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幼い頃の原風景をきっかけに開発。ジャパン・フード・セレクションでグランプリを受賞した「オイルサバティン」

2024/07/17

今回、編集長アッキーの目に留まったのは、ジャパン・フード・セレクションなど数々の賞を受賞している「オイルサバディン」。オイルサーディンとサバをかけたネーミングが特徴的ですが、抜群の味わいにより高く評価されています。製造元の有限会社かねはちの代表取締役 杉本幸仁氏に取材陣がお話を伺いました。

限会社かねはち 代表取締役 杉本幸仁氏
有限会社かねはち 代表取締役の杉本幸仁氏

―2代目だと伺いました。

杉本 弊社は1982年に父が創業しました。父の生まれは、弊社の本拠地になっている沼津港の隣の静浦港です。家業として、静浦港で水揚げされた魚を買い付けていました。父は次男だったため、父の兄が家業を継いで、父が弊社を創業した形です。

弊社は、弊社は、沼津港で水揚げされる魚介類を買い付ける会社です。しかし、創業当時は静浦港や沼津港の買参権を取得できておらず、本家が仕入れた魚で商売していました。

*買参権(ばいさんけん)とは、水揚げされた魚介類を卸売人を通じて購入する権利のこと。取得すると競りに参加できる。

そして、1994年の11月に沼津魚市場の買参権を取得しました。私は、1995年に入社して現在に至ります。

―水産加工はいつからはじめたのですか?

杉本 魚は天候などによって水揚量が大きく違います。水揚量が少なければ、仕事がありません。一方で猫の手も借りたいくらい忙しいこともあります。そのため、経営が安定しにくいのです。

そこで経営を安定化させるために、2001年に水産加工の部門を立ち上げました。沼津は干物が盛んな地域です。弊社も最初はアジの干物からはじめ、サバやホッケなども扱うようになりました。

そんな中、私は2003年に2代目の代表取締役に就任しました。

地元での懐かしい気持ちが開発のきっかけとなった。

―オイルサバディンの開発をはじめた経緯を教えてください。

杉本 昔、静浦港や沼津港には加工業者が数百社ありました。加工業者が軒を連ねており、煮干しや干物も天日干しされていました。私が子どもの頃、学校帰りに道路脇に干してあるイワシやサバをつまみ食いして帰宅した思い出があります。当時は怒られませんでした。笑

しかし、高齢化が進み後継者が不足していることや、食の欧米化などによって需要が減少し、業者が減っていきました。現在残っているのは4社のみです。この現実を、とてもさみしく感じています。

そこで、地場産業を盛り上げたい、和食の出汁や旨味文化を後世につなげたい。そう考えたことから、2006年に新商品の開発をはじめました。

オイルサバディンにしたきっかけの1つは、自分のつまみ食いからです。サバの削り節原料が固くなる手前の柔らかい段階のサバを学校帰りによくつまみ食いしていました。そのサバの旨味が忘れられず
この柔らかさを上手く活用してフレーク状にしました。そして、オイルと食塩水と調合して食べたところ、とてもおいしかったのです。

―オイルサバディンのこだわりを教えてください。

杉本 燻製していることが一番のこだわりです。一般的なイワシのオイルサーディンは燻製しませんが、オイルサバディンは燻製することで味付けしなくてもいいほどおいしくなります。

燻製工程は職人が常駐して、水分量などを調整しています。また、木も調整しながら燃やし続けなければなりません。完全に機械化できないです。交代しながら、2日ほどつきっきりで見ています。

また、オリーブオイルと食塩で味付けをして、添加物を使っていないこともこだわりです。
最初は缶詰の工場がなく、瓶詰めで試作していました。

しかし、瓶だと日持ちせず、添加物も使いたくありません。そこで缶詰なら長持ちする上に、添加物も不要になると考えました。

既に付き合いのあった缶詰業者さんに相談したところ、ぜひ開発に協力させてくださいと、快くお返事をいただきました。缶詰の際に加圧・加熱殺菌をすることで日持ちする上に、味を浸透させられます。

