2022年に立ち上がったばかりのレディースアパレルブランド「hellam(へラム)」。シンプルで落ち着いたトーンでありながら、異素材を組み合わせたり、スパイスを絶妙にきかせた、“ありそうでない”デザインがヒットし、右肩上がりの成長を見せています。今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になった、株式会社ディープサンクスの代表取締役 重延賢治氏に、取材陣が伺いました。
シンプルなのに特別感のある「グラデーション インターシャ起毛ニット」
2024/02/28
株式会社ディープサンクス 代表取締役の重延賢治氏(写真左)
―まず、創業に至る経緯を教えてください。
重延 起業直前は岡山に本社のあるアパレル会社の大阪支店で、支店長を務めていました。学生時代には繊維問屋でアルバイトをしたり、大学を中退して商社系アパレル会社に入社するなど、アパレル業界ひと筋ですね。人とかぶらないようなデザインの服が好きで、自分の思いをカタチにしながら、社員も幸せにできる会社をつくろうと、独立することにしました。
ディープサンクスのホームページには、トレンドをほどよく捉えたクールなコーディネイトがならぶ。
―創業してから約20年、取り組まれていることは?
重延 起業時からずっとODM(Original Design Manufacturing)で卸売りをしているのですが、2018年から小売りもはじめました。実店舗はまだなく、オフィシャルサイトとZOZOTOWNでのECショップ販売です。
弊社は企画から生産まで一貫体制で製造するODMを得意としていますが、自分たちがつくったものは最終的に他社のブランドネームがついて店頭に出るわけです。いわば、縁の下の力持ちですね。デザインをやっている人であれば、おそらく多くの方が同じ思いを抱いていると思うのですが、いつかは自分たちのブランドで販売したい、という気持ちをずっとどこかで持っていました。そして、タイミング的には本当にたまたまなのですが、2018年に「Lian(リアン)」(現:LIAN)というブランドを立ち上げました。
上品なコーディネイトが目を引く「LIAN」のインスタグラム。
https://www.instagram.com/lian_officialstore/
―ブランドコンセプトを教えてください。
重延 「LIAN」と「hellam」、これら2つのブランドに共通しているのは、わくわくできるような、ほどよくトレンドも意識した商品をつくる、ということ。お客様のお手元に届いて開封したときに、「わぁ」とテンションが上がるような商品に。これが第一のコンセプトです。また、どちらのブランドも、どんな方にも着ていただきやすいデザインを心掛けています。違いとしては、「LIAN」は20代くらいの女性がメインターゲット、「hellam」の方は、30代くらいをメインターゲットにしている点です。
―その「hellam」の「グラデーション インターシャ起毛ニット 9512」について、ご紹介ください。
重延 完全オリジナルデザインのニットで、色や柄の出方、素材にもこだわったアイテムです。今季特に流行した起毛感のある素材を組み合わせました。もこもこしたブークレ糸と、ふんわり感のある起毛ニットといった異素材を掛け合わせることで、シンプルでありながらデザイン性の高い、洗練された印象を与えてくれる一枚になりました。手に取っていただくと、肌触りの違いを楽しんでいただけると思います。
肌触りのいい、異素材の掛け合わせ。
―おすすめの着こなし方は?
重延 特徴的な素材を使ったニットですので、ボトムスはシンブルなタックパンツやデニムパンツなど、お手持ちの定番アイテムと組み合わせるだけで、トレンドをおさえたスタイリングが完成します。ニットの色にあわせて、同系色でまとめたワントーンコーデもおすすめです。おしりが隠れるくらいゆったりしたサイズ感なので、ボトムスにインしても、アウトにしても、バランス良く着ていただける着丈に仕上げています。
メンズの方にも着ていただけるくらいのオーバーサイズですので、4色の中から色違いを選んでペアコーデもいいと思います。
ゆったりオーバーサイズなので、中にシャツを重ねてもかわいい。
―「hellam」のこだわりとは?
重延 「LIAN」「hellam」どちらにも共通することですが、とにかく「いいものをつくる」。これに尽きます。安かろう悪かろうではなく、少し価格が上がっても、より良い素材を使い、長く着続けていただけるような品質やデザイン、そして、誰かの贈り物にしたいと思っていただけるような高いクオリティの商品づくりを心掛けています。
また、社員が幸せだと感じられる会社になること。「物心両面」ということを社員たちによく話すのですが、モノとココロ、どちらもみんなで豊かにしていこうと。そんなことをずっと考えています。
大人の雰囲気漂う「hellam」のインスタグラム。
https://www.instagram.com/hellam_official/
―最後に、御社の今後の展望をお聞かせください。
重延 今は20~30代の女性をメインターゲットにしたブランドですが、今後、社員の成長にあわせて、40代以上向けのものやメンズなどにも商品構成を拡大し、社員もブランドも成長しながら、長く働いてもらえる会社にしていこうと思います。
さらに、デザイナーの育成にも力を入れていきたい。たとえば、服飾デザインの学校を卒業したのに、デザイナーの仕事に就けていない人とか、学校で習ったことが実際の業務に生かせていないと悩んでいる人とか……。あるいは、服が好きだったけれど途中で夢破れて諦めてしまったとか、スキルはあるけれど子どもが生まれたので辞めてしまったとか。そういった人たちに、もう一度アパレル業界に戻ってきてほしい。デザイナーとして生き生きと輝ける人を育てるということも、今後積極的にやっていきたいと思っています。
―すばらしいお話をありがとうございました!
「グラデーション インターシャ起毛ニット 9512」
価格:¥6,930(税込)
店名:hellam Official website
電話:06-6575-7510(1:00~17:00 土・日・祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://hellam-online.com/collections/ranking/products/9512
オンラインショップ:hellam Official Website|公式HP (hellam-online.com)
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
重延賢治(株式会社ディープサンクス 代表取締役)
1962年 大阪府生まれ。大学在学中に繊維問屋でアルバイトをはじめ、アパレル業界に入る。大学中退後にアパレル会社入社。その後、数社で経験を積み、岡山の会社の大阪支店を任され、支店長を務めたのち、2002年に株式会社ディープサンクスを創業。関西ファッション連合理事、大阪商工会議所1号議員。
<文・撮影/よしおかまさこ MC/木村彩織 画像協力/ディープサンクス>