今回、編集長アッキーが気になったのは、あおりいかをはじめ新鮮な魚を届けてくれる香川の「あき水産鮮魚部」。サイトを運営する株式会社安岐水産 代表取締役社長の安岐麗子氏に商品の人気の秘密を取材陣がうかがいました。
いかの王様を食べ比べ「あおりいか三昧セット」貴重な瀬戸内のふぐを手軽に「讃岐でんぶく炙り」
2023/12/25
株式会社安岐水産 代表取締役社長の安岐麗子氏
―創業の経緯を教えてください。
安岐 父が創業してまして、2年後に60周年を迎えます。もともとは瀬戸内の水産物の加工から始めましたが、水産資源を求めて海外へ出るようになりました。現地で漁について行き、漁師さんにキャッチングから工場に運び込むまでの方法を教え、工場に運び込まれたら、どのようにカットして処理をするのかを指導して、日本人が刺身で食べられるレベルまでもっていきました。素材を大切にし、冷凍技術や解凍技術によって、おいしい魚を提供してきました。
インドであおりいかが水揚げされる海岸は「Aki-san‘s Beach」と呼ばれるほど私たちの技術が信頼されていました。1981年には「いかそうめん」と呼ばれる「あおりいか糸つくり」を商品化し、大ヒットしました。
生で食べられるプリッとした歯ごたえの「いかそうめん」。
―社長に就任されたきっかけを教えてください。
安岐 私は両親が働く加工工場の隅っこで育ちましたが、水産業をするつもりなかったんです。OLとして働いていましたが、「あおりいか糸つくり」がヒットしたことから、いかそうめんの加工をする会社を作って独立しました。もともと海外との仕事をしたいと考えており、インドネシアとご縁ができたことから、ジャカルタにある日本人向けのスーパーマーケットに食品を輸出する仕事をスタートしました。父の会社に間借りさせてもらい、安岐水産の役員もしながら、二足のわらじでずっと働いてきました。父が病気になったこともあり、2019年に私が社長に就任することになりました。
―社長に就任されてから何かチャレンジや改革はされましたか。
安岐 「素材を壊さない」という当社の精神を継承しながらも、世の中の困りごとを解決したいという思いがありました。たとえば、家で魚を調理する時間がない、肉より魚が高くなり魚を食べる機会が減っているといった問題などがあります。そこで「お魚生活すすめ隊」を結成し、社会的な活動と位置づけながら、魚の食べ方、瀬戸内の海のこと、海のゴミの問題などを発信していくことにしました。
その活動拠点として、会社の隣にアンテナショップ「ねこ海レストラン」を作り、魚の食育活動やさばき方の教室などを行うようになりました。年に2回大きなイベントも行っておりますが、2日間で2,500人ぐらいのお客様がいらっしゃいます。地域の人をはじめお客様と直接対話できる場所ができてよかったです。
―オンラインショップはいつから始められたのでしょうか。
安岐 3年ほど前に楽天市場でスタートしました。魚の調理が苦手な人も多いので、煮たり焼いたりといった総菜系の魚料理を販売していました。しかし、当社の強みはやはり素材の部分なので、「あき水産鮮魚部」という屋号を作って、自社でも販売することにしたのがこの春からです。
―今回の「新鮮あおりいか三昧セット」はどういった特徴がありますか。
安岐 あおりいかのいいとこどりの商品で、初めての方にも手に取っていただきやすいと思います。下処理済みで、どなたでもすぐに解凍してお召し上がりいただけます。また、切り方や部位が違うあおりいかの食感や味の食べ比べをお楽しみいただける商品です。
透き通るような美しさの「あおりいかむき身」。
ジューシーな「イカゲソ(加熱用)」。
―販売にあたって大変だった点はございますか。
安岐 基本的には現地でいい状態で凍結して日本に持ってきますが、内臓をしっかり洗って、皮の処理をして、日本規格でカットして、さらに自社で選別する作業があるので、手がかかっています。
あおりいかは赤道の下あたりに分布していています。ベトナム、インド、スリランカ、インドネシアといった暑い国で新しく開発していますが、生で魚を食べる習慣のない国なんです。体験したことがない人たちに刺身として生で食べるという感覚を伝えるのはとても難しいです。
