
幻の麦と特産みかんが織りなす感動。茨城・木内酒造が世界へ届ける「常陸野ネストビールニッポニア」と「だいだいエール」
2026/02/18
今回、編集長のアッキーが注目したのは、幻の麦と山田錦が醸すふくよかな旨みの「常陸野ネストビール ニッポニア」と茨城特産の福来みかんが爽やかに香る「だいだいエール」です。グラスに注いだ瞬間に広がる芳醇な香りと、素材の旨みが凝縮された深い味わい。それは、単なる飲み物という枠を超えた、豊かな体験を私たちに届けてくれます。
その背景には、江戸時代から200年以上続く酒造りの誇りと、「日本でしか造れない味」を追求し続ける造り手の情熱がありました。取材スタッフが、茨城県に本社を構える、木内酒造株式会社 代表取締役の木内敏之氏にお話を伺いました。

木内酒造株式会社 代表取締役の木内敏之氏
―まずは、御社の長い歴史についてお聞かせください。
木内 創業は江戸時代後期の1823年です。常陸国(ひたちのくに)の庄屋(村長)であった木内儀兵衛が酒造りを始めたのが物語の幕開けですね。以来200年以上、茨城で「品質本意」の醸造を家訓のように守り続けてきました。日本酒の醸造で培われた繊細な技術と精神が、現在のビール造りの揺るぎない土台となっています。
そして1994年に酒税法が改正され、それまで大手メーカーにしか認められていなかったビール製造の規制が緩和されたのです。いわゆる「地ビール解禁」ですね。この機会を逃さず、1996年に、私たちは「日本ならではのクラフトビール」を目指し、ゼロからの挑戦をスタートさせました。



江戸時代から続く庄屋屋敷の佇まいの「木内酒造 本店」。
赤いフクロウがトレードマークの「常陸野ネストビール」は、
新しい挑戦により誕生した。
―社長ご自身は、どのような経緯で家業に入られたのでしょうか。
木内 若い頃から家業を継ぐことを決意し、東京の大学へと進みました。大学ではあえて酒造りとは異なる学問を学び、広い視野を養ってから故郷の茨城へと戻ってきたんです。酒造りは、目に見えない微生物の働きをコントロールする難しさがあり、その奥深さを日々感じています。約40年前に家業に入って以来、伝統を守りながらも「新しい価値」を創造することに情熱を注いできました。
―今回ご紹介する「常陸野ネストビール ニッポニア」ですが、こちらはどのような思いから誕生したのでしょうか。
木内 「海外の模倣ではなく、日本でしか造れないビールを」という強い理想が開発の原動力となりました。そこで、昭和半ばに姿を消してしまった、幻の日本のビール麦「金子ゴールデン」に光を当てたのです。明治時代に日本で初めて開発されたビール麦なのですが、栽培の難しさから一度は途絶えてしまいました。現在、日本で飲まれているビールの原料は、そのほとんどが外国産の麦です。しかし私たちは、本物の日本の味を追求するために、地元の農家と手を取り合い、この希少な麦を種から復活栽培させるという、気の遠くなるようなプロセスを経て誕生しました。麦そのものを作るところから始めるという妥協のない姿勢が、ニッポニアという唯一無二の存在を生んだのだと考えています。伝統的な素材を現代の技術で蘇らせることで、日本の誇りを一杯のグラスに凝縮しました。

グラスに注ぐと広がる、柑橘系ホップの爽やかな香り。
日本生まれの原料だけで醸された一杯は、
特別な日の食卓や自分へのご褒美にふさわしい。
―「ニッポニア」の味わいや素材へのこだわりについて教えてください。
木内 最大のこだわりは、日本のビール市場ではきわめて珍しい「100%日本由来の原料」で醸している点です。復活させた幻の「金子ゴールデン」麦芽をベースに、副原料には酒米の最高峰「山田錦」を贅沢に使用しています。これによって、通常の麦芽100%ビールとは一線を画す、お米由来のふくよかな旨みと深いコクが生まれるのです。
さらに、伝説的な日本生れのホップ「ソラチエース」を加えました。ソラチエースは北海道で開発された品種ですが、その独特な香りがまず海外の醸造家に認められ、世界的な人気を博して日本に「逆輸入」されたという経緯を持つ、まさに伝説のホップです。レモンやハーブを思わせるような、爽やかな柑橘系の余韻を演出してくれます。
また、私たちは麦を仕入れるだけでなく、自社工場で「製麦(麦芽への加工)」まで行っています。原料の状態は毎回異なるため、毎日微調整を繰り返して理想の味に近づける。この徹底した手仕事こそが、黄金色に輝く最高の一杯を生み出していると考えています。



