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キレと旨みと余韻を味わう「有機米純米吟醸 和の月60生酛原酒」酒粕から生まれた「月の井酒粕ドレッシング」「月の井ハンドくりーむ」

2022/11/01

今回、編集長アッキーが気になったのは、茨城の蔵元「月の井」です。株式会社月の井酒造店・代表取締役社長の坂本敬子氏に、商品への思いとこだわりについて取材陣がうかがいました。

株式会社月の井酒造店 代表取締役社長の坂本敬子氏
株式会社月の井酒造店 代表取締役社長の坂本敬子氏

―創業の経緯を教えてください。

坂本 300年ぐらい前から麹作りをしており、1865年に造り酒屋となったと文献に残っております。江戸時代はそんなに物流も発達していなかったので、地元で作って地元で飲んでもらう酒として発展してきました。今も地元で愛されるお酒を作っていくことを心がけています。

―社長になられたのはご主人の闘病がきっかけですよね。

坂本 私はずっと専業主婦でしたが、家業の月の井を継いでいた夫が末期がんになり、医学的にはどんな治療をしても難しいことがわかったのですがあきらめきれなくて……。夫のために何ができるだろうと日々考えました。夫が1番好きな食べ物はなんといっても月の井のお酒だったので、夫に「身体に優しい有機のお酒を造って!」と病室で伝えると「じゃあお前が造れよ」と言われたんです。でも私はお酒の造り方も知らず、アルコールも得意ではありませんでした。夫は「蔵元は使う米と精米歩合、酵母などを決めて、どういう味のお酒にするかを、杜氏と一緒に考えるのが仕事だから、お前にもできるよ」と言うので、夫の気持ちに応えるために酒造りを始めたんです。

―そのときの経緯を「―さいごの約束―夫に捧げた有機の酒「和の月」」というご本にまとめられ、ドラマ化もされました。

坂本 「和の月」が誕生したのが2004年です。ラベルの文字はベッドの上で夫に書いてもらいました。夫の名前は和彦なので、「和」と月の井の「月」は、これまでもたくさん書いているので、病気で筆圧が弱っていても書きやすいのでは……と思ったのです。「和」は平和の和であり、なごみという意味も込めています。

―それから18年。今回ご紹介する「有機米純米吟醸 和の月60生酛原酒」はどういったお酒でしょうか。

坂本 これまでも有機米を使っているだけでなく、管理や製造工程にもとことんこだわって造ってきました。掃除も薬品を使わずに手作業で拭いていますし、有機米は宅配便ではなく、自社で直接農家さんまでとりにいき、管理しています。さらに私は「世界一の有機の日本酒を造りたい」と思っていて、去年からは酵母や乳酸を添加しない「酵母無添加 生酛造り」という江戸時代の酒造りを始めました。お米は茨城県産の有機山田錦や有機美山錦を使い、蔵に住みついている酵母でお酒を発酵させて、このお酒が誕生したのです。どこにも負けない究極の有機のお酒ができたと自負しています。

―お客様の反響はいかがでしょうか。

坂本 この個性的な酒造りを好んでくださるコアなファンの方は、毎年、買いに来てくださいますし、特に生酛造りを理解されている方からは大きく支持されています。また、日本酒の鑑定官の先生たちからも高評価をいただき光栄なことです。

―おすすめの飲み方はありますか。

坂本 どんな飲み方をしてもへこたれないお酒です。ひや、熱燗、お水を加えてなど、皆さん、いろいろな飲み方をなさいます。アルコール度数を下げず、原酒で販売したのは、あまりにも複雑で魅惑的な味だったから、まずは原酒を飲んでいただき、その後、お好みで味を調えてもらうのがいいと思ったからです。

―お酒以外の商品も販売されています。「月の井酒粕ドレッシング」はどういう経緯で開発されたのでしょうか。

坂本 和の月の酒粕はおいしいのですが、それを常温で放置してたら、黄色い斑点がバーッと出てきて、びっくりして成分を分析するとアスコルビン酸(ビタミンC)でした。体にもいい成分が入っていることがわかり、ぜひ商品化したいと考え、ドレッシングを作ることにしたんです。サラダはもちろん、豚しゃぶなどにも合うので、評判がいいです。隠し味に大洗の名産であるイワシをちょっと入れました。

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酒粕から生まれたやさしい味のドレッシング。
豚しゃぶサラダにもぴったり。

―「月の井ハンドくりーむ」も作られています。

坂本 和の月の酒粕からエキスを抽出したものを入れたハンドクリームです。うちの酒粕エキスが入っているコスメは、日本薬科大で分析してもらうとセラミドを増やす力が一般のコスメの3倍あることがわかりました。アトピーの方のリピーターが多いのですが、乾燥が抑えられるからなのだと思います。

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無着色・無香料で酒粕エキスの保湿力が魅力。

―今後の展望について教えてください。

坂本 ドレッシングや化粧品は、ビジネスとしてやるという感覚ではなく、副産物を大切に使いたいという思いから開発しています。酒粕にも日の目を見せてあげたいという愛情があって、それもトータルで月の井だと私は思っています。蔵に住んでいる生きてる酵母を使って、なすがままの酒造りをする生酛造りは、「無事に元気な子が生まれてくれればいい」と願う気持ちと同じです。特別なことはしないで、ちゃんと育ち切るまでずっと見守る、そういう酒造りをこれからも続けていきたいと思います。

―貴重なお話をありがとうございました。

【オーガニック日本酒】有機米純米吟醸酒 和の月60生酛原酒 (720ml)

「【オーガニック日本酒】有機米純米吟醸酒 和の月60生酛原酒」(720ml)
価格:¥2,970(税込)
店名: 月の井
電話:029-266-2168 (9:00~18:00 土日祝を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop.tsukinoi.co.jp/item/sake_category/seisyu/zyunmai_ginzyo/nanotsuki60kimoto_720-2/
オンラインショップ:https://shop.tsukinoi.co.jp/

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「月の井酒粕ドレッシング」
価格:¥756(税込)
店名: 月の井
電話:029-266-2168 (9:00~18:00 土日祝を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop.tsukinoi.co.jp/item/sake_category/food_goods/sakekasu/sakekasudoressingu/
オンラインショップ:https://shop.tsukinoi.co.jp/

「月の井ハンドくりーむ」(50g)
価格:¥1,200(税込)
店名: 月の井
電話:029-266-2168 (9:00~18:00 土日祝を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop.tsukinoi.co.jp/item/sake_category/food_goods/skin_care/hand_cream/
オンラインショップ:https://shop.tsukinoi.co.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
坂本敬子(株式会社月の井酒造店 代表取締役社長)

1961年茨城県生まれ。大学卒業後、ダンロップスポーツエンタープライズに入社し秘書業務を担当。月の井酒造店六代目坂本和彦氏に嫁ぎ2男1女の母となる。和彦氏の遺志を継ぎ2004年に同社代表取締役社長に就任。現在は酒造りから生まれる副産物を利用した商品開発を楽しみながら講演活動もおこなっている。

坂本直彦(株式会社月の井酒造店 専務取締役)

1987年、茨城県大洗町生まれ。東京農業大学を卒業後、国分株式会社に入社し4年間の勤務を経て2014年に月の井酒造店へ入社。翌年、同社専務取締役に就任。地元に特化した商品開発に注力し、国内外への販路拡大に努めている。

<取材/垣内栄 MC・撮影/石井みなみ 画像協力/月の井>

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