希少な極上あおりいかを使用。
―他のいかとは違うあおりいかの魅力を教えてください。
安岐 あおりいかはイカの王様と呼ばれ、甘みとうまみのバランスがとれており、肉厚でもっちりしているのが特徴です。どなたでも食べやすい美味しさです。
―社長ご自身がお好きな食べ方はございますか。
安岐 やはり生で食べるのが美味しいですが、火を通すとまたひと味違います。天ぷらにするとふっくらプリプリとした食感が際立っておすすめです。
むき身を天ぷらにするとプリプリの食感が味わえます。
―購入されているお客様はどういった方でしょうか。
安岐 年齢層は40代後半から50代、60代の方が多いです。一度食べた方の多くはリピートしてくださいます。
食べてすぐにレビューや写真を載せてくださったり、「こういう料理を作りました」と報告してくださるのもうれしいです。「あおりいかを初めて食べて、モチモチしていて美味しかった」という感想も多いです。
今は核家族化が進み、少人数のご家庭が多いですが、小分けになっていることから、「冷凍庫が大きくなくても保存しやすかった」というお声もありました。
皆様からのお声に私どもも元気をいただいてます。
イカゲソをさっと炒めてパスタに。
―「讃岐でんぶく炙り」はどういった商品でしょうか。
安岐 瀬戸内に天然で上がるフグで、香川、岡山、熊本(有明海)、長崎(橘湾)の4県でしか取り扱いができません。甘みと旨味が強いのが特徴です。表面を炙ることでさらに甘みと旨みがギュッと凝縮されて美味しいです。少し甘辛いタレをかけて丼ぶりにしたり、お茶漬けにするのもおすすめです。
使い切りパックになっているので少人数のご家庭でも使いやすいのと、解凍時間もそんなにかからない手軽さが魅力です。
心地よい歯ごたえと旨みが特徴。
―これからのビジョンや展望を教えてください。
安岐 インドネシアであおりいかの開発を行っていて、自社に実習生やインドネシアの社員もいます。日本で働いて技術を身につけて帰った人が20人ぐらいになりますが、その人たちとまた一緒に仕事をできるようなステージを作っていきたいと思っています。インドネシアでの魚の流通レベルを上げることにも貢献していきたいです。
読者の皆様には「お魚生活すすめ隊」にもご関心を持っていただき、隊員として魚食の普及にお力添えいただけると大変うれしいです。
―貴重なお話をありがとうございました。
「新鮮あおりいか三昧セット(むき身500g、ゲソ200g、いかそ~めん200g)」
価格:¥5,600(税込)
店名:あき水産鮮魚部
電話:0879-42-3037(9:00~17:00土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.akisengyobu.jp/view/item/000000000016?category_page_id=ct6
オンラインショップ:https://www.akisengyobu.jp/
「新鮮国産瀬戸内産ふぐの炙り 70g×3パック」
価格:¥3,780(税込)
店名:あき水産鮮魚部
電話:0879-42-3037(9:00~17:00土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.akisengyobu.jp/view/item/000000000033?category_page_id=ct5
オンラインショップ:https://www.akisengyobu.jp/
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変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
安岐麗子(株式会社安岐水産 代表取締役社長)
1970年香川県豊島生まれ。大学卒業後、OLを経て、1994年株式会社キングフーズ設立(現:安岐&カンパニー)。2019年、株式会社安岐水産代表取締役社長就任。お魚生活すすめ隊を結成し、魚食の普及や海を守る活動を通じて瀬戸内の魅力を発信、地域の活性化にも取り組んでいる。
<文・MC/垣内栄 画像協力/安岐水産>