
完熟梅を塩だけで漬けた本物の酸味。水戸市が誇るブランド梅「ふくゆい」で作る梅干しと、天然酵母仕込みの梅シロップ
2026/02/27
今回、編集長のアッキーが注目したのは、水戸市が誇るブランド梅を使用した梅干し「水戸乃梅 ふくゆい」と、「一日一梅 梅シロップ」です。芳醇な梅の香りが広がる「水戸乃梅 ふくゆい」は、添加物を一切使わず、塩だけで1年間じっくりと寝かせた正統派の梅干し。一方の「一日一梅 梅シロップ」は、スッキリとした自然な甘みが魅力です。
一粒、一滴に宿るのは、90年にわたり水戸の地で受け継いできた職人の技。素材本来の味を大切にする真摯な思いが、この本物のおいしさを支えています。茨城県水戸市に本社を構える、株式会社根本漬物の代表取締役、根本 幸範氏に取材スタッフがお話を伺いました。

株式会社根本漬物 代表取締役の根本 幸範氏
―まずは、御社の歩みや水戸の地との関わりについて教えてください。
根本 私たちは1935年の創業以来、水戸徳川家ゆかりの地で90年にわたり日本の食卓を支えてきました。水戸は、日本三名園の一つでもある梅の名所「偕楽園(かいらくえん)」や、100年以上前から毎年開催される「水戸の梅まつり」など、梅と深く結びついた土地です。もともとは九代藩主・徳川斉昭公が、春の訪れを告げる花を楽しむだけでなく、実を梅干しにすることで飢饉の蓄えや健康維持に役立てるために推奨したという歴史があります。
私たちは創業当時から、この偕楽園の梅を仕入れて加工するなど、地域の梅文化とともに歩んできました。時代が変わっても、素材本来の力を生かした本物の味を届けるという信念は、創業からずっと変わらずに守り続けている私たちの誇りです。



梅の名所・偕楽園に見守られ、1935年の創業から90年。
老舗の誇りと確かな技術は、世代を超えて受け継がれている。
―社長ご自身は、どのような思いで家業を継がれたのでしょうか。
根本 私は生まれたときから後継ぎとして育てられ、工場の樽が遊び場という環境で育ちました。実は高校時代、2階から足を踏み外して、水が張られた大きな漬物樽の中に落ちてしまったことがあるんです。その時、樽がクッションとなって命を救われたことで、家業の道具である樽に対しては特別な愛情と縁を感じるようになりました。外の世界を知るために食品商社で4年半ほど働いたのち、1999年の工場建て替えを機に会社へ戻りました。商社で培った客観的な視点と、幼い頃から肌で感じてきた梅づくりの記憶を大切にしながら、今の時代に求められる梅の形を模索しています。
―メイン商品である梅干し「水戸乃梅 ふくゆい」は、どのようなきっかけで誕生したのですか。
根本 現代の梅干しは調味液に漬けられたものが主流ですが、私はおばあちゃんが塩だけで漬けてくれたような、昔ながらの素朴な味を再現したいと考えました。そこで、水戸市が10年以上の歳月をかけて生み出したブランド梅「ふくゆい」に着目したのです。
この「ふくゆい」は、実が大きく、しっとりと柔らかいのが特徴で、塩だけで漬ける伝統的な製法に非常に適しています。添加物を一切使わず、素材の良さを最大限に引き出すことで、酸っぱいけれど後を引く、心まで満たされる究極の日常食を目指して開発しました。手間がかかるため敬遠されがちな伝統製法をあえて今、復活させることは、家族の健康を願うお母さんのような温かい視点から生まれた、私たちの挑戦でもあります。

箸先から伝わる、驚くほどの柔らかさ。
皮が薄く果肉たっぷりの「ふくゆい」。
―「ふくゆい」の梅干しづくりにおける、具体的なこだわりを教えてください。
根本 最も大きな特徴は、自社梅園での栽培から加工までを自社で行う一貫体制です。栽培では、日当たりと風通しを最適化する「ジョイント栽培」という革新的な技術を取り入れています。これは隣り合う梅の木を横につなぎ合わせて育てる方法で、栄養が木全体に行き渡りやすく、品質の安定につながります。また、樹高を低く抑えることで、一粒ずつ丁寧に完熟具合を見極めて収穫することができるのです。収穫後は、今では珍しくなった手作業による「天日干し」を行います。天候を読みながら一粒ずつ手でひっくり返す作業は非常に手間がかかりますが、これにより皮が薄く、中身がふっくらと柔らかい、極上の食感が生まれます。そこから塩だけで1年間じっくりと熟成させることで、尖りのない芳醇な酸味へと仕上げていきます。

