
無添加にこだわり、素材本来の味を活かした山形発「北前かすてら」
2025/09/11
日本海に面し、古くから北前船の寄港地として栄えた山形県酒田市。豊かな自然と歴史に育まれたこの地で愛されているお菓子があります。今回、編集長アッキーこと坂口明子が気になったのは、こだわりの「カステラ」と「どら焼き」。この2つのお菓子のおいしさの裏にはどんな秘密が隠されているのか。製造する株式会社たんばや製菓 代表取締役社長の増渕陽輔氏に取材陣がお話を伺いました。

株式会社たんばや製菓 代表取締役社長の増渕陽輔氏
―御社はいつ創業されたのでしょうか。
増渕 弊社は1982年に、ちりめんじゃこの小分け販売から始まりました。創業地は東京でしたが土地が狭く高いため、創業者の親族がいた関係で山形に工場を建てて移転し、そこからカステラやどら焼きなど、さまざまな商品の製造を始めました。現在は自社製品のほか、他社商品のOEMも手がけています。

山形県酒田市に本社を構える「株式会社たんばや製菓」。
―増渕社長は栃木県のご出身とのこと。たんばや製菓様にご入社された経緯を伺えますか?
増渕 私は神奈川県の大学を卒業後、ぬいぐるみや生活雑貨の企画、デザイン、製造などを行う株式会社AQUAに入社し、商品企画を担当しました。その後、AQUAとたんばや製菓がグループ会社になったことから、たんばや製菓へ移り、商品企画を担当することになったという次第です。代表には、2025年4月に就任しました。
―ぬいぐるみからお菓子の企画へ移られたのですね。
増渕 株式会社AQUA時代も、ぬいぐるみだけでなくお菓子の開発にも関わっており、たんばやでもそのノウハウを活かせたらと思いました。
―御社の代表商品でもあるカステラは、個包装というアイデアがヒットしたそうですね。個包装のアイデアは初代の社長様によるものですか?
増渕 そうです。当時は大家族が一般的でしたので、手軽に分けられる個包装で販売したところ好評で、会社も成長できたと聞いています。
―オンラインショップはいつ頃から始められたのですか?
増渕 約10年前にオンラインショップを立ち上げました。工場業務に力を注いでいることもあり、オンラインショップはデザインやカスタマイズ面でまだ十分に華やかさを出せていないのが現状です。
―それでは、「北前(きたまえ)かすてら」について教えてください。
増渕 弊社では長い間、安価で大容量の商品の製造・販売をメインとしておりましたが、近年は、人気食品店のOEM商品も多く手がけるようになりました。ただ地元ではまだまだお徳用カステラのメーカーというイメージが強く、もっと弊社の商品の価値を知っていただきたいと考えて、2023年6月に「北前かすてら」の販売を始めました。

「北前かすてら」は、高い技術力とこだわりが生んだ逸品。
―名前の由来を教えていただけますか?
増渕 山形県の酒田市と北海道の素材を使用していることから、江戸〜明治時代にかけて「動く総合商社」と呼ばれた北前船にちなんで名付けました。北前船日本遺産推進協議会からの認証もいただいています。
―北前かすてらは、どこで購入できるのですか?
増渕 酒田市の観光物産館 「酒田夢の倶楽(くら)」や庄内空港、JR酒田駅、鶴岡市の庄内観光物産館などで取り扱っていただいています。また弊社工場では直販売も行っており、工場が稼働している時であればいつでもご購入いただけます。ホームページからオンラインショップでも購入可能です。
―原材料のこだわりについても聞かせてください。
増渕 おいしいカステラを作るには、よい素材が必要であると考え、卵は庄内産、砂糖には、北海道オホーツク産の「甜菜含蜜糖(てんさいがんみつとう)」を使用しました。カステラは、卵と砂糖で全体の原材料の70%を占めており、中でも砂糖の含有量によって味が変わります。そこで「北前かすてら」には、甘さがすっきりとしていてべたべたしない甜菜含蜜糖を使い、個性を出しました。甜菜含蜜糖100%のカステラは、国内でも希少な存在です。
―添加物を使っていない点もこだわりの一つですね。
増渕 そうですね。良質のフィルムで包装して賞味期限を伸ばすなど、添加物に頼らない商品作りを心がけています。
―製造過程でのこだわりはありますか?
増渕 「北前かすてら」では、「泡切り」という作業を2度行っています。座布団ほどの大きさの焼き型に入った生地を、オーブンから出して均等に混ぜる工程を2度行うのですが、そうすることで、ふわふわ、しっとりとした食感に仕上がります。弊社は実直なまでに原材料と製法にこだわっており、泡切りも人の手で行っています。出来上がったカステラは、他社のカステラと比べて高さもしっかりとあるところが特長です。

