
岡山産セルビッチデニムのボブソン「B-1969-XX-J」と脚長効果抜群の赤いデニム「ジンバブエコットン・ベルボトム」
2026/03/26
今回、編集長のアッキーが注目したのは、岡山にある自社工場の熟練技で守り抜く最高峰の国産ジーンズ「B-1969-XX-J」と、しなやかで心地よい肌触りが魅力の「ジンバブエコットン・ベルボトム」。履き込むほどに自分の体に馴染み、5年後、 10年後には世界にたった一つの表情を見せ。そんな「育てる楽しみ」を教えてくれます。職人の勘が頼りの旧式シャトル機で織り上げられたセルビッチ(生地の端に「赤耳」と呼ばれるほつれ止めが施された希少な)デニムや、驚くほど柔らかな肌触りの最高級ジンバブエコットンデニムです。
そこには、効率を優先する現代では失われつつある「本物のものづくり」がありました。大量生産・大量廃棄というアパレル業界の課題を打破し、本当にいいものを適切な価格で届けたいという、作り手の切実な思いが込められています。取材スタッフが、岡山県に本社を構える株式会社ボブソンの代表取締役、尾崎博志氏にお話を伺いました。
―まずは、御社の歩みについてお聞かせください。
尾崎 弊社の歴史は、戦後間もない1945年に岡山の地で始まりました。私の叔父・尾崎利春が、山尾兄弟株式会社として学生服や作業服の縫製を手がける小さな工場を立ち上げたのが原点です。物資が乏しい闇市の時代から始まったからこそ、「材料を極限まで大切にする」という精神が自然と養われました。当時から、たとえ採算が合わなくてもいいものを作り、お客さまに「またここで買いたい」と思っていただくための品質を追求してきたのです。「場当たり的な商売をしない」という創業以来の信念は、日本初の本格国産ジーンズブランドとして歩み出したあとも、「品質のボブソン」という評価を支える柱となっています。


日本初の本格国産ジーンズブランドとして、品質を追求してきたボブソン。
―社長ご自身は、どのような経緯で家業を継承されたのでしょうか。
尾崎 私は大学卒業後入社し、まずは修業のために大阪の営業所へ配属されました。その後、本社のリテール部門や広告宣伝部門などを経て、2011年に代表に就任したのです。広告宣伝部門では大きな予算を動かし、モータースポーツやJリーグのスポンサーなど華やかな世界に身を置いていました。しかし、その一方で「いいものを作っても、売れ残れば捨てられる」というアパレル業界の構造的な課題に強い疑問を抱くようになったのです。
そこで5年ほど前、卸問屋や小売店などを通さず自社サイトでお客さまに直接販売する「D2Cモデル」への完全移行を決断しました。莫大な広告費をかけてブランドを着飾るのではなく、環境への負荷となっている余剰生産を減らすこと。消費者の要望を受け、生産から販売まで自社完結することによって、海外への無駄な廃棄を無くすことにつなげる。在庫リスクを抑えながら本当に欲しい人へ適切な価格で届ける。自社工場の高い技術力を守り、製品のクオリティそのもので勝負するという決意でした。
―今回ご紹介いただく「B-1969-XX-J」は、どのような思いで開発されたのですか?
尾崎 このモデルは、ブランド誕生の年である「1969年」を品番にした、まさにボブソンの最高傑作といえる1本です。熟練の職人たちが第一線を退く時期を迎えるなか、当時の貴重な技術を途絶えさせず、次世代へと継承したいという強い思いがありました。効率化の名のもとに失われつつある、ジーンズ本来の荒々しくも美しい姿を取り戻したかったのです。1990年代に展開していた本格派ライン「アースカルチャー」の技術も盛り込み、隠しリベット(バックポケットを裏側から補強する伝統的な仕様)やV字縫い(フロントボタン脇に施される、V字型のステッチ)といったヴィンテージ仕様を細部まで再現しました。単なるファッションアイテムを超えて、日本の熟練技を未来へつなぐバトンとしての役割も担っています。

伝統的な技術を次世代へと残すために生まれた「B-1969-XX-J」。

返し縫いがない時代ならではのV字型のステッチ。
―この商品の「こだわり」について、詳しく教えてください。
尾崎 最もこだわっているのは、希少な「旧式シャトル織機(低速でゆっくりと織ることで生地に独特の膨らみが生まれる希少な織機)」でゆっくりと時間をかけて織り上げられた、セルビッチ(生地の端のほつれを止めるために施された赤いライン。通称「赤耳」)デニムを使用している点です。現代の高速織機とは異なり、生地に自然な凹凸が生まれるため、履き込むほどに豊かな風合いが現れます。
この厚みのある生地を縫い上げるのは至難の業ですが、弊社では本社内に縫製ラインを設け、若い力と熟練の技を融合させてクオリティを管理しています。
裾の仕上げには、伝説的なミシン「ユニオンスペシャル 43200G」を使用し、独特のねじれが生むチェーンステッチを再現しました。糸の種類も、経年変化を楽しめるように箇所ごとに糸の太さや色を変えています。「神は細部に宿る」を体現した、アートとも呼べる仕上がりになっていると考えているのです。