自社栽培の完熟梅を、手作業で天日干しに。
自然の恵みと職人の誠実な技が、この一粒に凝縮されている。
―贅沢な手間暇がかけられているのですね。おすすめの楽しみ方はありますか?
根本 やはり、炊きたての白いご飯にぽんと一粒乗せて召し上がっていただくのが一番です。それだけで食卓が華やぐ、究極にシンプルな体験だと思います。忙しい朝でも、ひと口の酸っぱさが体と心をシャキッと目覚めさせてくれますよ。
また、お茶請けとして、お気に入りの日本茶とともに丁寧な時間を味わうのもいいですね。面白いことに、商品のパンフレットに載っていただいたモデルのおばあさんとお孫さんが、今でもお店に買い物に来てくださるんです。そんなふうに、世代を超えて本物の価値を喜んでいただけるのが、私たちにとって何よりの励みです。
―もう一つの商品「一日一梅 梅シロップ」は、これまでの梅干しとは少し雰囲気が違いますね。
根本 「一日一梅」という言葉には、一日に一粒の梅を食べて健やかに過ごしてほしいという思いを込めています。ただ、現代社会は非常に忙しく、ストレスを感じている方がたくさんいらっしゃいます。そんな方々が、梅干しとしてだけでなく、ドリンクやデザートとしてもっと気軽に梅の力を取り入れられるようにと開発したのが、この特製梅シロップです。ホッと一息つくセルフケアの時間を、より豊かに演出したいと考えました。

甜菜糖と天然酵母でじっくり発酵させた「一日一梅 梅シロップ」。
―「発酵」にこだわった製法と、おすすめの活用法について伺えますか。
根本 砂糖に漬け込んで果汁を抽出するという一般的なシロップとは異なり、私たちの梅シロップは甜菜糖(てんさいとう)と天然酵母を使い、約3カ月もの時間をかけてじっくりと発酵・熟成させます。これにより、砂糖の甘さとは違うスッキリとした自然な甘みが生まれます。
5倍希釈が基本で、夏はお水や炭酸水で、冬はお湯割りで楽しめます。実はアルコールとの相性も抜群で、シャンパンやジンに数滴加えるだけで、洗練された香りのクラフトカクテルのようになります。イタリアでの試飲イベントでも、この香りの良さが大変好評をいただきました。他にも、パンやヨーグルトのソースとして使えば、日常の中で手軽に発酵の力を取り入れることができます。

一日の終わりに飲めば、天然酵母の優しい甘みが心と体をゆっくりと解きほぐしてくれる。
―最後に、これからの展望をお聞かせください。
根本 気候変動による温暖化が進む中、後世にもこの梅文化を伝えるために、持続可能な梅栽培に挑戦しています。また、現在は4代目である大学生の息子を中心に、伝統の「木桶発酵」を復活させるプロジェクトも進めています。一度は途絶えかけた木桶での漬け込みを今の時代の基準に合わせて復活させ、地域に根付く職人技と物語を世界へ届けていきたい。伝統を守るために、私たちは常に進化し続け、100年先も愛される企業でありたいと考えています。
―素晴らしいお話をありがとうございました!

「水戸乃梅 ふくゆい」
価格:¥1,200円(税抜)
店名:株式会社根本漬物
電話:029-221-6153(9:00~17:00 日曜・祭日・年末年始を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://nemotuke.com/shop/shop.cgi?order&class&keyword&FF=20&price_sort&pic_only&mode=p_wide&id=37&superkey=1
オンラインショップ:https://nemotuke.com/shop/shop.cgi

「一日一梅 梅シロップ」
価格:¥1,380円(税抜)
店名:株式会社根本漬物
電話:029-221-6153(9:00~17:00 日曜・祭日・年末年始を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://nemotuke.com/shop/shop.cgi?order&class&keyword&FF=20&price_sort&pic_only&mode=p_wide&id=39&superkey=1
オンラインショップ:https://nemotuke.com/shop/shop.cgi
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
根本 幸範(株式会社根本漬物 代表取締役)
1972年、創業の地である茨城県水戸市生まれ。1994年に大学を卒業後、総合食品商社に入社。4年半の社会人経験を経て1998年に家業である株式会社根本漬物に入社。2024年に代表取締役社長に就任。50歳でMBAを取得し、第2期EO Ibaraki会長を務める。伝統を守りつつ、次世代へ文化をつなぐ新たな挑戦を続けている。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中 香花 画像協力/根本漬物>



























