赤いかにの容器も人気!福井名物の駅弁が自宅で香りよくおいしく味わえる「冷凍越前かにめし」

2026/02/20

今回、編集長のアッキーが注目したのは、かにの身が敷き詰められた炊き込みご飯「冷凍越前かにめし」です。一度は目にしたことがあるかもしれない、あの愛らしい「赤いかに型の容器」。実はこれ、駅弁なんです。なぜ今、老舗の駅弁屋が「冷凍」に挑戦したのか。その背景には、「旅の思い出を全国の食卓へ届けたい」という切実な思いがありました。取材スタッフが、福井県に本社を構える、株式会社番匠本店の代表取締役、山田和徳氏にお話を伺いました。

株式会社番匠本店 代表取締役の山田和徳氏

―1902年(明治35年)駅弁事業創業と伺いました。まずは御社の歩みについて教えてください。

山田 福井に鉄道が開通してから6年後、1902年(明治35年)に、鉄道省からお声をかけていただいて駅弁事業を始めました。屋号の「番匠(ばんじょう)」というのは、もともと私の先祖が伊勢神宮の宮大工の棟梁をしていたことに由来します。この「番匠」という言葉自体、古くから「大工」を指す言葉として使われてきた名称です。

徳川家康公の次男である結城秀康公が福井城を築城する際、先祖がその建設に関わるため福井へ招かれたのがこの地との縁の始まりです。その後、その子孫であり、駅弁事業創業者 番匠岩吉の父が、その働きが認められて城内の食事を司る「台所頭」を任されるようになり、それが現在の食に携わる事業のルーツとなりました 。以来120年以上にわたり、福井駅と共に歩んできました。現在は私で4代目になります。

1933年当時の福井駅。

かつてホームで立ち売りされていた駅弁は、時代を超えて愛される福井の食文化へと成長した。

―山田社長は元々JTBにお勤めだったそうですね。家業を継ぐことについて、昔から意識されていたのですか?

山田 いえ、若い頃は全く考えていませんでした(笑)。学生時代にアメリカに留学していたこともあり、海外とつながりのある仕事がしたいという思いから、大学卒業後は当時の日本交通公社(現JTB)に入社しました。まさか自分が、駅弁屋の社長になるとは思ってもみませんでしたね。

ただ、幼い頃に見ていた風景が、今も鮮明に焼き付いているんです。当時はまだSLが走っていました。当時は窓が開く客車が当たり前で、その窓越しに売り子さんから駅弁を買う。こんな風景が日常だったのです。旅先で食べたお弁当の味、家族と出かけた時の高揚感、列車の中で蓋を開ける瞬間のワクワク感。そうした記憶は、何十年経っても色あせません。

旅行会社で旅を扱っていた経験と、家業である駅弁がつながったとき、私たちの仕事は単にお腹を満たすお弁当を作ることではなく、「思い出を作る仕事」、つまり「想い出産業」なんだと気づいたんです。旅先で食べたお弁当が、その時の景色や会話と共にお客様の記憶に残り続ける。そんな特別な体験を提供したいと考えています。

―駅弁といえば、現地で食べるものというイメージがあります。なぜ「冷凍」の商品開発に挑戦されたのでしょうか?

山田 駅弁は保存料などを極力使わないため傷みやすく、通常はその日のうちに食べていただく必要があります。そのため、販売エリアはどうしても福井県内に限られていました。しかし、県外のお客様から「家でも食べたい」「送ってほしい」というお声を以前からいただいていたんです。

そこにコロナ禍などが重なり、全国の食卓へ福井の味をお届けするために、冷凍化への挑戦が始まりました。ただ、凍らせること自体は簡単でも、解凍した時に「できたてのあのおいしさ」を再現するのが本当に難しかったですね。
特に「越前かにめし」は容器に厚みがあるので、中まで均一に、ふっくらと解凍させるためには試行錯誤が必要でした。

