
醤油発祥の地・和歌山県 湯浅の老舗が届ける「湯浅醤油 蔵匠 樽仕込み」と「具だくさん金山寺味噌」
2025/11/10
今回、編集長のアッキーが注目したのは、一滴でいつもの食卓がごちそうに変わる醤油と、ごはんのお供の常識を覆すおかず味噌のセット「湯浅醤油 蔵匠 樽仕込みと具だくさん金山寺味噌」です。伝統を守りながらフランスでの醤油造りにも挑戦する革新的な蔵元の物語を、和歌山県に本社を構える丸新本家株式会社 代表取締役の新古敏朗氏に取材陣が伺いました。

丸新本家株式会社 代表取締役の新古敏朗氏
―会社の歴史についてお聞かせください。
新古 私たちのルーツは、750年も前からこの地に伝わる金山寺味噌にあります。会社としての創業は1881(明治14)年。金山寺味噌の蔵元として歴史をスタートさせました。ここ和歌山県湯浅町(ゆあさ)は醤油発祥の地でもありますから、もちろん醤油造りも手掛けていましたが、時代の流れの中で約60年前に、一度その製造をやめてしまったのです。その間、看板である金山寺味噌の伝統を守り続けることに注力してきました。


創業140年以上の歴史を刻む醸造元。
770年前から伝わる金山寺味噌造りから始まり、醤油発祥の地・湯浅の伝統を受け継いでいる。
―家業を継がれ、醤油事業を復活させた経緯を教えてください。
新古 愛情深く育ててもらったこともあり、物心ついた頃から、跡を継ぐのを当然と考えていました。ですから、家業を継ぐことに迷いはなく、学校を卒業してすぐに入社しました。ただ、父は生粋の職人気質で、商売のやり方をめぐってはよく衝突しましたね。転機になったのは、大阪にいた頃、ある方に「君の地元の湯浅は醤油の発祥の地だろう」と言われたことでした。地元民である自分自身が、その価値をまったく知らなかったことに衝撃を受けました。この言葉がきっかけで、湯浅という土地の歴史、自社のルーツを学び始めたんです。そして、発祥地であるこの地で、やめてしまっていた醤油事業を自らの手で復活させることを決意しました。
―「湯浅醤油 蔵匠 樽仕込み」は、まさにその決意の結晶なのですね。
新古 「今までにない想像を超えた新しい醤油づくり」を目指していましたが、いきなり一か八かの賭けに出るようなリスクはおかせないため、まずは安定的なニーズのある濃口の醤油(樽仕込み)の開発をおこないました。とにかく昔ながらの本物の味を追求しようと、国産の大豆と小麦を使い、時間と手間を惜しまない「古式製法」で、湯浅伝統の杉樽で仕込みました。
―「古式製法」ならではのこだわりを教えてください。
新古 原料は、国産の丸大豆や小麦など、職人が選び抜いたものだけ。特に丸大豆は味が濃く、醤油に深い旨みを与えてくれます。その大豆を、圧力をかけずに昔ながらの釜でじっくりと炊き上げることで、豆本来の優しい甘みを最大限に引き出すんです。
味の心臓部となるのが、100年以上も蔵と共に歴史を重ねてきた杉の木樽。この木樽には、蔵独自の酵母菌や乳酸菌といった無数の微生物が棲みついています。それらの複雑な働きこそが、塩カドのない、驚くほどまろやかで奥深い味わいを生み出す秘訣です。
この貴重な菌の生態系を守るため、麹を作る最初の3日間は蔵全体が緊張感に包まれます。もし、この工程で不要な納豆菌がわずかでも混入してしまうと、その強い繁殖力にすべてが支配され、醤油造りは失敗に終わります。職人たちは五感を研ぎ澄ませ、長年の経験と勘を頼りに麹を見守る。まさに真剣勝負です。こうして時間と手間を惜しまず造られた醤油は、JAS規格で最高ランクの「特級」のレベルを超えるほどの品質に相当すると思っています。



