
職人技が生んだ“お悩み解決ソックス”「ねるとキヌくつした」「毎日履きたくなる靴下」
2025/10/29
「靴下がずれて気持ち悪い」「夕方になると足が蒸れる」「寝るとき、足先が冷たい」…そんな日常の小さなストレス、当たり前だと思っていませんか?今回、編集長のアッキーが注目したのは、「ねるとキヌくつした」と「毎日履きたくなる靴下」です。開発したのは、兵庫県加古川市で70年以上続く靴下メーカー「兵庫センイ・ソックス」。3代目社長の“ある経験”から生まれた「お悩み解決ソックス」の物語を、代表取締役社長、柿坪英樹氏に取材陣が伺いました。

株式会社兵庫センイ・ソックス 代表取締役社長の柿坪英樹氏
―まず、会社の歴史についてお聞かせください。
柿坪 祖父が1948年に創業しました。この加古川という地域が靴下の産地で、地場産業として根付いていたのです。祖父がものづくりの火を灯し、父が2代目としてその炎を時代の荒波から守り抜きました。作れば作るだけ売れた高度経済成長期から、1990年代以降は安価な海外製品が市場の9割を占める厳しい時代も経験しました。その逆境の中でも、私たちは市場の残りの1割である「メイドインジャパン」の品質にこだわり、お客様の足元を思う誠実なものづくりを続けてきたのです。

靴下の産地、加古川に根ざし、70年以上の歴史を持つ兵庫センイ・ソックス。
―社長は3代目でいらっしゃいますが、どのような経緯で就任されたのですか?
柿坪 自宅の隣が会社だったので、物心ついた頃から「いつか自分もここで働くのかな」と漠然と思っていました。ただ、すぐには家業を継がず、別の会社で6年間、百貨店への靴下の販売営業を経験しました。
それから家業に戻り、父の元で製造の奥深さと技術力を学びました。事業拡大のために、販売現場で得た「顧客視点」と、製造現場の「技術力」を掛け合わせようと決意。これまでのOEM(他社ブランド製品の製造)中心の事業から、自分たちの手で本当にユーザーが求める靴下を直接届けるべく、自社ブランドを立ち上げました。その挑戦が2025年の1月に始まったのです。

独自の開発技術を駆使し、自社ブランド「足もと日和 buichi」を設立。
―まず、一つ目の商品「ねるとキヌくつした」について教えてください。商品名もユニークですね。
柿坪 ありがとうございます。これは「寝るときに着用する」という明確な目的を持って開発した商品です。人が眠りにつくメカニズムとして、内臓の熱(深部体温)を手足から放出することが重要だといわれています。赤ちゃんが眠くなると手足が温かくなるのと同じ原理ですね。この靴下は、ただ温めるのではなく、足先を出すことで体の自然な熱放出を妨げず、快適な入眠をサポートするという理想から生まれました。「寝るときに履く、絹(キヌ)の靴下」というコンセプトがそのまま、この優しく愛らしい商品名になったんです。その品質はプロからも高く評価され、賞をいただいたこともある自信作なんですよ。

「寝るとき専用」の靴下。
足元から温めて、快適な入眠をサポート。
―素材や設計のこだわりについてもお聞かせください。
柿坪 人の肌の成分に最も近いと言われる「シルク」を贅沢に使用しました。素肌に直接触れるものだからこその、素材へのこだわりです。ゴム糸部分以外はシルク100%なんですよ。人の肌に近い成分と言われるシルクが、足元を優しく包み込み、心地よい眠りへと誘います。
また、お客様からいただいた「着用中に回ってしまう」という声に応え、編み方をミリ単位で調整し、フィット感を改善しました。締め付けを感じさせない優しい履き口と、睡眠中の熱を程よく逃がす「オープントゥ」仕様で、細部まで考え抜かれた設計は、まさに「眠りのためのウェア」です。

