
乾杯!のシーンを気軽に華やかに。老舗酒造が超軟水で仕立てたスパークリング純米酒「あわっしゅ」
2026/02/20
今回、編集長のアッキーが注目したのは、スパークリング純米酒の「あわっしゅ」です。繊細な泡がグラスの中で踊り、口に含めば優しい甘みと爽やかな酸味が広がります。日本酒の概念を覆すような軽やかさと、米の旨みをしっかりと感じさせる奥行きのある味わい。
その背景には、幾多の困難を乗り越えてきた蔵人の不屈の精神と、新潟・柏崎の土地ならではの清らかな水の物語がありました。「日本酒をもっと身近に、自由に楽しんでほしい」という願いから生まれた一瓶の魅力を探るべく、取材スタッフが、新潟県柏崎市に本社を構える、原酒造株式会社 代表取締役社長の原吉隆氏にお話を伺いました。

原酒造株式会社 代表取締役社長の原吉隆氏
―江戸時代から続く長い歴史をお持ちですが、これまでの歩みについて詳しく教えてください。
原 創業は江戸時代後期の1814年(文化11年)で、210年以上の歴史を積み重ねてきました。私は7代目となりますが、この長い年月を振り返ると、決して順風満帆ではなく、幾度ものピンチや危機的な状況に直面しました。例えば明治44年には、街を襲った大火事に巻き込まれて蔵も自宅も全焼し、まさにゼロからの再スタートを余儀なくされた悲惨な時期もありました。また、私の代になってからも、2007年(平成19年)の中越沖地震という大きな試練がありました。敷地内の建物の7割が全壊し、目の前には絶望的な光景が広がっていましたが、その都度「必ず立て直してやる」という強い意志を持って立ち上がってきました。体の奥底から湧き上がるような思いで伝統を繋いできた私たちは、自らを「不屈の酒蔵」であると考えています。
そうした試練の一方で、私たちの誇りとなる歴史的な瞬間もありました。昭和47年の日中国交正常化の際、柏崎市出身の田中角栄元首相が、北京での記念晩餐会の乾杯酒として、弊社の「越の誉(こしのほまれ)」を選んでくださったのです。NHKのニュースでその様子が実況中継され、全国から大きな反響をいただいたことは、今でも鮮明に覚えています。苦境を乗り越える強さと、歴史的な舞台に選ばれる品格。その両輪が、私たちの200年を超える歩みを支えてきたのです。



幾度の試練を乗り越え新しくなった原酒造。
震災で建物の7割が全壊しても、
酒造りへの情熱だけは決して折れることがなかった。

歴史的な晩餐会で選ばれた「越の誉」。
その品格は今も変わらず受け継がれている。
―社長ご自身の歩みや、家業を継ぐことへの決意についても伺えますか。
原 私は1957年(昭和32年)にここ柏崎で生まれ、幼い頃は酒蔵の中を遊び場にして育ちました。ただ、すぐに家業に入ったわけではありません。大学卒業後は別の世界を見てみたいという思いもあり、銀行に3年ほど勤務しました。金融機関という、伝統産業とは全く異なる論理で動く世界での経験は、客観的な視点で社会や経営を捉えるための貴重な糧となりましたね。しかし、私が20歳のときに父が白血病で他界し、父と一緒に仕事をする時間はほとんど持てませんでした。
その後、家業に戻ってからは、平成5年から30年以上にわたって社長を務めています。銀行員時代に培った冷静な経営視点と、蔵で育った情熱を併せ持ちながら、「変化を恐れない」スタイルを大切にしてきました。私が常に心に留めているのは、「会社の品格は商品の品質に宿る」という信念です。いいものを作り続けることが、結果として地域の人々や世界中の方々の笑顔に繋がると信じて、日々酒造りと向き合っています。
―今回ご紹介するスパークリング純米酒「あわっしゅ」は、どのような思いから誕生したのでしょうか。
原 日本酒に対して「少しハードルが高い」と感じている方や、普段あまりお酒を嗜まない方にも届くような、「入り口」となるお酒を作りたいと考えたのがきっかけです。ワインの世界にはシャンパンやスパークリングワインがあるように、日本酒の世界でも、乾杯のシーンを華やかに彩る発泡性のお酒があっていいはずだ、という理想がありました。老舗の伝統を背負いつつも、若者や女性に気軽に手に取ってもらえるような「親しみやすさ」を追求したのです。
「あわっしゅ」というネーミングも、親しみやすさを感じていただけるようにと名付けました。開発にあたっては、純米酒ならではのお米本来の優しい甘みを活かしつつ、後味をいかにスッキリと爽やかにさせるかに非常に苦心しました。発泡性のお酒としての心地よさを追求し、甘みと酸味のバランスを何度もミリ単位で調整し、ようやく理想の「爽やかなハーモニー」に辿り着きました。日本酒への抵抗感をなくし、「これならおいしく飲める」と思っていただけるような、現代のライフスタイルに自然と溶け込む一瓶を目指したんですよ。
―他の商品にはない、「あわっしゅ」ならではのこだわりや独自性についても詳しく教えてください。
原 私たちが最も大切にしているのは、柏崎の豊かな自然が育んだ「水」です。米山山系の伏流水を使用しているのですが、これは全国的にもきわめて珍しい「超軟水」です。この水のおかげで、お酒の口当たりが驚くほどまろやかで、喉を滑るような優しさが生まれます。この「清らかな水」がなければ、「あわっしゅ」の繊細で透明感のある味わいは決して実現できなかったでしょう。
また、視覚的な楽しさにも徹底してこだわりました。食卓に置いたときに「涼やかで美しい」と感じていただけるよう、目を引くスタイリッシュな青色のボトルを採用しています。通常の日本酒の瓶では中のガス圧に耐えきれないため、非常に強固な設計の特注瓶を選びました。きめ細やかで長く続く泡の立ち上がりと、この青いボトルの調和は、私たちのこだわりが詰まったデザインです。原料の米、水、そして酵母の力を最大限に引き出すため、熟練の杜氏が繊細な温度管理を行いながら、一滴一滴に心を込めて醸し上げています。