厳選された国産素材と100年の木樽が織りなす醤油造り。
職人の熟練の技と情熱が、まろやかで奥深い一滴を作り出す。
―おすすめのいただき方はありますか?
新古 何にでも合う万能な醤油ですが、その実力を知っていただくには、まずシンプルに味わうのが一番です。炊き立ての卵かけご飯に数滴たらすだけで、忘れられない味わいになりますよ。お刺身や冷奴など、素材の味を活かす「かけ醤油」として使っていただくと、その真価を最も感じていただけると思います。

じっくりと熟成された、すっきりとした口当たりと深い旨みが魅力。
お寿司から煮物まで、普段の食卓を格上げする一本。
―セットになっている「具だくさん金山寺味噌」は、どのようにして生まれたのですか?
新古 金山寺味噌は、一般的な調味料の味噌とは違い、米・大麦・大豆の麹に、なすや瓜などの夏野菜を加えて熟成させた「おかず味噌(なめ味噌)」です。開発のきっかけは、お客様からいただいた「もっと具がごろごろ入った金山寺味噌が食べたい」というシンプルな一言でした。もう一つのきっかけは、この地域で古くから作られてきた伝統野菜「湯浅なす」の存在です。流通の変化によって市場から消えかけていたこの地域の宝を、なんとか未来へ繋ぎたいという思いも加わりました。そこで、契約農家さんと一緒に湯浅なすを復活させ、そのおいしさを存分に味わってもらえる商品として、この「具だくさん」の金山寺味噌が誕生したのです。

米、大麦、大豆と伝統野菜の「湯浅なす」をはじめとしたこだわりの野菜がたっぷり。
生でそのまま味わえる、人気No.1のおかず味噌。
―「ごはんのお供」以外の楽しみ方があれば教えてください。
新古 定番のもろきゅうや、温かいご飯に乗せるのはもちろん最高ですが、実は驚くほどアレンジの幅が広いんです。生クリームと合わせる使い方なんかもありまして。このお味噌と生クリームを火にかけるだけで、パスタや肉料理にぴったりの、まるで高級レストランのような絶品ソースが簡単に作れます。ほかにも、ハンバーグの種に練り込めば、お肉が驚くほどふっくらジューシーになりますし、いつものカレーにスプーン一杯加えるだけで、一晩煮込んだような深いコクが生まれますよ。
―お客様からは、どのようなお声が届いていますか?
新古 心に残っているのは、あるご家族からいただいた手紙です。「食欲が落ちてしまった母が、このお味噌だけは『おいしい』と、うれしそうに食べてくれるんです。」と。ただおいしいだけでなく、誰かの「食べる喜び」を支えることができている。これ以上に嬉しいことはありません。
―最後に、今後の展望をお聞かせください。
新古 私たちは単なるメーカーではなく、醤油や味噌を通じて、この湯浅という土地の豊かさを体験してもらえる場を作りたいと考えています。フランスの事業パートナーが「夢の国を作る」と語っていたのですが、それに強く感銘を受けまして。この場所で醤油作りを体験し、食事を楽しみ、宿泊もできるオーベルジュのような施設を作るのが夢です。都会で暮らす方々に、田舎ならではの自然や食の豊かさを届けたい。一滴の醤油から、豊かな食文化と地域の未来を創造していく。それが私たちの目指す姿です。
―本日は、貴重なお話をありがとうございました。

「湯浅醤油 蔵匠 樽仕込み 200mlと具だくさん金山寺味噌150g」
価格:¥1,960(税込、送料込)
店名:丸新本家・湯浅醤油
電話:0120-345-124(9:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.marushinhonke.com/c/3555/89421
オンラインショップ:https://www.marushinhonke.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
新古敏朗(丸新本家株式会社 代表取締役)
1969年、和歌山県有田郡湯浅町生まれ。1990年に家業である丸新本家に入社。1995年に専務取締役に就任後、2002年に醤油部門を独立させる形で湯浅醤油有限会社を設立し、代表取締役に就任する。一度は途絶えた醤油造りの歴史を復活させ、醤油発祥の地の伝統を守りながら、フランスでの醤油事業やボルドーでの和食レストラン経営など、世界を舞台に挑戦を続けている。食育活動にも力を注ぎ、地域の小学校で醤油造りを教える活動は2005年から続いている。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/丸新本家>




























