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本物だから、シンプルなのに美味しい。1度食べたら虜になる岡山中央漬物の「国産 なら漬」

2022/10/24

健康と美容のためにと「腸活」に勤しんでいる人も多いのでは?発酵食品は腸によい食べ物として注目されていますが、なかでも野菜を塩や糠、酒粕や味噌で漬け込んだ漬物は、野菜の栄養とうまみを余すことなく摂れる優秀選手です。今回、編集長アッキーこと坂口明子が気になったのは、岡山中央卸売市場内に店を構える株式会社岡山中央漬物。次々にリピーターが誕生するという、その味の秘密について取材陣が、代表取締役の原淵紀嘉氏にうかがいました。

株式会社岡山中央漬物 代表取締役社長 原淵紀嘉氏
株式会社岡山中央漬物 代表取締役の原淵紀嘉氏

―岡山中央卸売市場の「岡山中央漬物」というのは、市場にゆかりがあるのですか?

原淵 いえいえ、もともとは祖父が1939年に創業した「原淵商店」なんです。当初は漬物専門ではなく、野菜や乾物、雑貨までいろいろなものを扱っていました。乾物や雑貨は保存がききますが、野菜は生鮮商品ですから日持ちがしません。昔は冷蔵庫がなかったので、野菜を無駄にしないために祖父は塩漬けを始め、そのまま漬物専門店となったのです。昔は、店の名に「中央」とつけられるのは各業種ごとに市内で1社、それも老舗しかなかったといいます。弊社は漬物専門店としては市内でいちばん古いので、1962年に岡山中央卸売市場ができて、その中に店を構えたのを機に「岡山中央漬物」という名になったというわけです。

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創業当初の「原淵商店」は別の場所にあり、
1962年に岡山中央卸売市場が開設されたと同時に、
市場内に「岡山中央漬物」をオープン。

―もともと、後を継ごうと思われていたのですか?

原淵 子どもの頃から何となく「継ぐのかなぁ」とは思っていましたけど、父親からはとくに何も言われていませんでした。高校卒業後、ハウスメーカーを経て岡山市の農協に長く勤め、31歳のときに岡山中央漬物に入社。一昨年の2020年、49歳で代表取締役に就任しました。
父の代までは、卸業者さんや飲食店さんなど、いわゆる業者さんとお付き合いさせていただいていたのですが、僕が継いだタイミングで「何か新しいことを」と考えて、一般のお客様への直接販売を始めました。きっかけは、天満屋デパートさんに声をかけていただいて、催事に出店させていただいたこと。そのとき、一般のお客様に販売することのむずかしさに直面したのですが、これはやりがいがある、わが社の成長のためにも一般の方たちとのお付き合いが必要だと痛感したのです。

―どのような点に「むずかしさ」を感じたのでしょう。

原淵 卸業者さんや飲食店さんが弊社と長く、変わらずにお付き合いくださっているのは、当店の漬物の味や品質を認めていただけているということだと思っています。ただ、そこから先の、漬物を口にしてくださるお客様の反応を知ることはできなかったんですね。それが、直接お客様とやりとりをさせていただくと、お声をダイレクトに頂戴するわけです。「おいしい」も「おいしくない」も。一般の方のほうが遠慮なくはっきり言ってくださるので、最初は「キツイなぁ」と思いました(笑)。でも、そのお声を受けて味を改善し、次の機会にお持ちすると「おいしくなった!」とほめていただけて、リピーターになってくださる。うれしいですよ。努力のしがいがありますね。
現在は、デパートの催事のほか、朝市などにも積極的に出店しています。「おいしかったから」と後日、市場にまでわざわざ買いに来てくださる方もいるんですよ。
味の好みは時代とともに変わります。健康志向が高まるなか、とくに漬物の塩分には気をつけなくてはなりません。そうしたニーズも、一般のお客様からいち早く知ることができる。とてもありがたく思っています。

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朝市などにも、漬け樽ごと持参して出店。
おいしい食べ方をお客様に伝えると、漬物に縁のなかった人も
ファンになってくれることが少なくないそう。

―リピーターが多いとのこと。おいしさの秘訣は、どこにあるのでしょう。

原淵 昔ながらの漬け方をしている、でしょうか。野菜を塩や糠や味噌などで漬け込み、それがじっくり時間をかけて発酵することでうまみが生まれます。つまり、きちんと発酵していれば漬物はおいしくなるんです。ただ、大量生産をするとなると時間も手間もかけられません。日持ちをよくするために熱処理が施される場合もあります。そうすると、漬物本来のおいしさがなかなか味わえなくなってしまうのでしょう。当店の漬物を召し上がってくださった方からは、よく「やっぱり、手づくりはおいしいね」というお声をいただくんですよ。
そしてもう1つ、「とびきりの野菜を使用していること」。当店は市場内にありますから、品質がよく、しかも新鮮な野菜が手に入ります。おいしい野菜を漬ければ、必然的に野菜のうまみたっぷりの漬物ができる、ということなのだと思います。

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新鮮な野菜を漬け込むので、漬物がジューシーな仕上がりに。
色も鮮やかで、きれい!

