
岡山の老舗の味。いつもの食卓がご馳走になる、職人手づくりの「さつま揚 ご自宅用得々セット」
2025/11/05
ゴロゴロとした野菜が顔を出す、まるでお惣菜のような「具沢山」なさつま揚げがあるのをご存知ですか?今回、編集長のアッキーが注目したのは、岡山で長年愛される老舗・はせいの「さつま揚 ご自宅用得々セット」です。一度食べたら忘れられないと評判のその味には、驚きの秘密と作り手の温かい物語が隠されていました。取材スタッフが株式会社長谷井商店 代表取締役の中島俊子氏にお話を伺いました。

株式会社長谷井商店 代表取締役の中島俊子氏
―まずは、会社の成り立ちについてお聞かせください。
中島 弊社の創業は1929年です。創業者の長谷井元一が、当時、近くを流れる旭川の土手にあった魚市場で売れ残ってしまった魚を見て、「もったいない」と感じたのが始まりでした。なんとか活かせないかと考えた結果、練り製品に加工して販売するようになったと聞いています。創業以来、一度も場所を移さず、この地でずっと商売を続けてきました。この土地へのこだわりが、結果的に今私たちの大きな強みへとつながっています。


創業以来、岡山の地で練り製品を作り続けている。
駅構内やデパ地下などにも出店している。
―社長は一度、家業を離れて海外で活躍されていたそうですね。
中島 短大を卒業して一度は会社に入ったものの、正直、何をしていいかわからない、という物足りなさを感じていました。そんなとき、ワーキングホリデー制度を利用してオーストラリアへ渡り、大好きなスポーツの世界、スキューバダイビングのインストラクターになったんです。兄が家業を継ぐものと思っていたので、私はこのまま海外で生きていこうとさえ考えていました。
転機が訪れたのは、その兄が会社の5代目を継がないと決めたことでした。その話を聞いたとき、ふと、子どもの頃の記憶が蘇りました。昔は工場と家が隣接していて、学校から帰ると、できたての天ぷらをもらって食べるのが何よりのおやつでした。あの味が大好きで、「この味を残していきたい。」と強く思い、岡山に帰り、家業を継ぐことを決心しました。不思議なもので、ダイビングという自分の好きな世界を持てたことで心に余裕が生まれ、家業にも以前よりずっと前向きに取り組めるようになり、二つの世界がいい相乗効果を生んでくれていると思います。

人気の味が一度に楽しめる、全9種が詰まったボリュームたっぷりのセット。
―今回ご紹介いただく「さつま揚 ご自宅用得々セット」について教えてください。
中島 「家族みんなで、私たちの自慢の味をいろいろ楽しんでほしい。」そんな温かい思いから生まれたのが、この詰め合わせです。人気のさつま揚げやかまぼこ、えびの風味豊かな「えび魚ろっけ」などを詰め込んでいます。私たちの自慢の味をいろいろ楽しめるセットです。ボリュームがあるので、大人数で楽しめると思います。

かきあげごぼう天、ねぎ生姜天、えび魚ろっけ、玉ねぎ天、ほたて天、
特上うす板、ぴりからごぼう天、ねぎまぶし揚げ、だるま揚げ。
―長谷井商店さんのさつま揚げは、魚の風味が濃く、具沢山なのが特徴的ですね。
中島 風味の濃さの秘訣は製造過程にあります。練り製品はすり身に氷を加えて作りますが、氷を増やすほど全体の量は増える代わりに魚の風味は薄まってしまいます。弊社では氷の量を最小限に抑えることで、魚本来の濃厚な味わいを引き出しているのです。この濃厚なすり身こそが弊社の命です。原料となるすり身にもこだわり、世界中の漁場からスケソウダラなどの上質なものだけを厳選、本来なら高級なかまぼこに使われるようなグレードのすり身を、贅沢にさつま揚げに使っています。

厳選した上質なすり身と製法により、「魚の風味が濃い」さつま揚げが出来上がる。
次に具沢山の秘密ですが、機械で具沢山の商品を製造すると、生産性は良いのですが具材が偏ってしまいます。ひとつひとつ手作りで仕上げるからこそ、具材が偏らず均等に練り込まれたゴロゴロとした野菜がたっぷり入ったさつま揚げが実現できます。いわば会社の「弱み」が結果として他社には真似のできない「強み」を生み出してくれました。今の長谷井商店の味があるのは、大きな機械ではできない、一つひとつ丁寧に手づくりする製法が守られたからこそだと思っています。

手作りにより、具材が偏らずロゴロとした野菜がたっぷり入る。
―おすすめの食べ方はありますか?
中島 まずは袋から出して、そのまま召し上がっていただくのが一番のおすすめです。調理をしなくても、素材そのもののおいしさを存分に味わえます。また、おでんや煮物にしていただくと、私たちのさつま揚げの真価がさらに発揮されます。市販のものは煮込むと溶けてしまうことがありますが、うちのさつま揚げは出汁をたっぷり吸い込んでも、しっかりとした弾力を保ちます。それこそが、すり身が“濃い”本物の証です。

毎日管理された新鮮な油で揚げているので、煮込んでも溶けず、しっかりとした弾力を保つのが特徴。
濃厚なすり身が、料理に深い味わいをもたらす。
―お客様からはどのような声が届きますか?
中島 「やっぱりこの味でなくちゃ。」「これを食べたら、もうスーパーのものには戻れない。」といったお声をよくいただきます。ネットショップのお客様もリピーターの方がほとんどで、「送料がかかっても食べたい。」と言ってくださるのが本当にありがたいです。また、都心の有名百貨店や、食にこだわる方が集まるスーパーのバイヤーさんにも選んでいただいており、プロの方々に品質を認めていただいていることも、私たちの自信に繋がっています。

「はせい」の人気商品「玉ねぎ天」。甘くて柔らかい淡路島産の玉ねぎがたっぷり。
―100周年に向けて、今後の展望をお聞かせください。
中島 売上を急いで大きくすることよりも、私たちの目の届く範囲で、心を込めて作れる分だけをお客様にお届けしたいと思っています。もうすぐ創業100年を迎えますが、今は会社を大きくすることより、次の世代へとバトンを渡すために会社の土台を固めている時期です。嵐が来ても倒れないよう、じっくりと土を耕し、企業の根っこを太く、強くしていきたい。100年先も、この岡山の地で「あのさつま揚げはおいしいね」と言っていただけるよう、誠実なものづくりを続けていきたいです。
―本日は貴重なお話をありがとうございました!

「さつま揚 ご自宅用得々セット」
価格:¥4,720(税込)
店名:蒲鉾さつま揚げ長谷井商店
電話:086-225-0691(10:00~17:00)
定休日:水曜・日曜・GW連休・夏季・冬季休業
商品URL:https://www.hasei-shop.net/view/item/000000000009?category_page_id=ct4
オンラインショップ:https://www.hasei-shop.net/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
中島俊子(株式会社長谷井商店 代表取締役)
1967年生まれ、オーストラリアでのスキューバダイビングインストラクター時代を経て、2002年に株式会社長谷井商店に再入社、2022年に同社代表取締役に就任。岡山水産物流通促進協議会の事務局を務め、岡山市場での未利用魚の消費拡大・流通促進、岡山の魚食文化の普及活動にも注力している。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/長谷井商店>




