ポケット袋は綿100%の生地にプリントを施す。肌触りのよさとデザイン性を両立。

旧式シャトル織機ならではのセルビッチライン。
職人もうなるほどヴィンテージを緻密に再現にした、こだわりのデニム。
―このデニムで、どのような体験を楽しんでほしいとお考えですか。
尾崎 まずは、糊がついたままの「リジッド(生)デニム」ならではのパリッとした質感と、上品な光沢感を堪能していただきたいですね。洗わずに履き続けることで、ご自身の膝の曲げ伸ばしや歩き方の癖が、そのまま生地に刻まれていきます。数カ月後、 初めて水を通した瞬間に現れる、世界に一つだけの「ヒゲ」や「ハチノス」と呼ばれる色落ちは、まさに自分だけの勲章。週末の散歩や旅行の相棒として共に時を重ねるなかで、5年後、 10年後には自分の一部のような愛着を感じていただけるはずです。

画像は一年半着用したイメージ。
履き込むほどに体に馴染み、共に歩んだ月日が美しい色落ちとして刻まれていく。
―購入されたお客さまからは、どのような反応がありますか?
尾崎 ありがたいことに、「一度履いたら他のものは履けない」というリピーターの方が非常に多いのです。40代から50代の男性を中心に、絶大な信頼を寄せていただいています。オンライン販売ではサイズ選びに不安を感じる方もいらっしゃいますが、弊社ではサイズ交換無料というサポート体制を整えています。一度ご自身のサイズがわかれば、次からは安心してお買い求めいただけますよ。流行に左右されない「一生もの」として、長く大切に履き続けたいというお声をいただくたびに、この道を選んでよかったと感じています。
―もう一点の「ジンバブエコットン・ベルボトム」についても教えてください。
尾崎 ベルボトムは、1970年代に女性たちが自立と自由を求めて駆け抜けた時代の象徴です。当時、ボブソンはこのスタイルを通じて「日本の女性を自由にしたい」という情熱を持っていました。その精神を現代の技術でリバイバルさせたのが、この1着です。岡山が誇る最高級の素材を、最もドラマチックな「赤」で表現したいと考えました。ドレスシャツにも使われる最高級のジンバブエコットンを贅沢に使用し、標準的なデニムに比べ、軽やかでしなやかな厚みの12.5オンスのストレッチデニムに仕上げています。滑らかな肌触りと、脚を長く美しく見せる独自のカッティングは、履いた瞬間に背筋が伸びるような特別な感覚をもたらしてくれるでしょう。



1970年代に一世を風靡した伝説のシルエットを、現代の技術でアップデート。
―「赤」を日常のコーディネートに取り入れる、おすすめの方法はありますか。
尾崎 一見、大胆な色に見えますが、深みのある「上品な赤」なので驚くほど日常に溶け込みます。黒やネイビーのシンプルなトップスと合わせるだけで、落ち着いた大人の華やかさを演出できます。同色のジャケットと合わせてセットアップとして楽しんでいただくのもおすすめです。
実際にお客さまからも、このデニムを履いてアパレルショップへ行った際に、店員さんから服のセンスを褒められたという嬉しいお声をいただいています 。自信を持って「今日は少し冒険したい」という日の主役にしていただきたいですね。


コーディネートの主役になる一本。
―最後に、これからの展望についてお聞かせください。
尾崎 私たちはこれからも、地球環境と共生する持続可能なものづくりを貫いていきます。岡山の自社工場を、若い世代が職人として輝ける場所に成長させ、この素晴らしい技術を絶やさずに守り抜くことが私たちの使命です。また、ダンスや卓球といったスポーツ支援を通じて、ジーンズが持つ「自由」と「エネルギー」を社会へ還元していく活動も大切にしたい。岡山産の「ジャパンデニム」の価値を世界へ発信しながら、単なるメーカーに留まらず、ジーンズの先にある「豊かな暮らし」を提案し続けるブランドでありたいと考えているのです。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「B-1969-XX-J 【岡山産 セルビッチデニム】 ジーンズ Straight Selvedge Denim」
価格:¥33,000(税込)
店名:ボブソン オンラインショップ
電話:086-292-3001(平日9時~17時)
商品URL:https://bobson.jp/products/b-1969-xx-j
オンラインショップ:https://bobson.jp/

「ジンバブエコットン ベルボトムジーンズ レッドカラー/ユニセックス」
価格:¥19,800(税込)
店名:ボブソン オンラインショップ
電話:086-292-3001(平日9時~17時)
商品URL:https://bobson.jp/products/bet-02a-230
オンラインショップ:https://bobson.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
尾崎 博志(株式会社ボブソン 代表取締役)
1956年岡山県生まれ。明治大学商学部を卒業後、ニューヨーク州立大学FIT(Fashion Institute of Technology)のF.B.Mを卒業し、アメリカのアパレルビジネスを学ぶ。帰国後の1979年、株式会社ボブソン入社。大阪支店営業後、本社小売部門、広告宣伝部門、メンズ事業部門、OEM事業部、ノーティカジーンズ部門、品質管理部、総務部、人事部など多岐にわたる部門を経験。2011年、株式会社ボブソン代表取締役に就任し、創業家としてブランドの再取得とD2Cモデルへの転換を主導。2012年持ち株会社であるボブソンホールディングスを設立。2021年には健康社会の実現を目指し株式会社ボブソンソフトアスリートを創設。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井 ちあき 画像協力/ボブソン>




























