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素材の美味しさをより引き出した 小豆島発の「紅いもグラッセ」

2023/12/29

瀬戸内海に浮かぶ小豆島。温暖小雨の気候で、1900年代に入ってからはいち早くオリーブの試験栽培がなされ、現在も小豆島と言えばオリーブ、と思い浮かべる人も多いのでは?今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは、そのオリーブを使った加工品づくりを経て、現在は黒豆や安納芋、島いちごなどの素材を用い、幅広い商品づくりを行っている同島の「丸金食品株式会社」。代表取締役社長の桑原健氏にお話を伺いました。

マルキン食品株式会社 代表取締役社長 桑原健氏
丸金食品株式会社 代表取締役社長 桑原健氏

―桑原社長は1967年、小豆島のお生まれなのですね。どんなお子さんだったのですか?

桑原 勉強はあまり得意ではなく(笑)、どちらかというと活発で、朝から晩まで外で走り回っているようなやんちゃ坊主でした。

―今も何かスポーツをなさっているのですか?

桑原 社会人になってからはバレーボールに取り組みました。23歳から今に至っては、33年間、ウインドサーフィンを楽しんでいます。

―そんな桑原社長が丸金食品株式会社様に入社されたきっかけは?

桑原 高校卒業後は、全国に営業所がある食品会社に入社しました。工場で働くことを想定して入ったのですが、辞令をいただいたところ営業職。周りは皆大学生の中、私だけ高卒で、最初の頃は本当に苦労しました。

―営業は何年ほど?

桑原 5年間ぐらいです。その後はグループ企業の原価の調査をするような部署に移ったのですが、そこで色々考えまして、自分はもう少し小規模の企業に移った方が、自分らしく働けるかもしれないと思い、勤続20年を前に退職しました。その時、丸金食品から声がけをいただいたのです。

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小豆島の南岸、内海湾からすぐの場所に本社を構える「丸金食品株式会社」。

―丸金食品株式会社様へ入社されてからのご担当は?

桑原 営業です。ですが、すぐに製造部門を担当することになります。というのも、弊社は黒豆製品の製造がメインで、11月、12月が繁忙期です。しかしその時期になったにも関わらず、在庫に物がない、生産ができていないというのです。私は前職で少し経験があったものですから、その状況を見かねて生産計画を担当させてもらいたいと直訴し、その年末を乗り切りました。

―桑原社長がいらっしゃる前までは、どのような状況だったのでしょうか?

桑原 誰も管理をしておらず、生産は現場任せ。現場は楽な商品ばかりを作って、必要な時に必要なものがないという状況でした。

その年末を乗り切った一件から、今後はぜひ生産の方を見て欲しいということで、生産部門に移りました。最初の3年は、この時期にこの商品をどのぐらいの量を作る、というようなスケジュールを組む管理に集中しました。ですが一方的にこちらがやりすぎると従業員のやる気を削ぎます。そこで4年目ぐらいからは、皆に計画をしてもらうようにし、要所を私がチェックする、そんなスタイルに変えていきました。

―そこから代表取締役社長へ。就任後、改革したことはありますか?

桑原 我々のような中小企業は、生産量が限られます。その中でいかに効率よく生産し、商品に付加価値を付け、お客様に安心して手に取っていただくものを作るかを考え、商品も原料にもこだわりながらどんどん変えていきました。そのようにして会社として利益を上げていかなければ、従業員に還元できず、地域にも貢献できませんからね。

昨日よりも今日、今日よりも明日、常に品質が良くなるよう、そして農作物の個体差に関係なく、品質の向上を図って行くことは、従業員に今も伝え続けています。

―個体差をなくすために、具体的にはどういうことをなさっているのですか?

桑原 サツマイモや黒豆などの原料を見て、その日の状況や季節を見て、炊き具合や時間、温度を調整したり、乾燥するにもベストな状態を考えています。

―職人の勘が必要とされるのですね。

桑原 弊社の研究室から提出される製造工程のマニュアルもありますので、まずはそれに則った上で、さらに向上させるという思いで取り組んでいます。

―前身は「丸金オリーブ株式会社」という社名だったようですが、オリーブ製品を製造されていたのですか?

