
福井の羽二重もちとあん、バウムクーヘンが画期的なハーモニー「羽二重結びバウム」
2025/12/10
今回、編集長のアッキーが注目したのは、福井県で愛され続ける老舗洋菓子店の「羽二重結びバウム」です。40周年を記念して作られたこの逸品では、福井の伝統と、お店の歴史が幾重にも重なり合った、しっとりともっちり、食感が楽しめます。その背景には、和菓子屋から始まったという意外なルーツと、三代目社長の熱い思いがありました。取材スタッフが、株式会社西洋菓子倶楽部 代表取締役社長/オーナーパティシエの髙倉竜馬氏に話を伺いました。

株式会社西洋菓子倶楽部 代表取締役社長/オーナーパティシエの髙倉竜馬氏
―まず、御社のこれまでの歩みについて教えていただけますか?
髙倉 もともと実家が1901年創業の「中村屋」という和菓子屋でした。父の代に、和菓子屋とは別の業態として「西洋菓子倶楽部」を立ち上げたんです。父には「福井の人にも、本物のケーキを味わってもらいたい」「西洋のお茶とお菓子の文化を、この土地に根付かせたい」という強い情熱がありました。あえて漢字を使った「西洋菓子“倶楽部”」という店名には、「いつかこのお店が、“洋菓子の老舗”と呼ばれる日が来るように」という未来への願いが込められています。この「和」のルーツと「洋」への挑戦が、後にご紹介する「羽二重結びバウム」の誕生にも繋がっています。



1901年創業の和菓子屋「中村屋」が全ての原点。
そこから「西洋菓子倶楽部」が生まれ、
和と洋の歴史が今に繋がる。(写真は丸岡店)
―社長に就任されるまでの経緯をお聞かせください。
髙倉 幼い頃から家業は身近でしたので、高校を卒業後、製菓の専門学校に進みました。卒業後、一度は家業に入ったのですが、「実家しか知らない」ということが、自分の中でコンプレックスのようになっていたんです。あるとき父親と言い合いになり、悔しさから一念発起。コンテストの審査員で福井に来られていた東京の有名パティスリー「アステリスク」のシェフに直談判して、働かせていただくことになりました。
修業先はまさに「戦場」のようで、家業と比べて次元が違ったと感じる厳しい環境でしたね。約2年間でしたが、外の世界の高い技術や視点を学んだことで、改めて家業の価値、特に和菓子のルーツの価値を再発見できました。そこで学んだことをどう自社に取り入れるかを考えながら、福井に戻ってきました。
―「羽二重結びバウム」の開発の経緯をお聞かせください。
髙倉 40周年という節目に、お客様への感謝を伝えられる記念のお菓子を作りたい、という思いからスタートしました。そこで、「福井の伝統(羽二重もち)」、「自社のルーツ(和菓子屋の餡子)」、そして「自社の歴史(バウムクーヘン)」という3つの要素を組み合わせられないかと考えたんです。
開発には1年以上かかりました。その大半はバウムクーヘン本来の「輪っか(丸型)」を元にした形を維持することに費やしました。バウムクーヘンといえばやはり丸い形ですから、どうにかその形で実現できないかと格闘しましたね。しかし、丸型のバウムクーヘンに羽二重もちと餡子を合わせると、どうも食感が喧嘩してしまう。口の中で一体感が出なかったんです。
そこで発想を転換し、「シート状」で試してみたところ、これが転機になりました。私たちが得意とするバウムクーヘンの「しっとり感」が格段に表現しやすくなり、羽二重もちや餡子とのバランスも取れたんです。さらに、シート状なら「個包装(小分け)」にもできる。お客様にとっても手土産にしやすく、メリットが多い形だと気づき、この方向で進めることを決めました。

バウムクーヘンの「しっとり感」と
羽二重もちの「もっちり感」が三位一体となった食感。
―商品のこだわりと、「羽二重結びバウム」という名前に込めた思いを教えてください。
髙倉 最大のこだわりは、やはり食感のハーモニーです。上から羽二重もち、つぶあん、バウムクーヘンという三層構造になっています。もっちりとした「羽二重もち」に、甘さ控えめで香り高い餡子、しっとりと焼き上げたシート状のバウムクーヘン。この三位一体の風味を楽しんでほしいですね。
実は、このバウムクーヘン自体も4層に重ねています。あえてシート状にしたことで、丸型では難しかった、しっとりとした口あたりを実現しました。個包装で食べやすく、プチギフトや手土産にも最適だと考えています。商品名「羽二重結びバウム」には、福井の伝統である「羽二重もち」を使っていることに加え、40周年を迎えられたことへの、お客様との「ご縁を結ぶ」という意味を込めています。大切な方との「結び」を深める贈り物として、選んでいただけたら嬉しいですね。


伝統の「餡子」と「羽二重もち」を活かすため、
バウムクーヘンはあえて「シート状」に。
個包装で分けやすく、手土産にも喜ばれるデザイン。
―お客様からはどのような反響がありましたか?
髙倉 「おいしかった」というお声とともに、「甘さ控えめで食べやすい」という感想も多くいただいています。また、パッケージデザインだけでなく、この商品に込めた40周年の思いやストーリーを見て、「すごくいいなと思った」と言ってくださるお客様も多く、とても励みになりました。
―最後に、未来のビジョンをお聞かせください。
髙倉 私たちの理念は「洋菓子の老舗を目指す」というものです。単に流行るのではなく、スタッフにもお客様にもずっと愛され続けるお菓子屋になりたい。そのために、今受け取ったバトンを「いかに次世代に繋げるか」を常に考えており、特に力を入れているのがスタッフの教育です。技術の継承はもちろんですが、スタッフがやりがいを持って働ける場所にするための仕組みづくりも同時に進めています。
この業界は厳しい側面も多く、若い子たちが夢を持ちにくいのが現状です。だからこそ、私たちがまずはモデルとなって、夢を持てる業界に変えていきたい。そんな思いで取り組んでいます。地域への思いも強く、ふるさと納税では福井県坂井市で一番の納税額を達成することもできました。これからも地元福井を大切にしながら、スタッフと共に成長していきたいです。
―貴重なお話をありがとうございました。

「羽二重結びバウム」(5個入り)
価格:¥993(税込)
店名:西洋菓子倶楽部
電話:0776-67-2227(10:00~19:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop.cake-cake.net/seiyogashiclub/select_item.phtml?CATE3_ID=117
オンラインショップ:https://shop.cake-cake.net/seiyogashiclub/index.phtml
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
髙倉竜馬(株式会社西洋菓子倶楽部 代表取締役社長/オーナーパティシエ)
1984年、福井県坂井市丸岡町生まれ。2003年に大阪あべの辻製菓専門学校を卒業し、同年、有限会社西洋菓子倶楽部に入社。2013年より東京の有名パティスリー「アステリスク」で修業を積む。2015年に株式会社西洋菓子倶楽部に戻り、取締役開発室室長に就任。2023年に専務取締役を経て、2024年6月より現職に就任。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/西洋菓子倶楽部>




























