
石巻で水揚げ直後の鮮度をその日に閉じ込め、厳選した調味料で味付けする極上の缶詰「金華サーモン醤油煮」
2026/05/11
今回、編集長のアッキーが注目したのは、水揚げ直後の新鮮さを閉じ込めた「金華サーモン醤油煮」です。缶を開けた瞬間に広がるのは、丁寧に手詰めされた身の輝きと、厳選された調味料が織りなす優しい香り。それは単なる保存食の枠を超え、石巻(いしのまき)の海の豊かさをそのまま届ける一品料理のようです。
その背景には、未曾有の震災を乗り越え、地元の漁業文化を守り抜こうとする作り手たちの不屈の物語がありました。取材スタッフが、宮城県石巻市に本社を構える、株式会社木の屋石巻水産 代表取締役の木村優哉氏にお話を伺いました。

株式会社木の屋石巻水産 代表取締役の木村優哉氏
―まずは、御社の歩みについて教えてください。
木村 1957年に私の祖父が創業したのが始まりです。当時は大手水産会社の下請けとしてクジラの缶詰を作っていましたが、祖父は「いつかは自社ブランドを立ち上げて、商品を売るんだ」という強い意志を持っていました。その精神を父の代が引き継ぎ、石巻港に揚がるものの中でも、特に脂乗りがいい大型の真鯖だけを厳選した「金華さば」の缶詰など、鮮魚の価値を最大限に高めた自社ブランドのヒット商品が生まれたのです。
しかし、2011年の東日本大震災で工場は壊滅的な被害を受けました。全てを失い絶望していた時、瓦礫の下から見つかった泥だらけになった自社の缶詰。もう売り物にはできない状態でしたが、それでも洗って綺麗になるなら私たちが買うよ!と交流があった東京都世田谷区経堂の商店街の方々からお声がけいただき、それをきれいに洗って義援金のお礼として提供したところ全く間に全国に広がり、温かい支援の声をいただいたのです。皆さまからの支援があったからこそ、私たちは2013年に奇跡的に再起を遂げることができました。


1957年、宮城県石巻市で創業。
震災を乗り越え、現在は自社工場で数多くのオリジナル缶詰を製造し、石巻の海の幸を全国へ届けている。
―社長ご自身のこれまでの歩みや、代表に就任された際の決意をお聞かせいただけますか?
木村 大学の4年間を東京で過ごし、一度は就職もしましたが、やはり地元の空気が落ち着くと感じて石巻へ戻ってきました。入社してわずか1年半後に震災に遭い、当時は知識も経験も乏しく、再建に向けて動く幹部たちの隣で何もできない自分に強い無力感を抱えていた時期もありました。それでも先代たちの背中を追い続け、2016年に31歳で代表に就任しました。「思い切ってやりなさい」という先代の言葉を胸に、私は役職の壁を作らず、自ら現場へ赴くことを大切にしています。現場との対話から生まれるスピード感を活かし、古い慣習に縛られない新しい風を吹き込みたいと考えているのです。
―今回ご紹介する「金華サーモン醤油煮」は、どのような経緯で誕生したのでしょうか。
木村 近年、資源管理不足と海水温の上昇によって看板商品である「金華さば」の水揚げが激減するという、深刻な課題に直面しています。水揚げが安定していた10年ほど前のピーク時の2割から3割ほどしか獲れない時期もあり、この逆境をどう乗り越えるか現在も試行錯誤を繰り返しています。その中で着目したのが、石巻の春を彩るブランド銀鮭「金華ぎん」です。地元の宝であるこの鮭を使い、金華さばに代わる新しい石巻の顔となる商品を作りたいという情熱から開発が始まりました。「当社の缶詰」を待ってくださるファンの皆さまの期待に応えるべく、素材のよさを最も引き出せる味を追求し、たどり着いたのがこの「金華サーモン缶詰」だったのです。