桑原 そうですね。オリーブの塩蔵漬けなどがメインで、黒豆を始めたのも私の入社前の話ですが、黒豆の産地である丹波篠山の農協さんから黒豆の製品を作ってもらえないかと依頼があり、加工を始め、徐々にそちらがメインになっていったと聞いています。

―御社は今年で64期目。受け継がれているDNAとはどんなものでしょうか?

桑原 従業員が皆、島の人間だということでしょうか。そして皆、正社員です。島は、給与水準は東京ほど高くできません。しかしその中でも従業員を守ることは、ともに成長していくために必要なことだと思っています。

しかし弊社は10月から12月の3カ月が繁忙期で、他の月は閑散期。従業員数については、長年の悩みですね。ちなみに繁忙期には私も現場に入り、商品を作っています。

―どのような形で入られるのですか?

桑原 黒豆を炊いた後、手で選別する作業に入ったり、炊いた黒豆を乾燥する工程に入ったり。生産計画をやっていた時から秋口になるとここに入っていましたが、実はすごく難しい作業なんです。特に乾燥は、素人がやると素材が食べられなくなるほど。外はカリッ、中はしっとりと仕上げるには、本当に経験が必要です。作業に入ると、皆がどんなふうに作業しているのかを見ることができますし、楽しんでやっていますよ。

―原材料も、社長が産地に足を運び、調達しておられるとか。全てを把握されているのですね。

桑原 頭が悪いので、自分で動き、手を動かしておかないと不安なんです(笑)。さつまいもの産地である鹿児島には、2カ月に1度ぐらいのペースで足を運んでいます。苗付けから土作り、掘る時期、掘った後の状態など、現地の方と会話しながら、色々な話をしています。ただここ3年は、サツマイモ基腐病(もとぐされびょう)が発生し、とても大変でした。

―かなり影響があったのでは?

桑原 そうですね。弊社には「蜜いもグラッセ」という商品があり、素材である種子島の安納芋を、まだ広く知られる前から買い付けていました。農家さんとも20年ほどのお付き合いがありましたので、さつまいもの病気で大変な中でも、かなり融通をしていただきました。しかしそれでも追いつかなくなり、紅はるかという品種を使った「紅いもグラッセ」という新商品を作ることになったのです。

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農家への感謝を込めて、産地や品種をパッケージに。

―それで「紅いもグラッセ」が登場したのですね。

桑原 紅はるかも今では有名になりましたが、かなり早い段階から取り入れました。

―ちなみになぜ「グラッセ」というスタイルに仕上げたのですか?

桑原 これまでもグラッセと呼ばれる商品は世間にあったのですが、甘すぎたりベタベタしたりと、あまり良い印象のものがありませんでした。ならば弊社では、もっとさつまいも本来の甘みが感じられる商品、他社さんでは手間がかかって手を出さないような商品をあえて作ろうと思ったのです。

―製法で苦労なさったことは?

桑原 砂糖ですね。素材を活かすためには、いい砂糖を使いたい。ただ、そうすると在庫を余分に持たなければならなくなるし、購入量が少ないと価格が上がります。でもそれでも、農家さんが一生懸命作ってくれた美味しいさつまいものポテンシャルを活かし、自信を持って出せるもの作りたい、ということで、砂糖には妥協せず、さまざまなものを比較検討することにしました。

結果、砂糖は、選び抜いた企業さんの、さらにある製造工場を指定して購入することになりました。砂糖会社さんから聞いたところによると、製造工場まで指定して砂糖を使っているのは、京都の有名な和菓子屋さんと弊社だけとのことです。黒豆と安納芋は、その砂糖を使用し、紅はるかは、改めて選び抜いた別の砂糖を使用しています。

弊社の商品の多くが、農作物を使ったものです。農家さんがいてこそ、我々が商売としてやっていけるので、可能な限りこだわって、確実に値打ちが出るものを作ることを心がけています。

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「紅はるか」の優しい甘さに、気持ちまでほっこり。

―農家さんへの思いが伝わります。では次に、「島いちごわらび餅」についても紹介をお願いできますか?

