ソファー、突っ張り棒のストレス解消!滑るイライラをスマートに解決する「滑り止め」

2023/12/20

お家でソファーやテーブルが滑ってしまい、なんとかしたいと思ったことはありませんか? 今回、編集長アッキーが気になったのは、滑るイライラをなくし、目立たずさりげなく、家具や電化製品を固定してくれる「滑り止め」。その安定性は突っ張り棒にも応用されているので、どちらもすぐに試してみたくなります。製造から販売までを行う株式会社シェリー 代表取締役の清塚徹氏に、暮らしに役立つ商品づくりについて、スタッフがうかがいました。

株式会社シェリー 代表取締役の清塚徹氏

-ご創業はいつですか?

清塚 1961年に父が紙の印刷業として創業し、私は2代目です。当時は大洋印刷所という社名でチラシなどを印刷していましたが、かつて無線士をしていた父は、電気系の知識があり、電子回路を構築した商品や印刷機を自分で作るなど、当時から開発型の会社でした。

-最初から会社を継ぐおつもりで?

清塚 実はあまり継ぐ気はなくて、工学部を出て別の会社に勤める予定でしたが、バブルがはじけてうちの会社も大変だというので、帰って手伝おうかと1990年に戻ってきました。それ以前の1980年代には、紙の印刷以外にもキャラクターのボールペンの印刷等を始めるようになって、国際特許も多数取得することになりました。印刷業から始まりましたが、クレジットカードのスキミング防止や磁気防止ができる商品の開発も行い、今ではその機能を使ったお財布やIDケース、ICカードが複数入るパスケース等も作っています。

-「これが困った」「これがあれば」という思いを形にされるのですね。

清塚 問題解決型企業です。みなさんのストレスを解消することを考えて、お困りのこと、不便なことを解決する商品を手がけています。コロナ禍以降そういう傾向が強いですね。

人気商品の「ソファー滑り止め」。クリアタイプのほか、ブラックやチョコ、キャラメルがある。

-ソファーの滑り止めもその発想から生まれたのですね。

清塚 うちでは自社で金型を作りますし、プラスチック成型機もあって、設計を含めてすべて社内でできるんです。もともと3D印刷もできますし。自社で作りますので流通コストがない。そして、自社製造だからこそ重視しているのがサイズです。他社のものはサイズが少なくて、形も四角だけというようなことで、うちでも最初は3種ほどでしたが、1cm刻みで作っていたら、どんどん作ることになって。8パターンも作ったり、四角も作ったり、種類が増えました。

ー突っ張り棒の滑り止めもそのように?

清塚 ソファーや家具の滑りを止めたので、他のものも止めていきたいということで、突っ張り棒の滑り止めも作ろうと。突っ張り棒は100円ショップや各社のさまざまな製品があるので、当初は棒の先の滑り止めと、棒の部分にぱちっと止める留め具が一体になったものも考えて対応していたのですが、やはり手間なくぴったり合うのが一番ですし、1mm単位を追いかけてサイズを数種類作り、選んでもらうことにしたんです。美観を損なわずにぴたりと止めるというものができあがりました。金型を作るのにはお金も時間もかかりますが、うちは社内で作りますから、時間的にも早い。他社はサイズでは真似できないと思います。

―そもそもソファーの滑り止めを作ろうと思われたきっかけは?

清塚 じつはフェイスシールドの顎パースを作ったのが始まりです。フェイスシールドの顎部分のゴムが硬くて痛いというご意見をきいて、調合や比率を変えてやわらかいゴムを作っていたんです。その後、あるバイヤーさんと、このゴムで何か作れないかという話になり、ソファーの滑り止めはどうかということになりました。ちょうどコロナ禍で家で過ごす時間も多い時でしたからね。有名な企業の商品も買ってみましたが、滑るし大きいし、ベタベタする。私たちはTPUという材質を使い添加物を加えて、くっつく力を強くし、さらにサイズの合うもの、あくまでも見えないようにおしゃれなものにして、2年前に発売したんです。おしゃれな家具を使われているのに、滑り止めが目立っては興ざめですからね。

滑って困るソファの脚をのせるだけ。さまざまなサイズがあるので、おうちのソファにぴたり合うものを選べばOK。

―開発期間はどのくらいですか?