幻の麦「金子ゴールデン」を、地元の農家と共に復元栽培 。
自社での製麦から醸造まで一貫して管理することで、
他にはない「日本ならではの味」が実現する 。
―その品質の高さは、世界的にも評価されていますね。
木内 おかげさまで、国内外の権威あるビールコンペティションで金賞を受賞するなど、その品質は世界基準で認められています。 「ジャパン・グレートビア・アワーズ2025」での銀賞受賞も果たしました。海外40カ国以上で愛されており、世界のクラフトビール愛好家が「日本を代表する味」として指名してくださることは光栄ですね。
―もう一つのおすすめ商品、「常陸野ネストビール だいだいエール」についても誕生の経緯を伺えますか。
木内 こちらは、茨城県石岡市周辺で古くから親しまれてきた「福来(ふくれ)みかん」を主役にしたビールです。地元のシンボルである筑波山麓で育つ小さなみかんの香りを、新しい形で世界に届けたいという思いから生まれました。地域の素材を活かした「必然性のあるものづくり」を体現した、郷土愛あふれる一品といえます。



筑波山麓で古くから親しまれてきた、香り豊かな「福来みかん」。
みかんのみずみずしさが最大の特徴。
―「だいだいエール」ならではの特徴やこだわりはどのような点でしょうか。
木内 筑波山麓で古くから愛されてきた「福来みかん」の実と果汁を贅沢に使用し、その魅力を丸ごと活かしている点です。みかん特有の瑞々しい酸味に、オレンジ風味を持つアロマホップを掛け合わせることで、麦の旨みと果実のフルーティな香りが幾重にも重なる、複雑で華やかな味わいを実現しました。
スタイルとしては「IPA(インディア・ペールエール)」という、本来はホップを大量に使って強い苦味を楽しむ種類なのですが、だいだいエールはあえてその苦味を抑えて、フルーティーさを際立たせています。クラフトビールに馴染みがない方や、ビールの苦味が少し苦手という方にも、自信を持っておすすめできます。
アルコール度数は6%と、しっかりとした飲みごたえがありながら、口に含んだ瞬間にみかんの爽風が吹き抜けるような、驚くほどフレッシュな余韻を楽しんでいただけるはずです。
―こちらも多くの賞を受賞されているそうですね。
木内 「インターナショナル・ビアカップ」での銀賞受賞など、果実ビールの枠を超えた完成度の高さが証明されています。日本の豊かな風土を感じさせる味わいは、海外のゲストからも「日本でしか出会えない特別なビール」として称賛いただいています。
―最後に、今後の展望やビジョンをお聞かせください。
木内 「本物の日本の味を世界に」。その思いはビールだけに留まらず、本格始動したウイスキー事業へと繋がっています。他にも、製造過程で出る麦芽粕を再利用してブランド豚を育てるなど、地域で「資源が循環する輪」を構築しています。廃棄物を出さないサステナブルなものづくりを通じて、次の200年も愛される企業の在り方を追求し続けます。伝統の技を次の世代へ継承するため、新しい感性を活かしたクリエイティブな組織づくりにも力を入れています。地元の素材と歴史を大切にしながら、常陸野から世界へ、感動を届ける挑戦はこれからも終わりません。
―素晴らしいお話をありがとうございました!

「常陸野ネストビール ニッポニア NIPPONIA 330ml」
価格:¥528(税込)
店名:木内酒造オンラインショップ
電話:029-212-5111
商品URL:https://kiuchi.shop/view/item/000000000191
オンラインショップ:https://kiuchi.shop/

「常陸野ネストビール だいだいエール DAIDAI ALE 330ml」
価格:¥484(税込)
店名:木内酒造オンラインショップ
電話:029-212-5111
商品URL:https://kiuchi.shop/view/item/000000000008
オンラインショップ:https://kiuchi.shop/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
木内敏之(木内酒造株式会社 代表取締役)
1963年茨城県那珂市生まれ。上智大学卒業後、木内酒造に入社し清酒造りを継承。1996年に「常陸野ネストビール」を立ち上げ、2007年から国産ビール麦を復活栽培。これを機にウイスキー造りを始め、2020年に八郷蒸溜所を設立し「日の丸ウイスキー」の製造を開始。日本ならではの酒造りを追求している。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/木内酒造>




