桑原 弊社は黒豆とさつまいも、そして10月から12月の3ヶ月で生きているような会社です。なので、次は閑散期に売れる商品をと考えていました。その中できっかけとなったのが、コロナです。この時、閑散期の売り上げを頼っていたお土産物店様、百貨店様の売り上げがほぼゼロになってしまいました。社長になってすぐのことです。2020年の4月からは前年比50数%減。これが数ヶ月続きました。

それならここで、新商品の開発に力を入れようと。しかもできるだけ今ある設備を有効利用しようということで、わらび餅が浮上し、黒豆の割れを潰してみたり、わらび粉や寒天を使ってみたり、抹茶を使ってみたりといろいろ研究して、さらに弊社は小豆島の企業ということで、地元の素材を使ったものにしようということになりました。

私の海友達にいちご農家の方がいて、聞くと収穫期の後半になると、色も形もいい割に、あまりお金にできず大変だと。そこで思いついたのが、その島いちごを使ったわらび餅です。我々が加工を担当することで、島いちごを全国にアピールできるかもしれないという思いもありました。生地にしっかりと島いちごを練り込み、食べた瞬間に、いちごの香りや味が感じられるわらび餅。しかもある程度常温で保存できるものをと考え、完成までには1年半ぐらいかかりました。

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こちらにも、「小豆島産女峰」のフレーズが。
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ぷるんとした食感と、いちごのフレッシュな香りに感動。種の粒々も生かして。

―御社の新商品のアイデアは、すべて桑原社長が考えておられるのですか?

桑原 私と営業、生産、研究室から7名くらいが参加する会議を月に2回、行っています。私がいろんなところに行って見つけたものや、お客さんから依頼された提案を持ち寄っています。

―今後手がけてみたい商品、注目している素材はありますか。

桑原 実は11月6日に「塩茹で黒豆」という機能性表示食品を新たにリリースしました。弊社には、できるだけ体に良いもの、お年寄りの方からお子さんまで安心して食べられるような商品を作りたい、という思いがあります。そこにもう1つ付加価値を付けるために、健康食品として勧められるような商品を作りたいと考えていました。この商品はその1品目。今後は、ロス素材を利用した商品作り、SDGsを意識したものづくりにも着手できたらと考えています。

―今後の展望についてお聞かせください。

桑原 「食べる」ということは、生きていくために欠かせません。今後も弊社の商品を食べることで皆様に豊かな気持ちになっていただきたいですし、さらに健康の手助けができるようなものづくりを行って、会社はもちろん、島も活性化できたらと思っています。今年64期目ですけれども、今後70年、80年、90年、100年と続く会社の土台を作り、次の世代にバトンタッチできれば本望です。

―「私は何もできないので、動くだけなんです(笑)」と、桑原社長。しかしお話を伺うと、何事にも率先して動き、新しいことを切り開いていく背中が確実に従業員の方の道標になっている、そんな様子が想像できました。お話、ありがとうございました!

「紅いもグラッセ」 (100g)

「紅いもグラッセ」(100g)
価格:¥562(税込)
店名:丸金食品株式会社
電話:0879-82-0056(8:00〜17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://marukinsyokuhin.raku-uru.jp/item-detail/867187
オンラインショップ:https://marukinsyokuhin.raku-uru.jp

「島いちごわらび餅」 (225g)

「島いちごわらび餅」(225g)3月~9月の期間限定販売
価格:¥648(税込)
店名:丸金食品株式会社
電話:0879-82-0056(8:00〜17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://marukinsyokuhin.raku-uru.jp/item-detail/867187
オンラインショップ:https://marukinsyokuhin.raku-uru.jp

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
桑原健(丸金食品株式会社 代表取締役社長)

1967年、香川県小豆島生まれ。2005年に丸金食品へ入社後、主に生産管理に従事。2018年に代表取締役社長に就任。趣味はウインドサーフィン。

<文・撮影/鹿田吏子 MC/菊地美咲 画像協力/丸金食品>

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