おいしさの秘密は、人の手による丁寧な2度の「泡切り」。

焼き上がりについてもしっかりと確認し、出荷している。
―SNSなどでの反響はいかがですか?
増渕 「とてもおいしい」というお声をいただくことが多く、嬉しく思います。
―パッケージデザインのこだわりも教えていただけますか?
増渕 荒波を進む北前船をイメージした、青海波の模様を取り入れています。北海道の小麦粉とてんさい糖、そして庄内の卵を使い、全国にカステラを届けるという現代の北前船のイメージをデザインに込めました。

北前船と青海波が描かれた「北前かすてら」のパッケージ。
―御社は今年、地元高校生と「さがだ 運命(うんめえ)の出会い」というどら焼きを開発、発売されました。
増渕 地元を代表する新商品ができないかと考えていたところ、酒田市の紹介で酒田光陵高校のビジネス流通科とご縁ができ、37名の3年生にコンセプト作りからパッケージデザインまで関わっていただきました。完成した塩どら焼き「さがだ 運命(うんめえ)の出会い」は、宮野浦産のサツマイモと、「さかたの塩」の焼き塩を使った一品で、試食会でも好評をいただき、2025年春から9月末までの期間限定商品として販売しています。

地元企業と高校がタッグを組んで生まれた新どら焼き「さがだ 運命(うんめえ)の出会い」。

定番のプレーンなどら焼きは「皮だけでもおいしい」と好評。

どら焼きとカステラのセットは贈り物にも喜ばれている。
―今後のご展望についてお聞かせいただけますでしょうか?
増渕 今後も「価値のあるカステラ」を製造し、そのおいしさを後世に伝えていくことが弊社の目標です。「安くておいしいカステラ」というイメージから脱却し、たとえ原材料の価格が上がっても素材にこだわり、添加物に頼ることなく味を守り続けていきたいと考えています。
―本日はお話をありがとうございました。

「北前かすてら」(5個入り)
価格:¥1,080(税込)
店名:Tea For Me(たんばやオンラインショップ)
電話:0234-61-7320(10:00〜16:00 土曜、日曜、祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://tanbaya.shop-pro.jp/?pid=187280527
オンラインショップ:https://tanbaya.shop-pro.jp

「さがだ 運命(うんめえ)の出会い」(3個入り)
※2025年春から9月末までの期間限定商品
価格:¥1,080(税込)
店名:Tea For Me(たんばやオンラインショップ)
電話:0234-61-7320(10:00〜16:00 土曜、日曜、祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://tanbaya.shop-pro.jp/?pid=187332842
オンラインショップ:https://tanbaya.shop-pro.jp
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
増渕陽輔(株式会社たんばや製菓 代表取締役社長)
栃木県出身、1981年生まれ。2022年たんばや製菓取締役に就任。2023年4月にHACCP適合証明を取得し品質管理を強化。同年6月には地元銘菓「北前かすてら」、2025年4月には地元高校生と開発した「さがだ 運命の出会い」を発売。2025年4月、同社代表取締役に就任し、地域との連携と品質へのこだわりを両輪で推進している
<文/鹿田吏子 MC/田中香花 画像協力/たんばや製菓>




























