜の色も本当は緑であったものが茶色になってしまったり……。
私たちはなるべくそうならないようにしなければなりません。見ておいしそうと思ったり、食べておいしいと感じたりしていただけるような状態にするために、温度を調整したり仕込み方を工夫したりと、依頼された食材によって工夫を重ねます。
―「SKOホワイトミートフレーク」はいつ頃できた商品ですか?
森 商品自体は20年以上前からあったものです。私が物心ついた頃から、すでに家にありました。以前は社員や取引先、ご近所の人とか、本当に知る人ぞ知る、かなりニッチな商品でした。
ただ、私も小さい頃から食べてきて、おいしいことも、レトルトパウチに入っていて使いやすいということも知っていたので、いざ会社に入ったときに「もっとこれを広められないか」と思ったのです。
そこから、パッケージを変え、ネットショップを通じて広く販売したことで、だんだんと認知され、売り上げが伸びていくようになりました。
―パッケージの変更はいつ頃でしたか?
森 商品自体は20年以上前からあったものです。私が物心ついた頃から、すでに家にありました。以前は社員や取引先、ご近所の人とか、本当に知る人ぞ知る、かなりニッチな商品でした。
ただ、私も小さい頃から食べてきて、おいしいことも、レトルトパウチに入っていて使いやすいということも知っていたので、いざ会社に入ったときに「もっとこれを広められないか」と思ったのです。
そこから、パッケージを変え、ネットショップを通じて広く販売したことで、だんだんと認知され、売り上げが伸びていくようになりました。
―パッケージの変更はいつ頃でしたか?
森 私が社長になる前です。当時のパッケージは古いデザインだったので、前社長に相談をして、やらせてもらいました。
―パッケージを変える際のポイントは?
森 パッケージにツナの写真を、おいしそうに、かつ印象的にするというのは、なかなか難しいと感じていました。それならばいっそのこと写真はやめて、ある程度シンプルなデザインで、人の目を引くようなパッケージができないかと考えました。
そこでイメージとして浮かんだのが、実はアップル社のパッケージです。あの、リンゴだけの、すごくシンプルではあるのに、人目を引くデザイン。ああいうイメージにしたいということで、いろいろ試行錯誤して、現在の魚と文字だけのシンプルなデザインになりました。
―食品とアップル社というイメージのつながりは、かなりユニークですね。
森 やはり普通のパッケージだと売場で埋もれると思いますので、他社と比べたときにちょっと違うほうがいいのではないかというのもありました。
―現在はとても売り上げが伸び、リピーターが続出とか。
森 実はふるさと納税でも毎回選んでくださる方もいらっしゃいます。電話でご注文いただく方でも、常連さんがとても多いです。
リピーターの方におっしゃっていただく声で多いのは、使い勝手が良いということです。また、味がしっかりしている点が気に入っているともおっしゃっていただきます。そのまま出してサラダなどに盛るだけで、ドレッシングをかけなくてもおいしく食べられるとも言われます。
野菜の上に盛るだけで豪華な料理が一品完成。
―食べごたえもあります。
森 当社の個性として、あえてフレークを大きめサイズにしています。そうすることで、食べたときの満足感を高めていただきたいと考えています。
私自身が食べごたえがあるもののほうが好きというのもあります(笑)。
―味のラインナップとして基本の油漬けのほかに、オリーブ油漬けもあります。
森 オリーブ油漬けは4、5年前ぐらい前に新商品として売り出しました。オリーブオイルにこだわっていて、エクストラバージンオリーブオイルを使用しています。そのため、オリーブオイルの風味をしっかりと感じられると思います。
右のグリーンのイラストと文字のほうがオリーブ漬、左がノーマルな油漬。
―「SKOホワイトミートフレーク」のおいしい食べ方を教えてください。
森 食べ方としては、油漬けの方は和食、洋食、中華問わず、オールマイティーにいろいろと使っていただけます。一方、オリーブオイル漬けは洋風の料理に合うと思います。サラダとかパスタとかにそのままオリーブオイルごと使っていただくことをおすすめします。
フレークが大きいので噛むうちにより濃厚なツナの味を楽しめる。
―今後どういった方に手に取ってほしいですか。
森 ツナがお好きで当社製品はまだ味わっていただいていない方に、ぜひ体験していただきたいです。ツナ好きで、おいしいツナが食べたいと思っている方であれば、きっと気に入ってくださる商品じゃないかと思っています。
―今後のご展望について、ぜひお聞かせいただければと思います。
森 まず「SKOホワイトミートフレーク」に関しては、まだ実店舗で買えるところが少ないので、販路を広げていきたいというのがあります。
会社としては、現在もOEMの比率が高いため、自分たちの会社名で出す自分たちが誇れる自社商品を、もっと作っていきたいと考えています。
―すてきなお話をありがとうございました。
「SKOホワイトミートフレーク」(100g✕10袋)
価格:¥2,898(税込)
店名:三共食品株式会社オンラインショップ
電話:054-623-2277(9:00~17:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop.sankyo-retort.co.jp/items/40397676
オンラインショップ:https://shop.sankyo-retort.co.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
森琢史(三共食品株式会社 代表取締役)
1988年静岡県生まれ。2015年に三共食品株式会社へ入社。2018年に同社代表取締役に就任。レトルト食品のOEM製造を主体としつつ、事業の新たな柱となる自社商品の開発・販路拡大にも力を入れている。
<文/平野智美 MC/山口優花 画像協力/三共食品>