そして、味が1つだと提案するのもさみしい、そのまま味わうだけでなく、お料理にも使えるものがいい、という話になりました。そこでブラックペッパーとガーリック、ナチュラル(オリーブオイルと食塩水のみ)の3種類の味を作りました。

さらに、オリーブオイルではなくコットンシードオイル(綿実油)を使った商品も開発したのです。

こうして、2011年9月にオイルサバディンの販売を、4種類同時に開始しました。

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4缶ボックスセットも販売されているため、食べ比べていただきたい。

―商品名も特徴的です。

杉本 どこにもない商品を開発したいと思ったので、印象に残る名前がいいと考えました。そこでダジャレのように、サーディンとサバをかけてサバディンにしました。記憶に残るネーミングで親しみやすく、サバ缶との差別化にもなります。

―さまざまな賞も受賞されています。

杉本 ブラックペッパーは、2024年2月のジャパン・フード・セレクションでグランプリを受賞しました。また、ふじのくに新商品セレクションで最高金賞、優良ふるさと食品中央コンクール農林水産大臣賞、日本缶詰大賞などを受賞しています。

そして、水産庁の魚食普及活動であるFast Fish(ファストフィッシュ)に認定されました。

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さわやかなオリーブオイルとちょうどいい塩加減により、
サバのうま味が強く感じられる逸品。

―おすすめの食べ方を教えてください。

杉本 すべての味で、炊きたての温かいご飯に混ぜて食べるのが一番おすすめです。おにぎりの具にしても、とてもおいしく食べられます。

和食や洋食など、さまざまな料理に合わせやすいのも特徴です。パスタやサラダに混ぜる、クラッカーやチーズの上に乗せておつまみにする、などの食べ方もおいしいです。

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ごはんはもちろん、ぶっかけうどんにも合う。

杉本 また、パンにはさんで食べるのもおすすめです。商品化している業者さんもいます。なお、私はブラックペッパーが一番好きです。お酒にとても合います。

お客様からは「ありそうでない味」「色々な料理に合うし、手間が省け、調理に時間がかからなくて便利」「お子様から大人までおいしく食べられる」という声をいただいています。

―今後の展望を教えてください。

杉本 季節ごとに限定品を出したいと考えており、新しい味を開発中です。今までさっぱりした味がなかったため、さっぱりしたテイストの味を検討しています。

弊社の加工食品の中では、オイルサバディンが一番の主力です。もっと幅広く味わっていただけるようにPRしていきたいと考えています。

これからも沼津の魚と伝統産業を活かした商品開発、新しい食べ方を提案していきます。

―素敵なお話をありがとうございます!

「【常温/単品】ブラックペッパー(オリーブオイル)【オイルサバディン】」(90g)
価格:¥594(税込)
店名:かねはち オンラインショップ
電話:055-952-0001(9:00〜17:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://kanehachi-online.com/item-detail/435801
オンラインショップ:https://kanehachi-online.com/

「【常温】4缶ボックスセット【オイルサバディン】」(90g×4缶)

「【常温】4缶ボックスセット【オイルサバディン】」(90g×4缶)
価格:¥2,538(税込)
店名:かねはち オンラインショップ
電話:055-952-0001(9:00~17:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://kanehachi-online.com/item-detail/435821
オンラインショップ:https://kanehachi-online.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
杉本幸仁(有限会社かねはち 代表取締役)

1974年7月2日静岡県生まれ。高校卒業後、日本水産(現 ニッスイ)に入社し、その後帰郷して1995年にかねはちへ入社。2003年に同社代表取締役に就任。沼津港で仲買人として競りに参加しながら、自社工場で食品加工を行う。商品を通じて沼津港に水揚げされる水産物を広めることに努力しています。

<文・撮影/林本直 MC/三好彩子 画像協力/かねはち>

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