清塚 半年ほどですが、金型から自社で作っているからできることで、他社であれば5,6年でしょうか。余談ですが、一般的な文具のボールペンクリップの多くをうちで作っているのですが、様々な種類を他社の何十倍速で作っているんですよ。

―表面のスタッドレスの形はどのように?

清塚 これも自社生産の利点を生かして、ありとあらゆるパターンを作って今の形になりました。表と裏で90度パターンをずらしているので、より滑りにくくなっているんです。また細い脚専用の滑り止めも作っていて、それもうちだけですね。特定の家具ブランドさんにぴったり合うものも意識して、新商品の開発は次々に行っています。

「ソファー滑り止め」の丸型3センチと4センチ。スタッドレスはさまざまなパターンを試したという。
目立たずにいい仕事をしてくれる滑り止め。また、ちょっと見えても悪目立ちしない。

―突っ張り棒の滑り止め開発のきっかけは?

清塚 単身赴任をしていた弊社の副社長が、帰宅した時にスーツを掛けると、ドーンと落ちてしまうという話をしていて、会議中みんなが経験していたんです。週に1度は落ちるとか……。そういうストレスを解消しようということになりました。この商品もとても強いので、ストレスが減って便利ですよ。さきほどもお話ししたように、突っ張り棒は商品がたくさんあるので、ぴたりと合うようにサイズを作っています。お持ちの突っ張り棒に合うものを選んでいただきたいですね。

突っ張り棒の滑り止め。100円ショップなどで売られる多様なサイズの突っ張り棒に合うよう、細かいサイズ設定が。
よく見ると商品にサイズが書かれている。
もうストレスなし。突っ張り棒の落下トラブルを防ぐ、ありそうでなかった滑り止め。

―サイトも見やすくて選びやすいですね。最後に今後の展望を教えていただけますか?

清塚 滑らない力をさらに強化したものを、今後こたつの天板やラグの滑り止めに活用したいと思っています。強さは3倍くらいになる予定ですよ。そして、次は滑らせることを研究しています。滑らないことを考えていると、滑ることもわかってくるんです()。カーペットでもフローリングでも畳でも対応して「滑る」ものを作っていく予定です。たとえば座っていると椅子は滑らない、立って傾けると滑るというようなことも考えています。細かい芸がいろいろできるように、合言葉は「試そう」なんです。議論していてアイデアが出てくればまず作ってみる。そうすると偶然の産物も出てきます。この先、シェリーは面倒くさいことを徹底的にやる会社を目指していこうと思います。ハッピーな会社になりたいので、できるだけ小さい規模で、いろいろなところに目の届く会社がいいですね。

―それは素敵なことですね。

清塚 ただし、商品は「なんちゃって」ではなく、きちんと作ること。実験もしっかりするし、エビデンスも取る、それを守っています。お客様に出すものに対して、コストはかかっても責任を持ってまじめにやっていきたいんです。良いレビューをたくさんいただけているとうれしいですし、少しご不満なこともそれを課題として改善していきたいと思っています。小さな会社でも、いろいろなことができますし、お客様の役に立てれば何をやってもいいという会社なので、みんなで誠実にやっていきたいですね。お金も大切ですが、お金に走るのではなく、社員も協力工場さんもみんながハッピーになる会社を目指したいと思います。

―貴重なお話をありがとうございました。

「見えない 超強力 滑り止め 丸型3・4cm 8枚入り」
価格:¥1,000(税込)
店名:シェリー ショップ
電話:0279-23-1551(10:00~17:00 土日・祝日・年末年始除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/shelly-shop/suberidome34/
オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/shelly-shop/

「超強力 突っ張り棒 滑り止め 15-22ミリ 4本分 日本製」
価格:¥1,000(税込)
店名:シェリー ショップ
電話:0279-23-1551(10:00~17:00 土日・祝日・年末年始除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/shelly-shop/tuppari-es/
オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/shelly-shop/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
清塚徹(株式会社シェリー 代表取締役)

1966年群馬県生まれ。法政大学理工学部卒業後、1991年に家業である株式会社大洋印刷所入社。2002年株式会社大洋に社名変更後、2011年代表取締役就任。2005年株式会社シェリー設立。シェリーは自身の愛犬の名に由来するという愛犬家。恩師の「不便、不自由など“不”に着目すると商品が生まれる」との言葉を実践している。

<文・撮影/大喜多明子 MC/橋本小波 画像協力/シェリー>

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