全国でも珍しい「超軟水」と柏崎の豊かな自然が育んだ米。
この二つの出会いが、他にはない優しい泡を生み出す。

思わず手に取りたくなるスタイリッシュな佇まい。
320mlと小ぶりで、現代のライフスタイルに寄り添う一本。
―実際に楽しむ際のおすすめの飲み方や、合うお料理があれば教えてください。
原 ぜひ、キンキンによく冷やしてからお召し上がりください。グラスは、シャンパングラスやワイングラスを選んでいただくのがおすすめです。グラスの底から一筋に立ち上がる泡の美しさを愛でながら過ごす時間は、日常の中の小さな贅沢になるはずです。お食事の始まりを告げる「乾杯の一杯」として食卓を華やかに演出するのはもちろん、夜のリラックスタイムに少し気分を変えて楽しむのもいいですね。
ペアリングとしては、甘いドライフルーツやナッツとの相性が抜群です。乾杯の一杯としてはもちろん、食後の甘いデザートやスイーツと合わせる「デザート酒」としても、その爽やかな酸味がよく合うんですよ。自分へのちょっとしたご褒美にはもちろん、大切な方へのギフトとしても、この青いボトルの特別感はきっと喜んでいただけると思います。受け取った方が、その飲みやすさに驚いてリピーターになってくださるという循環も生まれており、作り手としてこれほど嬉しいことはありません。
―周りからの評価についても伺いたいのですが、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」でも高く評価されていますね。
原 おかげさまで、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」ではスパークリングSAKE部門で最高金賞を何度も受賞させていただきました。甘みと酸味の絶妙なバランス、そして超軟水由来のまろやかさが評価されたのではないかと自負しています。専門家の方々に認めていただいたクオリティは、私たちが品質第一で取り組んできたことへの大きな励みになっています。
最近では、都内の有名なレストランや専門店でも採用されることが増えており、プロの目からも「和食以外とも楽しめる確かな味」として選んでいただいています。また、以前は「日本酒が苦手」とおっしゃっていたお客様から、「あわっしゅならおいしく飲める」といった喜びの声を直接いただく機会も増えました。権威ある賞をいただくことも光栄ですが、何よりお客様に「おいしい」と言っていただけることが、私たちにとって最高の評価だと思っています。


プロが認めた味は、ギフトにも最適。
―最後に、これからの展望や未来へのビジョンについてお聞かせください。
原 私たちの夢は、日本を代表するメーカーとしての立場を確立し、日本の「SAKE」文化を世界中へ発信していくことです。現在はアメリカ、シンガポール、台湾などへの輸出も行っていますが、世界中の方々を笑顔にできるよう、さらなる挑戦を続けていきたいと考えています。伝統を重んじながらも、常にいいものを作り続ける努力を怠らず、最高品質を維持し続けていきます。
また、現在は娘が常務として経営に加わり、彼女が担う次世代の感性にも大きな期待を寄せています。SNSでの情報発信や新しいデザインの提案などは彼女の得意分野であり、伝統とモダンが融合する新しい蔵の姿を形作ってくれています。200年以上の伝統というバトンを次世代へしっかりとつなぎ、時代に合わせて進化し続ける。そんな「地域と共にあり、世界に誇れる日本酒」を目指し、これからも情熱を持って歩み続けてまいります。
―素敵なお話をありがとうございました!

「発泡性純米酒 あわっしゅ 320ml」
価格:¥792(税込)
店名:越のオンラインショップ
電話:0257-23-3250(平日 9:00~17:00)
定休日:土・日・祝日、インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.koshinohomare-shop.com/SHOP/402.html
オンラインショップ:https://www.koshinohomare-shop.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
原吉隆(はらよしたか)(原酒造株式会社 代表取締役社長)
1957年新潟県柏崎市生まれ。大学卒業後、北越銀行に入行し、3年を経て原酒造株式会社に入社。1993年に同社代表取締役社長に就任した。2007年の地震被害を乗り越えた「不屈の精神」を礎に、伝統的な酒造りを守りつつ、若者や女性をターゲットにした新商品の開発にも積極的に取り組んでいる。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/原酒造>




