身は箸ですっと切れるほど柔らかい。
常温で長期保存が可能なため、ストック食材としても重宝する一缶。
―「金華サーモン醤油煮」の、他にはないこだわりについて詳しく教えてください。
木村 最大のこだわりは、港の目の前に工場がある強みを活かした「フレッシュパック製法」です。缶詰業界の中では冷凍されたものを解凍して加工することがほとんどですが、私たちは水揚げされたばかりの銀鮭を一度も冷凍することなく、鮮魚のまま缶詰にします。まさにお刺身でも食べられる鮮度をそのまま閉じ込めているのです。買い付けから製造まで一気通貫で行える弊社だからこそできるこの製法だからこそ、一度冷凍されたものでは決して出せない、箸ですっと切れる驚きの身の柔らかさと瑞々しさが実現できるのです。
味付けにも一切妥協はありません。 地元の醤油や、喜界島(きかいじま)の粗糖(そとう/サトウキビやてん菜から作られる砂糖のベースとなるもの)など 、国産で安心できる素材を厳選しています。これらで作り上げた醤油煮を職人が一切れずつ、手作業で丁寧に缶へ詰めています。大量生産では決して真似できない、人の手の温もりがこもった仕上がりを大切にしているのです。また、缶詰は保存料を使用する必要がないため化学調味料や添加物なども極力使わないように心がけています。

水揚げされてすぐのブランド銀鮭「金華ぎん」を一度も冷凍せずに加工。
この製法によりパサつきを抑え、脂の甘みとふっくらとした身の食感を保っている。
―どのようなシーンでこの缶詰を楽しんでいただきたいですか?
木村 回基本はそのままの味を楽しんでいただきたいですね。お気に入りの日本酒と一緒に楽しんでいただくなど、晩酌にもおすすめです。また、あっさりとした優しい味わいなので、サラダのトッピングとしてアレンジするのもおすすめです。調理の手間をかけずにおいしさをプラスしていただけるので、ぜひストックしていただきたいですね。

白いご飯との相性が抜群で、朝食から夕食まで幅広く活躍する。
―お客さまからは、どのような反響が届いていますか?
木村 ありがたいことに、「金華さば缶のファンだから、木の屋さんが作ったサーモンなら間違いないと思った」というお声をいただくことも多く、長年積み重ねてきた歴史とお客さまからの信頼を改めて実感し、身の引き締まる思いです。実際に召し上がった方からは、身の柔らかさや煮汁の美しさに「これが本当に缶詰なの?」と驚きの声をいただくことも多いのです。ご自身で楽しまれるのはもちろん、大切な方へのギフトとして選んでいただけることも増えており、私たちの自信に繋がっています。
―最後に、これからの展望についてお聞かせください。
木村 漁獲量の減少という厳しい現実は続きますが、石巻の豊かな食文化を次世代へ繋ぐことが私たちの使命だと考えています。今後は通販事業を窓口として、直接お客さまと繋がる機会をさらに増やしていきたいですね。単に商品を売るだけでなく、その背景にある私たちの思いや、石巻の海の物語をしっかり届けていきたいのです。通販事業での販売比率を高め、より多くの方と「おいしい」を共有することで、石巻の水産業が持続可能な形で輝き続ける未来を創っていきたいと考えています。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「金華サーモン醤油煮」
価格:¥920(税込)
店名:株式会社木の屋石巻水産
電話:0120-05-1237(9:00~12:00、13:00~16:00)
定休日:土日祝日
商品URL:https://store.kinoya.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=SSC-K
オンラインショップ:https://store.kinoya.co.jp/
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変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
木村優哉(株式会社木の屋石巻水産 代表取締役)
1984年宮城県生まれ。高校までは地元で過ごし、大学から上京。卒業後、都内での就職を経て2009年に株式会社木の屋石巻水産へ入社。入社からわずか1年半で東日本大震災を経験し、工場の再建と自社ブランドの復興に尽力する。2016年、31歳の若さで代表取締役に就任。現場主義を貫き、伝統の製法を守りながらも時代に合わせた新しい商品開発に挑戦し続けている。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/木の屋石巻水産>




























