
お湯を注ぐだけ!彩り麩と金箔で加賀友禅のような美しいお吸いもの「金の宝の麩」
2025/12/10
今回、編集長のアッキーが注目したのは、お湯を注ぐだけでパッと食卓が華やぐ、そんな美しくておいしいお吸いもの、「金の宝の麩」です。ふやき(最中)の中に、加賀友禅の技法で彩られた美しい友禅菊麩と金箔が閉じ込められて、お湯を注ぐと、まるで椀の中で華やかな花が咲いたような仕上がりに。その背景には、遠くフランスで暮らす息子を思う母の愛から生まれた、感動的な物語がありました。取材スタッフが、石川県金沢市に本社を構える、株式会社不室屋の代表取締役社長、不室六右衛門氏に話を伺いました。

株式会社不室屋 代表取締役社長の不室六右衛門氏
―まずは、御社の歴史についてお聞かせください。
不室 弊社は1865年(慶応元年)に、金沢・尾張町で創業しました。以来160年にわたり、加賀麩の伝統と技を受け継いできた老舗専門店です。加賀麩の歴史は、金沢の食文化と深く結びついています。もともと北陸では仏教、特に浄土真宗の布教とともに精進料理の食材として麩が根付いていました。そこへ加賀藩の藩祖である前田家が愛知から持ち込んだ製法が融合し、金沢の豊かな食文化と共に洗練されてきた歴史があります。


160年の歴史を刻む「不室屋」。
金沢の食文化と共に歩んできた老舗の風格。
ー不室社長は6代目でいらっしゃいますが、家業を継がれるまでにユニークなご経歴をお持ちだそうですね。
不室 そうなんです。子ども時代は、家と会社の境目がない暮らしをしていました。人生経験として外の世界も見てみたいと思うようになり、大学時代は神戸で過ごすことにしたんです。神戸は、純和風な金沢とは正反対の開放的な街です。そこでフランス菓子に憧れ、パティシエの道に進みたいと思いましたね。
大学卒業後に3年間の期限付きでフランスへ渡り、パティシエとして働きました。その時、海外から客観的に日本や金沢の食文化を見つめ直し、価値を再認識したんです。日本のものを大事にしていかないといけないなと。そうして家業を継ぐことを決意しました。このフランスでの洋菓子の経験が、後にカフェ事業を立ち上げ、麩のスイーツを提供することにも活かされています。
―看板商品である「宝の麩」の誕生にも、そのフランス留学が深く関わっていると伺いました。
不室 実は、「宝の麩」は、私がフランスに留学していた当時、母(5代目当主の妻)が思いついて作ったものでして。今から30年以上前、当時のインスタント食品は具が少なく、シンプルなものが多かったんです。私の食生活を心配した母が、野菜をたくさん入れた試作品を作ってくれたのが始まりです。遠く離れた息子を思う、まさに親心ですよね。私がそれを現地の駐在員の方にお裾分けしたところ、「こんなにおいしいお吸い物は初めてだ」「金沢に行ったら買えるのか」と大評判になりました。私が留学を終えて帰ってきたころに、販売が始まったというわけです。

これぞ金沢の「おもてなし」。
お湯を注ぐだけで、心温まるごちそうが完成する。
―「金の宝の麩」は、その「宝の麩」の思いを受け継ぎつつ、さらに金沢の美意識を凝縮させたのですね。
不室 はい。これは金沢という土地の特性を反映させた商品として開発しました。最大の特徴は、加賀友禅の染色技法を麩で再現した「友禅菊麩」です。金沢の友禅染は、京都の友禅染とは異なり、花の外側から内側に向かって色が薄くなり、真ん中を白く抜くのが特色です。この繊細な模様を麩で表現するために、職人が試行錯誤を重ねました。機械では模様が均一になりませんし、何回も工程を踏まないといけないため、すべて手作業で行っています。
金沢が国内生産の99%を占める金箔もあしらい、外側のふやき(最中)には前田家の家紋である梅鉢の模様を入れ、とことん金沢らしさにこだわりました。手間がかかるため、たくさんは生産できない限定的な商品でもあります。
また、お湯を注いだ瞬間に具材が最も美しく花開くよう、詰める作業も手作業なんです。中の空間率と具材のバランスが重要で、詰めすぎても少すぎても、きれいに出てきません。味の決め手となるだしも、昆布を効かせた金沢伝統の味を、専門業者に依頼して忠実に再現した特注品です。


前田家の梅鉢紋が、花開くお吸いものへと姿を変える。

美しく花開くための「空間率」を計算。
繊細な作業を支える、熟練の手。
―まさに金沢の美意識そのものですね。お客様からはどのようなお声がありますか?
不室 印象的だったのは、神戸から金沢に嫁がれた女性のお話です。初めてご主人のご実家にご挨拶に伺った際、おもてなしとしてこのお吸いものが出されたそうです。その時、商品の華やかさを見て金沢の伝統のすごさに感動したと。また、具材のネギが別の品種に変わった際に、違いに気付いたお客様からお手紙をいただいたこともありました。そこまで細かく味わっていただけているのは、本当にありがたいことですね。
―伝統を守りつつ、革新も続けていらっしゃるのですね。
不室 160年の歴史に安住せず、コロナ禍を経たライフスタイルの変化にも目を向けています。「宝の麩」が30年前に新しい概念だったように、これからの若い世代に「いいね」と言ってもらえる新しい麩の可能性を追求したいですね。今は若手社員の自由な発想を重視していて、ハローキティとのコラボ商品や、自社キャラクター「ろくえもん」の活用など、新しい挑戦を続けています。伝統を守りながら革新を続ける姿勢で、加賀麩の文化を未来に繋げていきたいと考えています。
―素敵なお話をありがとうございました!

「金の宝の麩6ヶ入」
価格:¥3,780(税込)
店名:不室屋
電話:0120-26-6817(9:00~18:00 日曜日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://eshop.fumuroya.com/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=300401&vid=&cat=&swrd=&srsltid=AfmBOorrPiPXtfXxCfQqRDtJ8QFgtUEDhZfo0s1A5jAjG_5UJGIuLspn
オンラインショップ:https://eshop.fumuroya.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
不室 六右衛門(株式会社不室屋 代表取締役社長)
1967年石川県生まれ。甲南大学経営学部卒業後、製菓を学ぶために渡仏し3年間の滞在中フランス国家資格「C.A.P. パティスリー」を取得。株式会社不室屋外食部にてカフェ、レストラン担当の後、専務取締役を経て現職に就任。一般社団法人 茶道裏千家淡交会 石川支部副支部長。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中 香花 画像協力/不室屋>




