―「越前かにめし」はロングセラー商品ですが、おいしさのこだわりや独自性について教えてください。

山田 1961年(昭和36年)の発売以来、多くの方に愛されてきました。最大の特徴は、一般的なかに弁当によくある「酢飯」ではなく、かにの旨味をご飯と一緒に炊き込んだ「炊き込みご飯」であることです。
温めると香りがふわっと立ち上りご飯にはズワイガニの雌「セイコガニ」の内子(うちこ)やみそ、赤肉をほぐして炊き込んでおり、お米一粒一粒にまで、かにそのものの風味が染み渡っているのです。
温めると香りがふわっと立ち上り、かにの旨味を凝縮した濃厚な味わいが楽しめます。

お米一粒一粒にまでかにの風味が染み渡る。

山田 また、トレードマークの「赤いかに型の容器」もこだわりの一つですね。発売当初は陶器でしたが、現在はプラスチック製に変わっています。それでも、この愛らしい形はずっと変えずに守り続けているんですよ。

一目でそれと分かる真っ赤なパッケージは、福井名物の証。
発売当時(左)から現在(右)まで変わらず、愛らしい姿を保っている。

山田 原料のかにについては、国産に加えて、安定しておいしいものを提供するために韓国やカナダ産のズワイガニなども厳選して使用しています。
年々かにの確保は難しくなっていますが、それでも「他の具材をあえて入れず、かに一本で勝負する」。このこだわりと変わらぬ味が、長年ご支持いただいている理由かもしれません。

―ご自宅でおいしくいただくための、おすすめの食べ方はありますか?

山田 とても簡単なんですよ。電子レンジで温めるだけで、まるで駅で買ったばかりのような、できたての味をお楽しみいただけます。蓋を開けた瞬間に広がる湯気と磯の香りで、食卓が一瞬にして旅先になったような気分を味わっていただけると思います。
量もしっかり入っていますので、もし残ってしまった場合は、フライパンで卵と炒めて「かにチャーハン」にするのが私のおすすめです。
ご飯にしっかりと味がついているので、卵を入れるだけで絶品のパラパラチャーハンができあがります。誰でも失敗なく作れるので、ぜひ試していただきたいですね。
福井駅のお店ではかに雑炊も販売しています。

かにの旨みがたっぷりの特製かに雑炊。

―お客様からはどのような声が届いていますか? また、最近ではユニークな販売方法も話題になったと伺いました。

山田 「出張帰りの父がよく買ってきてくれた」「子どもの頃、家族旅行で食べた」など、思い出と結びついた温かいお声をたくさんいただきます。食べた後の容器を捨てず、小物入れやお弁当箱として再利用してくださっているご家庭も多いようで、うれしいですね。

また、コロナ禍の打開策として、駅のホームなどに「冷蔵駅弁自動販売機」を設置したところ、これがSNSなどで大きな話題になりました。若い方たちが写真を撮って投稿してくださり、新たなファン層が広がりました。老舗であっても、時代に合わせた新しい届け方に挑戦していくことが大切だと感じています。

―今年は駅弁誕生から140周年という節目の年だそうですね。最後に、今後の展望をお聞かせください。

山田 かつて全国に400社ほどあった駅弁屋も、現在は80社足らずになってしまいました。しかし、駅弁は日本のすばらしい食文化です。現在、業界の有志の方々やJR西日本さまと協力して、駅弁を「登録無形文化財」にしようという動きも進めています。

人生そのものが旅のようなものですから、私たちはこれからも、お客様の人生に寄り添い、いつまでも記憶に残り続けるようなお弁当を作り続けていきたいですね。次の100年も、この赤い箱と共に旅の思い出をつないでいけたらと願っています。

―素晴らしいお話をありがとうございました!

「冷凍越前かにめし」
価格:¥1,650(税込)
店名:福井の駅弁屋 越前かにめしの番匠本店
電話:0776-22-1488(8:00~18:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:http://www.banjyo.jp/lineup/detail.php?id=108
オンラインショップ:http://www.banjyo.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

山田和徳(株式会社番匠本店 代表取締役)
大学卒業後、株式会社日本交通公社(現JTB)に入社し、海外旅行の支店などで勤務。その後、家業である番匠本店に入社し、4代目社長に就任。「駅弁は想い出産業」という理念のもと、福井の食文化と駅弁の魅力を発信し続けている。

<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/番匠本店>

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