―今回、おすすめいただいた「国産 なら漬」についてお聞かせください。

原淵 なら(奈良)漬は奈良の伝統食品ですが、今では全国で作られています。白瓜やきゅうりなどを塩漬けにして、何度も新しい酒粕に漬け替えながら作る漬物で、それこそ手間も時間もかかりますが、そのぶん味に深みがあって、おいしくなります。
ただ、一般的には味が濃くなりがち、塩気も強くなりがちで、そこが好き嫌いの分かれるところになるのだと思います。
当店のなら漬けも、奈良漬け本来の漬け方をしていますが、お子さんも召し上がりやすいように甘めの味に仕上げています。「これまで奈良漬は苦手だったけれど、これはおいしい!」と好評で、リピート率がとても高いんです。

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国産の白瓜を酒粕、みりん粕などに
漬け込んだ「国産なら漬」。

―食べるときの注意点はありますか?

原淵 瓜のまわりについている酒粕、みりん粕は発酵食品そのものですから、できればそのまま召し上がっていただけたら。1度に召し上がる分だけ切って、粕を取り除く場合はキッチンペーパーで拭ってください。残りを保存する場合は、水で洗ってしまうと、水には雑菌が含まれているので傷みやすくなりますので、粕がついたままの状態で密封し、冷蔵庫で保存してください。

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水洗いは禁物。粕を取り除く場合は、
キッチンペーパーなどで軽く拭き取ります。
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保存するときは粕をつけたまま密封し、冷蔵庫へ。

―おすすめの食べ方はありますか?

原淵 薄く切ってそのまま、ごはんのおともとして召し上がっていただくのはもちろん、こまかく刻んでお茶漬けにしてもおいしいです。ほかには、刻んだなら漬をクリームチーズと合わせていただくのがおすすすめです。ワインやウイスキーに合いますが、ほんのり甘くて、ちょっとしたデザートにもなります。お客様におすすめすると、みなさん気に入ってくださいますよ。チーズとなら漬、Wの発酵の力で健康と美容効果もより高まるんじゃないでしょうか。

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クリームチーズ✕なら漬。合わせて少し置くと
味がなじんでクリームチーズに
品のよい甘さがプラスされ、うっとり。
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なら漬入りの卵焼き。なら漬の味だけで、
ほんのり甘い、やさしい仕上がりに。

―従来の奈良漬のイメージが変わりますね。では最後に、今後のビジョンをお聞かせください。

原淵 創業より受け継がれた伝統の技を大切にしつつ、あらゆる年代の方たちに受け入れていただけるような漬物をつくっていきたいと思います。手間や時間をかけなければ、もう少し安価でお客様にご提供できるのですが、漬物本来の製法だけは変えたくありません。ただ、味については減塩もそうですが、お客様のニーズをお聞きしながら調整していこうと考えています。
若い世代には、漬物を食べない、食べたことがないという人も多いようです。でも、本来の漬物に出会ったらきっと、そのおいしさを感じていただけるはずです。また、若い頃はピンとこないものですが、先々のことを考えると健康や美容のために、腸の調子をよくしておくことは大切です。おいしい漬物を食べることで、その対策ができるんです。
ですから、若い世代向けに何か特別なことをというのではなく、若い世代にこそ本当の漬物を届けたい。そのためにも、これからも愚直に漬物道を歩んでいきたいと思います。

―おいしく食べながら健康になれるなんて、こんなにいいことはありませんね!ためになるお話をありがとうございました。

国産 なら漬

「国産 なら漬」(450g)
価格:¥1,000(税込)
店名:岡山中央漬物
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.ok-chuo-tukemono.jp/product/5
オンラインショップ:https://www.ok-chuo-tukemono.jp

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
原淵紀嘉(株式会社岡山中央漬物 代表取締役)

1973年岡山県生まれ。岡山南商業高等学校卒業後、岡山積水工業を経て岡山市農業協同組合に入社し、都合13年修行。2004年に岡山中央漬物に入社。2020年に同社代表取締役に就任。

<文・撮影/鈴木裕子 MC・撮影/橋本小波 画像協力/岡山中央漬物>

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