素肌に優しいシルクを贅沢に使用。
ミリ単位で調整されたフィット感とオープントゥで、朝まで快適な「眠りのためのウェア」。
―どのような方に、どんな風に使ってほしいですか?
柿坪 冬の寒さはもちろん、夏のクーラーによる足先の冷え対策にも一年中活躍します。つま先がないフリーサイズなので、一足あればご家族みんなで使っていただける、「お守り」のような存在になれたら嬉しいですね。

カラーは7種類(ピンク×アイボリー、ベージュ×モカムース、ベージュ×ミント、
ブラック×チャコール、アイボリー×ミント、グレー×ラベンダー、ブラック×ピンク)。
―続いて、「毎日履きたくなる靴下」についてお伺いします。見えない部分にこそ、技術と愛情が詰まっているそうですね。
柿坪 はい。この商品の原点は、私自身が営業時代にスーツを着ていた時に感じていた「靴下がずり落ちてくる、あの不快感」なんです。多くの男性が口に出さないまでも感じているであろう「強度」「匂い」「ずれ」という3大課題を、本気で解決しようと立ち上がりました。商品名の通り、本当に毎日履きたくなるような、ストレスフリーな一足を目指したのです。まず「強度」ですが、表面には高級綿のスーピマコットンを使い、最も負担のかかるかかとから足底にかけては、ナイロンの「補強糸」を加えています。「匂い対策」として、裏側の糸には全体に「消臭糸」を編み込み、一日中快適な足元を実現します。
―「ずれ」への対策には、特にこだわったそうですね。
柿坪 はい、「3段階のずれ対策」を施しています。1段階目は、ふくらはぎが当たる内側部分。肌に優しく、かつしっかり留まる「滑り止め効果のある糸」を採用しました。2段階目は、土踏まず部分の「サポートゴム」です。これで足と靴下の一体感を高めます。そして3段階目として、つま先とかかとの前後を特殊な編み方で肉厚にし、靴の中での遊び(滑り)をなくしました。これでもう、ずり落ちを気にする必要はありません。
一見するとシンプルですが、この一足に「強度」「匂い」「ずれ」を解決する技術が凝縮されています。
―こちらも、プレゼントに喜ばれそうですね。
柿坪 そうですね。例えば、大切な家族の通勤・通学を陰ながら支える頼もしい相棒としてお使いいただきたいです。ご家族からの「いつもお疲れ様」の気持ちを込めた、気の利いた贈り物に最適だと思います。

カラーは4種類(ネイビー、グレー、チャコール、ブラック)。
―最後に、今後の展望をお聞かせください。
柿坪 これまではOEMという縁の下の力持ちでしたが、これからは自社ブランドを通して、直接お客様と繋がりたい。そして、海外製品に押されがちな今だからこそ、メイドインジャパンの品質の良さを再認識してほしいんです。この一足を選ぶことが、70年以上続いてきた日本の素晴らしい技術と文化を応援することに繋がっていく。そんな思いを乗せて、今日も加古川の工場で、新しい靴下を編み上げています。
―本日は貴重なお話をありがとうございました!

「ねるとキヌくつした」
価格:¥¥2,800(税込)
店名:足もと日和buichi
電話:079-431-2445(09:00~16:00 ※土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/asimotobiyori-buichi/hg-0001-1/
オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/asimotobiyori-buichi/

「毎日履きたくなる靴下」
価格:¥1,800(税込)
店名:足もと日和buichi
電話:079-431-2445(09:00~16:00 ※土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/asimotobiyori-buichi/mk-0001/
オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/asimotobiyori-buichi/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
柿坪英樹(株式会社兵庫センイ・ソックス 代表取締役社長)
1973年兵庫県生まれ。1995年に株式会社ナイガイに入社し、6年間、靴下の百貨店営業販売を経験し2002年に株式会社兵庫センイ・ソックスに入社。2018年に代表取締役社長に就任。兵庫県靴下工業組合常務理事も務めている。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/兵庫センイ・ソックス>




























